« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »

2010年2月

2010年2月27日 (土)

▲三菱化学▲四日市事業所向け輸送(後編)

●稲沢-四日市

Dd51x2_w_eox4_kokix2_taki1000_at_ei  

■DD51 1801と825の重連が牽引する5381レ。
 この日は、後方に稲沢発四日市・塩浜行の回送貨車を併結。   2009年12月12日、蟹江-永和

  • 5381列車 稲沢9:18発 → 四日市11:26着
  • 2088列車 (鵜殿15:53発→四日市19:58着)20:38発 → 稲沢22:16着

 四日市行の5381列車は、時刻表の編成内容欄に「セメント・その他」と記載されており、2009年現在は酸化エチレン輸送専用の列車となっている。ただし、時期によっては編成の最後尾に石油系のタキ車などが連結されることがある。これは、石油需要の減少する夏季に他の駅に留置していた遊休貨車を、冬季の需要増に備えて四日市や塩浜にある石油化学メーカー各社の油槽所へ回送するためである。このほか、名古屋や吹田、安治川口などで検査を終えた貨車がこの列車で回送されることもある。

Dd51x2_w_eox4_kokix2_taki1000  

■DD51 1801と825の重連が牽引する5381レ。
 最後尾は、稲沢から塩浜の昭和四日市石油へ回送されるタキ1000-180。 
  2009年12月12日、富田浜-四日市

牽引機は、愛知機関区のDD51形重連である。短い編成を重連で牽引するのは、折り返し72列車で塩浜から石油の重貨物列車を重連で牽引するための機関車回送の意味合いがある。こちらも関東の72列車/73列車同様、国鉄色の機関車が充当されることがあるため人気は高い。ただ、重連の少なくとも一方が更新色になっていることが多く、2両とも国鉄色の組み合わせで運行される機会はあまり多くないようである。

稲沢行の2088列車は、鵜殿に接続する紀州製紙紀州工場専用線からの紙輸送用コンテナ列車である。四日市で後方に酸化エチレン編成を連結し、稲沢へと向かう。牽引機はDD51形である。いずれの列車も、運行日は日・月曜以外である。

●四日市-塩浜

Dd51x2_w_eox6  

■DD51 822と1805の国鉄色重連が牽引する、251レ。  2009年11月10日、四日市-塩浜

  • 251列車 四日市12:18発 → 塩浜12:26着
  • 250列車 塩浜17:03発 → 四日市17:12着

 四日市と塩浜を結ぶ小運転列車である。塩浜に接続する三菱化学四日市事業所の専用線は、駅中心から北へ1.2kmほどの場所、ちょうど近鉄海山道駅のすぐ傍にある小ヤードから東側へ分岐している。この小ヤードは、線路配線の都合で四日市側からやってきた列車が直接進入できないため、251列車は小ヤード脇を通り過ぎて一旦塩浜に至り、機回しをして入換扱いで戻ってくる。250列車も事情は同じで、この逆行程となる。251列車の牽引機は5381列車と同じである。運行は日・月曜以外である。

Dd51x2_w_eox6_back

■塩浜から小ヤードまでは、入換扱いで戻る。  2009年11月10日、塩浜

(つづく)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ にほんブログ村 鉄道ブログ 貨物列車へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年2月25日 (木)

▲三菱化学▲四日市事業所向け輸送(前編)

 三菱化学鹿島事業所は、鹿島臨海工業地帯の南東部に立地しており、鹿島臨海鉄道の終点奥野谷浜駅に接続する専用線を保有している。酸化エチレンの貨車は、この専用線から発送される。いっぽう、受け入れ側となる四日市事業所は、JR塩浜駅に接続する専用線を保有しており、貨車の授受はやはり専用線を介して行っている。

本稿では、輸送行程の上流から下流に沿って、各列車の編成や運用等について説明を行う。本文中で運行日について言及している個所があるが、専用線発着となる貨物列車は、工場の点検など荷主都合で運休になることもあるので、必ずしも下記のとおりに運行されるとは限らないことを、あらかじめお断りしておく。

●奥野谷浜-神栖

Krd641_w_eox6  

■写真2-1 KRD64-1に牽引され鹿島スタヘ向かう62レ。  2009年10月、神栖-鹿島スタ

  • 81列車 … 神栖 → 奥野谷浜
  • 82列車 … 奥野谷浜 → 神栖

 82列車は、三菱化学鹿島事業所から発送される液化酸化エチレンや、JSR鹿島工場から発送される製品を積載したコンテナを、鹿島臨海鉄道の神栖へ輸送するために設定されている列車である。朝の81列車で返空のコキ車(前日までに63列車で神栖に到着した編成)を奥野谷浜へ輸送し、折り返し82列車で荷を積んだコキ車を神栖へ輸送する。この二列車は貨物時刻表には掲載されていないが、81列車の神栖発は7:30~8:00の間、82列車の奥野谷浜発は9:00~9:30の間である。運行時刻は日によって変動がある。

