2017年3月20日 (月)

★北総鉄道9000形★さよなら運転

 2017年3月20日月曜日、北総鉄道9000形電車のさよなら運転が実施されました。京成3500形未更新車のさよなら運転も記憶に新しいところですが、やはりせっかくのご近所ネタですし、ちょうど土曜日から北総1日フリー切符(¥1,000-)の発売も開始されましたので、早速活用して撮りに行ってきました。

北総鉄道9000形は、住宅・都市整備公団が開発した千葉ニュータウンの足として1984年に開業した同公団千葉ニュータウン線用の車両で、当初は住宅・都市整備公団2000形としてデビューしました。北総開発鉄道(現 北総鉄道)2期線開業に伴う京成電鉄・東京都交通局・京浜急行電鉄との5者直通運転開始後、直通先の京急2000形と形式の重複を避けるため、現在の9000形へと改番されました。

なお、2004年に住宅・都市整備公団が鉄道事業を廃止した際、2000形車両を含む鉄道資産はすべて京成電鉄の100%子会社である千葉ニュータウン鉄道に譲渡されましたので、千葉ニュータウン鉄道9000形という呼称も間違いではありません(北総鉄道保有車両は、京成からのリース車を含めて7000番台の形式を名乗っていますので)。

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さよなら運転は印旛車両基地を起点として、以下の行程で午前午後の合計2回実施されました。

  • 印旛車両基地(撮影会後発車)→印西牧の原→矢切→印旛日本医大→印西牧の原(解散)

運転より撮影会が先なので、最初の列車が来るのは11時過ぎですからのんびり行きましたが、駅端はどこも人が多かったです。特に2期線区間は半地下構造の駅が多く撮影できる場所が限られるため、尚更です。

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直線区間の駅はキャパが無いので、アウトカーブを正面から狙える駅を選び、なんとか成功。急行灯点灯が素晴らしい! さよなら記念ヘッドマークは、前後ともデザインは同じですが上り側は「さよなら」、下り側は「ありがとう」と変化をつけています。ヘッドマークのまわりにある金色のフサフサ飾りが風を受けてキラキラするので、電飾のようで綺麗でした。

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食事後、午後は1期線区間で俯瞰狙いです。最近は、地図上で日時を指定すると日差しの向きを正確に描画してくれるアプリがあるので便利ですね。車体をよく見ると、側面に住宅・都市整備公団のマークが入っていますね。なかなか粋なことをするものです。

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返しは、2年前に7260形の引退間近に撮りに来た場所で。奇しくも2年前と同じく、3連休最終日のさよなら運転でした。

●北総線内

北総線内では、過去に9018Fを撮影しています。記憶が確かであれば、開業が迫った成田スカイアクセスの試運転を撮りに行ったついでだったと思います。

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こちらは去年2016年の冬の9018F。

●京急線内

 実は京急線内の快特運用はあまり撮っていないのですが、滑り込みで平日昼休みに1回だけ撮れました。

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京成・北総沿線利用者はよく分かると思いますが、北総車のN運用(運行番号の末尾N)は、京成線内では各駅停車になることが多く、たとえ通過駅のある列車に充当されても京成の慣例で日中は急行灯を消灯していることが多いのです。したがって、急行灯点灯写真を撮りたければ京急沿線へGo!なのです。

●北総春まつり

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 こちらは過去記事掲載写真の再掲です。北総春まつりのヘッドマークは掲出期間も長いので9018Fに掲出された姿も記録していました。

●馬込車両基地公開時の車両展示

 こちらは、2015年の東京都交通局馬込車両基地の公開時の様子(過去記事写真の再掲)。先月2017年2月に引退した京成3500形未更新車、昨年2016年2月に引退したAE100形、今回引退の9000形9018Fが一堂に会し、ハッピーイエロートレインに大江戸線12-000系、E5000形電気機関車と、いまにして思えば贅沢な並びでしたね。

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2011年公開時はこのような並びでした。いまは亡き9000形9008F、芝山鉄道3600形と北総鉄道7260形(いずれも京成からのリース車)でいずれも消滅済みの存在。懐かしいです。

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背後に回るとなにやら不思議な幕を表示していました。芝山鉄道3611が普通東中山行き、北総9001が特急金町行きです。イベントならではですね。

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2010年の並びは、当時はやっていた京成3300形リバイバルカラー赤電がメインで、北総9000形は脇役でした。

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こんな並びもちょっと前までは当り前のように見られたのですが、過去帳入りしてしまいました。

●ほかにも色々と消滅

 Twitterでチョット話題になりましたが、今回9000形電車が引退したことにより、都営浅草線へ直通する最後のツー・ハンドル車(マスコンとブレーキハンドルが別構成になっている運転台を持つ車両)が姿を消したことになります。京成グループで同じ界磁チョッパ制御方式の車両としては京成3600形がありますが、こちらはブレーキ方式が電気指令式空気ブレーキですから当然ワン・ハンドル車です。9000形がツー・ハンドルなのは、ブレーキ方式が電磁直通ブレーキだからです(だって、ブレーキ指令が電制・空制で分離しているならワンハンドルにする意味がありませんから)。ワン・ハンドルマスコンというのは、単なる流行ものではなくて、電気指令式ブレーキ方式の採用と密接に関連しているわけですね。

