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2010年1月

2010年1月31日 (日)

【スイッチャー分類学】第5回■日立凸型2エンジンBB

 L型エンドキャブに続き、今度は2軸ボギーのBB型を取り上げます。日立のBB型スイッチャーの特筆すべきポイントは、1エンジン機と2エンジン機が並行して製作されたことです。この点では、初期の頃から一貫して1エンジン機を製作し続けた日車とは対照的です。このため、日車と比べて機体のバリエーションが多くなっています。説明の都合上、1エンジン機と2エンジン機に分けて説明します。今回は2エンジン機です。

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■写真1 U社I工場専用線の35t機。丸屋根、ラジエーター縦スリット、ロッド駆動 (美祢)

 2エンジンBB型のサイズ(自重)は、30tから50tまで5t刻みでバリエーションがあります。30t、35t、40tは車体寸法が共通で、外見では区別がつきません。専用線向けは35tないし45t機がポピュラーです。2エンジン機は50t機まで確認できていますが、60t以上のものになるとすべて1エンジン機で、そのほとんどは製鉄所向けです。

●キャブの特徴

 窓や乗降扉・屋根については、L型Bの25t機と同じ特徴を持っています。乗降扉は1・4位側に点対称に配置されており、キャブ窓間の煙突も各エンド側にあります。昭和47年前後から、丸屋根が台形屋根に設計変更されましたが、これもL型機と同じ特徴です。

●ボンネットの特徴

 35tクラスのボンネットは、基本的に25t機と同じです。ちょうど25t機を背中合わせに2台貼り合わせたような構造になっています。ラジエーターは前後端面に設けられ、初期のものは切妻横スリット(写真2~4)、後期のものは折妻縦スリット(写真1)なのも25t機と同じです。側面点検蓋は、前後に片側各6枚ずつで、2枚1組で2-2-2の配置が標準です(写真1、4)。ただし、昭和30年代に製作されたもののうち古いタイプは、妻側から順に1-1-2-2の配置です(写真2)

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■写真2 T社O工場専用線の35t機。昭和35年製でラジエーターは横スリット。
 写真1と比較すると、ボンネット側面点検蓋の枚数・配置が異なる (浜川崎) 

これに対して45t以上のものはやや変わっていて、ラジエーターは前面以外に前頭部側面にもあります。ちょうど、国鉄DD13形の初期のものがこの配置です。ラジエーターに面積を奪われている分、側面点検蓋は35tクラスより少なく、前後に片側各5枚ずつです(写真3)

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■写真3 C社C工場専用線の45t機。ラジエーターは前面と側面にある。台車は鋳鋼製。 (武州原谷)

●走り装置の特徴

 BB型についても、25t機B型同様に歯車駆動の機体とロッド駆動の機体が平行して製作されました。したがってロッド=古いとは限りません

 台車は、昭和30~40年代前半頃までの初期のものは板台枠に軸バネは重ね板バネ(写真4)ですが、その後モデルチェンジされて、貨車のような鋳鋼製台枠に枕バネはコイル(写真2、3)になりました。

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■写真4 S社G工場専用線の35t機。丸屋根、ラジエーター横スリット。台車は板台枠 (本巣)

●エンジン・液体変速機・装備面の特徴

 エンジンは、基本的に国鉄のディーゼルカー・ディーゼル機関車に採用されたものと同じ神鋼造機・新潟鉄工のものを2台搭載しています。

  • 35tクラス … DMH17B(C)
  • 45t以上 … DMH17S(SB) (Sは過給器付を表す)

 液体変速機は、DMH17B(C)搭載の35t機が神鋼造機TC2系もしくは新潟コンバーターDF115系、DMH17S(SB)搭載の45t機が神鋼造機TC2.5系のものを搭載しています。

【参考】

  • 「日本の私鉄会社専用線内燃機関車諸元表」『世界の鉄道’70』朝日新聞社、1969年。

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2010年1月27日 (水)

春日井発★特大輸送★シキ800C(後編)

 翌23日土曜日、やはり朝から活動を開始します。8時40分頃に現場に到着すると、まだシキは同じ位置にいました。とりあえず前日入換が無かったことに一安心。現場は撤収が終わり、前日の喧騒が嘘のように静まり返っています。障害物が無くなったため、編成全体を敷地外から撮影することができました。

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■弥生町貨物取扱所で発送待ちの、シキ800とヨ8625  2010年1月23日

前回の特大輸送時の情報によると、入換はJRの機関車ではなく、O製紙専用線のスイッチャーが担当します。というわけで、O製紙の門扉が開いたタイミングで、すかさず入換担当者に挨拶をし、特大の入換時刻を聞いてみました。すると……

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■O製紙春日井工場専用線は、8:50に入換開始。

「13:30と聞いてます」

とのご回答。やはり前日の仮説は正しかったようです! すると今度は沿道から1台の軽自動車が近づいてきて、中からロマンスグレーの渋い感じの方が顔を出しました。

「キミも入って良いんだよ」

とのお言葉。キミも?? 不思議に思いシキの方を見ると、既に敷地内に入って写真を撮っているファンが3~4名。どうやらこの渋い方は関係者のようです。というわけで、有難く入らせていただき、撮影を続行することにしました。

※通常であれば、施設内の写真は載せるべきではありませんが、この荷役場所は、コンクリート舗装の路盤と線路があるだけで、機械設備等が皆無なので、公開しても良いのではないかと判断しました。

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■シキとヨ 稲沢方(左)と、春日井・名古屋南貨物方(右)

変圧器を積載した状態の写真を、明るいところで障害物なしでじっくり撮影できる機会は、なかなか無いかもしれません。関東では、小山の古河電工前くらいでしょうか。

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■シキ800の複式ボギー台車

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■表記類と銘盤

10時が近づいてきたので、ある列車を捕らえるために一旦敷地外へ出ます。それは…

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■673レ。この日の牽引機は、所定通り吹田機関区のEF66 121。機関車次位はDD51 825  2010年1月23日

稲沢発春日井行673レ。特大輸送のある日は、牽引用の機関車を稲沢から春日井まで運ぶ必要があるため、紙返空列車673レの機関車次位にDD51を連結して回送するわけです。国鉄色じゃないのが、ちょっと残念。ワムは14車、最近にしては長めな方。

10時を回ると、シキを見つけたファンが続々とやってきます。撮影に訪れたファンの延べ人数は30人以上になるのではないでしょうか。余談ですが、すぐ近くに川崎フロンターレ(当時)のサッカー選手「チョン・テセ」の母校があります。

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■変圧器の容器には、「榊(さかき)」が取り付けられている

変圧器の容器をよく観察してみると、春日井駅側(名古屋南貨物到着時に前になる方)に、草のようなものが生えています。これは輸送中の安全を祈願する「榊」とのこと。

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■入換担当者による分岐器の調整作業

673レで到着した貨車を工場へ引き込むため、O製紙のスイッチャーが駅構内へ入線した頃、O製紙専用線とA電機専用線の分岐部では分岐器前で何やら作業が始まりました。どうやら、転轍機は切り替えてすぐに使えるものではなく、事前の調整が必要なようです。