この列車を牽引する機関車には、国鉄DD13形ディーゼル機関車と同等の外観を持つKRD4・KRD5(いずれも56t機)(写真2-2)と、臨海鉄道協議会で策定された統一仕様に基づき日本車輌製造が製作したKRD64-1(64t機)(写真2-1)のいずれかが使用されている。KRD64については、今月末に日本車輌製造からの甲種輸送が予定されており、1両増備されることになる。

奥野谷浜-塩浜間の酸化エチレン輸送列車は、着駅の塩浜基準で日曜日発着となる便が運休である。2009年現在は、これに加え月曜日発着となる便も運休になることが多い。したがって、上記列車はいずれも土・日曜日は運休となる。ただし、土日以外の曜日であれば祝日でも運転されることが多い。

●神栖-鹿島サッカースタジアム

Krd4_w_eox6  

■写真2-2 空のタンクコンテナを神栖へ輸送するKRD4牽引の63レ。  2009年10月、鹿島スタ-神栖

  • 62列車 神栖10:35発 → 鹿島スタ11:00着
  • 63列車 鹿島スタ14:15発 → 神栖14:34着

 神栖に集約された貨物をJR線との間で授受するために設定されている列車である。神栖から発送されるコンテナがあるため、82/81列車より編成は長い。二列車ともに、酸化エチレン編成は先頭(機関車次位以降)に連結される。

常時使用されている機関車は2台で、鹿島スタ行の62列車は、奥野谷浜から82列車を牽引してきた車両がそのまま充当される。神栖行の63列車は、鹿島スタ行66列車を牽引した車両が折り返しで使用され、必ず62列車とは異なる車両が充当される。残り1台は予備であるが、予備機は固定されているわけではなく、時々交代で使用されている[2]

全国の臨海鉄道の中には、例えば名古屋臨海鉄道のように時刻表とはかけ離れたスケジュールで運行されているところもあるが、鹿島臨海鉄道はきっちり時刻表どおりに運行されているのが特徴である。運行日については、前項に記載したとおり塩浜を日・月曜日発着となる便が運休になるため、土・日曜日の62列車と月・火曜日の63列車には、酸化エチレン編成は連結されない

●鹿島サッカースタジアム-新小岩操-東京貨物ターミナル

Ef651076_w_kokix5_eox6  

■写真2-3 EF65 1076に牽引され北浦橋梁を渡る72レ。   2009年10月、鹿島スタ-延方

  • 72列車 鹿島スタ11:49発 → 新小岩操14:29着、15:22発 → 東京(タ)18:09着
  • 73列車 東京(タ)7:13発 → 新小岩操10:17着、11:13発 → 鹿島スタ13:01着

 首都圏を明るい時間帯に通過し、新金線や武蔵野東・西・南線を経由して郊外を周回することから、沿線で目にする機会の多い列車である。東京(タ)行の72列車は、酸化エチレン以外のコキ車が新小岩操で切り離され[3]、新小岩操-東京(タ)間は酸化エチレン編成単独で運行される。73列車も同様で、新小岩操以東は酸化エチレン編成が後方につく[4]。72列車と73列車は成田線の佐原で交換する。

Ef651041_w_eox6  

■写真2-4 国鉄色のEF65 1041に牽引され、武蔵野線経由で一路東京タへ向かう72レ。   2009年9月、三郷

牽引機は、新鶴見機関区のEF65形である。2009年10月現在、同区には国鉄色の1041号機(写真2-4)1054号機(写真2-5)が所属しており、これらの車両が充当された際は沿線に多くのファンが詰めかけるようである。写真の通り、1041号機の記号番号はブロック式のナンバープレートではなく切り抜き文字で表現されており、ブレーキ系統に改造を受けた他の機関車[5]のようにナンバーの背景が着色されていないため、国鉄時代の雰囲気を色濃く残す機関車として人気がある。1054号機はナンバープレートが原色のクリーム色のままである。

Ef651054_w_eo4  

■写真2-5 国鉄色のEF65 1054に牽引され、武蔵野線(馬橋支線)を南下する73レ。   2009年11月、南流山-馬橋

 運行日は62列車/63列車と同様で、土・日曜日の72列車と月・火曜日の73列車に酸化エチレン編成は連結されない

●東京貨物ターミナル-稲沢

  • 5087列車 東京(タ)21:57発 → 稲沢4:07着
  • 5086列車 稲沢23:59発 → 東京(タ)4:52着

 関東と中京地区を連絡する貨物列車である。二列車いずれも、酸化エチレン編成は稲沢側に連結される。牽引機は、5087列車が吹田機関区のEF200形、5086列車が同区のEF66形である。

(つづく)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ にほんブログ村 鉄道ブログ 貨物列車へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月23日 (火)