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2017年3月19日 (日)

■東邦亜鉛号■小名浜定修明けの安中行貨物列車

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■EH500-4に牽引される安中行貨物列車。この日の貨車はタキ12両+トキ5両 2017年3月18日

 非鉄金属メーカーT社小名浜精錬所では、2017年3月12日から31日まで定期修理が実施されています。定期修理入りの前後から、安中行貨物列車にタキ車が連結されない日が続いていましたが、今週末頃から徐々に元に戻りつつあるようです。18日土曜日に運行された列車は、タキ12両+トキ5両と、ほぼ通常通りの編成に復しています(通常はタキが最大12両+トキが最大6両)。これまでの経験上、定期修理期間が終わるより早く貨物列車の編成が通常通りに戻ることが多いので、今回も同様と思われます。

なおこの日の牽引用機関車には、2次形特有のブラックフェイス+濃い赤色を纏ったEH500形4号機が充当されました。

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2017年3月13日 (月)

【くろがね線を読み解く】第243回 ■レール臨貨8159列車

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■8159レとして単機で黒崎到着後、西八幡から150mレール積載チキ車を牽引してきたED76 1019 2017年3月4日

 2015年3月のダイヤ改正で登場した、レール輸送臨時貨物列車8159レ。北九州貨物ターミナルから黒崎まで、150mレール輸送に使用された空車の貨車を返却する列車である。黒崎からは、コンテナ貨物列車150レを牽引して北九州タへ戻る。

 いっぽう、この列車は上写真の通り、レール発送前入換にも使用されている。8159レで門司機関区から黒崎まで単機回送された機関車は、黒崎から西八幡へ向かい、150mレールを積んだチキ車を牽引して黒崎へと戻ってくる。150mレールが発送されるのはこの入換の翌日なので、黒崎でチキ車を切り離すと、所定通りコンテナ貨物列車150レを牽引して北九州タへ戻っていく。

150mレールを積んだ貨車の西八幡から黒崎への出場入換は、チキ車が9両編成の場合、発送日の朝の171レ→170レの間に実施される(牽引機はEH500形所定)。しかしチキ車が18両編成の場合は、発送前日夕方の8159レ→150レの間にまず9両引き出され、発送当日朝の171レ→170レで残りの9両が引き出される。したがって、上写真の入換は、チキ車が18両編成で発送される日の前日にしか見ることはできない。

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■8159レ黒崎到着後入換で西八幡へ150mレール返空チキ車を牽引してきたEF81 304 2015年8月28日

 8159レは、EF81形やED76形が充当されることもあるため、注目の列車である。

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2017年3月10日 (金)

【くろがね線を読み解く】第242回 ■E8502牽引の常態化

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■戸畑第一操車場を発車するくろがね線の列車。
 牽引機は85ED-1形電気機関車E8502、
 後方の緩急車は70DD-3形ディーゼル機関車D705. 
2017年3月、北九州市。

 2017年3月上旬、およそ半年ぶりに戸畑・八幡を訪れた。くろがね線の貨車牽引に使用される電気機関車は、もう長いことE8502に固定されている。以前の記事で紹介したE8501は、折角塗色変更されたにもかかわらず、ここ数か月間ほとんど使用されていないようだ。今後、E8502が全般検査に入る際は、ディーゼル機関車によるプッシュ・プル運転が見られると思われるが、E8501の去就にも注目である。

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2017年3月 8日 (水)

★鉄道博物館DD13形1号機★展示線への移送入換

 2017年2月25日土曜日、大宮総合車両センターで保管されていた国鉄DD13形液体式ディーゼル機関車の1号機が、鉄道博物館の屋外展示スペースまで移送されました。DD13 1は、鉄道博物館の開館以来屋内で展示されていましたが、ムーミンことEF55形電気機関車の展示スペースを確保するため、2015年4月11日以降、大宮総車セで保管されていたものです。今月18日より、従来キハ11が置かれていた屋外展示スペースで公開されることが決まり、大宮総車セから再び鉄道博物館へと移送されることになりました。

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 今回は有難いことに鉄道博物館のプレスリリースがあり、入換作業が10:00~10:30に予定されていることが事前に分かっていました。大宮総車セから鉄道博物館展示スペースへの移送は、試運転線(大宮で全般検査したSLの出場前の試運転を行う線路)経由となるため、必然的に一旦大宮駅ホーム近くまで顔を出すはずです。というわけで、適当に9時半頃行けば撮れるだろうと思い現地に着いたところ、既に入換は始まっていました。後追いで上のような写真しか撮れず……こう派手に失敗すると、追いかけてもう1回くらい撮りたくなりますね。