朝の聞き込みで入換時刻が分かっていたのと、日が陰り冷え込んできたので、11時過ぎに一旦現場を離れ、近所のラーメン屋でゆっくり時間をつぶすことにしました。冬の専用線巡りには、こういう時間つぶし(一時避難用)のポイントを見つけておくことも重要です。

 12時半頃に戻ってみると、どういうわけか、たくさんいたはずの人影が10人程度まで減っています。帰ってしまった方々は、シキが動く時刻をご存知ないのか、動くところに興味が無いのか、理由は分かりません。しかし、この時刻まで残っているファンは基本的にディープな方ばかりなので(笑)、待っている間も、他の専用線の話題など情報交換の貴重な機会となります。

 13時が近づくと、撮影するために横一列に並んだファンの前に関係の方が現れ、今回の変圧器輸送の主旨説明を開始します。さながら、大人の社会科見学の様相を呈してきました。13:20、ようやく入換作業の開始です。前回(3年前だったか?)の輸送時には、普段は動かないO製紙の25tスイッチャーが使用されたので、牽引機に何が出てくるのか興味がありました。しかし13:26に出てきたのは、普段と変わらない35t機ネピア。ちょっとがっかりです。

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■O製紙専用線からA電機専用線へ入線するスイッチャー

春日井駅方向に進んだスイッチャーは、分岐器の先で一旦停止します。分岐器を切り替え、A電機専用線に入線します。レールは錆びきっていて廃線跡のようですが、きしみ音一つ出ません。

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■関係者が見守る中、スイッチャーをシキに連結する

スイッチャーをシキに連結します。その様子を左側で腕を組みながら眺めているスーツの方が、A電機のご担当者。いよいよ出発です。

Kasugai_start2 Kasugai_start3  
■スイッチャーに牽引され春日井駅構内へ向かうシキ800とヨ8625

レールは錆びついているのに、思いのほか静かに走行します。あまりに滑らかに走行するので、若干拍子抜けです。

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■分岐器の調整。次回動くのはいつ頃?

駅へ引き出して、単機で工場へ戻る際には再び分岐器の調整です。何年かに一度しか動かさない分岐器のため、普段は稼動部分に何か細工をしているのでしょうか。

2日がかりになりましたが、東京から来た甲斐がありました。最後はA電機の方にきちんと御礼をし、現場を後にしました。現場でご一緒した皆さん、お疲れ様でした。

※本記事は、今後の敷地内での見学・撮影を担保するものではありません。当たり前のことですが、今後同様の輸送が実施された場合に、撮影許可が出る保証はまったくございません。あらかじめご了承ください。

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2010年1月26日 (火)

春日井発★特大輸送★シキ800C(前編)

 月刊趣味誌で春日井発の特大輸送の記事を見つけたのが先月。今回の特大輸送は、春日井市内にあるA電機の工場で製作された変圧器を、知多半島にあるC電力の変電所へ輸送するものです。鉄道輸送されるのは春日井→稲沢→笠寺→名古屋南貨物間で、行程両端の工場→春日井間と名古屋南貨物→変電所間は、低床トレーラーによる陸送となります。

JRの春日井駅出発時刻は23:34と深夜帯ですが、荷役場所から春日井駅までの入換作業は、JR貨物ではなく隣接する別の専用線の入換業務を担当している運送会社に委託しますので、基本的に深夜にやることはありません。つまり当日の明るい時間か、早ければ前日のうちに、ということになるわけです。というわけで、スイッチャーがシキを牽引するところを確実に撮影するため、用心して前日の22日金曜日に休みを取り、中京遠征を1日前倒しすることにしました。

金曜朝一ののぞみに乗って名古屋経由で春日井に行ってみると、

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■弥生町貨物取扱所で最終調整を行うシキ800 2010年1月22日

シキ800の周りで、朝から数十人のスタッフが忙しなく作業をしていました。クレーン車が動いていたので期待したのですが、しばらく観察していると、どうやら変圧器の積込みは既に終わっている様子。本日の作業は、変圧器を積んだ容器をシキ車の梁に固定する作業のようです。固定用のパーツを梁の上に乗せるためにクレーンが必要なわけですね。

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■変圧器容器をシキに固定する

右側で足場の上に乗って作業している方の手元が光っていますが、これは容器を梁に溶接しているためです。必要部分は片側2箇所です。左側で脚立に乗っている方が、溶接の終わった部分を右手で触って確認しています。

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■シキの後方に控える、ヨ8625 

シキから南側に10m程度離れた位置には、ヨ8000が留置されています。今回の伴走車はヨ8625です。

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■荷役場所入口からはクレーンが見える

正門にはこの場所の正式名称を示す看板があります。正門側からは、大型クレーンによる部品の吊り上げ作業が見られますが、貨車の手前に機材があって様子はよく分かりません。どちらかというと撤収作業がメインな感じです。

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■低床トレーラーは、更に別のトレーラーで輸送 2010年1月22日

11時を過ぎると、工場から荷役場所まで変圧器を陸送するのに使用された低床トレーラーが、別のトレーラーに乗せられて運び出されます。おそらく同じものが、名古屋南貨物から変電所までの陸送にも使われるのでしょう。

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■弥生町貨物取扱所、俯瞰。線路の延びていく左奥が春日井駅 2010年1月22日(許可を得て撮影)

O製紙専用線の入換を撮影した後で場所を変えてみると、いつの間にかヨがシキに連結されていました。ヨを手押しで連結するシーンを撮り逃したのが悔やまれます。

再び場所を変えて観察していると、愛知県内からいらしたというファンの方(Cさん、とします)とお会いしました。駅への入換日時について話題にしてみたところ、明日の午後ではないかとのことです。Cさんとは、こんな話をしました。

もし万が一、今日入換を行ってシキを駅へ出した場合、明日土曜日午前中に発着する貨車の入換に支障をきたす可能性がある。稲沢と春日井の間には、O製紙春日井工場専用線発着の紙輸送列車が1日1往復設定されていて(673レ、670レ)、これは基本的に土曜日も動く。春日井駅構内の線路配線を観察すると、中線が着発線で、専用線の貨車授受線が3本+ホーム隣接の1本、という状況。仮にシキで授受線1本が塞がれ、発送・到着各列車で2本が占有された状態で、さらにスイッチャーやJRの機関車の機回しをしようとすると、かなり面倒な手順になるのは必至。よってシキの入換は、製紙工場専用線の入換が終わった後、つまり明日午後ではないか?

