2020年1月13日 (月)

◆ベルギー国鉄◆都市近郊用電車

 ベルギー国鉄はオランダ同様にむかしから都市近郊では電車列車が多いのが特徴です。

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ラ・ルヴィエール中央駅で、ラ・ルヴィエール南駅方面に向かう列車を待っていたら、反対側のホームにAM74形電車が来ました。ベルギー国内の直流3kV専用の2両1ユニットの電車です。むかしの日本の半流型の旧型電車にも似ていて親近感がわきます。No.756。

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ラ・ルヴィエール南駅では、同じ型のNo.745の発車を後追い。こちらは片側にしか窓がないタイプでした。いずれもヨーロッパではあまり見かけない、自動連結器装備の電車です。米国由来の技術で設計されているのでしょうか。相当古そうですね。

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同じ駅で奥の線路に今度はAM96型電車が来ました。こちらはベルギー国内直流3kVと隣国フランスの交流25kV 50Hzの2電源に対応した3両1ユニットの電車です。新しいタイプですが、2004年冬にベルギー南部を旅行した際に既にこのタイプは運行していました。妻面には密着連結器のみでバッファーが無く、幌がバッファーの役割を担っているようです。No.466。

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いよいよ自分の乗り込むリール・フランドル行きの電車がやってきました。AM96形No.465。乗車後、国境に近づくあたりから交直デッドセクションがどこにあるのか注意深く観察していました。列車は途中までコルトレイク方面へ向かう路線を走行し、トゥルネから西方向へ分岐する支線に入り、国境を越えてフランスのリール・フランドルへ向かうルートを走行しました。ふつうに考えるとデッドセクションは支線内にありそうな気もしますが、実際にはトゥルネの手前を走行中に車内のエアコンの電源が落ち、2~3分後に電源が入りましたので、おそらくそこがセクションと思われます。さすがに現代の電車はセクション通過中に車内照明が切れるなどということはありませんが、JR常磐線のE531系と同様に、大電力を消費するため蓄電池給電が不可能であるエアコンは切れますので、注意深く音を聞いていればわかりますね。でもそうなると、同じようにフランスからの線路が合流してくるコルトレイクのあたりのどこかにも交直セクションがありそうですが、よく分かりません。

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リール・フランドルでは、TGVの入線する国際列車用のホームに到着。他のホームも含めてすべて頭端式のホームですが、何が違うかというと、国際列車用のホームのみガラス製のゲートと自動改札機が設けられていました。フランスとベルギーは同じEU加盟国同士でありシェンゲン協定を結んでいるため、国境での査証チェックは不要なはずですが、そこは歴史です。かつてベルギー国内の高速新線が未整備だった時代は、フランス・パリやベルギー・ブリュッセルと英国ロンドンを結ぶユーロスターがこの駅経由で運行されていました。英国はシェンゲン協定を結んでいませんので、国境での査証チェックが必要で、パリ北駅同様にゲートが必要になるわけです。もちろん、今回2019年訪問時点では、ユーロスターは全列車が高速新線のリール・ヨーロッパ駅を経由してパリやブリュッセルへ向かいますので、この駅を経由することはありません。このためゲートは存置されているものの機能は無効化され無人状態で、何のチェックもなく駅外に出られました。

次回は、ダンケルクを目指します(世界の車窓風に)

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2020年1月 9日 (木)

■三菱化学酸化エチレン輸送■佐原駅交換(2009)

 黒崎事業所の濃硝酸製造終了が迫っているせいか、弊ブログでも三菱化学のキーワードが含まれた記事のアクセス数が増加しています。2011年3月に終了した鹿島事業所から四日市事業所への酸化エチレン輸送については以前特集しましたが、まだ紹介していない写真がありますので、見つけたら公開していきます。

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特集で少し触れていますが、奥野谷浜発塩浜行きの酸化エチレン輸送列車は、四日市からの空車返却列車と成田線佐原駅で交換するダイヤになっていて、以前すれ違いシーンを狙いに佐原まで行ったことがあります。この日は2009年11月23日、酸化エチレン専用のタンクコンテナを積んだコンテナ車を連結しているはずの返空列車は、EF65形1078号機単機。ガッカリしたのを思い出しました。本当はELの後ろに右手の交換相手と同じ貨車が並ぶはずだったのですが…。