駅の東口を出て北銀座を抜け地下道をくぐると、

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踏切の手前で一旦停止していました。しばらく動かないようなので、

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先頭側にも廻り込んでみました。手前の高崎線の線路と試運転線の間にフェンスがありますが、

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踏切の部分だけはフェンスが無いので撮れるんです(当たり前か…苦笑)。とりあえず追いついて撮れたので満足しましたが、渡った後すぐにまた停止してしまいました。もしかして、、歩いて追い越したらまた撮れるかも?? ダメ元で先へ進んでみます。

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するとうまい具合に先回りできました。DD13 1を推進しているオレンジ色の小型機関車は、大宮総合車両センターの車両入換用動車のOM-1です。

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今回のベストショット。バックには鉄博で屋外展示されている183・189系電車の姿も見えますね。このポイントを通過した時点で、まだ入換開始予定の10時まで10分以上時間がありました。そこで、更に先へと進んでみることにします。

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試運転線の終端付近まで行くと、待機中のOM-1+DD13 1の姿が見えました。

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その大宮駅寄りには、従来より展示されていたキハ11 25の姿も。

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10時を過ぎると、いよいよ展示線への入換が始まりました。

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分岐器を渡り、試運転線から鉄博内の展示線へ転線します。DD13の手前にあるフェンスが、大宮総車セの試運転線と鉄博の敷地の境界です。

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OM-1の推進でDD13 1はキハ11 25へ接近します。

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DD13 1の障害物無しの形式写真が、やっと撮れました。これだけでもここまで来た甲斐がありました。

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DD13 1とキハ11 25を連結します。

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連結後、大宮駅の方に向かってゆっくり動き出したので、どうするつもりなのかと思いましたが、20mほど進んだところで折り返し、元いた場所へ押し込んでいきました。

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最終的にこの位置まで押し込み。ニューシャトルと北陸新幹線が並んでお出迎え。

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キハ11 25を切り離すと、

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少し離れた場所でDD13 1も切り離し、

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OM-1は2度スイッチバックして大宮総車セへと戻っていきました。今回は、事前に鉄博自ら情報を開示していただいたおかげで、入換シーンを堪能することができました。この場を借りて御礼申し上げます。

この後、来た道を大宮駅まで2.5km歩いて戻ったのですが、よく考えたら鉄道博物館駅からニューシャトルに乗ればすぐ戻れたんですよね(苦笑) そんな単純なことにも気づけないとは……疲れていたんでしょうか。。

●DD13のイコライザー台車

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DD13 1が装備する、初期車特有のイコライザー台車。この台車は、数年前まで北旭川貨物駅の石油専用線の入換に使用されていたDD13 40と同タイプで、専用線好きにもお馴染みの形態ですね。

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2016年12月 7日 (水)

【関東鉄道】のんびり乗車会&DD502撮影会

 2016年5月21日、関東鉄道で先着100名限定事前応募制の『のんびり乗車会&DD撮影会』が開催され、参加してきました。毎年11月のイベントで公開されている水海道車両基地とDD502ではありますが、光線の条件が良い5月に、人混みのなかギスギスせずに撮れるのが魅力です。

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 ツアーの集合場所は守谷駅で、フリー切符などのチケット類もそこで手渡しでしたので、守谷まではつくばエクスプレスで向かいました。フリー切符を最初から郵送してもらえれば、朝イチで取手から乗っていたところなのに勿体ないです。やってきたのは310形3両編成(313+316+314)の臨時急行「つくばね」。

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つくばねは常総筑波鉄道土浦-筑波間でキハ500形により運行されていた急行列車ですから路線が違いますが、いわばその復刻版と言えるでしょうか。

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車内にはこんな掲示もありました。3両編成の1両目と3両目にツアー客が50名ずつ乗り、中間の2両目は物販専用車両になっていました。定員的にも全員ロングシートにゆったり座れて快適でした。

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途中停車駅は撮影タイム。下り先頭側には、常総筑波鉄道時代に実際に使用されていた木製のヘッドマークが取り付けられていました。

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普通列車とすれ違うと……なんと「普通」のヘッドマークが。。ツアー客を楽しませてくれる企画でいっぱいです。

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別の駅ではちょうどいいところに跨線橋があったので、俯瞰してみました。

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そして車内ではいよいよお弁当とお茶の配布。DD502の容姿をイメージさせる「豚めし」。なかなか美味しかったです。

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列車は守谷から水海道を通り過ぎて下妻まで行き、折り返します。折り返し待ちの間、キハ0形がやってきました。車内放送によると、普段は土日に運用に就くことはないそうですが、この日はイベントのためにわざわざすれ違う列車の運用に充当したとのこと。中小私鉄はこういった部分のフットワークが本当に素晴らしいですね!