こんな感じです。さて、この仮説は正しいかどうか…。

つづく

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2010年1月21日 (木)

◆専用線入門◆撮影場所を選ぶ

 JRや民鉄各社の貨物列車は、JR貨物時刻表などで運行時刻が公表されているのに対し、いつ動くのか分からない専用線の貨物列車は、ややとっつきにくい(興味の対象になりにくい?)存在です。また専用線での撮影は、長閑な田園地帯でJRの列車を撮影するのとは要領が異なることも多く、荷主側への配慮が欠かせません。「専用線を読み解く」では、専用線訪問の勘所をまとめてみることにしました。

 さてここで、一つ前置きを。これから展開する話題は、私が日本全国の専用線をあちこち見て回った経験をまとめたものです。特定の専用線に限定した話題ではなく、まずはできるだけ普遍的な話から入ります。既にこのディープな?世界にどっぷり浸かっている方には、ちょっと物足りない内容かもしれませんが、少し辛抱してお付き合いいただければと思います。

●オザミ工場専用線

 特定荷主の入換手順や荷役方法に言及するのは、色々と問題がありそうですので、架空の荷主「オザミ工場」を使って説明します。オザミ工場は、原料をパイプラインやベルトコンベアで外部から調達し、工場で製品を生産しています。そして製品の発送は鉄道貨車で行っており、下図のように工場から最寄のJR駅に接続する専用線を保有しています(…と仮定します)。 下図は、今後も説明に随時使用していきます。

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■オザミ工場専用線概略図。目的に応じて撮影場所を選ぶ。

●撮影場所

 専用線のスイッチャーがJR線の閉塞区間を自力走行することはありませんので、通常撮影できるのは上図で示した青矢印の場所に限られます。

  1. 接続する貨物駅の周辺
  2. 専用線の沿線
  3. 工場の出入口
  4. 工場の周辺

1.接続する貨物駅の周辺

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■専用線や駅周辺が社有地に囲まれている場合は、駅撮りしか選択肢が無いことも。
 (左:高崎線 岡部、右:鹿児島本線 黒崎)

これは最も手軽な場所です。駅に近いのでアクセスも容易ですから、限られた時間で多くの専用線を回る際は最適です。駅ヤード(授受線)が旅客駅構内にある場合は、ホームや跨線橋から駅撮りできることもあります。また、周辺がすべて社有地になっているような駅では、このような場所で撮影するほかありません。停車時間を利用して、車両の形式写真を撮るのには向いています。ただし撮影アングルは限定されます。車両研究派にお勧めです。

2.専用線の沿線

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■内陸部の専用線では、沿線が開けているところもある。 (左:栃木県小山市犬塚、右:山口県美祢市大嶺町)

編成の写真を撮るのに適しています。工業地帯では障害物が多く撮影場所を探すのに苦労することもありますが、編成全体を風景も絡めて撮るのに向いています。専用線が長い場合は、季節や時刻による日差しの向きなども考慮して場所を選ぶことができますので、列車撮影派にはこちらがお勧めです。

3.工場の出入口

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■社有地出入口付近でしか撮影できないことも。残念ながら初心者向きではない。
 (左:神奈川県川崎市扇町、右:静岡県富士市今井)

スイッチャーが工場に出入りするところを捕らえようという場所です。が、難易度は高く熟練者向きです。荷主側に配慮し、無断で工場内にカメラを向けるのは慎んだ方が良いでしょう。撮影する際は、事前に口頭で許可を得るなど、社会人としての常識的なコミュニケーションが求められます。万が一問題を起こした場合、最悪、警察沙汰に発展する可能性を否定できませんので、未成年にはお勧めしません。色々と難しい面はありますが、魅力もあります。上図のようなオザミ工場の規模になると、スイッチャーは予備機も含めて3~4台は配置されているのが普通です。後で述べるように、この場所に来なければ撮影できない車両が出てくることもあるので、専用線訪問に慣れてきた方はチャレンジしてみるのもアリかと思います。

4.工場の周辺

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■プラント間を公道が横切っていたり、荷役場所が外から見えることもある。
 (左:福岡県大牟田市浅牟田町、右:長野県松本市市場)

このような場所は、工場の規模や構造によっては無い場合も多いです。もし見つかったら、無理の無い範囲でチャレンジするのもまた一興です。注意点は3と同じです。

 以上のように、場所選びに関しては撮りたい写真に応じて色々選択肢が考えられますので、自分が何を撮りたいのかを明確にしておくと行動計画も立てやすいかと思います。

 さて、次回は「いつ動くのか」、稼働時刻を取り上げます。

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2010年1月18日 (月)

【スイッチャー分類学】第4回■日立L型

 さて次のターゲットは、日車と共に産業用機関車メーカーの双璧を成す日立製作所のスイッチャーです。日立のスイッチャーの特徴は、L型・凸型ともに洗練された共通の意匠で製作されていることで、キャブやボンネットなどに一目で日立製と分かるポイントがあります。今回はL型エンドキャブの車両を分類します。

 日立製作所の初期のディーゼル機関車は、昭和30年代前半に製鉄所や専用線向けにまとまった数がリリースされています。しかしこれらを規格型と呼べるかというと、正直微妙なところです。一応この時期の車両には、L型機・凸型機ともにキャブやボンネットの形態に共通の特徴があり、人によってはこれを規格型として分類する方もおいでかと思います。私の印象では、車体の形態が納入先毎に結構異なっているので、「規格型の登場」というよりも、「各種オーダーメイド機がまとまった数量産された」と位置づけています。

この時期のグループで比較的最近まで活躍していた車両は、鶴見線扇町のS社K工場専用線で稼動していたC形ロッド駆動25t機「DC-2」などが代表的でしょうか。いずれにしろ現存しませんので、分類の主旨からは外れることになります。本格的なレディメイド機は昭和30年代中頃に登場します。

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■写真1 15tロッド駆動初期型(足尾)       ■写真2 15tロッド駆動後期型(下松)

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■写真3 25t機丸屋根タイプ(速星)          ■写真4 25t機平面構成屋根タイプ(鵜殿)

 L型の規格型は、10tから25tまで5t刻みでバリエーションがあります。20t、25t機の車体は共通で、外観では区別がつきません。

●キャブの特徴

 窓は前後とも2枚で、窓間に煙突が設けられているのが標準形態です。10t機や初期の15t機(写真1)は窓間に煙突がなく、2枚の窓が中央に寄っています。乗降扉は側面に設けられており、10~15t機は3・4位側(2エンド側)に寄せられている(写真1、2)一方、20t以上のものは1・4位側に点対称に配置されています(写真3、4を比較のこと)

 屋根は、初期のものは緩やかな曲線を描いた丸屋根(写真1~3)ですが、昭和47年前後からいわゆる台形屋根(平面構成の屋根)に変更されました(写真4、5)。また一部には、工場設備の制約により扁平屋根に改造されたものもあります。

 煙突は、キャブ前面窓間に設けられているのが標準ですが、一部は納入先にあわせた設計変更ないし改造により、ボンネット上やラジエーターの横に設けられています(写真4)

●ボンネットの特徴

 箱型ながらも角に丸みをもたせたデザインが特徴です。ラジエーターは前面端部に設けられており、初期のものは目の細かい横スリット(写真1)後期のものは目の粗い縦スリット(写真2、4、5)です。初期の横スリットのものは切妻スタイルが標準なのに対し、後期の縦スリットのものは折妻が主流になっています。

 ボンネット側面の点検蓋の枚数は、大きさ(自重)ごとに異なるため、車両を見分けるポイントになっています。

  • 10t機       … 3枚
  • 15t機(初期型) … 5枚
  • 15t機(後期型) … 4枚
  • 20t、25t機   … 6枚

 側面の通気口は長方形のグリル(金網)になっていることが多く、点検蓋より上に配置されているのが標準です。後期の車両では省略されているものもあります(写真2~5)