▲三菱化学▲酸化エチレン輸送 -はじめに-

●はじめに

 茨城県の鹿嶋・神栖両市にまたがって広がる鹿島臨海工業地帯の各企業からは、様々な製品が発送されており、その一部は鹿島臨海鉄道で輸送されている。三菱化学鹿島事業所から発送される液化酸化エチレンは、鹿島臨海鉄道・JR線を経由して四日市事業所まで輸送されている。

 この鉄道輸送は、1999年10月19日に発表された同社のエチレンプラント集約計画に基づいて発案されたものである。鹿島・四日市・水島の三拠点でエチレンを生産してきた同社は、2001年1月12日をもって四日市事業所での生産を停止した[1]。しかし、四日市のコンビナートで操業中の川下企業に対して酸化エチレンの供給責任を果たすため、既存の設備を貯蔵施設として活用することにし、鹿島から四日市の貯蔵施設まで酸化エチレンを鉄道輸送することになった(図1参照)

Fig1_mceo200101start_3   

■図1 酸化エチレン輸送プロセス概略図

鉄道輸送が選択された背景には、化学メーカー各社で構成される石油化学工業協会とJR貨物が共同で検討した結果、モーダルシフトを実施した場合に輸送コスト削減効果が期待できるとの結論が出たことや、運輸省(当時)の税制面でのバックアップもあった。

●酸化エチレン

Eo  

■酸化エチレンの分子構造 (SymyxDraw にて作図)

 酸化エチレンはエチレンオキシド(ethylene oxide)の通称で、エチレンを酸化して得られる石油化学製品の中間体である。分子内の酸素原子を頂点とする三員環構造に歪みがあるため反応性に富んでおり、洗剤やシャンプー、化粧品などに含まれる界面活性剤や合成繊維の原料として幅広く使用されている。今日の我々の日常生活を維持するために、なくてはならない物質である。

●使用貨車・コンテナ

Koki2002_w_ut17c8000  

■酸化エチレン輸送に使用される、タンクコンテナUT17-8000  2009年11月10日、塩浜

 酸化エチレン輸送には、運行開始当初新規に開発されたコキ200形(コキ2000形含む)コンテナ車と、三菱化学物流の液化酸化エチレン専用タンクコンテナUT17C-8000が使用されている。コキ200形の量産車は2000年12月には登場していたが、運行を開始したのは荷役設備の完成した翌2001年1月14日であった。コキ200形が不足していた数年間は、時折グレー台枠のコキ106形も併用されていたが、2009年現在はコキ200形に統一されている。

タンクコンテナは、全高2,591mm、総重量21.6tのフレーム付のもので、法令に従いタンク体全体がグレーに塗装されている。高圧ガス保安法に基づき定められた経済産業省令「容器保安規則」第十条により、高圧ガスの容器は、その表面積の1/2以上を特定の色に塗装しなければならない。液化酸化エチレンは「その他の種類の高圧ガス」にあたり、容器を「ねずみ色」に塗装することが義務付けられている。後述するタキ14700形などを含め、高圧ガス用のタンクコンテナやタンク車がグレーに塗装されているのはこのためである。なお酸化エチレンは反応性が高いため、可燃性ガス、毒性ガスにあたり、タンク体には「燃」「毒」の表記がある。

●編成

 酸化エチレンの編成は2001年の運行開始時はコキ車7両編成であったが、2009年現在では3~6両編成が多い。編成の長さは荷主の都合で決まるため日によって変動があるが、曜日や季節による規則性はない。

(つづく)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ にほんブログ村 鉄道ブログ 貨物列車へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月22日 (月)

▲三菱化学▲酸化エチレン輸送

Ef651138_w_kokix5_eox6
■EF65 1138に牽引される72レ。コキ車のうち先頭5両の有蓋コンテナは東京タ行。
 後方6両が酸化エチレンで、この日は先頭1両が東港(三洋)行、後方5両が塩浜行。  2009年9月、下総神崎-滑河

 三菱化学は、鹿島事業所の石油化学コンビナートで生産している酸化エチレンを、同社の四日市事業所まで鉄道輸送している。また一部の需要家に対しても、不定期ながら鉄道輸送を継続している。

【目次】

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ にほんブログ村 鉄道ブログ 貨物列車へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記のない限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

|

2010年2月19日 (金)

多気★特大輸送★スイッチャーを捕らえる!