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そしていよいよキハ310形が番線変更をします。乗りっぱなしでお弁当を食べても良し、下車してこのように写真を撮るもよし、好きなように楽しめます。

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下館側でスイッチバックして下妻駅ホーム3番線へ入線します。上り側のヘッドマークはステッカーでした。

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なんどか列車をやり過ごすと、ふたたび引き上げて2番線へ入線します。このイベントは、ツアー料金にフリー切符代が含まれており参加者全員がフリー切符保持者なのですが、なぜか改札外には出ずにホームの端っこに集結する人々が多かったですね。撮り鉄ならふつう改札外に出ますけど、どうも乗り鉄が多い印象ですね。

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地方私鉄では最近アテンダントの姿をよく見かけますが、関東鉄道のアテンダントのこの方、本業が大学の学芸員というインテリガールなのです。関鉄レールファンCLUBの方が、発車待ちの時間を利用してプチ撮影会を企画してくださいました。

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水海道車両基地に到着し、いよいよ撮影会の開始。会場へ向かう経路上に、つくば号のヘッドマークが保管・展示されていました。

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水海道車両基地は水害を乗り越え復旧し、むかしながらの姿を見せていました。

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そして乗車してきたキハ310形、DD502、キハ100形の並びも綺麗に撮影。

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天気が良いのがなによりです。

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DD502は、日本ではまだ大型ディーゼル機関車が量産されていなかった1956年(昭和31年)10月に日本車輌製造で製作された2軸ボギーのディーゼル機関車です。エンジンは振興DMH35S(450PS/1300rpm)を搭載し、動力は2台あるボギー台車の内側車輪へ伝達され、外側の車輪への最終動力伝達はロッド駆動によります。

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エンジンは1971年2月にDMF31SB(500PS)に換装されました。自重は36tです。動輪径は、登場当時の国鉄の電車と同じ910mmで、のちの液体式ディーゼル機関車や、新性能電車・気動車・客車・貨車標準の860mmより大きい値です。

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離れた位置からサイドビューも撮れました。

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粋な計らいでボンネットカバー全開の貴重な姿も。

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裏側に留置してあったキハ310形が移動され、反対側からの撮影チャンスも設けられました。こちらから撮っていた参加者は10名もいなかったと思います。勿体ないですね。


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一瞬薄ーく曇りかけた隙に、逆光側からも。これで4方向すべて形式写真が撮れました。毎年11月のイベントでは、参加者が多いうえに片側しか撮れないことも少なくないので、こういった機会を設けて下さるのは大変ありがたいです。

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DMS31SBが収められたボンネット内部。そしてその下には、カウンターウェイトが車輪の外側に取り付けられた特徴的なロッド駆動の板台枠台車。

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クラシックなスタイルの前部標識灯。

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床下にはATS車上子も健在。DD502を余すところなく存分に堪能することができました。

●新型軌道モータカー

 関東鉄道水海道車両基地には、今年に入ってから新しい保線用軌道モータカーが導入されました。

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もとは1987年(昭和62年)12月20日に帝都高速度交通営団(現 東京メトロ)の船橋軌道区(地下鉄東西線の保線区の一つ)に導入されたものです。2006年(平成18年)8月に東京メトロから東葉高速鉄道に譲渡され、東葉高速鉄道で約10年使用後、2016年(平成28年)3月24日に関東鉄道常総線に譲渡されました。水海道車両基地に納入後、関東鉄道仕様に改造され、5月12日に竣工しています。

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◆諸 元

  • 自  重 : 20.000kg(20t)
  • 型  式 : WD-H20CA
  • 機関番号: E120T518170
  • 製造年月: 1987年12月
  • 製造者 : 堀川工機
  • 製造番号: 2064
  • エンジン: 水冷4サイクル直接噴射式ディーゼル(総排気量12.023cc)
  • 燃料タンク:ディーゼル燃料(軽油)180リットル
  • クレーン仕様:3段式 最大2.5t吊り上げ可能

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2016年11月 1日 (火)

◆山陽電鉄◆東二見車両工場の保存車

 2016年10月最後の週末、関西では複数の鉄道事業者により車両基地・車両工場の公開イベントが実施されました。今年は、まだ中に入ったことのない山陽電鉄東二見工場と、無蓋電車モトを集結させるらしい近鉄五位堂検修車庫、塗装変更された入換車のいる高安検車区の公開が同一日に設定されたため、トリプルヘッダーしてきました。

東二見の車両展示は午前中順光、五位堂は午後順光であることに加え、開場前後の行列が最も短いと想定される準大手私鉄の山陽電車から先に回った方が時間が節約できるとの算段から、まずは東二見を訪れました。

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駅から徒歩5分で会場入口の門へ辿りつきます。入ってすぐに206号車が出迎えてくれますが、

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この保存車、どの角度から撮っても如何ともし難い場所に障害物があり、まともに撮ることができません。