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■写真5 H社N工場専用線のL型25t機。
 前面のラジエーターは縦スリット折妻タイプで、後期の車両であることが分かる。 (焼島)

●走り装置の特徴

 日立の規格型の駆動方式は、10t機はチェーン駆動、15機はすべてロッド駆動です。15t機の初期型は、カウンターウェイトが車輪の外側にある(アウトサイドフレーム)タイプです(写真1)。20~25t機のB型機は、すべてのタイプに歯車駆動とロッド駆動両方の機体が存在します。ギア駆動のものは昭和30年代から存在する一方、ロッド駆動のものも昭和50年代まで製作され続けています。したがって、こと日立製のスイッチャーに関しては、「ロッド=古い」という図式は成り立ちません。25t機にはC型(3軸)のものもあり、こちらはすべてロッド駆動になっています。

 足回りは、初期のものは軸バネに重ね板バネが使用されていましたが、昭和47年前後のモデルチェンジの際にコイルバネに変更されています(写真4、5)。 

●エンジン・液体変速機・装備面の特徴

 エンジンは、基本的に国鉄のディーゼルカー制式の神鋼造機DMH17のものが使用されています。ただし一部は日立製のエンジンです。

 液体変速機は、私鉄のディーゼル機関車同様、神鋼造機TC2系か、新潟コンバーターDF115系のいずれかが採用されています。ただし日立製のエンジンを搭載している車両は、液体変速機も日立製であることが多いようです。

【参考】

  • 「日本の私鉄会社専用線内燃機関車諸元表」『世界の鉄道’70』朝日新聞社、1969年。

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2010年1月15日 (金)

★D51/EF55/旧客/車扱貨物★町内会発表作品を公開

 東京都内某所の町内会の企画で、作品展をやるらしい。テーマは無し、未発表作品であれば、最近撮影したものでなくても良いとのこと。作品が集まらないので何でもいいから出してほしいと催促されたので、去年一年間に撮影したものの中から5点出すことにした。公開期間は明日から日曜の午前中までとのこと。

 プロフィールに書いている通り、自分の趣味はあくまでも車両や運用の研究が中心で、基本的に鉄道写真には力を入れていないので、いまひとつのものが多い。まぁ、大人の鑑賞には堪えなくても子供が喜んでくれればいいと割り切ることにしよう。

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■さよならEF55みなかみ号 2008年12月 上越線 水上-上牧

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■石灰石貨物列車 2009年1月 岩手開発鉄道 盛-赤崎

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■旧型客車の試運転 2009年7月 上越線 上牧-水上

Yakejima_wamu8

■紙輸送列車 2009年7月 信越本線 上沼垂-焼島

D51498_minakami

■SLみなかみ号 2009年12月 上越線 上牧-水上

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2010年1月13日 (水)

★祝★25000アクセス突破!!(懐かしの銀タキ)

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■濃硝酸タキを牽引し、黒崎から北九州タへ向かう、170列車 2009年3月某日、八幡

 2009年のクリスマスをもって、九州の南延岡-大牟田(宮浦)間で行われていた塩素輸送が、専用貨車からタンクコンテナに置き換えられたようです。2009年6月には、黒崎-大牟田(宮浦)の濃硝酸輸送がタンクコンテナに置き換えられましたが、今回塩素輸送も同様の措置がとられたことで、日本最後の専用貨車による化学薬品輸送列車が、姿を消したことになります。

 6月の濃硝酸輸送のタンクコンテナ化の際は、雑誌へ記事を投稿し、またそのフォローとして9月に宮浦を訪問した際の様子を当ブログで報告しました。今回は、過去に遡りタンクコンテナ化前の写真を25000アクセス記念としたいと思います。

 以前こちらの記事で、西八幡のN社Y製鐵所のレール積載チキ車の入換を取り上げました。実はその日、写真を撮り終えて八幡駅に戻ると、ひとつの出来事があったのです。八幡駅上りホームの博多寄りは駅撮りポイントとしてはあまりにも有名で、よく撮影者を見かけます。この日は平日だったのですが、一人先客がいました。何を撮ろうとしているのか興味があり、話を聞いてみることにしました。

 この方(Bさんとします)は、日本最後の化成品貨車(タンク体がアルミ製の銀色のタキ車)が九州でまだ運行されているので、それを撮りにわざわざやってきたとのことです。でも朝方?? 私は疑問に思いました。なぜなら、黒崎発着の濃硝酸は、到着は4172レ、発送は172レというのが常道で、朝の黒崎発北九州タ行き170レはレール輸送用という先入観があったからにほかなりません(実際、170レは下の写真のようにレール輸送に使われるスジです)。さらに、その日は直前まで西八幡で入換を観察していましたが、発車するチキ車が無かったので、170レも運休だろうと思っていたのです。

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■西浜松行きのチキ車を牽引し、黒崎から北九州タへ向かう、170列車。
 積載しているレールは、
東海道新幹線向けのもの。  2009年9月某日、八幡

 それでも、冒頭の写真の通り、銀タキは170レでやってきました。Bさんの話では、レール輸送が休みの日限定でたまに朝発送があるとのことです。多分いまでも場合によってはあるんじゃないかと思います。またこのことについて、奥野君の専用線日記で質問したところ、’90年代は朝発送もあったとの証言も得られました。

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■濃硝酸タキ2車 2009年3月某日、170列車

 何事も分析は重要ですが、それと同じくらい、人の話に耳を傾けることも大切だなと感じた一件でした。今後も、こうした方向性は大切にしていきたいと思っています。

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2010年1月12日 (火)

★今なお現役★神奈川臨海鉄道水江線を激写!!

 正月明け最初の連休、天気も良いので遠くに行ってみたいところです。しかし、1月下旬に専用線巡りの予定があり、2月には鉄道ピクトリアルの連載記事でお馴染みのIさんとのツアーも控えている都合上、財政支出を抑えなければならず、我慢の三連休となりました。

とはいうものの、定期券が使える範囲であれば足代も多少浮くということで、浜川崎に行ってみることに。今日(1月11日)は、祝日ながら月曜日。午前中に某SNSで倉賀野→浜川崎の石油返空が動いているという情報を入手し、浜川崎駅に接続する石油系T社専用線の入換もあるのではないかと踏んだわけです。

川崎駅からの三井埠頭行き臨港バスを降りてみると…

 

見事に門が閉まっておりました。JRの駅への到着便はあっても、荷役や積車発送が無い日は返空の引き込みも無い、これは専用線ではよくあることです。残念ですが頭を切り替えて、次なる場所にタクシーで移動することにします。

成人式だから綺麗なネエちゃんでも乗ってくれるかと思ったけど、ぜんぜんだYO~

タクシー運チャンのボヤキに適当に相槌を打ちながら、水江線の有名ポイント・J社北門前に到着。そりゃ、休日の工業地帯に綺麗なネエちゃんはいないYO(笑)

