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2009年7月

2009年7月31日 (金)

【くろがね線を読み解く】第20回 ■60t積 スラブ用台車

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■スラブを3枚搭載する60t台車 ユタ2211 (2008年)

Nyt_60t_slabty2_09spr 

■上の車両同様、戸畑・八幡地区両用の ユタ2374 (2009年)

 くろがね線で使用されている、スラブ輸送用2軸ボギー台車。荷重は60tで、1台あたりスラブを3枚積むことが多いようである。上の写真は戸畑・八幡両地区の共通用車両。

  • 荷重:60t
  • 自重:21.6t(上)、21.1t(下)  (20~22tで車両により異なる)
  • 車軸配置:2-2
  • 全長:不明
  • 幅:不明
  • 高さ:不明

 ホットコイル用台車同様に、下のような戸畑地区構内専用車両も存在する。2008年現在はくろがね線でも使用されている。

Nyt_60t_slabt_09spr

■戸畑地区構内専用車両 トF60-28 (2009年)

※この車両の呼称は公式資料に基づくものではなく、説明の都合で便宜上付与したものです。

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2009年7月30日 (木)

【くろがね線を読み解く】第19回 ■80t積 ホットコイル用台車

80t2581 80t2584
■戸畑・八幡両用の車両。フタ2581(左)と、フタ2584(右)。台車が異なる。  2011年

 くろがね線で使用されている、ホットコイル(熱延コイル)輸送用2軸ボギー台車。荷重は80tで、1個あたり27.3tのホットコイルを計3個積むことができる。上の2両は、当初より戸畑・八幡両地区共用の車両である。左のフタ2581は、組立溶接台枠の比較的新しい台車を履いているが、おそらくオリジナルではなく振り替えていると思われる。右が同じ編成のフタ2583で、国鉄貨車に類似の鋳鋼製台枠の台車を履いている。おそらく左のフタ2581も当初は同型の台車を履いていたと思われる。

  • 荷重:80t
  • 自重:18.8t  (18~20tで車両により異なる)
  • 車軸配置:2-2
  • 形式:80B-3
  • 全長:不明
  • 幅:不明
  • 高さ:不明

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■80t積台車 トF80-23    2009年6月

 一方、登場当初は戸畑地区専用だった同型車もあり、基本形態は同じだが全長や台車など細部が異なっている。上のトF80-23は、昭和42年日本車輌製造製(形式80B-2B)で、2008年現在ではくろがね線でも使用されている。

※この記事のタイトルは公式資料に基づくものではなく、説明の都合で便宜上付与したものです。

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2009年7月27日 (月)

【くろがね線を読み解く】第18回 ■60DD-4形 (D622)

D6222012
■60DD-4形 D622     2012年7月

 昭和50年に日本車輌で15両が製造されたDHL(液体式ディーゼル機関車)。八幡地区向けに登場した 60DD-4形 の中では2ロット目に属するが、寸法・エンジン出力等のスペックは他の60DD-4形と同一である。写真の車両は、2008年現在戸畑地区で運用されている。

【60DD-4形の製番対応表】
記号番号 製造番号 備考
D610 3217 60DD-4形は、全車両が連結器センタリング装置を搭載。
D611 3218
D612 3219
D613 3220
D614 3221
D615 3222
D616 3223
D617 3224
D618 3225
D619 3226
D622 3212
D623 3213
D624 3214
D625 3215
D626 3216

【参考】

  • 『日車の車輌史』<戦後産業車両 輸出車両編>、鉄道史資料保存会編、日本車輌鉄道同好部、1999年。

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2009年7月25日 (土)

ディーゼル機関車の種類

 鉄道をテーマにブログを作成していく場合、どの程度細かく書くべきかについて悩むことはあまりないが、逆に基礎的な用語や知識についてどの程度解説すべきかについては、匙加減が難しい。「このテーマに興味のある方であれば、このくらいの知識はお持ちだろうから、説明は割愛すべきだろう」と考えて、本ブログではあえて基礎的な説明を省略しているケースも多い。

 こういったとき、読者の方から反応が多いと、質問・回答の積み重ねで溝を埋めることができるのだが、まだ立ち上げて一ヶ月もたっていない本ブログの場合はそれも難しい。ということで今回は、説明を端折っていた(既にご存知の方には読むまでもない)、ディーゼル機関車の種類について記述する。

  1. 機械式ディーゼル機関車
     DML(Diesel Mechanical Locomotive)と呼ばれる。エンジンの動力は、歯車減速機によって機械的に車軸へ伝達される。

  2. 液体式ディーゼル機関車
     DHL(Diesel Hydraulic Locomotive)と呼ばれる。エンジンの動力は、液体変速機(トルクコンバーター)によって機械的に車軸へ伝達される。

  3. 電気式ディーゼル機関車
     DEL(Diesel Electric Locomotive)と呼ばれる。エンジンの動力によって発電した電力で電動機を駆動し、歯車で車軸へ伝達する。

 鉄道趣味誌でディーゼル機関車が取り上げられる場合、上記の区別はなく単に「DL」と呼称されることが多い。一方、車両メーカーの資料や学会論文では、産業用機関車は上記呼称により区別されるケースが多い。

【参考】

  • 『三菱重工三原製作所五十年史』、三菱重工業三原製作所、1993年。

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2009年7月23日 (木)

【くろがね線を読み解く】第17回 ■くろがね線の車両はJRより大型 は真実か?

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■第一操車場を発車する八幡行き貨物列車 2009年6月

 2007年4月12日と13日の二回にわたり、レイルマガジンの名取紀之編集長のブログ『編集長敬白』において、くろがね線が取り上げられた。

新日鉄「くろがね線」瞥見。(上)

詳細は上記リンクの記事をご覧いただきたいのだが、その中に、くろがね線と車両の大きさに関する気になる記述があったため、ここに一部を引用させていただく。

>専用鉄道といってもまったく他線と連絡しない独自の存在だけに、車輌限界もひと回り大きめに設定されているようです。

くろがね線に関してネット上で検索してみると、

  • 他線と接続のない独立した路線
  • 車両はJRより大型

といった記述が蔓延しているのを目にする。しかしそのほとんどは編集長敬白の記事より後に作成されたものであるため、件の記述を参考にして書かれた可能性が高い。だが、本当のところはどうなのだろうか? 一番確実なのは、路線や車両のスペックを確認することである。