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停車中のコンテナ車を絶好の光線で撮れたのがせめてもの救いでした。この列車は関東では途中停車駅がほとんどなく、日中に長時間停車する新小岩操(2019年現在の新小岩信)は晴れると撮影可能なサイドからは逆光でしたし、鹿島スタはホームに入れるスタジアム臨時停車日のみ撮影可能、南流山はホームの屋根の影がコンテナにかかります。そう考えると、停車中をじっくり綺麗に撮れる意外と貴重なチャンスだったのかもしれません。

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編成は最短で3両、最長7両まで見たことがあります。塩浜駅構内(塩浜-近鉄海山道駅横の専用線分岐間)では、安治川口でタンクコンテナの検査をする都合で1両単位での入換はありましたが、本線走行時は営業列車に併結されていましたので、本線を機関車+酸化エチレンタンクコンテナ貨車1両で走行する「列車」は見たことがないですね。

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この頃は、途中駅で分割併合する列車は、連結切り離しの編成単位で編成両端の貨車に車票と列車指定表示票が入っていました。

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こちらが奥野谷浜発塩浜行き列車の車票と列車指定表示票です。詳しくは以前の特集を参照のこと。

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2020年1月 1日 (水)

■JR九州783系電車■日豊本線の5両編成(2020年元旦)

 1988年の登場以来、鹿児島帰省の都度何度もお世話になってきたJR九州783系電車。世代的に馴染みがあるのは、赤帯を巻きハイパー有明として運行していた時代です。博多―熊本・西鹿児島間の運用が787系に置き換えられた後、リニューアル改造時に内装と車体色が787系に準じたものに変更されましたが、もう銀色期間の方が長くなっていますね。2019年現在、長崎本線・佐世保線系統の特急みどり・ハウステンボスや日豊本線のにちりんを中心に細々と活躍を続けています。近年ではスイッチャーや専用線探訪のついでに撮ったり乗ったりが多く、あまりまともな写真は無いのですが、昨年は珍しく何度か撮る機会がありましたので、紹介します。

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■6013M 特急きりしま13号 2019年8月、鹿児島-鹿児島中央

お盆に墓参りで帰省、この時は城山の裏に行ってみました。鹿児島中央駅からも鹿児島駅からもかなり距離がありますが、鹿児島中央駅前、鹿児島駅前を含め市内各所に無人レンタサイクルスポットが整備され、近年移動の自由度が飛躍的に向上しています(支払はクレジットカード。登録時にスマホのメッセージ機能にて認証するため電話番号のあるスマホ必須)。

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■6006M 特急きりしま6号 2019年8月、南宮崎-宮崎

お盆の移動は日豊本線回りでしたので、宮崎の大淀川橋梁にも。この橋梁は晴れると夕方の下りのみ順光になりますが、運よく曇りのなか午前中の上りを迎えることができました。

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■6006M 特急きりしま6号 2019年8月、鹿児島中央-鹿児島

市内滞在中の朝の上り便。冬場は側面にも陽が廻り順光になる筈なのですが、夏だとこうなりますね。背後の山の麓近くに西南戦争西郷終焉の地があります。

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■5009M 特急にちりん9号 2019年11月、臼杵-津久見

 11月16日土曜日、西大分から延岡までJR貨物のレール輸送用臨時貨物列車を追いかけ撮影した際、折角の景色なので目当ての列車通過後十数分待って783系も撮影。臼杵駅から2.2km程の場所ですが、臼杵町は駅前で9時~17時まで無料レンタサイクルを運営しており、自転車台数も10台以上あるため、おおいに利用したいところです。返却時刻は、貸出時に申し出れば20時まで延長することもできるそうですが、その場合は鍵と自転車はボランティアスタッフではなく臼杵駅の駅員に返却するとのこと(駅窓口営業が20時までのため)。

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■6013M 特急きりしま13号 2019年12月、田野-青井岳