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■写真1 神奈川臨海鉄道 水江町駅

 接続する専用線も無いのに、人知れず単機回送列車が走っているという、神奈川臨海鉄道 水江線。時期によっては毎日運行というわけではないため、最近ではやや都市伝説の域に達しつつあります。もちろん、その運行時刻は貨物時刻表にも載っていません。もっとも、錆び取り列車そのものは、名古屋臨海鉄道 南港線(名古屋南貨物~知多間)や、秋田臨海鉄道 北港線などでも走っているので、水江線だけが例外的に珍しいわけではありませんが。

2008年10月に水江町駅を訪問した際は、駅付近の使いもしない踏切の更新工事をやっていましたので、路線としては当面残すつもりのようです。まぁ、単に予算を消化したいだけかもしれません。

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■写真2 水江線の末端部。車止めの右側にはかつて専用線が接続していた。

水江線の末端には車止があり、その先(南側)は専用線の廃線跡で、現在は駐車場や空き地になっています。線路を埋めたアスファルトがカーブを描きながら、石油系J社や鉄鋼系J社の工場へ向かって伸びていますので、痕跡をとどめている方かもしれません。

 このままこの場所で、来るのかどうか分からない列車を待つのも、ひとつの考えです。「水江線らしい」写真を撮るには水江町にいるのが一番です。しかし、万が一棚ボタ的に撮れても何の分析にもなりませんので、一路川崎貨物へと向かうことにします。当ブログのコアコンテンツは「分析」であって、「綺麗な写真」ではありませんので(笑)

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■写真3 水江線、川崎貨物方向を望む。 2010年1月11日

 川崎貨物へは、水江線の線路沿いの道を歩くことにします。最短コースではありませんが、万が一途中で列車が来た際に逃さず撮影するためです。

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■写真4 水江線、水江町方向を望む。 2010年1月11日

最初の車止めの写真と上の写真を見比べると、レール状態の違いが一目瞭然です。

列車の走らないレールは黒色(写真2)ですが、走っているレールは茶色で上面が銀色に輝いています(写真3、4)。橋梁の付け替えや高架化によって、ある日を境に列車の走らなくなったレールを毎日観察していると、色の変化がよく分かります。列車が走らなくなると、銀色だったレール上面は一週間前後で黄土色に錆び付き、三週間ほどで完全に側面と同じ茶色になります。海が近い路線では錆び付きはもっと早いです。茶色のまま使用されていないレールはやがて黒く変色します。つまり、レールの色を見た段階で、水江線は少なくとも週一回程度は運行されているのだな、ということが分かります(写真3、4)

 塩浜陸橋をくぐると、川崎貨物駅に着きます。振り返って水江線の出発信号機を見ると、当然ながら停止現示(赤が点灯)です。ですが出発信号機が2基あることから、水江線へ進入するルートが二通りあることが分かります。

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■写真5 川崎貨物を南側から。ヤード照明塔の左下が浮島町行315列車。その右にDD55 18が佇む。 2010年1月11日

 いつもの川崎貨物の午後の光景、のように見えます。宇都宮貨物ターミナルからの石油返空が到着し、入換の後、浮島町に向けて出発していきます(写真5、照明塔の左下)。つまり浮島線は、祝日でも冬の返空便は運転していることがあるということです。

 そんな風に冷静に分析していると、異変は起きました。ヤード照明塔の右下に留置されていたDD55 18が、単機で南に向かって動き出したのです。千鳥町線の発車にしては時刻より一時間早いです。まさか・・・

本能的に、水江町に向かって全速力で走り出します! 我ながらこんなに走ったのは高校の部活以来か、という必死さです。走りながら先程の水江線の出発信号機を見ると、一番東側のものが見事に進行現示(青が点灯)に変わっています! 直感が確信に変わりました。ついに水江線の運転です! (Bダッシュ中のため写真はありません。悪しからず)

 水江線へ向かうDD55 18は、駅構内を抜けるまで30km/h程度の速度で走っているため、しばらくは機関車に抜かれずに等速で並走することができました。水江町までこのペースで走ってくれれば水江町で撮れるかも?と思ったのですが、下り勾配に差し掛かると加速する機関車には勝てず、見送ることにしました。もちろん、行った機関車はすぐに戻ってきますが。

 水江町で暫く止まっているのかと思ったのですが、想像以上に早く戻ってきたため、仕方なく池上町の踏切で撮ることにしました。

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■写真6 水江町発川崎貨物行きの単機回送列車。DD55 18には3~4人程度が乗務 2010年1月11日

祝日なので車の量は大変少なく、踏切が閉まっても道路交通を支障することはありません。日曜祝日に運行するのはこういった理由もあるのでしょうか。このあたりの分析は今後の課題です。

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■写真6 水江町発川崎貨物行きの単機回送列車、後追い。 2010年1月11日

動く条件は大体見当がつきましたので、いずれまた近いうちに訪れたいと思います。

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2010年1月 8日 (金)

【スイッチャー分類学】第3回■日車凸型BB

 前回、日車製のB型(2軸)スイッチャーについて簡単な分類を試みました。今回はその続編としてBB型(2軸ボギー)機関車を分類してみます。

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■写真1 日車製BB型DHLの試作機 鹿島鉄道DD901

 日車製のBB型ディーゼル機関車は、昭和30年に試作されたDL900(製番1766)が最初です(写真1)。この車両は、凸型センターキャブの54t液体式ディーゼル機関車で、神鋼造機DMF36S形エンジンを2基搭載し、液体変速機はDS1.2/1.35、駆動方式はロッド駆動でした。アウトサイドフレームと呼ばれる、カウンターウェイトが車輪の外側についている台車が特徴です。昭和32年6月には、試験のため国鉄に貸し出され、DD42 1と命名されて名古屋で活躍しました。試用は昭和33年3月に終了し、同年7月には常総筑波鉄道(のちの関東鉄道→鹿島鉄道)に売却されました。この車両は、関東鉄道・鹿島鉄道ではDD90 1と命名されて長らく活躍していましたので、こちらの時代の方が有名かもしれません。

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■写真2 関東鉄道DD502(水海道車両基地)

 いっぽう試作機としては、DL900を1エンジン化したスタイルの凸型セミセンターキャブの35t機が昭和31年に製作されました。エンジンはDMF36形で、液体変速機はDS1.2/1.35、同じくアウトサイドフレームのロッド駆動です。こちらはのちの関東鉄道DD50 2(写真2)で、エンジンとトルクコンバーターは換装されているものの、2009年現在でも稼動状態を維持しています。

この時期には、これらのデザインを流用してL型エンドキャブのB型・C型の機関車も製作され、こちらはまとまった数が量産されました。しかし残念ながら凸型のBBについては、製鉄所向けに設計変更した数両が製作されたのみで、量産されることはありませんでした。BB型の規格型は、昭和37年から製作されています

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■写真3 高岡鉄道産業の35t機D352(高岡貨物)