1.くろがね線はJR鹿児島本線と接続している

 N社公式ホームページ掲載の中期連結経営計画(2003~05)によると、N社の生産する鉄道用レールの国内シェアは65%。そのうち鉄道で輸送されるものは、条鋼工場(レールを製造している工場)でレール輸送専用貨車に積載され、構内の線路を通ってJR黒崎駅分岐(旧・西八幡駅)へ至り、ここでJR鹿児島本線へと送り出され、全国各地へ発送される。第16回の記事の通り、条鋼工場はスペースワールド駅近くにあるし、くろがね線の機関車の点検設備(機関区)も同駅付近にあるため、当然線路は繋がっている。Googleなどの衛星写真で確認していただければ、より分かりやすいだろう。事実、くろがね線の線路がJRと接続していることを利用して、近隣の専用鉄道の入換用機関車が回送されることもある。

2.くろがね線の車両限界はJRと同等

2-1.路線の車両限界の比較

 ディーゼル機関車の紹介記事にも記載したが、くろがね線を走行している車両の多くは、機関車・貨車を問わず、日立製作所と日本車輌製造が納入したものである。寸法に関する網羅的な詳細資料を公開しているのは今のところ日本車輌だけなので、『日車の車輌史』を手がかりに寸法を確認することにした。

Sg10

上図には、1987年4月1日付で、いくつかの鉄道関連法令を統合する形で施行された普通鉄道構造規則に示された車両限界黒と青の実線で示した[1]。日車の車輌史掲載くろがね線の車両限界で示してあるが、重ねて比較をしてみると細部を除き完全に一致することが分かる。一致しない細部とは、車体側面の一部と台枠より下の部分である[2]

2-2.車両の寸法の比較

 次に、専用線の機関車を研究する者の間ではバイブルとも言える、朝日新聞社『世界の鉄道’69』、同『’70』を確認してみることにする。この書籍は、朝日新聞社が各私鉄・専用線(専用鉄道)使用者へ車両や路線に関する調査票を送付し、戻ってきた回答をまとめた資料なので、信頼性に関しては申し分ない。無論、調査時期が1960年代後半であるため、資料掲載の機関車の多くはすでに新形車両に置き換えられたりして現存しないものも多いが、各車両の詳細スペックが掲載されているので、寸法の確認にはもってこいである。

早速、くろがね線を走行していた60t電気機関車全形式と、緩急車として使用されていた可能性のある35t・45tディーゼル機関車全形式の寸法を確認してみた。すると、EL・DLいずれについても、2,800mmを超える車体幅を持つ車両は存在しないし、4,200mmを超える高さを持つ車両も皆無であった。現在使用されている車両については、次の通りである。

  • 60DD-3形 車体幅(最大);2,745mm、高さ:3,730mm
  • 70DD-3形 車体幅(最大);2,780mm、高さ:4,000mm
  • 85ED-1形 車体幅(最大):2,880mm、高さ:4,090mm

一方、国鉄・JRの車両限界は、車体幅は3,000mm高さは4,100mm(パンタ折り畳み高さは4,300mm)が標準で、EF81形電気機関車などはかなりこの限界に近い設計であるから、「大型」どころかむしろ大半の車両について「くろがね線の方が小さい」とさえ言える。

2-3.甲種輸送

 『鉄道ピクトリアル』1972年7月号には、日本車輌製造豊川工場で製作されたくろがね線用のDL(70DD-1形D701号機)が、飯田線・東海道・山陽本線経由で甲種輸送されている写真が掲載されている。輸送されたのは1972年4月6日で、翌7日には同じルート・ダイヤでD702号機も輸送されている。国鉄より大型の車両が、どうやって国鉄線を走行するのだろうか。これこそ動かぬ証拠である[3]

3.結論

 今回の記事では、くろがね線がJR線と接続していること、ならびにその車両限界もJRと同等であることを示した。どのような専門的な研究も、人間のやることであるから間違いはつきものである。冒頭で引用させていただいた編集長敬白の記述は、残念ながらあまり正確ではないのだが、ここで吊るし上げるのは本意ではない。むしろ、得られた情報が本当に正しいのかどうか、まずは自分の目で確認してみることの重要性を再認識させられた次第である。この記事をきっかけにして、くろがね線や製鉄所の鉄道に関する研究が、より丁寧に進められていくことを期待している。

【脚注】

  1. 2002年以降は、現行法令「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の解釈基準において、車両限界に関する基準値が同様に定められている。
  2. 普通鉄道の車両限界では、車体の幅は原則として3,000mmである。ただし、標識灯・車側灯等に対する遊びを考慮し、(レール面基準で)高さ1,880mm~3,150mmの部分の基礎限界(幅)は3,200mmとなっている(図中の紫色の部分)。また台枠より下は2,850mmとなっている。一方、くろがね線の車体幅は面一で3,000mmである。
  3. 過去には、K社M製鉄所向けの機関車の車体が大物車「シキ」に積まれて輸送されたことはあった。このケースでは、車端の簡易運転台と一体化した遮熱版の断面が、国鉄の車両限界を超えていたものと思われる。シキで車体ごと持ち上げれば運べるということは、幅は最大でも3,000mmに収まっていたのだろう。

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2009年7月22日 (水)

【くろがね線を読み解く】第16回 ■レール輸送について

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■黒崎駅構内(旧 西八幡駅)でレール輸送用貨車「チキ」を入換中のディーゼル機関車。 2008年3月

 N社Y製鐵所の代表的な製品の一つに、軌条(鉄道用レール)がある。同社の製鉄所は全国各地に展開しているが、昨今の景気変動に伴う高炉の休止や稼動再開で新聞紙面を賑わせているO製鉄所やK製鉄所が、規格品大量生産主体の工場であるのに対し、Y製鉄所は特注品・高級品に特化した工場である[1]。中でも、同製鉄所製の軌条が有する優れた耐久性・耐摩耗性は、国内のみならず米国やカナダでも高い評価を得ており、最近ではロシアのモスクワ - サンクトペテルブルク間の高速鉄道用レールの全量受注にも成功している[2]。そのようなわけで、今回はレール輸送に着目してみることにする。

 まずレールは鋼鉄製であるから、圧延に至る工程は他の鉄製品とほぼ同じ筈である(詳細は、N社公開の図説を参照)。これを踏まえたうえで現在のくろがね線や構内鉄道を見てみると、次の点が指摘できる。

  • くろがね線の戸畑→八幡の輸送品目はスラブやブルームなどの鋼片(半製品)が中心で、高炉→転炉間の溶銑輸送はない(いわゆるトーピードカーが運行されることはない[3])。
  • 圧延以降の工程を担う条鋼工場は八幡地区にある。

 前者の背景には、工場の大規模な再構築により工程の直結化が進んだ結果、「高炉における製銑」から「転炉における製鋼」に至るプロセスが、すべて戸畑地区に集約されたことがある。後者については、下の写真をご覧いただくと一目瞭然である。条鋼工場は、構内用SLの保存されている八幡地区にある。