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せっかく綺麗に保存されているのに、置いてある場所が悪すぎます。

 山陽電鉄は元々、明石を境に東は兵庫電気軌道、西は明姫電気鉄道(のちの神戸姫路電気鉄道)という別会社でした。東の会社は姫路方面へ、西の会社も社名の通り神戸方面への延伸を目指し、それぞれ免許取得を画策していた時期もありましたが、両社とも宇治川電気に買収されて1本に繋がることになりました。この200形は、宇治川電気から独立して山陽電気鉄道となってから最初に登場した形式です(機器類は兵庫電軌22号~28号の再利用)。200形は戦後に改番を行っているのですが、この車両は205号として製造されたもので、206というのは改番後(廃車時)の車番のようです。この206は、車籍を失った後も暫くは東二見工場の入換用として使用されていたため、引退後に当地で保存されることになったようです。

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206号車のイコライザー台車。

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先へ進むと、今度は遷車台(トラバーサー)に乗せられた5000系と牽引用アントがいました。

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関西の私鉄・地下鉄はレール軌間1,435mmの標準軌を採用している路線が多いため、必然的に入換動車や入換用アントも標準軌の製品が納入されています。

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90度左から見るとこんな感じです。

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銘板も確認することができました。型式はANT22G-BWとのことです。2009年9月導入なので結構新しいですね。

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そして奥では、新旧車両が一堂に会していました。左から6000系、5000系、2000系、3000系です。

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素晴らしい天候の下、この並びを見られただけでも、わざわざ東京から行った甲斐がありました。

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こちらは当車両基地の保存車、アルミ製の2000系(2012-2505-2013)です。2000系には、鋼製・ステンレス製・アルミ製の3種類があり、更に鋼製車とステンレス車にはそれぞれに2扉車と3扉車があるためバリエーションに富んでいます。このアルミ車は、川崎車輌(現 川崎重工業)がアルミ製車両製造技術を確立するための試金石となった、貴重な車両です。

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その成果は、山陽電車の「顔」とも言える右の3000系電車の車体設計にフィードバックされています。もっとも以前の記事で紹介したように、3000系は一時高価なアルミ車体をやめて鋼製で製造されていた時期がありますので、なかなか道は険しかったようです。

目的は果たしたので、東二見は1時間あまりで切り上げ、次なる目的地、近鉄五位堂検修車庫へと向かいました。

(つづく)

●おまけ

 東二見車両基地の西端には、公開されない保存車?がひっそりと留置されています。

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こちらは2013年8月に車両基地の西側の公道から撮影したもの。手前は先程の保存車と同じ2000系ですが、アルミ製ではなくステンレス製のサハ2506号です。その奥にいる鋼製車は救援車の1500号で、元3000系サハ3550号からの改造車ですが、元は2000系鋼製2扉車を3扉化のうえ3000系へ改造編入した車両です。今後はこの2両もぜひ展示してほしいですね。

【注意】
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2016年10月20日 (木)

★福岡市営地下鉄★姪浜車両基地の入換用機関車

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 もう5年前になりますが、2011年10月30日に福岡市交通局姪浜車両基地にて地下鉄フェスタin姪浜が開催され、入換用機関車や保線車両などが展示されました。地下鉄フェスタは毎年七隈線の橋本車両基地にて開催されていますが、5年に1度だけ、ここ姪浜で開催されます。

Meinohama201102

姪浜車両基地と言えば、検査車両の入換にバッテリー機関車が使用されてることで知られ、一部のマニアにはホットなスポットです。2011年訪問時は、展示されている他の保線車両とは異なりバッテリー機関車の車両諸元の説明パネルが無かったので職員の方に訊いたところ、いろいろ紆余曲折のうえ、最終的にメーカー納品時のガリ版刷りの資料を拝見することができました。その成果は、鉄道ピクトリアル2012年2月号で発表済みですが、雑誌の方はほかの機関車の諸元とメッシュを揃えるために掲載せず捨てているデータがあるので、この機会に調査したデータを一通り発表しておきましょう。

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■福岡市交通局 車両入換機 (バッテリー機関車)

  • 型  式  :  BL30-MR-SCR-1067
  • 自  重  :  30t
  • 車軸配置 :  B
  • 牽引力  :  定格3,000kg 最大7,500kg
  • 速  度  :  定格14km/h 最大25km/h
  • 車体番号 :  NO4402001
  • 製造年月 :  1980年1月
  • 製造者  :  日本輸送機株式会社
  • 製造番号 :  4402001
  • 全  長  :  8,000mm(連結面間)
  • 全  幅  :  2,750mm
  • 全  高  :  3,600mm(ライト含む)
  • 最少曲線半径:40m
  • 主電動機出力:62kW(全閉型)×2個 (端子電圧224V)
  • 制御方式 :  回生ブレーキ付サイリスタチョッパ制御
  • 蓄電池  :  VCI-9C 鉛蓄電池 (240V)
  • 蓄電池容量: 612Ah/5hr × 2(前後のボンネット内に各1個ずつの意)
  • 蓄電池電槽数:120個 × 2並列
  • 充電器電源:  三相交流440V60Hz
  • 充電時間 :  8時間