 全国各地の専用線の稼動時刻は、スイッチャーファンが最も興味を抱く情報です。貨物時刻表に掲載されている定期列車・臨時列車の発着に伴う入換時刻であれば、JR貨物が荷主向けに公表している「荷役線出入線時刻」が参考になります。私の経験では、この時刻の1~2時間程度前に現地を訪れて待っていれば、ほぼ確実にスイッチャーの動くところをとらえることができます。何と言ってもオフィシャルデータですから、ダイヤ改正にも迅速に対応できます。

さて、そんな方法で全国の専用線を撮影し終えても、まだ撮りきれないスイッチャーがあります。一つは、甲種・特大輸送時のみ稼動するスイッチャー、もう一つは製鉄所などの事業所内でのみ稼動する機関車です。今回は、特大輸送時のみ稼動するスイッチャーの撮影例として、紀勢本線多気駅に接続する、変圧器メーカーD社専用線を取り上げます。

 特大輸送では、積荷の重さや編成の組成によっては運行速度が45km/h以下に制限されるため、昼間に営業列車の合間を縫ってダイヤを設定することが困難なことが多く、結果的に深夜帯に臨時ダイヤを設定して輸送することが多くなります。発駅を夜に出ることが多いため、輸送車両が工場から専用線を通って駅まで引き出されるのは、発日の明るい時間帯か早ければ前日ということになります。甲種・特大輸送情報は月刊鉄道趣味誌にも掲載されることがあり、情報そのものは比較的容易に入手できます。むしろ問題になるのは、仮に稼働日を知っていても、平日に会社勤めでは休みを取らないと訪問することができない、という点でしょう。

 そんなわけで、今回紹介するのは「逆転の発想」。すなわち、自分が休める日に動くかどうかだけを事前にチェックして狙い撃ちする方法です。

●輸送パターンを知る

 前述の通り、特大輸送にはダイヤ上の制約が多いため、一度設定した臨時ダイヤは何度も使いまわす傾向があります。つまり、雑誌のバックナンバー等で過去の運行ダイヤが分かれば、大まかなスジを知ることはできます。最近ではブログ等の過去情報も一助となるでしょう。今回狙った多気では、当駅常備のシキ800形を使用した特大輸送が2月5日深夜から2月7日にかけて実施されていました。行先は岐阜貨物ターミナルです。

これまでのシキ800の運行情報を分析すると、多気~稲沢間の往復はほぼ固定ダイヤでした。往路は、多気を23時前後に出て稲沢には翌日早朝着。復路は、稲沢を夕方に出て多気には23時前後に到着します。また、シキが着駅に着いてから荷を降ろして返空が発車するまでに最低2日程度を要していることも分かりました。この分析結果を今回のケースに当てはめると、推定輸送スケジュールは以下のようになります。(ちなみにこの情報は雑誌未掲載でした)

  • 2/5 23時頃 多気発車
  • 2/6 早朝   稲沢着
  •     深夜   稲沢発
  • 2/7 早朝   岐阜貨物ターミナル着、荷役開始
  • 2/8 終日   荷役
  •     深夜   返空が岐阜貨物ターミナルを発車?
  • 2/9 早朝   稲沢着?
  •     夕方   稲沢発?
  •  深夜   多気着?
  • 2/10 朝    スイッチャーにより、シキ車は専用線を通ってD社の工場へ引き込まれる?

このように考察していくと、稲沢の発車が1日遅れてくれれば多気着が2/10となり、スイッチャーの稼動が期待できる2/11は祝日ですから、狙わない手はない、ということになります。

●運行履歴の収集

 いくら推測しても、実際に期待通りに動いてくれなければ、採らぬ狸の皮算用です。ネットの掲示板やブログ、知人の情報等により、運行履歴を集めます。今回は、2/10の夕方の段階で、岐阜貨物ターミナルから稲沢へシキ800が輸送されたことをキャッチしました。上で?マークをつけている部分が、2/9早朝ではなく2/10午前中になっていたのがラッキーでした。昼過ぎまでに稲沢に着いたシキは、間違いなく夕方出発して深夜に多気に到着するはずです。この考察により、2/11朝のスイッチャーの稼動が確実になりました。

●行動開始!!

 動くと決まれば行動に移さなければなりません。D社工場-多気駅間の入換は朝9時頃には行われると予想されますので、翌2/11の始発の新幹線で東京から名古屋へ向かっていては、とても間に合いません。ムーンライトながら亡き今、頼りになるのは夜行バスです。早速ネットでドリーム号の空席情報をチェックしてみると…

  • ドリーム名古屋1号 空席1
  • ドリーム名古屋3号 満席
  • ドリーム名古屋5号 満席

これは私に「多気へ行け」という啓示でしょうか(笑) 速攻で予約。ドリーム名古屋1号の名古屋駅着は6時過ぎ、JRを乗り継ぐと多気着は9時過ぎになりますのでNGです。出費が増えることになりますが、名古屋から近鉄の名阪特急始発を利用し、津でJRに乗り換えます。このコースなら8時過ぎには多気に着けます。

●そして撮影

 多気駅で下車すると、予想通り東側の側線にシキ800+ヨ8625が停車していました。推測が当たるとやはり嬉しいものです。この2両については、以前春日井の特大の記事で紹介しましたので画像は割愛します。改札通過時に、念のため今日入換があることと大まかな入換時刻を確認のうえ、専用線のロケハンを兼ねてD社の工場へと向かいます。1.5km程歩くと最深部に到達しました。