年末は、いわずもがなSL時代からの超有名撮影地を20年ぶりに訪ねました。8月に運行されたサロンカー明星の記事でも触れましたが、JR九州ではここ最近線路沿いの草刈りをほとんどしていないため、綺麗に撮ろうとすればどうしても築堤を避けデッキガーダー橋になりがちです(線路脇に散布する除草剤が農作物に与える影響について、沿線の農協から指摘があったとの話を複数の方から聞いておりますが、真偽のほどは未確認。単なるコストカットかもしれません)。ちなみにこの場所から3分ほど線路に向かって歩いた陸橋脇も、DF50牽引の特急富士や、キハ82系おおよど、485系にちりんなど多くの作品を生み出してきた名撮影地でしたが、線路脇は見事に草生していました。残念です。

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■6529M 2019年12月、宮崎-南宮崎 

特急列車の宮崎ー宮崎空港間は特急料金が不要で、JR北海道石勝線の一部区間同様に特例で青春18きっぷでも乗車できるのは有名ですが(ただし自由席に限る)、この区間では上のように特急形車両を使用した各駅停車も運行されているため、お得感はあまり有りません(苦笑) 宮崎ー南宮崎間は、宮崎以北ー南宮崎・宮崎空港方面の列車と、宮崎ー鹿児島中央方面の列車が両方通過し、かつ宮崎駅と宮崎車両センター間の入出庫回送もあるため、日中でも1時間あたり上下合わせて6~10本程度の列車が走るのが良いですね。晴れた日の午後に、また訪ねたい場所です。

それでは、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2020年元旦

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2019年12月31日 (火)

◆くま川鉄道田園シンフォニー◆KT500形501冬+504夏

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 1989年(平成元年)10月1日に開業したくま川鉄道湯前線は、1924年(大正13年)3月30日に開業した鉄道省湯前線をルーツとする第三セクター鉄道です。木材輸送のために建設された鉄道路線で、昭和42年版全国専用線一覧表によると、荷主は途中免田(現 あさぎり)駅の中球磨林業開発と、多良木駅の多良木町、多良木林業、日南木材が確認できました。物量が多かった免田駅では、国鉄の入換動車を使用していたようです。また専用線ではありませんが、湯前駅南東側に旧営林署の原木材木集積所が開設され、当駅からの鉄道貨車による木材の発送は1974年(昭和49年)まであったようです(湯前線の貨物列車廃止は1980年(昭和55年)6月1日付)。

2019年現在の主たる役割は人吉方面への通学輸送で、現役車両は5両、田園シンフォニーと称する新潟トランシス社製のレールバス・KT500形のみです。5両それぞれが異なるカラーリングを施されています。上は、国の登録有形文化財に指定されている球磨川第四橋梁を渡るKT500形2両編成で、先頭の茶色が「冬」、後方の青色が「夏」と命名されています(2019年12月28日撮影)。

それでは、よいお年をお迎えください。

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2019年12月26日 (木)

◆ベルギー◆NLMK社ラ・ルヴィエール製鉄所の機関車

 2019年5月、ルクセンブルクからベルギーへ移動した翌朝、ICに乗って真っ先に向かったのは、中部の都市 La Louvière(ラ・ルヴィエール)。ベルギーは南部(ワロン地方)がフランス語圏、北部(フランドル地方|フランデレン地方)がオランダ語圏で、ラ・ルヴィエールは名前の通りフランス語圏にある街です。玄関駅ラ・ルヴィエール中央駅から北へ20分ほど歩くと、Gare de La Louvière-Industrielle(ラ・ルヴィエール工場駅、略してGLI駅)があり、道路沿いのグリーンベルトからフェンス越しですが貨物駅を眺めることができます。この駅の北側にはラ・ルヴィエール製鉄所があり、貨物駅自体には荷役設備は無く、GLI駅は製鉄所に出入りする貨車専用の貨物駅です。

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朝9時になるとベルのような警告音が鳴り始め、工場門から貨物駅へ貨車が出てきました。先頭にリモコンを持った運転士が乗っており、最後部から推進している機関車を遠隔制御しています。どんな機関車が押しているのでしょうか。