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■八幡地区で保存されている構内鉄道用SL。背後にあるのが条鋼工場。 2009年6月

したがってくろがね線では、レールの元となる半製品の輸送は行われているが、レール輸送はない[4]。構内鉄道とJR線は黒崎駅構内の分岐点(旧西八幡駅、以下西八幡駅と呼称する)で接続しており、レール幅(軌間)が同一である。このためレールの構内輸送には、JRの専用貨車(チキ)も使用されている[5]

 次に、レールが発送されるプロセスを確認しておく。工場で生産されたレールは、構内鉄道で各製品倉庫へ輸送され一時的に保管された後、然るべきタイミングで船舶ないし鉄道により発送される。Y製鐵所で生産されている鉄道用レールは70%が北米向けとなっており、国内向けは僅かである[6]。したがって、レールの多くはキャリアパレットカーなどの専用車によって輸出製品船積み用の岸壁に運ばれることになる。鉄道輸送するもののみが、西八幡駅付近に設けられた製品倉庫に移送され、保管される。製品倉庫から西八幡駅構内までチキ車を引き出すには入換運転が必要になる。入換後はJR貨物によって日本全国へ発送される[7]

【脚注】

  1. 「新日鉄八幡の賀詞交換会に約1000人が参加」、『日刊産業新聞』、2002年1月8日。
  2. 「新日鉄、ロシア向けに熱処理レール7万トン成約」、『テックスレポート』、原料・鉄鋼貿易版、2009年3月25日。
  3. 過去には、くろがね線でも鍋台車やトーピードカーによる溶銑輸送が行われていた。鉄道ファン1984年3月号には、70DD-3形ディーゼル機関車がトーピードカー2両を牽引してくろがね線を走行している写真が掲載されている。
  4. 再生利用する「原料としての」レールであれば、第11回で取りあげた通り、くろがね線で輸送されることがある。
  5. 工場→倉庫間のレール輸送には、チキのような形態のレール輸送用の構内専用貨車が使用されることもある。
  6. 『日経ビジネスオンライン』、2008年6月2日。
  7. JR九州向けのレールは、JR九州が設定する工事用臨時列車によって輸送される。

【参考】

  • 栗原 利喜雄「鉄道用レールの変遷と現状」、日本機械学会誌、第78巻、第683号、1975年10月。

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2009年7月16日 (木)

【くろがね線を読み解く】第15回 ■60DD-4形 (D616)

D616
■60DD-4形 D616                         2009年

 昭和50年に日本車輌製造で15両が製造されたDHL(液体式ディーゼル機関車)である。戸畑地区用の60DD-3形に対して、この60DD-4形は八幡地区用。無線操縦対応で、進行方向表示灯、旋回灯、警音器(ミュージックホーン)などの装備、および車体寸法・形態は60DD-3形と同等である。

  • 運転整備重量:60t
  • 車軸配置:B-B
  • 全長:13,100mm(連結面間隔)
  • 幅:2,745mm
  • 高さ:3,730mm
  • 機関:神鋼造機 DMF31SB(500ps)
  • 変速機:新潟コンバータ DBG138
  • 台車:日車NL31A
  • 最高速度:30km/h

D6162

 際立つ特徴は、連結器センタリング装置を搭載している点で、八幡地区の車両と戸畑地区の車両を見分けるポイントにもなっている[1]。この装置を搭載したため、60DD-3形と比べて連結器の長さが25mm伸び、全長が50mm長くなっている。また、1エンド側の冷却ファンの形状や、2エンド側のボンネット上の機器配置、無線アンテナ取り付け位置など、細かい部分に相違点が見受けられる。

【脚注】

  1. 60DD-4形は、当初は全車が八幡地区に新製配置されたが、戸畑地区への設備集約と八幡地区の縮小に伴い、近年では戸畑地区へ転属するものがあらわれている。

【参考】

  • 『日車の車輌史』<戦後産業車両 輸出車両編>、鉄道史資料保存会編、日本車輌鉄道同好部、1999年。

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2009年7月14日 (火)

【くろがね線を読み解く】第14回 ■90t積 防水フード付台車

 くろがね線で使用されている、防水フード付の2軸ボギー台車。雨などで濡れては困る品目(冷間圧延コイル等)を輸送するための車両と思われる。くろがね線の貨車は、「見たこともない形の車両」と形容されることも多いが、この車両もその代表格で、日本ではあまり馴染みのない形態である。

Nyt_90trilsa

■90t積 台車 カタ9508。台車は軸箱と台車枠が一体化した形態で、スポーク車輪。(2008年)

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■カタ9512。上の車両とは異なり組立台枠の台車を採用。現在はこちらのタイプが主流のようだ (2008年)

 以前は国鉄にも「トキ1000形」という同種の車両があったらしく、写真で確認してみると、防水フードの素材や形状が異なる点を除けば、形態はかなり近い。川崎製鉄千葉製鉄所の製品を輸送する目的で使用されていたようで、蘇我駅常備、わずか5両しか製作されなかったとのことである。詳しくは吉岡心平氏のホームページを確認していただきたい。

 余談になるが、実は私自身、くろがね線でこの車両を見るより前に、ほとんど同じ形態の貨車 をドイツ旅行中に何度も目にしていた。ドイツの中核都市間を鉄道で移動すると、この形態の車両が連なった貨物列車に何度ととなく遭遇する。そういう意味で、私にとっては非常にありふれた貨車であった。欧州各国を訪れてきた中でも、この形態の貨車を目にする機会が一番多かったのは、やはり工業国ドイツである。

  • 荷重:90t
  • 自重:30t前後 (車両により異なる)
  • 車軸配置:2-2
  • 全長:不明
  • 幅:不明
  • 高さ:不明

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2009年7月13日 (月)

【くろがね線を読み解く】第13回 ■60DD-3形 (D620)

D6202012
■60DD-3形 D620  2012年7月

 昭和48~50年にかけて日本車輌製造で9両が製造されたDHL(液体式ディーゼル機関車)。戸畑地区の構内輸送合理化のために登場した 60DD-3形 の最終タイプで、寸法・エンジン出力等のスペックは他の60DD-3形と同一である。無線操縦装置は未搭載で、将来の設置に備えて準備工事済とされた点が特徴。現在では他機同様に搭載されている。写真のとおり、ヤード内での入換時は線路脇に降りた運転士により遠隔操縦が行われている。