※独自調査による。無断引用・転載禁止。

Meinohama201104

また一際目を惹いたのがこちら。東京メトロより譲渡されたモータカーです。東京メトロでは何かの測定用に使用されていたらしいとのことでしたが、福岡市営地下鉄ではバラストトロッコの牽引など専ら機関車として使用されているそうです。

  • 全 長 : 8.3m
  • 全 幅 : 2.76m
  • 全 高 : 3.85m
  • 自 重 : 22t
  • 機関出力: 272ps
  • 型 式 : MR1551
  • 製造者 : 松山重車輛工業
  • 製造年月: 1996年(平成8年)3月
  • 製造番号: 102427

※この車両は2013年に新型軌道モータカーによってリプレイスされ、現存しません。

Meinohama201105

いっぽうこちらは、車両入換機と同じニチユ製の蓄電池駆動の電気測定機です。

  • 全 長 : 8,000mm
  • 全 幅 : 2,600mm
  • 全 高 : 4,100mm
  • 自 重 : 約13t
  • 主電動機出力:14kW ×2台
  • 走行速度: 最高35km/h(単車)、最高6km/h(作業台運転)
  • 主な検測機器:ATC受信機、ATO送受信機、列車無線送受信機、データ無線送受信機
  • 製造者 : 日本輸送機
  • 製造年月: 2005年3月
  • 製造番号: 不明(製造番号位置に刻印無し)
            ただし銘板右下端に12403 00060の陰刻あり

他にも保線車両は展示されていましたが、すべて紹介すると訪問する楽しみが減るのでこの辺で。今年も10月23日に開催される予定です。

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2016年10月16日 (日)

■EF200形901号機■日立製作所水戸事業所へ

 運用から離脱しJR貨物吹田機関区に留置されていたEF200形電気機関車の試作車である901号機が、2016年10月6日から16日にかけて、吹田貨物ターミナルから常磐線の日立駅まで輸送されました。日立駅からはトレーラーに載せ替えられ、日立製作所水戸事業所内へ搬入されることになっています。今年のイベントでED78保存に関わったOBの方がEF200を持ってきたいと仰っていたので、いつか来るのだろうと思っていましたが、想像以上に早く、驚いています。

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EF200形は出力6,000kWを誇る日本最強の機関車で、主に東海道・山陽本線の高速コンテナ貨物列車の牽引に活躍してきました。しかし、バブル崩壊に伴う輸送量の減少と変電所容量の問題から、試作車である901号機を含む全機が出力を落として運用されており、晩年は低速の専用貨物列車や甲種輸送列車などにも使用されるようになっていました。

上写真は、2015年7月20日に東淀川で撮影した901号機牽引の2077列車です。所定では吹田機関区のEF210でしたが、なぜかEF200-901に差し替えられてきました。901号機と量産型の見分けポイントは、屋上の集電装置の間に並んだ箱型の機器類の高さの違い(901号機の方が高い)や、運転台屋根上のRの違い(901号機が平らなのに対して量産型の方が丸みを帯びている)などです。こちらの量産型の写真と、上の写真を、よく見比べてみてください。

●吹田タ→日立の輸送

 EF200-901は、吹田タから稲沢までは10月6日発の8864列車で、稲沢から新鶴見(信)までは10月12日発の5090列車で、いずれも牽引機関車の次位に連結され無動力回送されました。

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新鶴見(信)から日立までは、回送ではなく、甲種鉄道車両輸送として扱われました。

Ef20090121

10月14日に新鶴見機関区で川崎車両所塩浜派出手配の要員により特殊貨物検査が実施されています。甲種鉄道車両輸送の輸送番号は甲151だったようです。

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新鶴見(信)からの輸送は10月15日に水戸まで、16日に水戸から日立まで実施されました。

Ef20090112

当初は新鶴見(信)を正午頃に発車するということしかわかりませんでしたが、DE10の最高速度は85km/hのため、10分毎に運行されている武蔵野線の電車と並行ダイヤを組むことは不可能で、途中の貨物駅(おそらく新座タと越谷タ)で運転停車すると踏んで、追いかけました。

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沿線には鉄道マニアが多く見られましたが適度に分散していたので混乱はありませんでした。

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こちらは藤代。2016年現在では貨物扱いの無い駅ですが、中線があるため旅客列車の待避が可能です。

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後追い。

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30分ほど停車するので電車で先回り&タクシーで陸橋へ。夕暮れの常磐線を下ります。

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駅へ戻り後続列車で羽鳥へ。ここでも長時間停車するので、

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駅外に出て発車を見送りました。製造元への里帰りとなる甲種輸送が土曜日に実施されたことに感謝したいですね。平日だと追いかけるのは到底不可能でしたので…。

●なぜ日立駅?