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ラ・ルヴィエール製鉄所は、1853年に設立された一貫製鉄所で、かつては高炉を擁していました。しかし生産量の減少に伴い1998年にスイスDuferco社に買収されると、2000年代前半に段階的に高炉を廃止しました。2006年、ロシア有数の鉄鋼メーカーNlmkrus(Novolipetski metallourguitcheski kombinat=頭文字を取ってNLMK社、いわゆるノヴォリペツク製鉄) との合弁会社となるも、2011年でDuferco社操業部門は廃止され、以降はNLMK社の担っていた圧延部門のみ操業継続中のいわゆる単圧メーカーです。高炉のある他所の製鉄所からスラブやブルームなどの半製品を仕入れて圧延し、熱延鋼板・冷延鋼板などに加工して需要家へと発送しています。主な需要家は自動車会社や機械製造会社、建設会社などです。2019年現在ではNLMK社の欧州拠点として機能しています。

物流はイン・アウト共にトラックのほかに鉄道貨車と船を用いているようです(製鉄所は圧延に大量の水を使うため海沿いか川沿いに立地しているのがほとんどで、欧州では河川の水運もよく使われています)。参考資料によると、圧延する元になる半製品の調達先は、NLMK社本社所在地である、ロシア。高炉のあるノヴォリペツク製鉄所とのこと。といっても写真の貨車がすべてロシアから(国境で台車交換して)はるばる長距離輸送してきたものであるかどうかは不明です。ロシア国内の港で船積してベルギー最大の港アントワープまで輸送し、陸揚げして貨車に積み当駅まで国内のみの短距離鉄道輸送をしている可能性も否定はできませんが、ノヴォリペツク製鉄所が内陸部にあり港までの輸送に時間を要すること、冬期に港が凍るリスク、そしてロシア国内の鉄道運賃が他国に比べ低く抑えられている点を考えると、全区間鉄道輸送も十分アリかもしれません。

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最後尾から推進していた機関車がこちら。凸型2軸ボギーのディーゼル機関車です。イコライザー台車のような古めかしい台車を履いていますね。停車中にキャブの下を望遠で見てみましたが、凸型センターキャブの液体式DLであれば台枠下にある筈の推進軸が見えないため、電気式ディーゼル機関車の可能性があると思います。欧州の産業用機関車関係の情報が掲載された掲示板をいくつか検索してみましたが、むかしはラ・ルビエール工場駅の北東側(現在は従業員用の駐車場で立入禁止の看板有)から中に入れたようで、機関車停車中に台車の内側を覗きこんだらモーターが各台車に2個ずつ見えたとの記述がありましたので、多分そうなのでしょう。

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製鉄所の機関車らしく、オートカプラー(自動解放装置)を備えています。EU各国の最近のDLは、設計段階から車両入換の遠隔化・自動化を考慮しているものも少なくなく、発注時のオプションで有り無しを選択できるパターンが多いです。もっともこの機関車は古そうなので、後付けの改造かもしれませんが。

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メーカーはよく分かりませんが、掲示板の情報によればベルギー国鉄の機関車のボディや台車を製造しているBeaume et Marpent社製の可能性があるとのことです。戦後GHQが日本に持ち込み残していったGE(ジェネラル・エレクトリック)社製の電気式ディーゼル機関車 国鉄DD12形や八幡製鉄D402にも似たスタイルで、GE44という産業用機関車のシリーズにそっくりです(イコライザー台車の形も含め)。

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入換が終わると製鉄所内に戻っていきましたが、奥にはナンバー違いの同型も居ました。貨物駅に出場可能な機関車は、No.81、82、83のほか2両いるようです。80番台はそれぞれ帯色が異なり、81は青、82は緑、83は赤で遠くからでも識別が可能です。

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この日の朝は工場門から外には出てきませんでしたが、中では黄色のセミセンターキャブの2軸ボギーDLが入換していました。フランスやルクセンブルクのアルセロール・ミッタル系列の製鉄所で見かける機関車によく似ており、同じメーカーの別シリーズかもしれません。もし次回訪問する機会があれば、この機関車が駅に出てくるところも見てみたいものです。この日は、午後から国境を越えてフランス入りし別の製鉄所も見物する予定でしたので、1時間半ほどで現地を後にしました。

次回は、リール・フランドルを目指します(世界の車窓風に)。

<豆知識>
・ラ・ルヴィエール・インダストリー駅の語尾が、industrielではなくindustirelleになるのは、Louvièreが女性名詞であるためです(冠詞がLa)。
・ノヴォリペツクのNovoとは、フランス語のNouveau(ヌーヴォー)、イタリア語のNuovo(ヌオヴォ)と語源は同じで、新しいという意味です。ノヴォリペツク製鉄所は、リペツク(Lipetsk)という街にあります。