【60DD-3形の製番対応表】
記号番号 製造番号 備考
D603 3091 量産型の1号機。以降、全ての車両が無線操縦装置を搭載
D604 3092
D605 3093
D606 3094
D607 3199 この車両以降、運転室にエアコンを搭載
D608 3200
D609 3201
D620 3202 この車両以降、無線操縦装置は準備工事で落成
D621 3203

なお、試作機である60DD-1形(D601)と60DD-2形(D602)の製番はそれぞれ、3030、3052である。

【参考】

  • 『日車の車輌史』<戦後産業車両 輸出車両編>、鉄道史資料保存会編、日本車輌鉄道同好部、1999年。

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2009年7月12日 (日)

Y製鐵所の鉄道(目次)

1.路線

 1-1 くろがね線
  ・
「くろがね線」とは?
  ・「くろがね線の車両はJRより大型」 は真実か?
  ・沿線で列車を見るコツ
  ・くろがね線の運行速度
  ・最新運行情報
   2009年   初夏
   2010年   

   2011年   
初夏、 、 年末
   2012年     
   2013年   

   2014年   
   2015年   年末
   2016年   

  ・地上設備
   宮田山トンネル  
八幡側坑口、 戸畑側坑口
   橋梁
   信号     出発信号機、 
閉そく信号機、 現示の変化について
   保安装置  
非接触式ATS、 打子式ATS
   軌道     ロングレール

 1-2 戸畑地区
  ・
第一操車場
   
概要、 配線、 一操信号所、 本務機の入換、 後部補機の入換、 重連単機の入換、 構内機による入換
   機関車4台同時入換
  ・ストリップ南本線
  ・鋳造工場
   鋳出半製品入換2015年区画整理後

 1-3 八幡地区
  
・東田
   
くろがね線継送くろがね線継送その2くろがね線継送その3(D445)
   25mレール輸送形鋼輸送、ステンレス製品輸送、
機材輸送
   世界遺産眺望スペーススペース設置前報道
  ・製品岸壁
   輸出用岸壁、輸出用岸壁への入換150mレール輸送船、国内向け岸壁

  ・前田
   
俯瞰半製品ヤード入換150mレール荷役設備半製品ヤード撤去前後
  ・洞岡
   
ステンレス線
  ・
製品倉庫
   
製品倉庫東ヤード

2.運用、編成

 2-1 機関車
  ・
くろがね線の機関車運用
  ・予備機関車E8502を撮る秘訣
  ・最後尾の緩急車は本当に「ブレーキ用」なのか?
  ・後部補機の役割
  ・緩急車、再び無人化か?
  ・ディーゼル機関車2両によるプッシュプル運転 (停電時)

(番外編) 三菱化学黒崎事業所のスイッチャー、くろがね線を走行!

 2-2 貨車
  ・熱塊カバー台車  
単一品種編成、 混成編成
  ・スラブ台車の編成
  ・ホットコイル付台車の編成
  ・防水フード付台車の編成
  ・鉄スクラップ輸送用 単一品種編成 混成編成
  ・貨車の連結順序、 (続)貨車の連結順序
  ・特殊スラブ台車 
  ・往復で編成長が異なる訳


3.車両

 3-1 機関車
 ・
85ED-1形  … 
E8501E8501標準塗装E8502E8502Σパンタ増設後菱形パンタ撤去後
               ※E8503、E8504は既に解体され現存せず
 ・70DD-3形  … 
D704D70570DD-3形配管増設後
               ※D701~703は現存せず
 ・60DD-1形  … D601
 ・60DD-2形  … D602
 ・60DD-3形  … D603~606、607
D608D609D620、D621
 ・60DD-4形  … D610、D611D612D613、D614、D615D616D617D618D619
             D622D623D624D625D626D627D627看板撤去後
 ・60DD-5形  … D628
 ・60DD-6形  … D629、D630 (2両とも現存せず)
 ・60DD-7形  … D631
D632(M製鉄所 D610)輪西派出の入換動車とD610の共演
 ・75DD-1形  … D7501、D7502
 ・45DD-12形 … D436、437、438、439、440、441
D442D443、D444、D445、D446、447、448

 ◆機関車の車体について
 ・車体塗色

 ・屋上機器の形態変化
 ・車体に印されている記号類
  形式称号、 社紋(社章)、 所属区名札、 運用札
 ・機関車の全般検査周期について
 ・機関車のランボードに小変化



 3-2 貨車
 ・鉄側車       … 
15t(ステップカバー付)15t積(ステップカバー無)15t積(工事用)40t積40t積(その2)
 ・有蓋車       … 15t積
 ・側倒車       … 25t積
 ・スラブ用台車    … 60t積70t積80t積若松車輌製80t積 
 ・八幡地区専用製品台車 … 60t積60t積(積荷あり)60t積(広幅)川崎車輌製60t積東急車輛製60t積
 ・ホットコイル用台車 … 60t積80t積日鐵運輸製110t積 形式付与後
 ・防水フード付台車 … 80t積90t積山本工作所製90t積
 ・熱塊カバー台車  … 60t積60t積改造車タイプ1~360t積新製車?90t積90t積予備車60t積台車振替車
                 小型タイプ
 ・長物輸送用台車  …  40t積台車

 ・架線保守作業台車 … 60t積台車改造車
 ・注入台車     … 250t積
 ・軌条台車     … 40t積80t積150m長尺レール輸送用
 ・遊車(控車)    … 20t積
 ・合図台車     … 15t積
 ・JR貨物からの譲渡車 … トキ28852

 ◆貨車の車体に印されている記号類
  
八幡・戸畑両地区共用車両
  
戸畑地区専用車両
  八幡地区専用車両

 3-3.小倉地区(旧 住友金属小倉)の機関車
  D-301、D-306、D-507D-107、D-108、D-307、D-506

4.レール輸送
  
N社Y製鐵所のレール輸送について

 4-1 工場-製品倉庫・西八幡駅間の運行
  ・工場→西八幡駅へのスイッチャー単機出場

  ・工場→製品倉庫への50mレール出荷  
  ・工場→製品倉庫への25mレール出荷
  ・
西八幡駅→工場への空車チキ戻り

 4-2 製品倉庫-西八幡駅間の運行
  ・
製品倉庫→西八幡駅への九州チキ出場
  ・製品倉庫→西八幡駅への日鐵運輸チキ出場
  ・
西八幡駅→製品倉庫への空車戻り(171レ到着後)
  ・西八幡駅の171レ到着後入換
  ・
西八幡駅の171レ到着後入換 (D618臨時仕業)
  ・西八幡駅の171レ到着後入換 (小倉車両所交番検査戻り)
  ・
西八幡駅の171レ到着後入換 (D627臨時仕業と入換曜日まとめ)
  ・西八幡駅の171レ到着後入換 (チキ5400・5450交番検査戻り)