 規格型の最初のものは、凸型・1エンジン・セミセンターキャブスタイルの35t機でした(写真3)1エンド側にエンジンと液体変速機が搭載され、2エンド側は燃料タンクの構成です。エンジンは神鋼造機DMH17系、液体変速機は神鋼造機TC2.5系か新潟コンバーターDF115系を採用しています。したがって系譜上は、DMF31系を採用しているBB型の子孫ではなく、B型・C型スイッチャーを大型化・2軸ボギー化したものです。

 このタイプはもともと、北九州にあるN社Y製鐵所の構内輸送用機関車として、昭和37~39年にかけて開発・量産された車両です(→こちらを参照)。製鉄所の機関車は、高炉付近など高熱で苛酷な環境での使用に耐えられるよう、前後端面に遮熱板を装備するため、ラジエーターはボンネット側面に設けられています。使い勝手が良かったようで、特殊装備を省略のうえ、一般専用線向けにも量産されました。2009年現在ではかなり数を減らしていますが、まだ何箇所かの専用線で現役です。

 その後、45t以上の規格型大型スイッチャーが製作されるようになったのは、昭和45年のことです。

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■写真4 T社F工場Y出荷センター専用線の45t機(四日市) ■写真5 J社M営業所専用線の45t機(南松本)

 2009年現在もセメント輸送に活躍する、T社のスイッチャー「OD451」は、昭和45年に製作された日車製BB規格型大型スイッチャーの第1号機です(写真4)。これもやはり凸型・1エンジン・セミセンターキャブという共通の特徴を持っています。昭和40年代後半以降、この車両をベースにした規格型が、全国の専用線や製鉄所向けに大量に量産されています(写真5)

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■写真6 日本車輌製造豊川製作所専用線の35t機   ■写真7 A社N工場専用線の35t機(南延岡)

 昭和49年からは、45t機に類似した車体を持ちながら若干小型化された35t機も量産され、45t機と双璧を成す一大勢力になりました(写真6、7)

 これら規格型は、日車特有の角ばった車体デザインが特徴で、サイズ(自重)は35t、45t、50t、60tなどのバリエーションがあります。60t以上のものはほとんどが製鉄所向けで、形態も機種毎に細部が異なっておりややオーダーメイドに近くなっています(写真8)

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■写真8 N社Y製鐵所の60t機(北九州市)

総じて、日車の産業用機関車はそのほとんどが1エンジン機であることが大きな特徴です。試作機を除くと、2エンジン機が製作されたことは非常に稀で、DD13形など国鉄向けの機関車や、私鉄・臨海鉄道向けの同型車の一部にとどまっています。

●キャブの特徴

 規格型は凸型セミセンターキャブスタイルが標準で、窓は前後とも2枚ずつ、乗降扉は側面に設けられています。また、入換時の視界確保のため、窓の下のボンネット近くに明かり窓があいていたり(写真3、8)、窓の端の部分だけが下に向かって直角に拡大されていたりする(写真3、4)のも、日車共通の特徴です。

●ボンネットの特徴

 昭和30年代後半~40年代前半に製作された初期の35t機は、製鉄所向けの車両をルーツとすることから、ラジエーターは側面に設けられています(写真3)。昭和45年以降に量産された45t以上の大型機も、一貫してサイドラジエーターです(写真4、5、8)。もっともこの時期は既に、国鉄DD13形も冷却機構の見直しでラジエーターを前面から側面に移していた時代ですので、製鉄所への展開を念頭においた設計なのかどうかはわかりません。ただし、昭和49年以降の新しい35t機は、専用線向けと割り切ったのかフロントラジエーターに戻っており、注目に値します(写真6、7)

 ボンネット側面には点検蓋が設けられていますが、その枚数にも共通点があります。初期の35t機は、1エンド側6枚・2エンド側6枚の配置です(写真3)。しかし昭和45年以降の35、45、50t機はすべて1エンド側8枚・2エンド側3枚の配置で共通です(写真4~6)。ただし機種によっては、ボンネットの最もキャブ寄りに空気清浄機用ルーバーが設置されていて、本来その位置にあるはずの点検蓋1組(2枚)が省略されていたり、逆に1枚多いものもありますので(写真7)、枚数だけにとらわれずあくまでもスペースで考えてください。
60t以上の大型機は製鉄所向けで、点検蓋の形状や配置は機種毎に異なる(納入先の要望に応じて作り分けられる)ため、分類は割愛します。

●走り装置の特徴

 規格型は、登場時からギア駆動のもののみが製作され、私の知る限りロッド駆動は存在しません。台車は、初期のものは板台枠軸バネは重ね板バネですが(写真3)、昭和45年以降のものは貨車のような鋳鋼製台枠が採用されて枕バネはコイルになっています(写真4~6、8)。昭和50~55年頃モデルチェンジが行われ、以降は組立台枠+固定枕梁軸バネはコイルになっています(写真7)

●エンジン・液体変速機・装備面の特徴

 45t以上の大型機のエンジンは、基本的に国鉄のディーゼル機関車DD13形に採用された神鋼造機DMF31系のものが一貫して採用されています。製鉄所向けの車両は、車体が箱型だったり、運転室が無かったりして外観はさまざまですが、エンジンに関しては基本的に同じです。強いて言えば、パワートランスミッションやインタークーラーの有無で出力に若干のバリエーションがあるだけです。いっぽう初期の35t機はDMH17S、昭和49年以降登場の新しい35t機は小松のエンジンを適宜物色する感じで、機種ごとに異なっているのが特徴です。

 45t以上の大型機の液体変速機は、国鉄DD13形や私鉄のディーゼル機関車同様、神鋼造機DS1.2/1.35か、新潟コンバーターDB138系のいずれかが採用されています。これに対して35t機は、神鋼造機TC2.5系もしくは新潟コンバーターDF115系、およびその後継製品が採用されています。なお製鉄所向けの大型機については、カミンズなど海外由来のものに切り替えたり、液体式をやめて機械式に変更するなど、各種工夫がみられます。

【参考】

  • 『日車の車輌史・図面集』<戦後産業車両 輸出車両編>、鉄道史資料保存会編、日本車輌鉄道同好部、1999年。
  • 土岐 實光「戦後の入換用ディーゼル機関車とDD13形」『鉄道ピクトリアル』電気車研究会、2007年12月。

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2010年1月 5日 (火)

【スイッチャー分類学】第2回■日車L型・凸型B

 日本各地で活躍中のスイッチャーのうち最大派閥を成すのは、日本車両製造製の2軸機です。下のような形の車両は、専用線に興味の無い方でもよくご覧になったことがあると思います。

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■写真1 製紙メーカーN社F工場の専用線で活躍する日車製25t機。ワム80000を牽引して富士駅へ向かう。

このタイプの規格型車両は、メーカー型式では「DBG25」と呼ばれています。頭のDは動力方式(ディーゼル「diesel」機関車のD)を表し、Bは車軸配置(2軸)、Gは駆動方式(歯車「gear」のG)、数字2桁は自重と思われます。

 日車製のディーゼル機関車が初めて登場したのは昭和30年のことです。昭和31年から製作された10~20tクラスの小型のものは入換専用のスイッチャーでした。昭和30年代まではロッド駆動方式のものも製作されていたようですが、昭和39年から上の機種に代表されるような規格型の量産が始まりました。