  • 参考 「ロシアCISの鉄鋼産業」日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部欧州ロシアCIS課、2013年7月。

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2019年12月25日 (水)

【くろがね線を読み解く】第296回 ■D507整備工場出場

 2019年のお盆休みは鉄道を乗り継ぎながら西へ帰省の旅。途中小倉に宿泊する日の午後、当初は青春18きっぷで在来線乗り継ぎのため夜にチェックインする予定であったが、九州鉄道記念館のイベントでEF81形303号機が展示されるというので、それに間に合うよう急遽新幹線移動に変更、小倉駅に15時頃到着し、荷物を置くため早めにチェックインすることにした。部屋の窓を開けて換気していると、汽笛のような音が聞こえ…

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整備工場から、Y製鉄所小倉地区のディーゼル機関車D507が自力出場してきた。この場所は以前紹介しているが、異なるアングルからは初見となる。窓ガラス越しではない点が素晴らしいが、窓の開く方向は部屋毎に異なるので、ホテルの外から観察するなど下調べが肝要である。北陸重機工業製の45tB-B機で、既報の通り塗装は住金標準塗装からY製鉄所標準塗装に変更済みである。機関車の整備はそう頻繁に実施するものではないので、なかなか珍しい場面に遭遇できたことになる。

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2019年12月15日 (日)

■長野総合車両センター公開■2019年現在の保存車たち

 2019年10月5日、はじめて長野総合車両センターの公開イベントに参加してきました。これまでスイッチャー入換撮影のために何度も足を運んでいる同センターですが、中に入るのは初めてです。

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すでにかなりの国鉄型車両が解体されてしまったなか、まだ残っていた車両の代表格はこちら。ED60形電気機関車1号機です。60番台機関車(いわゆる直流新型電機)の最初のシリーズで、8両製作されました。外観はそれまでの旧形電機とは一線を画すスタイルですが、制御装置は電動カム軸接触器を用いておらず電磁空気単位スイッチ式のままであるなど、いかにも試作的な要素が残っています(電空単→電動カム軸への設計変更はEF62から)。

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外から見える位置によく留置されていたDD16形302号機。種車は5号機です。これは公開前日に撮りました。厚木→長野の相鉄10000系甲種輸送撮影ついでですね(笑)2019年11月7日、スイッチャーに牽引・推進され解体線へ移動してしまったようですが、今後の行く末が気になるところです。本機関車をもって、日本国内で原形を留めているDD16形は動態車も静態保存車もすべて撮れたことになります。台湾高鐵の元20号機と小倉総合車両センターの43号機、福岡の64号機はいずれも現役時代に撮っているので、これにて完了。しかし台湾のは台車が標準軌に変わっているので、とても気になる存在ではありますね。機会があれば撮りたいです。

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展示車両の189系N102編成の入換は前日夕方にクモヤ143-52により行われています。N102編成は今年に入り車籍が無くなっているので、屋外で線路上を動くのは貴重なシーンです。

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いっぽう、湘南色のクモヤ143-52は以前松本運転所にいましたが、2019年現在は長野総合車両センターに常駐しております。車両入換が主な任務ですが、車籍はあるので時々本線を走ることもあるようです。

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189系は運転所区画の建屋内にて展示。「ASAMA」のロゴも健在です。

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E257系との並びも見られました。

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長総の一角には長野総合訓練センターがあり、教育用にカットボディが運転台ごと保存されています。タイフォンがシャッター付ですので形態分類からするとクハ115にみえますが(113系でシャッター付タイフォン装備車は湖西線向けに耐寒構造で落成した700番台、2700番台のみ)、実はタイフォンは後付けで改造されたもので、クハ115ではありません。

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まず運転台に入ると、「113系行先表示器の取扱い 幕張電車区」プレートがあります。表の行先表示も上総湊になっており、113系を思わせます。