 4-3 西八幡駅-黒崎駅間の運行
  ・
171レ着後・170レ発前入換

 4-4 黒崎からJR東海への納品輸送
  ・西浜松行き
  ・浜松新幹線レールセンターの入換 (JR東海レール輸送用スイッチャー)
  ・川崎貨物の入換            (神奈川臨海鉄道の機関車)

 4-5 JR九州 臨時工事列車(レール工臨)
  ・工場→西八幡駅へのレールチキ出場
  ・西八幡駅-黒崎駅間の工臨入換
  ・黒崎-遠賀川間の工臨本線走行
  ・遠賀川駅レールセンターの工臨到着後入換
  ・
ED76形時代の工臨空車着後入換(2010年9月)
  ・黒崎発鹿児島行工臨(2015年5月)
  ・
遠賀川・香椎・鳥栖工臨(2015年8月) 

 4-6 150mレール輸送
  《本編》
  ・前田地区での積込と製品倉庫への移送
  ・製品倉庫での積付検査と西八幡への出場
  ・西八幡→黒崎出場(170レ発前入換)
  ・
150mレール輸送列車(170レ→8090レ)チキが9連の場合
  ・150mレール空車返却列車(8091レ→8099レ・8159レ)
  ・
150mレール輸送用貨車 チキ5400形・5450形(見たまま速報版)(完全版)

  《営業運転前の走行試験》
  ・
走行試験編成の入換
  ・走行試験編成の西八幡構内試走
  ・空車走行試験前入換 (西八幡→黒崎)
  ・本線 空車走行試験 (EF81形500番台プッシュプル)
  ・本線 実車走行試験 (EF81形450番台&EH500形プッシュプル)
  ・東海道本線 実車走行試験 (EF200形牽引)

  《2016年4月以降の輸送先拡大》
  ・150mレール輸送の拡大
  ・JR東日本 東京レールセンター(越中島)、仙台レールセンター(岩切)大宮新幹線保線技術センター(東鷲宮)
  ・JR西日本 姫路新幹線保線区(御着)、福山新幹線保線区(福山)下関新幹線保線区(新下関)

  ・越中島貨物行一番列車、 越中島貨物行2本目、 越中島貨物行50Nレール輸送 
  ・岩切行(9099列車と到着後入換)、 岩切発返空列車、 岩切発返空列車(50Nレール緑色積付具)
  ・


 4-7 その他
  ・日鐵物流八幡私有貨車 チキ5500形
  ・日鉄住金物流八幡私有貨車 チキ5500形
  ・在りし日の50mレール輸送列車
  ・チキ5500形走行試験 (ED76形プッシュプル)
  ・浜松レールセンター50mレール荷役設備撤去
  ・製品倉庫東ヤードに佇む、廃車後の九チキ

-----------------------------------------------------------------

5.過去の路線
 ・くろがね線(八幡→戸畑) … 
新中原
 ・上戸畑本線
 ・
日明本線
 ・上戸畑-日明 連絡線

5-1 過去の機関車
 ◆60t機
 ・60ED形   … 
E601E602E603E604E605
 ◆5~7t機
 ・E形      … E1~6
 ◆10t機
 ・10DB-1形 … D1001

 ◆15t機
 ・15DB-1形 … D1501

 ◆22t機
 ・22DB-1形 … D201~202

 ◆25t機
 ・25DB-1形 … D203
 ・25DB-2形 … D2501~2502
 ・25DB-3形 … D206~209

 ◆35t機
 ・35DD-1
形 … D301
 ・35DD-2形 … D302~304
 ・35DD-3形 … D305
 ・35DD-4形 … D3502~3505、3512~3514
 ・35DD-5形 … D3501
 ・35DD-6形 … D3506~3511
 ・35DD-7
形 … D3515~3523、D-0-3
 ・35DD-8形 … D306~309、3524~3537
 ・35DD-9形 … D321~355
 ◆45t機
 ・45DD-1形 … D401
 ・45DD-2形 … D402
 ・45DD-3形 … D403
 ・45DD-4形 … D404~405
 ・45DD-5形 … D4501
 ・45DD-6形 … D4502~4503
 ・45DD-7形 … D406~411
 ・45DD-8形 … D4504~4506、412~416
 ・45DD-9形 … D417~426
 ・45DD-10形… D427~431、4507~4510(初代432~435)
 ・45DD-11形… D432~435

-----------------------------------------------------------------

6.四方山話  

 ・旧本事務所と機関区
 ・高炉改修期間中の運用は?
 ・くろがね線事故(落下物で緊急停車)
 ・
骸炭消火電車
 ・くろがね羊羹
 ・高炉と予熱機の見分け方

 ・製鉄所のトピードカー被災
 ・くろがね線の運転速度
 ・釜石D3533に関する一考察
 ・俗説を斬る ~無人運転の怪~

 ・神戸製鉄所 H29年度を目処に高炉休止
 ・広畑製鉄所の機関車
 ・「焼き鈍す」とは?
 ・小倉地区(元 住友金属工業小倉製鉄所)の機関車
 ・小倉地区高炉2018年度末に休止
 ・世界遺産の旧本事務所外観
 ・150mレール輸送船Pacific Spike
 ・Pacific Spikeを俯瞰

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2009年7月11日 (土)

【くろがね線を読み解く】第12回 ■沿線で列車を見るコツ

 運行管理についてはもう少し資料が揃った段階でまとめることにして、今回はより実践的な「効率的に列車を見るコツ」をまとめようと思う。(2015年夏までの考察結果はこちら

 くろがね線は、複線時代は最短12分間隔の高頻度運転が行われていた路線で、単線化されてからも運行頻度は高く、1時間も待っていれば列車に遭遇することが多かった。このため、撮影上の話題は場所選びが中心で、運行ダイヤが話題になることはあまり無かったように思う(する必要が無かった)。ところが最近では、(不況の影響なのかどうかはともかくとして)列車の本数は若干であるが減少しており、平日でも2~3時間列車を見かけない日もあるほどである。そこで、できるだけ効率的に列車に遭遇できるよう、知りうる範囲の情報を記すことにする。

 くろがね線は、製鉄所内の工程間輸送のための路線である(第5回 参照)。したがって時代と共に、あるいは工場内の設備集約・統廃合に伴って、輸送する品目・荷姿もアドホックに変化してきたし、固定された運行ダイヤは存在しない[1]。無論、2~3日集中して観察するとダイヤらしきものがあるように思われる(動く時間帯にある程度の規則性が見出せる)との指摘もあるが、私の経験ではそれは一時的なもので、数ヶ月もすれば変わってしまうことが多い。