Td_d351_in_plnt
■D社専用線の終端部でアイドリング中のD351(許可を得て撮影)

 スイッチャーを眺められる工事現場(空き地)にはブルドーザーが停車しており、中に人がいるのが見えましたので、挨拶をして撮影許可を得ました。この時点で8:46でしたが、スイッチャーは既にアイドリング中でいつでも発車できる状態でした。撮り逃してはまずいと思い、俯瞰気味に撮れる場所へと戻ります。

Td_d351_2end
■工場から単機で現れたスイッチャー。  2010年2月11日

9時になると汽笛が聞こえ、ほどなくスイッチャーの近づく音が聞こえてきます。この専用線には、途中1箇所だけ遮断機付の踏切があり、ここを通過する際はボタン操作で踏切を作動させるために一旦停止しますので、撮影のチャンスです。

Td_d351_1end
■駅の南側で停車  2010年2月11日

 多気駅に向かったスイッチャーは、駅構内の手前で停車します。この車両の詳細については、以前の記事「日車凸型BB」でご確認ください。沿線には、地元の親子らしき二人連れ以外は全く人がおらず、好きなように撮影が出来ました。入換担当の運送会社の方も時間に余裕があるような雰囲気でしたので、邪魔にならない範囲でお話をしてみようと思いました。

 まず挨拶をし、シキ車を工場へ引き込む時刻を聞いてみたところ、9:55頃とのことでした。ちなみに土日はもっと早く9:37頃だそうです。東京から夜行バスではるばるやって来たことを伝えると、動くのをどうやって知ったのかと聞かれました。上に書いたような推測の手順を簡潔に説明したところ、

「最近はインターネットじゃねぇ」

と感心半分、呆れ半分のリアクション(苦笑)

「俺もたまーに見るけど、インターネットのアレ、掲示板ちゅうの? 書いてある事ほとんど間違っとるよ。想像力豊かというんか、よっぽど好きなんやろねぇ。」

アレとは多分、某巨大掲示板のことでしょう。私も、そこを情報源にすることはほとんどありませんが、同感です。

その後、シキへの連結作業が始まるまでのおよそ十分間、変圧器輸送にまつわる貴重なお話を伺うことが出来、大変有意義な時間となりました。次回稼働日を教えていただいた後、現場を後にして俯瞰ポイントへ戻ります。駅からその場所への途中にも、手前に田圃、背景に山が入るポイントがありましたが、なぜか俯瞰したい気分でしたので(笑)その場所はパス。

Td_d351_w_shiki800_w_yo_top
■シキ車+ヨを牽引して工場へ戻るスイッチャー

10時過ぎてもなかなかやってこないのでどうしたのかと思いましたが、10:15頃やってきました。今回はシキ800のC梁(落とし込み式)の返却回送ですから、荷を落とし込むための梁が車体中央に見えます。写真のすぐ左に踏切があり、例によって遮断機を下ろすために一旦停止します。

Td_d351_w_shiki800_w_yo_back

■シキ車+ヨを牽引して工場へ戻るスイッチャー

すると、先程の入換担当の方が

「東京からやってきた褒美や」

と言って素敵なプレゼントを下さいました。宝にします!

 稼働日は分かっいても、なかなか撮影に行くことが出来ない特大輸送。あまり運には恵まれないことの多い私は、運の無さを努力で補って見事ゲットしました。この記事の情報が、今後訪問される方にとって多少なりとも参考になれば幸いです。

★注意

 最近アクセス数が増えているので念のために述べておきますが、本記事はあくまでも2010年2月の撮影記録に過ぎません。当たり前の話ですが、情報の活用は自己責任でお願いします。仮に、本記事の情報を参考にして不利益を被ったとしても、当方は一切責任を負いませんのであしからずご了承ください。 特に時刻については、甲種・特大輸送時のみ稼動する専用線のダイヤなど、あってないようなものですからねぇ(笑)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ にほんブログ村 鉄道ブログ 貨物列車へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2010年2月16日 (火)

◆専用線入門◆スイッチャーの動きを先読みする

 専用線のスイッチャーの動き方には、ある程度規則性があります。この規則性、既にあちこちの専用線を観察してきた方にとっては、いわば暗黙知となっている部分です。「専用線を読み解く」からには、須らく「暗黙知」は「形式知」に変えるべきだと考えています。ですのでこの記事では、スイッチャーの動きをより一般化した形で整理します。あらかじめ整理しておくことで、未知の専用線を訪問した際も、またJRのダイヤ改正で貨物列車の発着時刻が変わった場合も、慌てることなく事前に動きを把握することができます。

 スイッチャーは、荷主が貨車の荷役・発送・到着などのために業務上必要があって動かされています。動かすためは、燃料人手保守メンテナンスのためにコストと時間がかかります。ですから、基本的に無駄な動きはありません。貨車を連結せずに単機で行ったり来たりするなど、一見無意味な動きでも、大抵の場合は、錆取り、慣らし運転、除雪、乗務員訓練など、必要があっての動きです。ですから、スイッチャーが動くところを捉えたい場合は、「なぜその日・その時刻にその動きが必要なのか」という視点を持つことが重要になってきます。以下、オザミ工場を例に説明します。