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決定的証拠はこれで、マスコンが抑速対応になっていません(ノッチの刻みが惰行よりも反時計回り側に存在しない)。また写真は撮りませんでしたが扉開閉スイッチも半自動操作に対応していませんでした(半自動扱いの鍵穴が無い)。クハ115形は暖地向けを含めてすべて半自動対応ですので、これがもしクハ115なら相当手の込んだ改造をしてクハ111に偽装していることになりますね(苦笑)

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窓上にクハ111-249のシールが貼ってありました。この表記が仮に偽物だったとしても、先述の通り運転台機器の形態から少なくともクハ115でなくクハ111であることは明らかになりました。

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訓練センター建屋内には、元京葉車両センターの205系が教育用に置いてありました。最近の長野地区の電車は211系・E127系など電気指令式空気ブレーキのものがほとんどなので、同じ方式の新しい車両にしておかないと教育になりませんね。ちょうど上写真の立ち位置の左手に、主制御器やブレーキ制御装置の実習用の現物(実際に動作するもの)が置いてありましたが、ブレーキについては電空協調装置も接続されており、機関車牽引での電車の配給時の教育もできるのではないかと思われます。いかにも長総らしい設備でした。

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訓練センターの裏側(以前スイッチャー入換訓練を撮影した場所)には、車両展示スペースも。訓練車として活躍してきた115系(写真中央)は引退し、209系ベースの新しい訓練車(写真左)にリプレイスされます。右手の線路には普段訓練用スイッチャーが置いてありますが、今回はクモユニ143-1が展示されました。

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115系訓練車の種別幕は「ありがとう3代目115系」、特製のものでした。

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入口付近に置いてあったD51 486もピカピカに。

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訓練用のスイッチャーは、クモユニ143-1の後ろに居ました。ここは公開時に死角になりまったく見えない場所で、前日撮りました。

今回の長総訪問では、いつものように長野駅前のビジネスホテルはやめて、湯田中温泉に泊まりました。駅からそれほど遠くない場所に源泉かけ流しの温泉(露天風呂付き)があり、とても癒されました(ツインのシングル利用で一泊¥3,800-はお得)。次回もそこにしようかな。

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2019年12月11日 (水)

■出水駅前の保存SL■C56形92号機

 北九州タ発鹿児島タ行き臨時貨物列車を新水俣から鹿児島まで新幹線で追いかけた際、途中駅でみかけた保存SLを紹介します。

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旧鹿児島本線(肥薩おれんじ鉄道)出水駅前の線路沿いに、綺麗に塗装されたC56形92号機が保存されていました。私はこの駅を中学生の頃から帰省の度に何度も通過したことがあるのですが、駅前にSLが置いてあるのを見た記憶がありませんでした。調べてみると、国鉄吉松機関区にて1973年8月31日に引退後、翌年から米ノ津川沿いにある出水市総合運動公園で保存されていたものの、2006年7月の鹿児島県北部豪雨災害に伴う米ノ津川河川改修事業により撤去の必要が生じたため、駅前に移設されたとのこと。九州新幹線新八代-鹿児島中央間暫定開業が2004年3月13日ですから、移設されたのはそれよりも後ですね。鹿児島本線八代-西鹿児島間を走行していた昼行特急列車のほとんどは出水駅に停車していましたが、その時代にはまだSLはこの場所には無かったということになります。どうりで記憶にないわけです。

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SLの動輪を白く塗るのはあまり好きではないのですが、管理人がいるためか外見上の保存状態は比較的良いです。

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1937年(昭和12年)3月15日 日立製作所笠戸工場製。麻里布機関区新製配置の2年後には吉松機関区に転属して34年間活躍し生涯を終えました。麻里布とは岩国の旧駅名です。

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南九州は線路等級の低い路線が多く、国鉄末期の非電化区間でみると肥薩線・吉都線・志布志線以外はすべて丙線より更に下の簡易線で、主にC56やC12が活躍していました。したがって、無煙化にあたりDE10では走行に制限があるためDD16が集中配備され、鹿児島機関区はDD16形が国内で最も数多く配置された機関区になりました。

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2019年12月 8日 (日)

川崎貨物DB-3観察と黒磯訓練(2019)