 これから記載する情報は、2008年~2009年の私自身の観察結果をベースとしている。もちろん、「こうした方がもっと効率的に撮れますよ」、「運行ダイヤはこんな風に決まっているみたいですよ」といった突っ込みどころは色々あると思うので、もしあればコメント欄で適宜ご教示いただきたい。

1.運行時刻を決定付ける要素

1-1.輸送品目の観点

 くろがね線で輸送しているものの大半は半製品で、戸畑地区から八幡地区へ向かうものである。したがって戸畑地区における半製品生産の進捗が運行時刻を決めているといっても良い。もちろん既に述べた通り、逆に八幡から戸畑へ向かうものもある(第11回 を参照)が、このような品目は極端な話「いつ運んでも良いモノ」であり、これが運行時刻を左右することはないと思われる。

1-2.機関車運用の観点

 後日取りあげる予定だが、Y製鐵所の機関車には、戸畑地区配置のものと八幡地区配置のものがある[2]。両地区を結んでいるくろがね線の機関車は八幡地区の所属であるから、機関車は八幡を基点に運用されることになる。

2.運行パターンの予測

2-1.機関区基点

 1-2.の通り、くろがね線の機関車は八幡のスペースワールド駅付近にある機関区に常駐している。現在頻繁に稼動しているのは、85ED-1形(E8501E8502)と70DD-3形(D704D705)の計4両であるから、機関区を見てこれらのうち欠けている車両があれば、その車両が稼動中の可能性がある。

2-2.枝光・中原等沿線基点

 沿線で列車を見かける機会があったら、行先に着目していただきたい。もしそれが戸畑行きだったなら、そう待たずして八幡行きも見られる可能性が高い。理由については1.において既に述べた。運行時刻は戸畑地区の都合で決められているため、戸畑→八幡の輸送が必要ないときには、八幡→戸畑の列車も動かす必要はない。八幡→戸畑の列車が動いているということは、戸畑側で半製品の発送準備が整いつつあるので、返空を兼ねて動いているのだ、と読み取ることができる。また、沿線に色灯式信号機を見つけることがあったら、その現示にも注目しておくと良い

2-3.第一操車場基点

 第一操車場には、戸畑地区各工場で生産された半製品のうち、くろがね線で八幡地区へ輸送するものが順次運ばれてくる。線路が何本もあるが、八幡へ向けて出発する列車は北側から3本目の線路から出てくることが多い。したがって、そこに貨車がいるかどうかを見れば、ほどなく列車が発車するのか、まだ暫く時間がかかるのか、見当をつけることができる。なお、八幡からの列車が到着した後、機関車が付け替えられて、八幡行きの列車が発車するまでの作業は、非常に迅速に行われるため、あまり列車の撮影には向いていないことを申し添えておく。

【脚注】

  1. 例えばJR貨物の列車の運行時刻は、線路の持ち主であるJR旅客会社や荷主らと調整のうえ決定される。そして一度決まった時刻は、運行トラブル等による突発的な変更を除けば、次にステークホルダーと調整するまで(ダイヤ改正まで)基本的に変わることはない。これに対し製鉄所の鉄道は「工程間輸送」を目的としているため、運行時刻は、各工程の進捗を毎回担当者間で確認・調整のうえ(最近では運行管理システムにより)決定される。調整相手がほとんどインサイダーで、列車の運行範囲も閉じているため、あらかじめ固定したダイヤを設定しておく必要はない。先に「ダイヤありき」ではなく、「いつ」「何を」「どこからどこへ」「いくつ」運ぶべきなのかは、各工程の進捗によって決まる。
  2. かつては、戸畑・八幡両地区の機関車整備もそれぞれの地区で独立して行われていたが、2011年現在、車両の全般検査はすべて戸畑地区にあるN運輸で実施しているようである。

【参考】

  • 『八幡製鉄所五十年史』八幡製鉄八幡製鉄所、1950年。
  • 『時間の流れを超えて : 日鐵運輸株式会社50年史』日鐵運輸株式会社編、1993年。

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2009年7月10日 (金)

【くろがね線を読み解く】第11回 ■40t積 鉄側車

Nye_40t
■戸畑行の列車に連結されていた40t積 鉄側車 ウタ2483 2009年3月

 くろがね線で現在も頻繁に使用されている2軸ボギー無蓋貨車。国鉄の無蓋車と比べると、妻面側面ともに厚みがあり、梁も頑丈にできている。台車は、軸箱と台車枠が一体化した形態で、枕バネはコイル式。(この車両のより鮮明な写真はこちら

 写真の車両には、土木工事等で締め切り材として使用されるU形鋼矢板(シートパイル)と、細かく切断された鉄道用レールが、特に区別されることなく無造作に積まれている。現在Y製鐵所は、鉄の製錬からスラブ・ブルーム等の半製品の生産に至る上流工程は戸畑地区に集約しており、八幡地区は半製品を元に完成品を製作するのがメインとなっている。したがって、輸送される半製品は戸畑から八幡へ向かうものがほとんどである。この列車のように、逆に八幡から戸畑へ向かうものはJR貨物でいう「返空」に相当し、半製品輸送用の貨車には積荷が無いことが多い。

 一方、近年では企業単位のみならず業界全体でも、リサイクル原料の活用が重要なテーマになっている。一般的に、リサイクル原料・燃料は品目も荷姿も多種多様で、仕入先(産業廃棄物の排出元事業者)も多岐にわたるため、特定品目の中・大量輸送を得意とする鉄道は、これらの輸送手段としてはあまり適していない。上記事例は、八幡地区で一旦集約された鉄スクラップが戸畑へ送られる途上と考えられるが、くろがね線はこういった形で静脈物流の一翼も担っているようだ。

  • 荷重:40t
  • 自重:38.8t  (車両により異なる)
  • 車軸配置:2-2
  • 全長:不明
  • 幅:不明
  • 高さ:不明
  • 製造年: 昭和50年
  • 製造所: 若松車輌

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2009年7月 9日 (木)

【くろがね線を読み解く】第10回 ■15t積 鉄側車

 機関車の話題ばかりでは物足りなく感じる方もいらっしゃるかもしれないので、今回は貨車を取りあげてみる。

Ny_t_15t_2

■15t積 鉄側車 テテ8731 (2009年)