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■写真2 吉原のN社F工場専用線の15t機(手前) ■写真3 浮島町のJ社メンテナンスセンター専用線の15t機

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■写真4 安中のT社A精錬所専用線の25t機      ■写真5 西上田のO社U営業所の25t機

これら規格型は、日車特有の角ばった共通デザインを採用しており、サイズ(自重)は10~25tまで5t刻みでバリエーションがあります。生産コスト削減と納期短縮のため、受注生産ではなく、同じ図面を流用して10両程度の単位でまとめて製作する手法がとられたことから、金太郎飴のように同じ形の車両が日本中に大増殖することになりました。

●キャブの特徴

 規格型の標準スタイルは、キャブ前面の窓が4枚で、そのうち1枚が乗降扉を兼ねているものです(写真1~4)。10t機は例外的に3枚窓で、乗降扉は側面にあります。10~20t機はL型エンドキャブ、25t機は凸型セミセンターキャブのスタイルです。ただし昭和46年頃から25t機もL型エンドキャブに変更されました(写真4)。昭和56年頃からは、15~25t機は車体寸法が共通化され、ラジエーターの面積など細部の違いを除いて、ほとんど同じ形に統一されました。またこのときから、それまで前面に設けられていた乗降扉が側面に移り、4枚に分割されていた前面窓が35t機同様の2枚窓に変更されました(写真5)

●ボンネットの特徴

 L型エンドキャブ、凸型セミセンターキャブいずれのタイプも、1エンド側ボンネット内にエンジンを格納しています。凸型セミセンターキャブの2エンド側には燃料タンクなどがあるようです。ラジエーターは1エンド側ボンネット前面に設けられています。側面には点検蓋が設けられ、その枚数により機体のバリエーションを知ることができます点検蓋の枚数は、10t機は4枚、15~20t機は6枚となっています(写真2、3)25t機は、L型エンドキャブのものは6枚(写真4、5)、凸型セミセンターキャブのものは1エンド側6枚・2エンド側2枚です(写真1)。15t機(写真3)と、4枚窓のL型25t機(写真4)は形態が酷似していますが、25t機の方がボンネットも車軸間距離も長くなっています。

●走り装置の特徴

 この規格型は登場時からギア駆動ないしチェーン駆動のもののみが製作され、私の知る限りロッド駆動は存在しません。初期のものは軸バネに重ね板バネが使用されていました(写真1~4)が、昭和49年頃のモデルチェンジの際にコイルバネに変更されています(写真5)

●エンジン・液体変速機・装備面の特徴

 エンジンは、基本的に国鉄のディーゼルカー制式の神鋼造機DMH17のものか、もしくは日野の自動車用汎用エンジンDA59系/DK10系が採用されています。

 液体変速機は、私鉄のディーゼル機関車同様、神鋼造機TC2系か、新潟コンバーターDF115系のいずれかが採用されています。

●記号番号

 これは、メーカーに拠らず言えることなのですが、各使用者がスイッチャーに付与している記号番号は、「DB1501」「DB256」などのように、D+車軸配置+運転整備重量+車番であることが多いようです。ただし、JRや私鉄など一般の鉄道事業者のように、付番ルールが各社内で明確に規定されているわけではありませんので、すべてのスイッチャーがこのルール通りの付番になっているわけではありません。例えばY製鐵所の日車製スイッチャー「D622」は、62t機の2号機ではなく、60t機の22号機です。かような事情もあるので、例えばDB256を「DB25形」と呼称するのは、あまり適切ではないでしょう。記号番号をそのまま読むか、もしくはメーカー型式で呼ぶのが妥当です。

【参考】

  • 『日車の車輌史・図面集』<戦後産業車両 輸出車両編>、鉄道史資料保存会編、日本車輌鉄道同好部、1999年。
  • 日本車輌製造(株)鉄道同好部「100周年を迎える日本車輌製造(株)」、『鉄道ピクトリアル』電気車研究会、1996年1月。

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2010年1月 4日 (月)

【くろがね線を読み解く】第76回■60t積 製品台車

 くろがね線で活躍中の、スラブ輸送等に使用される平台車については以前取り上げたが、今回はくろがね線には出てこない、構内専用貨車について観察することにする。

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■Y製鐵所構内で活躍する 731(ユタ2431) 

上の写真は、八幡地区で活躍中の60t積製品台車である。

以前紹介したくろがね線の車両より全長がかなり長く、魚腹台枠の縦方向の厚みも分厚くなっている。くろがね線用の車両では、荷を支える台座(スキッド)の数は10~11本程度のものが多いが、上の八幡地区専用の車両は14本ある。車番の731は、下2桁が車号を表しているようだ。

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■Y製鐵所構内で活躍する 753(ユタ2453)

こちらは上の731号車と同型車の753号車だが、台車の形が異なっている。731の台車は板台枠で、軸バネが板バネになっているのに対し、下の753は鋳鋼製台車で、枕バネはコイルになっている。

Y製鐵所の輸送には、くろがね線に代表される工程間輸送のほか、岸壁からタンカーで出荷するための製品の輸送や、貯蔵品の移送(在庫移動)、循環品・生産機械部品輸送などが存在する。製品や半製品以外の輸送には、もっぱら上のような平らな台車が使用される。この車両には、積載する荷の種類によって、若干マイナーバージョンが存在するようである。今回は、製鐵所側に配慮して、あえて何も乗せていない車両の写真を紹介した。ご了承いただきたい。

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2010年1月 2日 (土)

【スイッチャー分類学】第1回■はじめに

 日本には、かつて3000以上の専用線が存在していました。専用線とは、荷主企業が自社の工場や倉庫などで、鉄道貨車により原料や製品の受入・発送をするために敷設した線路のことです[1]。よく、使用されているのかどうか分からないような錆びた線路が、駅の端の方で本線から分岐して、どこかへ向かっていく光景を目にしますが、そういうものは大抵が専用線です。専用線の多くは、国鉄・JR(ないしこれに接続する私鉄)の線路に接続しており、全国の貨物輸送網に組み込まれる形で、物流の一翼を担っています。近年では、JR貨物が推進してきた合理化の流れ(専用貨車のコンテナ化)に呼応するように、専用線も徐々に数を減らしてきています[2]

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■S社G工場と、敷設された専用線。セメント専用タンク車が並ぶ(許可を得て撮影) 2001年12月、本巣

 専用線の最大の魅力は、なんといても一般の旅客鉄道ではお目にかかれない個性的な産業用機関車が活躍していることでしょう。これらは「スイッチャー」「シャンター(shunter)」「入換動車」などと呼ばれます。この特集では、このスイッチャーの分類を通して、産業用機関車の発展の歴史や現在の動向にも触れていければと思っています。

●分類の意義

 私がスイッチャー分類の必要性を痛感したのは、九州は延岡にあるA社N工場を訪れたときでした。この工場には、JR南延岡駅から専用線が引き込まれており、液化塩素や繊維製品が貨車で発送されています。当然、この工場には貨車の入換を行うためのスイッチャーが配置されていて、駅にも出てくるのですが、工場の規模から考えても1両だけでは無いだろうと訪問前から考えていました。

