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2009年12月 9日 (水)

【くろがね線を読み解く】第72回■35DD-9形

 1962~64年に日本車輌製造で製作されたDHL(液体式ディーゼル機関車)。現役時代は、Y製鐵所内で1形式あたり最多両数を誇っていた主力機である。2009年現在、すでに全車両が遊休状態もしくは廃車になったものと思われる[1]

車体は凸型で一見センターキャブのようにも見えるが、キャブが若干2エンド側に寄ったセミセンターキャブスタイルである。これは、エンジンとラジエーターが直結され、共に1エンド側のボンネット内に格納されているためで、2エンド側には燃料タンクと蓄電池のみを搭載する。他社製の2軸ボギー1エンジン機は、1エンド側にエンジンを、2エンド側にラジエーターを配し、センターキャブスタイルが主流になっているのとは対照的である。エンジンは、小型ディーゼル機関車に広く採用されている汎用型を1基搭載する[2]。製造ロットの相違により、D321~331とD332~以降では、ラジエーター、キャブ通風窓、手すり形状などが異なる。

  • 運転整備重量: 35t
  • 車軸配置: B-B
  • 全長: 11,050mm
  • 幅:   2,600mm
  • 高さ:  3,700mm
  • エンジン:  神鋼造機 DMH17SB ×1基
  • 定格出力:  300PS
  • 液体変速機: 神鋼造機 TCW2.5
  • 最高速度: 25km/h
  • 製造所:  日本車輌製造

【35DD-9形 製番一覧表
機関車番号 製造年 製造番号 燃料タンク容量 緩急車運用
D321 1962年(昭和37年) 2130 1,000リットル  -
D322  〃 2131  〃  -
D323  〃 2132  〃  -
D324  〃 2133  〃  -
D325  〃 2134  〃  -
D326  〃 2135  〃  -
D327  〃 2136  〃  -
D328  〃 2137  〃  -
D329  〃 2138  〃  -
D330  〃 2139  〃  -
D331  〃 2140  〃  -
D332  〃 2141  〃  -
D333  〃 2142  〃  -
D334  〃 2143  〃  -
D335  〃 2144  〃  -
D336  〃 2145  〃  -
D337  〃 2146  〃  -
D338  〃 2147  〃  -
D339 1963~64年(昭和38~39年) 2282 1,500リットル  -
D340  〃 2283  〃  -
D341  〃 2284  〃  ◎
D342  〃 2285  〃  -
D343  〃 2286  〃  -
D344  〃 2287  〃  -
D345  〃 2288  〃  -
D346  〃 2289  〃  ◎
D347  〃 2290  〃  -
D348  〃 2291  〃  -
D349  〃 2292  〃  ◎
D350  〃 2293  〃  -
D351  〃 2294  〃  -
D352  〃 2295  〃  -
D353  〃 2296  〃  -
D354  〃 2297  〃  -
D355  〃 2298  〃  -

導入は基本的にすべて八幡地区で、緩急車運用に「◎」印が付いているものは、くろがね線の緩急車として使用されていた車両である。当形式をベースに装備を簡素化した車両が、私鉄・臨海鉄道・専用線向けの入換用ディーゼル機関車(スイッチャー)として、大量に量産された。

●専用線の同型機

Nyy_35dd9_d352_uo Td_d351_1end

■高岡鉄道産業のD352(左)と、変圧器メーカーD社のD351(右)

左は、高岡貨物駅で入換に従事するD352で、もとは新湊鉄道産業(現:高岡鉄道産業)に新製配置された車両である。右は三重県の変圧器メーカーD社専用線で使用されている同型機のD351。いずれも日本車輌製造の規格型の車両であるため、外観・寸法・エンジン・トルクコンバーターなどの装備は、くろがね線の35DD-9形とほぼ同一である[3]

【注】

  1. 北九州市内の某鉄道用品ショップに、しばしば35DD-9形のナンバープレートが出品されている。このことから、既に廃車になっていると思われる。
  2. 日本車輌製造によって製作された2軸ボギーのディーゼル機関車は、伝統的に1エンジン車が主流である。日立や三菱など他のメーカーが2エンジン機を製作していた頃から、日車は臨海鉄道向けなど一部を除き、1エンジン車しか製作していない。
  3. 厳密には燃料タンク容量に違いがあるものの、外観では区別できない。

【参考】

  • 松尾 輝夫「八幡製鉄の車両」『鉄道ピクトリアル』電気車研究会、1966年2月。
  • 松尾 輝夫「八幡製鉄所 専用鉄道の機関車」『鉄道ファン』交友社、1967年7月。
  • 『日車の車輌史』<戦後産業車両 輸出車両編>、鉄道史資料保存会編、日本車輌鉄道同好部、1999年。
  • 『世界の鉄道’70』朝日新聞社、1968年。

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