 日立製作所水戸事業所は、以前の記事で紹介したようにかつて勝田駅に連絡する専用鉄道を擁していましたが、現在では事業所内の線路がかなり剥がされており、オンレールでの輸送ができません。EF200-901が、最終目的地の最寄である勝田駅を通り過ぎ、日立駅まで行ってからトレーラーに載せられて戻ってくるのはそのためです。また牽引する機関車が、EH500形交直両用電気機関車ではなくDE10形ディーゼル機関車になる理由は、日立駅構内でEF200-901をトレーラーに載せるためにクレーンで吊り上げる必要があり、入換用ディーゼル機関車の配置されていない日立駅で、架線の無い荷役線にEF200を押し込む必要があるためと思われます。

Ef20090122

 日立駅では、普段貨物列車が荷役する線路はフォークリフトがコンテナを積み下ろしする場所ギリギリまで架線が張られ、電気機関車でコキ車を押し込むことができるようになっています。しかしクレーンで持ち上げるとなると、電気機関車が押し込める範囲では架線が近すぎて危険なのでしょう。このあたりの事情は、常陸多賀発着の特大貨物列車の牽引機が、常陸多賀駅構内の非電化側線での入換が必要なためにDE10になっているのと似ていますね。

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2016年10月10日 (月)

【くろがね線を読み解く】第241回■150mレール輸送列車 東鷲宮行き

 鷲宮保守基地は、JR東北本線東鷲宮駅に隣接する東北新幹線用の保線基地である。東北新幹線で使用されるレールは、鷲宮保守基地内にある大宮新幹線保線技術センターまで在来線経由で貨車で運ばれてくるが、前回の記事で述べたとおり、2016年度より、レールの発送元がJR東日本東京レールセンター(越中島貨物駅)からY製鐵所(黒崎駅)へと切り替えられた。

鷲宮保守基地は、東北新幹線開業30周年を迎えた2012年より、毎年鉄道の日に合わせて10月に一般公開を行っている。例年は10月中旬に開催されることが多かったが、2016年はY製鐵所からの150m長尺レールの到着が10月上旬に控えているためか、10月1日(土)と早めに開催された。大宮新幹線保線技術センターのレール取り卸し設備は、敷地外からは綺麗に見えないため、観察するには一般公開が絶好の機会となる。

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 早速訪れてみると、今年1月に観察した時と比較して、門型クレーン6基がすべて新しいものに交換されていることに気付いた。職員に訊いてみると、Y製鐵所からの150mレール搬入に備えて従来のクレーン(新旧各3基)をすべてリプレイスしたとのこと。もちろん最新型なので、一人で6基を同時に制御(同期制御)もできるし、個別制御も可能とのこと。自慢の新型クレーンは、奥の高架線を走る東北本線上り線の車内からも、よく見える。

Higashiwashinomiya05

在来線(軌間1,067mm)の線路を走行する貨車入換用の軌道モータカーも、従来のTMC200C(一番右端)に、新たな仲間が2両が加わった。一番左は新潟トランシス製TMC400Bで、2008年頃よりJR東日本の保線基地に大増殖しているタイプである。真ん中の東北新幹線E5系のような塗装の機種は、富士重工製TMC400Aで、TMC400Bが登場する前に主にJR東日本管内の各地の保線基地にいたタイプである。いずれも、後位側にクレーンなどの装備はなく、入換動車のようなスタイルである。

Higashiwashinomiya06

前回の記事で詳細をお伝えできなかったTMC200C。車体表記によると、諸元は以下の通りであった。

  • 型  式 : TMC200C
  • 製造年月: 1976年(昭和51年)2月
  • 製造所 : 富士重工
  • 製造番号: 695
  • 管理番号: 51  02-6078
                08-16

水平線では荷重160tを45km/hで、10‰では110tを20km/hで、25‰では60tを15km/hで牽引可能である。

 このように、大宮新幹線保線技術センターは、レールを積んだチキ車を入れ換えるための軌道モータカーと、レールを取り卸すためのクレーンを更新し、150mレール受入態勢を整えていた。

●黒崎発東鷲宮行き150m長尺レール輸送列車、ようやく運転

 2016年10月3日月曜日、黒崎駅を10:45に170列車として発車したのは、JR東北本線東鷲宮行きの150mレール輸送列車であった。北九州貨物ターミナルからは8090列車として山陽本線・東海道本線を東進し、10月4日に相模貨物駅着。翌日10月5日水曜日に8075列車に継送され(実質的には列車番号と牽引する機関車が変わるだけだが)、レールを積んだチキ車9両編成は、相模貨物駅から東鷲宮駅まで予定通り運転された。この日は午前中に所用があり、午後から東北本線沿線に向かったのだが、人身事故の影響で京浜東北線・東北本線共に遅れており、予定していた与野周辺での撮影は叶わなかった。