 今年6月中旬に小島新田に行った際に塩浜機関区の近くに寄ってみると、外から面白いものが見られました。

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神奈川臨海鉄道所有の入換用機関車DB-3が検査を終え、塗装も終えて最終調整中でした。DB-3は、末広町駅分岐の電機メーカーT社専用側線や浮島町駅分岐の石油元売会社T社専用側線などで構内の入換に使用されている機関車で、普段は外には出てこないスイッチャーです。

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作業のため扉を開放しており、DB-3の側面を敷地外から見ることができました。昭和46年日本車輌製造製、製造番号2772です。銘板を比較的至近距離から見られるのも整備中ならではですね。

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8月お盆前まで何度か不定期で観察しに行きましたが、出場することなく機関区の中に保管されていました。8月下旬に行ってみるといなくなっていたので、お盆前後に出場・回送されたのでしょうね。

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駅に戻りがてら、EF66形27号機が入換中でしたので、貨車を切り離して機廻り中の様子を。このまま臨海鉄道の入換を撮ろうかと思っていると、田端車両センターが不定期で実施している電気機関車の運転訓練(通称:黒磯訓練)が行われているとのことで、東十条へ向かうことにしました。

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牽引機は黒磯寄りがEF81形95号機、上野寄りがEF81形139号機でした。139号機は1979年日立製作所製で、上越国境越え運用を念頭に、主電動機はEF64形1000番台と同じMT52Bに変更、運転台窓上にヒサシ付きで落成しています。のちに、電車牽引(配給)のため連結器が密連・自連の双頭連結器に改造されているのが特徴で、田端に転属後もその特徴は維持されています。よく見ると、先頭の連結器が密連側になっていますね。

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被牽引車は以前はブルトレ客車(24系等)が使用されていましたが、現在は定期客車列車が無いため、カシオペアのE26系や、このように電源車のカヤ27が使用されることがほとんどです。

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2019年12月 2日 (月)

◆ルクセンブルク国鉄の電車◆中央駅での新旧顔合わせ(2019)

 2019年のゴールデンウィーク、ヨーロッパ到着2日目は午後からルクセンブルクの保存鉄道Le Train 1900(ル・トラン・ミルヌフサン)を訪ねました。世界最大の鉄鋼メーカー「アルセロール・ミッタル」社発祥の地、ルクセンブルク。同社のルーツの鉄鉱石鉱山跡が観光地化され、上部軌道が鉱山博物館、下部軌道がボランティア運営の観光鉄道Le Train 1900として、いずれも鉄道車両の動態保存活動が行われているのです。毎年メーデーの5月1日が年初のオープニングデーです。

2019年現在Arcelor Mittalの本社はルクセンブルクにありますが、これはMittal Steel社と合併する前のArcelor社が、ルクセンブルクのARBED社、スペインのACERALIA社、フランスのUSINOR社の3社合併により誕生したためです。ARCELORの名は、3社の文字から数文字ずつ取ってつくった造語です(もちろん本社所在地の選定には税金対策も重要ですが)。ルクセンブルクにあるのは元祖ARBED社の鉄鉱石鉱山跡です。ARBEDの名は、古いレールに精通している方には知られているかもしれませんが、ARBED社の製鉄所は棒鋼・形鋼の生産を得意としており、現在ではルクセンブルク国内に高炉はありませんが鉄道用レールの製造拠点(単圧メーカー)があります。

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イベントの帰りに、ルクセンブルク中央駅へ戻ってくると、CFL(Société Nationale des Chemins de Fer Luxembourgeois=ルクセンブルク国鉄)の汎用電車新旧並びが見られました。ルクセンブルク国鉄の形式は、1000番台以下が内燃車(ディーゼル機関車やディーゼルカー)、2000番台が電車、3000番台以上が電気機関車です。ルクセンブルク国鉄のかなりの区間はフランスの影響を受けて交流25kV 50Hzで電化されており、右の2000形は交流25kV専用の電車です。フランスを旅行された方には馴染みの顔かと思いますが、フランス国鉄の交流25kV専用車Z11500形の同型車です。左の新型2300形は、交流25kVに加え、隣国ドイツの交流15kV 16 2/3Hzも走行可能な2電源対応の電車で、国境を越えドイツ・トリアーまで直通できます。

 

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ルクセンブルク中央駅には、南側からフランス国鉄の電車も直通してきます。Z24500形と思われます。

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