 Y製鐵所構内用の15t積みの2軸無蓋貨車で、くろがね線でも使用されている。このタイプの車両は戦前から大量に導入されており、終戦直後の段階で保有両数は実に1,306両に達する。これは、荷重別の両数では同製鐵所最多である。写真のものは日本車輌製造製。構内専用貨車で国鉄線上に出ることは無く、ブレーキはまったく装備していない。積荷は、鉄鉱石・石炭以外で固体のもの(廃滓や鉄スクラップ、クロップ等)は、バラものあれば大抵何でも輸送してきたようである。写真の車両は、入換運転時に作業員が乗るための大型ステップ付きでカバーまで付いているが、カバーのない車両もある。カバー有vs無の割合は、観察した限りではおよそ1vs4。

  • 荷重:15t
  • 自重:8.1t
  • 車軸配置:2軸
  • 全長:6,790mm
  • 幅:2,630mm
  • 高さ:1,691mm

※自重は8~9tで車両毎に異なる。寸法や外観も同様。

【参考】

  • 『日車の車輌史』<戦後産業車両 輸出車両編>、鉄道史資料保存会編、日本車輌鉄道同好部、1999年。
  • 『八幡製鉄所五十年史』、八幡製鉄株式会社八幡製鉄所編、1950年。
  • 岩堀 春夫「専用線の機関車10 製鉄所の機関車」、『鉄道ファン』、1984年3月号。

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2009年7月 7日 (火)

【くろがね線を読み解く】第9回 ■車体塗色について

 連日ディープな話題が続いたので(笑)、今回はちょっと気分転換にライトな話題を。

 Y製鐵所の機関車には、どれもカラフルな塗装が施されている。連結される貨車には地味な黒色のものが多いだけに、一際目立つ存在になっている。2008年現在の標準塗装は下の写真のもので、次の通りである。

Nyt_d608_sn

■Y製鐵所の機関車には派手な塗装が施されている。構内移動時の周囲への注意喚起の意味もあるようだ。 2009年3月

  • 車体のベースはクリーム色
  • 車体上部・運転台周りはオレンジ色
  • 裾は青色
  • 台枠は黄色
  • 台車・床下機器は黒色
  • 防音カバーは灰色
  • 妻面の遮熱板は銀色
  • 端梁部はゼブラ

 構内用の60t機、75t機はいずれもこの塗装で統一されている。45t機も基本的には同じなのだが、裾の青色塗装が車体ではなく台枠の上半分に施されている(第4回 の拡大写真を参照)。おそらく、他機同様に台枠をすべて黄色にしてしまうと、厚みがありすぎで野暮ったい印象になってしまうためだろう。このあたりはデザインセンスの問題である。85t機(85ED-1形)は、台枠がむき出しにはなっていないので、裾周りは青色のみで黄色はない(第6回 参照)。

 また例外もある。まず70t機(70DD-3形)は、車体上部がオレンジではなく青色で、裾の青色の面積も大きく、さながら国鉄の「スカ色」のようなデザインである(第3回 を参照)。85t機のE8501号機が最も異彩を放っており、スペースワールドのキャラクター塗装が施されている。前面にはラッキーラビットが、側面にはワニやコアラなど動物の絵が描かれている。なお車体の公式側・非公式側いずれも、ワニは八幡側を向いているが、これ自体に何か意味があるのかは不明。(第2回 参照)

 構内用の60t機関車は、昭和40年代の登場時は青一色(台枠は黄色)であった。その後、現在のオレンジ色+クリーム色+青色+台枠黄色へと変更されている。八幡地区の製鐵所跡地は再開発されているが、その一角に「東田第一高炉史跡広場」がある。ここの説明パネルに、塗色変更途上時代の戸畑第一高炉付近の写真がのっている。機関車が4台写っており、向かって左の2台が新塗色、右の2台が旧塗色となっている。「写真を撮影した写真」を掲載するのは著作権上問題と思われるので、当ブログへの掲載は控えるが、興味のある方はぜひ足を運んでみていただきたい。

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2009年7月 6日 (月)

【くろがね線を読み解く】第8回 ■屋上機器の形態変化について

 くろがね線の車両の形態変化を正確に把握するのは、容易なことではない。ごく僅かながら、書籍等で紹介されている情報を寄せ集めるのが、精一杯である。とはいえ、85ED-1形と70DD-3形については、まだ比較的情報が集めやすいようだ。

◆集電装置

 1986年の段階では、85ED-1形電気機関車の形態は竣工時の図面の通りで、見比べても変わったところは見当たらない[1]。ただし戸畑行・八幡行いずれの列車も、2基搭載している集電装置のうち戸畑側(1エンド側)のものしか使用していないことが分かる。1992~93年の記録[2]には、運行中の写真(1993年10月撮影)、機関区で待機中の写真(1992年11月撮影)があるが、いずれも1エンド側のみ使用状態で、2エンド側のものは常時畳んだままである。その後2007年4月の写真[3]では、常時畳んでいた2エンド側のものは既に撤去されていることも分かる。

◆無線アンテナ

Ny_ir_e8502_2 Ny_ir_e8501 Nyir_d705

(左)E8502 屋根中央に誘導無線アンテナ、カメラとエアコンの間に鳥居状の新型アンテナを搭載。 
(中)E8501 新型アンテナの左側に、蝿叩き状の八木アンテナを追設。 
(右)D705  E8501同様、新型アンテナの左に八木アンテナを追設。

 1986年の記録[1]では、85ED-1形・70DD-3形共に、屋根中央に誘導無線アンテナが搭載されている。形は長方形で、水平方向へ広がるタイプ。これが1992年時点[2]では、京浜急行や京成電鉄などで使用されている、垂直方向に起立する小判形のものに更新されている。また85ED-1形竣工時の図面や1986年時点[1]では、運転室上のITVカメラとエアコンの間には何も設置されていなかったが、1992年の記録[2]では、神社の鳥居のようなアンテナが取り付けられている。この新型アンテナは現在も存置されており、緩急車を務める70DD-3形にも設置されている。さらに2007年4月の写真[3]では、上記新型アンテナの向かって左側(1・4位側)に、別途小型の八木アンテナが追設されている。この小型アンテナは2008年現在、E8501とD704、D705の3両に搭載されていることが確認できているが、E8502には未搭載である。無線に関して何らかの仕様変更(追加)が行われた可能性が高く、もしかしたら無線で操縦できる操作範囲も拡大しているのかもしれない。

【脚注】

  1. DVD『製鉄所・鉱山の機関車』ないねん出版。専用線・スイッチャー研究界の大御所・岩堀春夫氏主宰「ないねん出版」の作品で、記録時間は短いがくろがね線の列車も登場する。撮影当時(1986年12月11日)はまだ複線で、緩急車も45DD形が使用されていた頃である。
  2. 『レイルマガジン』㈱ネコ・パブリッシング、1994年7月号。
  3. 名取 紀之「新日鉄「くろがね線」瞥見。(上・下)」、『編集長敬白』㈱ネコ・パブリッシング、2007年4月12~13日。

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2009年7月 4日 (土)

【くろがね線を読み解く】第7回 ■最後尾の緩急車は本当に「ブレーキ用」なのか?