Auxamis_plnt_plane2_4

上図をベースにすると、スイッチャーの動きは次のように分類することができます。(入換の名称はあくまでも便宜上のもので、正式なものではありません)

●製品を発送する拠点の場合(主に工場)

A.積車発送時の入換

  1. 貨車貯留線から空の貨車を引き出して、荷役線に据え付けるための入換(荷役前入換
  2. 1本の貨車編成を荷役中に移動する入換(荷役中入換
  3. 荷役の完了した貨車を着発線に移動するための入換(発前入換
  4. 着発線の貨車編成を、最寄の貨物駅の授受線まで引き出すための入換(駅授受入換

B.空車到着時の入換

  1. 最寄の貨物駅の授受線に到着した貨車編成を、工場内にある着発線まで引き込むための入換(駅授受入換
  2. 着発線の貨車を、貨車貯留線へ移動するための入換(着後入換

Ss_hjlg28b

■工程A4 駅授受入換のため、油槽所から貨車を引き出すスイッチャー 2009年11月、塩浜

Aの積車発送時の入換で、荷役ホームが短いなど、一度に荷役できる貨車の両数に制約がある場合は、A1~A3をループ処理で何度も行う場合があります。逆に制約がない(一度で荷役が完了する)場合は、A2は省略されます。また、駅から分岐する専用線の終端がそのまま荷役線になっているようなところで、貨車の編成が短い場合は、A1~A3がすべて省略されることもあります。Bの空車到着時の入換で、駅授受を終えて工場到着後に機回しの必要がない場合は、B1~B2を一度にまとめて行ってしまう場合もあります。

これらの入換作業は、A1→A2→A3→…と単純に上から下に向かって順次実行されることもありますが、大抵の専用線では、同時に行われます。例えば、空の貨車と荷を積んだ貨車を連結して、A1(荷役前入換)とA3(荷役後入換)を同時にやったり、B2とA1を同時に実施する(到着した空車を直接荷役線に移す)パターンもあります。

Ny_htcg25b_pp_2 

■工程B2 駅から着発線に到着した空のコンテナを、貨車貯留線へ移動するスイッチャー。
       着発線は行き止まりのため、駅からコキ車を牽引した最奥のスイッチャーは、
       コキ車と共にプッシュプルで引き出される。  2010年2月、伯耆大山(許可を得て撮影)

駅と拠点の往復(駅授受入換)も同様で、A4・B1単独パターン(拠点から貨車を伴って駅に出て行き単機で戻ってくる、単機で駅に出て行き貨車を伴って戻ってくるケース)と、A4・B1一体パターン(往復ともに貨車を伴っているケース)があります。上の塩浜の写真は、A4・B1一体パターンで入換を行っているところを捕らえたものです。また同じ専用線でも、荷の量(貨車の編成長)や種類によって異なる動きを見せる場合があります。

なお、上の説明は貨車で製品を発送するケースを考えています。したがって、倉庫や油槽所・出荷基地などストックポイントの専用線や、製品の納入先(需要家)の専用線は、製品を受け入れる側になりますので積空が逆になり、入換手順も若干変わります。

●製品が到着する拠点の場合(ストックポイントや需要家)

C.積車到着時の入換

  1. 最寄の貨物駅の授受線に到着した貨車編成を、工場内にある着発線まで引き込むための入換(駅授受入換
  2. 着発線の貨車を、荷役線に据え付けるための入換(荷役前入換
  3. 貨車を荷役中に移動する入換(荷役中入換
  4. 荷役の完了した貨車を貨車貯留線に移動するための入換(荷役後入換

D.空車発送時の入換

  1. 貨車貯留線の空の貨車を、着発線に移動するための入換(発前入換
  2. 着発線の貨車編成を、最寄の貨物駅の授受線まで引き出すための入換(駅授受入換

Ms_miyamado_w_dd51x2

■工程C1 到着した酸化エチレンを積んだコキ車を工場(ストックポイント)内へ移動するスイッチャー。
       数十メートル後ろを、塩浜に戻るDD51形重連が後追い。   2009年11月、塩浜

C1~C4、D1~D2については、それぞれA1~A4、B1~B2の事情がそのまま当てはまります。これらの一連のプロセスは一見複雑に見えますが、スイッチャーの移動距離を最適化するための工夫と考えられます。移動距離を少なくすれば、燃料費や作業時間が圧縮できますので、コスト削減に繋がります。