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仕方なく、大宮操の見えるさいたま新都心駅のホームで待っていると、東北貨物線の一番奥の下り線に8075レが姿を現した。

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線路や架線柱がいっぱいであまり綺麗ではないが、一目で大宮操と分かる絵図となった。ここでおよそ1時間停車するので、その時間を利用して東鷲宮へ……ではなく一駅手前の久喜へ先回りする。久喜で下車するのは、駅前のレンタサイクルを借りて移動手段を確保するためである。東鷲宮の入換は、ELがチキ車を押し込んでから軌道モータカーが引き取りに来るまでの時間がかなりタイトなので、徒歩移動では両方撮れない可能性があるのだ。

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8075レの本線走行を久喜-東鷲宮間で撮影し、すぐに追いかける。

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すると、東鷲宮駅の下り副本線で停車中の8075レに追いつくことができた。入換の準備中で、無線で交信しているようだ。

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少し時間があったので編成最後尾にも移動してみた。

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ほどなくチキ車の先頭に操車掛が乗り込み、EL推進で上り本線をアンダークロスしていく。進路表示器が「E」と「2」を現示している。□で囲まれた方がfrom、そうでない方がtoを表しており、2番線から授受線への入換進路が構成されていることを示している。

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ELによる推進入換。運転士が窓から顔を出して進行方向を確認しているのが分かる。

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すぐに自転車で地下道をアンダーパスして反対側の神社に廻り込むと、重連で待機する軌道モータカーを見ることができた。2016年5月までは、東鷲宮工臨の受け取りは、大宮新幹線保線技術センター所属の軌道モータカーTMC200Cが1両で実施していたが、150mレールチキ9両編成は、東鉄工業所属のTMC400B(左)とTMC400A(右)の重連で実施するようである。ちなみにこの撮影場所の神社の名前は「八幡神社」という。つくづく「八幡」に縁があるらしい。

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重連でチキ9車を引き取る。

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重連同士は単純にBPのホースのみ接続されており、貨車を含め貫通ブレーキの制御は可能だが、重連機関車のみでの単独ブレーキやエンジンの総括制御はできない。このため、両方の機関車に運転士が乗務していた。

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重連でゆっくりとクレーンのある方へ向かっていく。

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その速度は、くろがね線の最も低速な区間とほぼ同じ、人が歩くほどの速度であった。

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冒頭で紹介した新型クレーンの下に入り込んで停車したチキ車。はるばる九州からの長旅が終わった。この日は荷卸し作業は行わず、ほとんどのスタッフは車で帰ってしまった。残ったスタッフが外に出てきたので聞き込みを行ったところ、荷卸しは到着翌日、空車の発送はその翌日とのことで、実車到着から空車発送までの行程は、以前報告した岩切の仙台レールセンターとほぼ同じスケジュールであることが分かった。次の運転がいつになるのか分からないが、貴重な東鷲宮行き一番列車を記録することができたのは幸運であった。

●おまけ

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 今年の鷲宮保守基地公開では、新幹線用軌道モータカーの牽引するトロッコに乗り、保守基地から連絡線を通って東北新幹線との合流部分まで行くことができた。なかなか面白いアトラクションである。車両基地公開イベントで軌道モータカーに乗れる企画はよくあるが、トロッコに乗って新幹線を見に行けるというのは何とも夢のあるハナシ。

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高架線の連絡線をゆっくり走りながら、前方に東北新幹線の軌道が見えた時には感動した。しかもちゃんとE2系下りやまびこ号が通過するまで折り返すのを待ってくれるという、サービス精神旺盛ぶり。日本全国に保守基地は数あれど、ここまでユーザーフレンドリーな企画も珍しいのではないだろうか。

Higashiwashinomiya31

トロッコ牽引に使用されたのは、軌間1,435mmの新幹線用の軌道モータカーで、車体表記によると諸元は以下の通りである。

  • 記号番号 : MO-108
  • 型  式  : TMC501F
  • 製造年月 : 2005年(平成17年)2月
  • 製造所  : 新潟トランシス
  • 製造番号 : 161
  • ユニオン建設機械番号:U0501-108

水平線では荷重450tを40km/hで、10‰では250tを14km/hで、25‰では200tを5km/hで牽引可能と、かなりの力持ちだ。さすがは新幹線用。また単行での最高速度は70km/hとのことで、イカロス出版「トクターイエロー&East-i 新幹線事業用車両徹底ガイド」に収録されている富田松雄氏執筆の特集記事によると、確認車代用としても使用可能とのこと(確認車とは、深夜の保守作業が終わった後、始発の新幹線が走行する前に、本線上を70~100km/hで高速走行して安全を確認するための専用の軌道モータカーである)。新幹線用の保線用車や軌道モータカーは謎が多いだけに、スペックや用途が明らかになるのは喜ばしいことだ。

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