★液化塩素輸送の現況★三井化学と4172レ
鉄道ファン2009年10月号にて、「液化塩素用タンクコンテナUT13C-8000の増備が進むまでの間は、しばらくタキ車も併用される」旨を記載したが、雑誌には写真を載せられていなかったので、こちらでフォローをさせていただく。
1.三井化学専用鉄道
■工場に引き込まれる塩素を積載した黄タキ(左)と、引き出される空車の黄タキ(右)。三井化学にて (2009年9月)
2009年9月のシルバーウィークの日曜に私が観察した際は、タイムスケジュールは次の通りであった。
- 7時開門 … 宮浦に留置中の、前日到着して荷役が済んでいないタキ車1両(塩素入り)を工場へ引き込み、荷役が終わった空のタキ車を1両引き出す。
- 8時過ぎ … 宮浦と仮屋川操の間でJRとの貨車の授受のための列車が運行開始。単機回送含めて2往復。2往復目が宮浦に戻るのが9:50頃。
- 10時前 … 宮浦に到着した貨車のうち、まず濃硝酸タンクコンテナ車を1両ずつ工場へ引き込んでいく。
- 11~12時 … 続いてタキ車(塩素入り)を引き込み、空のタキ車を引き出す。(いずれも4両程度?)
- 14時過ぎ … 荷役の終わった空の濃硝酸タンクコンテナ車を工場から1両ずつ引き出し、昼に引き出し済みのタキ車と連結して編成を組成。
- 15:25~ … 続いてタキ車1両(塩素入り)を工場へ引き込み、空のタキ車1両を引き出す。
- 16:30頃? … 作業終了後、閉門。
2.JR鹿児島本線
■上り列車(4172レ)で北九州タまで輸送される化学貨車。(2009年9月23日、遠賀川~水巻間にて)
連結順序は北九州タ側から、濃硝酸タンクコキ+塩素タキである。現在三井化学~北九州タ間の海コン輸送が休止中のため、黒崎で濃硝酸コキ車を切り離した後は、黄タキ単独で北九州タへ向かう。
■濃硝酸貨車を切り離し、身軽になって北九州タへ向かう4172レ。(2009年9月23日、黒崎~八幡間にて)
なお日豊本線側は、これに北九州タ発南延岡行きの塩素タンクコンテナや大分・延岡行きのコキ車を併結することになる。
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【注意】
当記事掲載の写真は、すべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。
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コメント
こんばんは、社長様。大牟田のTPC10です。初めてコメント書きます。
今日、大牟田専貨で初めて液化塩素用タンクコンテナUT13C-8000を見ました。12月12日を最後に黄タキを見なくなり、暫く大牟田専貨はウヤになっていましたが、今日撮影したときには黄タンクコキ+銀タンクコキのペアで宮浦を出入りしていました。この黄タンクコキを見た時、タンク外の外側フレームが黄緑色だったので驚きました。フレームの色の決まりはあるのでしょうか。
それにしても黄タキは何の前触れもなく消えてしまいましたね。タンクコンテナの増備が予定より早く間に合ったのでしょうね。頻繁に撮影していたので余り後悔はありませんが、1月末まで走って欲しかったです。その内少しずつ思い出を語っていきたいと考えています。
投稿: TPC10 | 2009年12月26日 (土) 22:37
TPC10さま
コメントありがとうございます! お待ちしておりました(^^)
いよいよタンクコンテナ化が始まってしまいましたか。黄緑フレームのタンクコンテナを積んだコキは、今年6月に延岡の工場内に留置されているのを見たのですが(工場内なので写真はありません)、きちんとした編成で走っている写真は初めて見ました。スクープ、まさに継続的な活動の賜物ですね!
フレームの色ですが、NRSが日本陸運産業→日陸に社名変更した際に、変わっているようです。変更前が青フレーム、変更後が黄緑フレームです。現在、北九州-南延岡間で運行されている青フレームのものも、整備のうえ黄緑フレームに統一されるのかどうかは、現段階ではまだ分かりません。おそらく、日豊本線側では現在、青・黄緑が両方繋がっている編成になっていると想像しますが。
UT13C-8000には、塩素や濃硝酸以外にも色々な用途のコンテナがありますが、塩素用の青フレームは8028以前で、黄緑フレームは8067あたりからのようです。ですので、若い番号の黄緑フレームを見かけたら、それは青から塗り替えられたもの、ということになりそうです。
ともあれ、やはり9月のシルバーウィークに九州に駆けつけて正解でした! これも、TPC10さんの情報のおかげです!
投稿: 社長 | 2009年12月27日 (日) 12:36