Mot_ky20b_w_taki 

■工程D1 空のタキ車を貨車貯留線から着発線へ移動するスイッチャー 2009年1月、村井

むかし、「倉庫番」というパソコンゲームがありました。このゲームの主人公のミッションは、倉庫内に散らばったブロック状の荷物を所定の位置に移動するというものです。主人公は、荷物1個を押すことはできますが、2個以上を同時に押したり、逆に引っ張ることはできません。そのような制約の中、最小の移動距離ですべての荷物を所定の位置に移動できるかどうかが課題になります。専用線でのスイッチャーの動きは、このゲームの戦略を彷彿とさせます。

さて、今回の記事で動き方を一通り分類しましたので、次回はそのナレッジを撮影にどう生かすか、の話。

※スイッチャーの撮影時刻を把握する方法については、鉄道ピクトリアル2011年3月号に記事を掲載させていただきました。続きは雑誌記事にてお楽しみください。

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ にほんブログ村 鉄道ブログ 貨物列車へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月 9日 (火)

★祝★30000アクセス突破!!(山手チョコ電)

Yamanote_chocolate_5
■山手線命名100周年記念電車。2009年11月7日 五反田-目黒

 都心をグルグル回る山手線。京浜東北線と併走する東半分は高架区間が多く、湘南新宿ラインと併走する西半分は山や谷が多い。そんな路線事情も手伝って、駅のホーム以外で編成全体が順光で収められる場所は、意外と見つからないものです。

米粒のような線形を描く山手線の線路。順当に考えれば、南に向かって走る区間(外回りなら上野・東京側の東半分、内回りなら池袋・新宿側の西半分)が順光になる。しかし意外とカーブの多い路線なので、時間限定ではあるものの北に向かう列車が順光になる区間がある。その一つが、上の写真の五反田-目黒間。

身近なところに転がっている当たり前の風景、それもいつか値打ちになるのでしょうか。

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記のない限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月 7日 (日)

◆幕張113系◆夏の一コマ

113系は、国鉄時代から散々撮ってきた車両で、かつメカニックな部分も研究され尽くしているので今更な感があるが、それでも首都圏から姿を消すとなると感慨深いものがある。

Chimari_ec113_1000

■写真1 鹿島神宮行き2535Mに就く209編成。
  最後尾はクハ111-1300代。 2009年8月某日  滑河-下総神崎 

高校三年間は、柏駅徒歩10分で国道六号線沿いにある某県立高校に通っていた。日曜日になると、部活の練習試合で成田や野田に出向くことも多く、成田線や東武野田線は思い出深い路線である。

当時はまだ、113系のモノクラス4連や8連が、成田~我孫子間(通称:我孫子支線)で活躍していた。現在千葉支社管内で活躍中の車両は、すべてA-A基準対応の1000番台、1500番台、2000番台だが、当事成田線で活躍していたのは1000番台初期車(非ユニット窓、側面方向幕無し)であった。

Chimari_ec113_211

■写真2 千葉行き1358Mに就いた118編成。
  先頭はクハ111-2000代。 2009年8月某日 1358M 佐倉-物井 

113系幕張車のうち地下線運用を行う1000’番台(写真1)は、登場時からA-A基準対応、側面行先方向幕標準搭載(サボ運用なし)、冷房搭載で落成した。地下線用車と地上線用車では、引き通し線に互換性がないことも特徴である。

東海道本線向けの(国府津区などに配置された)地上線用車(写真2)が、従来車との互換性を保つためにKE76ジャンパケーブル3本を使い続けたのに対し、地下線用車は登場時から103系などと同じ多芯型のKE70ジャンパケーブル1本に集約されており、先頭車の前面端梁部はスッキリしている。現在活躍中の車両については、他区からの転属車も写真2のようにKE76→KE70への換装が行われており、従来の幕張車との併結が可能になっている。

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月 3日 (水)

【スイッチャー分類学】第6回■日立凸型1エンジンBB

 2エンジン機の特徴について述べた前回に引き続き、今回は1エンジン機をとりあげます。1エンジン機は、キャブや足回りなどについては2エンジン機と同じ特徴を持っていますが、1エンジンのため車体は前後非対称で、センターキャブながら1エンド側のボンネットが若干長くなっています。1エンド側にエンジンを格納し、2エンド側にラジエーターと燃料タンクという構成です。

また1エンジン機は、主たる活躍の場が製鉄所であるという点も大きな特徴です。35tクラスには専用線で活躍したものも多いのですが、45t以上は製鉄所向けの方が多く、専用線で活躍しているものも製鉄所から譲渡された車両が多くなっています。

Cu_htcg35bb_2   Htcg45bb_dl2_2  
■写真1 C社U工場専用線の35t機(宇部岬)    ■写真2 K社の45t機(兵庫県)

 1エンジンBB型は、35tから5t刻みで上は80tまでバリエーションがあるようです。「あるようです」と曖昧になるのは、製鉄所向けの機関車が多く調査が行き届いていないためです。また製鉄所の機関車は、死重を積んで自重を嵩増ししているものもあるため、分類上は45t機でも、必ずしも実際の自重が45tとは限りません。あくまでも「45tタイプ」とご理解ください。