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■新中原から始まる連続上り勾配でエンジンを吹かすD705 (2008年)

 別記事で扱ったとおり、くろがね線の最急勾配は18パーミルで、製鉄所の鉄道としては異例の急勾配を擁する。編成最後尾の緩急車はブレーキ用とされているが、筆者がこれまで目にした限り、戸畑ヤード(第一操車場)を出てJR線をくぐった後に続く連続上り勾配の登坂時に、緩急車のディーゼルエンジンからの排気が認められた

 編成の先頭にたつ電気機関車が落成した当時の仕様では、緩急車のブレーキは電気機関車から誘導無線で遠隔操縦されることになっていた。ただし85ED-1形の記事で述べた通り、先頭の機関車から操作できるのは制動系だけの可能性が高く、力行に関しては緩急車にも運転士が乗務する必要があると思われる。実際に2009年現在、後部の緩急車にも運転士が乗務していることがままある。

無論、緩急車への運転士乗務に関しては、機関車側の無線操縦周りの仕様変更の可能性、安全への配慮、雇用維持の側面など可能性は色々考えられるので、原因をこれと断定するのは難しい。引き続き注目していきたいと思う。

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2009年7月 3日 (金)

【くろがね線を読み解く】第6回 ■くろがね線の機関車運用

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■第一操車場で出発を待つ八幡行貨物列車 (2009年3月)

 全線が電化されているくろがね線の貨物列車は、電気機関車とディーゼル機関車によって運行されている。貨車の先頭には、電気機関車85ED-1形が1両連結され、ここに運転士が乗務して列車を牽引する。また編成最後尾には、ブレーキ用緩急車としてディーゼル機関車70DD-3形が連結されることが多く[1]、この機関車のブレーキは先頭の電気機関車から誘導無線により操縦することができる。

 牽引する貨車が短編成である場合は、70DD-3形1両のみで牽引されることもあるほか、70DD-3形2両によるプッシュプル運転になることもある。70DD-3形の記事で述べた通り、かつては戸畑・八幡のヤードを越えて工場構内非電化区間へ直通するためにDLのみの牽引になっていた。現在ではこのような運行形態は停電時などに見られるのみである。

【脚注】

  1. 緩急車の連結開始は昭和27年10月からで、当初は35DD形(35t機)・45DD形(45t機)であった。

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2009年7月 2日 (木)

【くろがね線を読み解く】第5回 ■くろがね線とは?

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■くろがね線の貨物列車。写真は戸畑行                2011年10月

 「くろがね線」とは、鉄鋼メーカーN社Y製鐵所の戸畑・八幡両地区を結ぶ専用鉄道の愛称である。一般的には、直流電化されている戸畑第一操車場から八幡第二操車場までの区間を指すことが多い。鉄道事業法第二条第六項において定められたN社専用鉄道は、黒崎駅分岐(旧 西八幡駅)-会社工場(戸畑第一操車場)間9.1kmとされている。

 Y製鐵所は、明治30年に着工された官営製鉄所で、工場内で原料や半製品・製品を輸送するための構内鉄道も、明治34年の製鋼・圧延開始と共に運行が開始された。大正14年、T製鉄から借入した戸畑地区に作業所が開設されると、戸畑地区の銑鉄を八幡地区へ輸送する必要が生じ、両地区の間で船舶による熔銑輸送が開始された。しかし生産量が増えるにつれ、海上輸送のリスクと不経済性が指摘されるようになる一方、八幡地区でも鉄の製錬過程で発生する膨大な鉱滓の処理が問題となっていた。これらの打開策として計画されたのが、両地区を結ぶ専用鉄道・炭滓線[1]である。昭和2年3月に起工し、昭和5年に開通した。

 この炭滓線は、戸畑から八幡へは銑鉄を輸送し、製錬工程の一端を担う一方、八幡から戸畑へは埋め立て用の鉱滓を輸送し、戸畑地区の拡張に寄与した。鉱滓の輸送がなくなると、昭和47年10月に社員公募により「くろがね線」と命名され[2]、現在も運行が継続されている。くろがね線の全長はおよそ6km[3]で、開業当初は全線複線電化(現在は単線電化)、最急勾配18パーミル、途中に宮田山トンネル1.18kmがある。

 古いデータで申し訳ないが、1968年10月14日発行の朝日新聞社『世界の鉄道’69』に掲載されている当鉄道のデータを参考までに挙げておく。

  • 鉄道部門従業員数:1950人
  • 電気機関車:5両 [4]
  • ディーゼル機関車:135両
  • 有蓋貨車:14両
  • 無蓋貨車:3122両
  • ホッパー車:559両
  • その他貨車:532両
  • 運転区間:西八幡-戸畑工場
  • 軌間:1067mm
  • 架線電圧:600V
  • 牽引定数:540(換算1両-10t)
  • 最大運転速度:30km/h
  • 閉そく方式:自動閉そく(昭和27年使用開始)

 機関車や貨車・貨物に関する詳細は、今後順次紹介していくことにする。

【脚注】

  1. 開業当初は、八幡から戸畑へ主に廃滓(鉄の製錬過程で排出される廃棄物)を輸送していたことから、「炭滓線(たんさいせん)」と呼称されていた。
  2. 地域住民にとっては「鉱滓線(こうさいせん)」の呼称が一般的であり、ZENRIN発行の地図にも「新日鉄鉱滓線」と記載されている。
  3. 八幡製鉄八幡製鉄所広報部編『八幡製鉄所写真集』(1966年)によると、炭滓線の全長は6.3kmとなっている。一方、松尾 輝夫「八幡製鉄所 専用鉄道の機関車」『鉄道ファン』1967年7月号では6.1kmとなっている。八幡地区の工場縮小で路線延長が短縮されたのかもしれない。なお最新のデータとしては、杉田 肇「新日鉄八幡製鉄所 新形電気機関車85ED-1形概説」『電気車の科学』1977年9月号の説が有力で、戸畑(第一操車場)-八幡(第二操車場)間約5.6kmとされている。
  4. 内訳はすべて60ED形(E601~E605)である。

【参考】

  • 『八幡製鉄所五十年史』、八幡製鉄株式会社八幡製鉄所編、1950年。
  • 『運輸省鉄道局監修 鉄道要覧』電気車研究会、1995年。

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