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■A社N工場専用線で活躍するスイッチャー。こちらは駅に出てくるタイプで、
 液化塩素専用タンクコンテナを積載したコンテナ車を工場へ引き込むところ。  2006年8月、南延岡

 この工場は、もちろん内部に入ることはできないのですが、広大な敷地を南北に分断する形で公道が横切っており、南側に液化塩素の荷役設備、北側に繊維製品の荷役設備があります。北側で荷役を行うためのスイッチャーが動くのを見たときは感激しましたが、線路配線の都合で、遠景で正面から見ることしかできませんでした。これでは、動いた車両が2軸機なのか4軸機なのかすら分かりません。

 もし、スイッチャーの分類をしておらず予備知識が無ければ、せっかく苦労して観察しても「なんか1両動いてた」で終わってしまったかもしれません。これは、とても勿体ないことです。しかしあらかじめ分類しておくことで、目撃したスイッチャーが「協三工業製15機」であることがわかるのです。

 産業用機関車は、部外者が観察しにくいような場所で稼動していることもままあります。したがって、少ない目撃チャンスで多くを得るには、事前の分類が不可欠だと、私は考えています。

●どんな手法で?

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■スイッチャーの形状は多種多様。日立製作所製の45t機(左)と、三菱重工業製の35t機(右)

分類の切り口には大きく分けて、外観による分類と、内部構造・性能による分類の二通りがあります。内部的なことは資料にあたらないと分からないことも多いのですが、このブログでは極力両方に光をあてたいと思っています。また、外観による分類については、枝葉末節にこだわりすぎて「木の葉を見て森を見ない」状態では、単なる重箱の隅つつきで終わってしまいますので、「分類によって何が見えるのか」という視点を忘れないようにしたいと思います。スイッチャーは1両1両形が異なるのが魅力のひとつですが、車両ごとの相違点が「分類に値する特徴」なのか「単なる個体差」なのかは、特に注意していこうと思います。

●生きた研究を

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■スイッチャーには、ロッド駆動方式の車両が現存するのも魅力の一つ。
 上は日立製作所製35t機。

 フィールドワークを重視している私は、2009年現在でも観察できるスイッチャーを研究対象にしています(…と偉そうに言いつつ、現実にはデジカメ以前の写真を簡単にサルベージ出来ない事情もありますが)。スイッチャーが最も輝いていた時代は、経済成長に伴う輸送需要の増大により、ディーゼル機関車の開発が急速に進められた高度成長期からオイルショックあたりまでの間だと思いますが、この時代を懐古して話を終わらせるのでは、正直物足りないところです。過去の振り返りについても、「いま動いている車両にとってどういう意味があるのか」という視点を忘れないようにしたいと思います。

●双方向性

 書籍とウェブの一番大きな違いは、情報の双方向性にあります。ナレッジの集積にも有益なので、閲覧している方にご参加いただけるような仕組みをつくれないか、検討中です。アイデアはあるので、あとは技術的な問題がクリアできるかどうか、というところです。

●対象

 この特集では基本的に、各メーカーの「規格型」車両を取り扱います。オーダーメイドの車両を対象から外すのは、スイッチャー特有の広域転配の慣習と関係があります。

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■各社の規格型スイッチャー。日本車輌製造製25t機(左)と、北陸重機工業製25t機(右)

 国鉄にも、九州から関東へ、関東から関西へといった鉄道管理局跨ぎの車両の転属はありましたが、スイッチャーの広域転配の大胆さも、これに負けず劣らずです。富山県の専用線で活躍していた車両が、専用線の廃止と共に姿を消し、しばらくすると静岡県の専用線に現れた、といったことは現在でも珍しくありません。このような場合、オーダーメイド機は車体の形状に特徴があるため、一目見るだけでどこから来た車両なのか判断することができます。しかし規格型の場合は、形ばかりか下手をすると塗装まで同じことがあるので、しっかり分類しておかないと、車両の動静を正確に把握することができないのです。

 こんなことを言うと、「製番(製造番号)をチェックすれば良いではないか」といった声も聞こえてきそうです。しかしスイッチャーは、常に製番を確認できるほどの至近距離で観察できるわけではありません。スイッチャー研究をされてきた方には釈迦に説法かと思いますが、製番の刻印されているメーカーズプレートが外されていたり、付いていても製番部分が潰されていたり、極端な場合は車体の左右両面で内容が異なっていたり、はたまた同一製番の車両が複数存在したり、挙句の果てには車体振り替えで本来の製番とは異なっていたり……状態は様々です。つまり、製番調査は常に研究者の悩みの種であり、万能ではないのです。こういった事情から、また産業用機関車史を探るうえでも、分類は不可欠になります。

 冒頭で、規格型のみを対象にすると述べましたが、「生きた研究」がモットーの当ブログのことですから、規格型から外れる車両であっても、新しい機体や絶滅危惧種については適宜取り上げる予定です。

 用途については、「営業用車両の入換に従事しているもの」を対象にします。ここでいう営業用車両とは、旅客車や貨車など「事業者に車籍を有する車両」のことです。したがって、モータカーであってもこれらの入換に従事しているものは取り上げます。

 動力方式については、電気車・内燃動車の別は問いません。路線については、JR・私鉄・第三セクター・臨海鉄道・地下鉄や路面電車などの公営鉄道・特定目的鉄道・遊園地の園内遊具・製鉄所・鉱山のうち、上の条件に当てはまるものは対象になります。軌間は1,067mm以上を対象とし、ナローゲージは当面見送ります。

●OEMの取扱い

 大手メーカーの中には、産業用機関車製造から実質的に撤退した後も、同業他社の製品を自社ブランドで製造させてリリースしているケースがあります。このような車両はOEM品と呼ばれ、外観・性能において製造元のオリジナル車両とほとんど相違点はありません。このため当特集では、OEM品はOEM供給メーカー側の車両として分類します。

【注】

  1. 専用線は、旧国鉄の専用線規則により「特定貨主が自己の専用に供するため、又は国若しくは地方公共団体が自己若しくは特定貨主の専用に供するために、その負担において敷設した日本国有鉄道の側線をいう。と定められている(第2条)。類似のものに専用鉄道があるが、こちらは鉄道事業法により「専ら自己の用に供するため設置する鉄道であつて、その鉄道線路が鉄道事業の用に供される鉄道線路に接続するものをいう。」と定められている(第2条)。つまり専用線・専用鉄道いずれも、鉄道事業者の線路に接続し、全国の鉄道貨物輸送網に組み込まれているものを指すことになる。
  2. 専用線を経由して工場に出入りしていた専用貨車がコンテナ化されると、大抵の場合専用線は廃止され、コンテナは拠点駅までトラック輸送されることが多い。

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2010年1月 1日 (金)

★謹賀新年★スイッチャー正月仕様★しめ縄付

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■T社K製油所専用線で活躍する、日立製作所製35tスイッチャーNo1
 年末年始は「交通安全」を祈願する「しめ縄」をラジエーターに取り付けて運行中。 2009年12月、浜川崎

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