専用線向けは35t機がポピュラーです(写真1)。45t以上はほとんどが製鉄所向けです。かつては、平成筑豊鉄道金田駅から分岐するM社T工場専用鉄道でセメント輸送に活躍していた50t機や、北野桝塚の大手自動車メーカーT社専用線で稼動していた60t機がありましたが、これらは数少ない専用線向けの重量機です。注目なのは、水島臨海鉄道の50t機D501、D506で、民営鉄道向けに納入された1エンジン機で今でも現役なのは、この2両だけです(写真3、4)

Mr_htcg50bb_1  Htcg50b_dd501
■写真3 水島臨海鉄道の50t機D506(非公式側)  ■写真4 同型車のD501(公式側)

●キャブの特徴

 窓や乗降扉・屋根については、2エンジン機と同じ特徴を持っています。乗降扉は1・4位側に点対称に配置されており、煙突は1エンド側のみです(写真1~4)昭和47年前後から、丸屋根が平面構成の台形屋根に設計変更されたのも、2エンジン機と同じです(写真5、6)

Ni_htcg45bb Nyy_d445_09sum_2  
■写真5 N社I工場専用線の45t機 (岩国)      ■写真6 N社の45t機(北九州市)

●ボンネットの特徴

 ここが1エンジン機の特徴がもっともよく出る部分で、2エンジン機との決定的な相違点は、ラジエーターです。2エンジン機の場合、ラジエーターの放熱器素はボンネット端部(妻面)にあり、内蔵ファンにより妻面の開口部から吸気された空気で冷却されます。これに対し1エンジン機の放熱器素はボンネット両側面にあり、側面から吸気してボンネット上部のファンから排熱します。この仕様変更は、ちょうど国鉄DD13形の初期のものと111号機以降の関係によく似ています。111号機以降は、冷却機構の見直しによりラジエーターが前面から側面へと移りましたが、構造的にはこれと同じ変更と思われます。

1エンジン機が側面ラジエーターになっている背景には、製鉄所での使用を意識していることがあると思います。製鉄所構内では、高熱を発する銑鉄輸送専用貨車(=混銑車、トーピードカー)や、灼熱の溶けた金属化合物(溶滓・鋼滓)を積んだ鍋台車を連結して輸送する必要があります。このため、これらの貨車の連結面となる妻側に冷却機構がある構造は、排熱処理上も好ましくないと思われます (昭和30年代には、当時まだエンジン出力が小さかったこともあり2エンジン機が製鐵所で採用されていましたが、それも過去のことです)

1エンジン機は、ラジエーターカバーの形状が自重により異なっていて、見分けるポイントになっています

  • 35tクラス … 「日」の字型の上下2分割タイプ(写真1)
  • 45t以上 … 「目」の字型の上下3分割タイプ

ただし45t以上の一部機種には、さらに細かく上下4分割のものや、一体カバーのもの(写真2~4)などがあります。昭和40年代後半以降の新しい機種になると、上下2分割をさらに左右でも2分割した「田」の字型4分割タイプ(写真5、6)や、6分割タイプがあります。「田」の字型4分割や6分割タイプは、すべて45tクラス以上の車両です。

ボンネットのラジエーターの配置にもバリエーションがあり、端部寄り(写真2)キャブ寄り(写真5、6)、その中間(写真1、3、4)の3パターンが確認できています。端部寄りのものは製鉄所向けが多いようです。

●走り装置の特徴

 1エンジン機も、35tクラスのものに関しては、2エンジン機同様に歯車駆動の機体とロッド駆動の機体が並行して製作されました。しかし45tクラス以上のものになると、ロッド駆動は非常に稀です。私の知っているのは、岩手県釜石市にあるN社K製鐵所で、国鉄駅と製鉄所の間で石灰石を積んだホキ車の入換に使用されていた45t機DD451、452 だけです。

台車は、昭和30~40年代前半頃までの初期のものは板台枠に軸バネは重ね板バネ(写真1)ですが、その後モデルチェンジされて、貨車のような鋳鋼製台枠に枕バネはコイル(写真2~4)になりました。さらに昭和40年代末頃からは、組立台枠に固定枕梁、軸バネはコイル(写真5、6)となっています。

●エンジン・液体変速機・装備面の特徴

 エンジンは、35tクラスの一部の車両を除き、基本的に国鉄のディーゼル機関車に採用された神鋼造機・新潟鉄工のものを1台搭載しています。

  • 35tクラス … DMH17S(SB) (Sは過給器付を表す)
  • 45t以上 … DMF31S(SB) (国鉄DD13形と同型)

 液体変速機は、次の通りです。

  • DMH17系向け … 神鋼造機TC2.5系 または 新潟コンバーターDF115系
  • DMF31系向け … 神鋼造機DS1.2/1.35 または 新潟コンバーターDB138系

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ にほんブログ村 鉄道ブログ 貨物列車へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »