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2010年2月25日 (木)

▲三菱化学▲四日市事業所向け輸送(前編)

 三菱化学鹿島事業所は、鹿島臨海工業地帯の南東部に立地しており、鹿島臨海鉄道の終点奥野谷浜駅に接続する専用線を保有している。酸化エチレンの貨車は、この専用線から発送される。いっぽう、受け入れ側となる四日市事業所は、JR塩浜駅に接続する専用線を保有しており、貨車の授受はやはり専用線を介して行っている。

本稿では、輸送行程の上流から下流に沿って、各列車の編成や運用等について説明を行う。本文中で運行日について言及している個所があるが、専用線発着となる貨物列車は、工場の点検など荷主都合で運休になることもあるので、必ずしも下記のとおりに運行されるとは限らないことを、あらかじめお断りしておく。

●奥野谷浜-神栖

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■写真2-1 KRD64-1に牽引され鹿島スタヘ向かう62レ。  2009年10月、神栖-鹿島スタ

  • 81列車 … 神栖 → 奥野谷浜
  • 82列車 … 奥野谷浜 → 神栖

 82列車は、三菱化学鹿島事業所から発送される液化酸化エチレンや、JSR鹿島工場から発送される製品を積載したコンテナを、鹿島臨海鉄道の神栖へ輸送するために設定されている列車である。朝の81列車で返空のコキ車(前日までに63列車で神栖に到着した編成)を奥野谷浜へ輸送し、折り返し82列車で荷を積んだコキ車を神栖へ輸送する。この二列車は貨物時刻表には掲載されていないが、81列車の神栖発は7:30~8:00の間、82列車の奥野谷浜発は9:00~9:30の間である。運行時刻は日によって変動がある。

この列車を牽引する機関車には、国鉄DD13形ディーゼル機関車と同等の外観を持つKRD4・KRD5(いずれも56t機)(写真2-2)と、臨海鉄道協議会で策定された統一仕様に基づき日本車輌製造が製作したKRD64-1(64t機)(写真2-1)のいずれかが使用されている。KRD64については、今月末に日本車輌製造からの甲種輸送が予定されており、1両増備されることになる。

奥野谷浜-塩浜間の酸化エチレン輸送列車は、着駅の塩浜基準で日曜日発着となる便が運休である。2009年現在は、これに加え月曜日発着となる便も運休になることが多い。したがって、上記列車はいずれも土・日曜日は運休となる。ただし、土日以外の曜日であれば祝日でも運転されることが多い。

●神栖-鹿島サッカースタジアム

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■写真2-2 空のタンクコンテナを神栖へ輸送するKRD4牽引の63レ。  2009年10月、鹿島スタ-神栖

  • 62列車 神栖10:35発 → 鹿島スタ11:00着
  • 63列車 鹿島スタ14:15発 → 神栖14:34着

 神栖に集約された貨物をJR線との間で授受するために設定されている列車である。神栖から発送されるコンテナがあるため、82/81列車より編成は長い。二列車ともに、酸化エチレン編成は先頭(機関車次位以降)に連結される。

常時使用されている機関車は2台で、鹿島スタ行の62列車は、奥野谷浜から82列車を牽引してきた車両がそのまま充当される。神栖行の63列車は、鹿島スタ行66列車を牽引した車両が折り返しで使用され、必ず62列車とは異なる車両が充当される。残り1台は予備であるが、予備機は固定されているわけではなく、時々交代で使用されている[2]

全国の臨海鉄道の中には、例えば名古屋臨海鉄道のように時刻表とはかけ離れたスケジュールで運行されているところもあるが、鹿島臨海鉄道はきっちり時刻表どおりに運行されているのが特徴である。運行日については、前項に記載したとおり塩浜を日・月曜日発着となる便が運休になるため、土・日曜日の62列車と月・火曜日の63列車には、酸化エチレン編成は連結されない

●鹿島サッカースタジアム-新小岩操-東京貨物ターミナル

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■写真2-3 EF65 1076に牽引され北浦橋梁を渡る72レ。   2009年10月、鹿島スタ-延方

  • 72列車 鹿島スタ11:49発 → 新小岩操14:29着、15:22発 → 東京(タ)18:09着
  • 73列車 東京(タ)7:13発 → 新小岩操10:17着、11:13発 → 鹿島スタ13:01着

 首都圏を明るい時間帯に通過し、新金線や武蔵野東・西・南線を経由して郊外を周回することから、沿線で目にする機会の多い列車である。東京(タ)行の72列車は、酸化エチレン以外のコキ車が新小岩操で切り離され[3]、新小岩操-東京(タ)間は酸化エチレン編成単独で運行される。73列車も同様で、新小岩操以東は酸化エチレン編成が後方につく[4]。72列車と73列車は成田線の佐原で交換する。

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■写真2-4 国鉄色のEF65 1041に牽引され、武蔵野線経由で一路東京タへ向かう72レ。   2009年9月、三郷

牽引機は、新鶴見機関区のEF65形である。2009年10月現在、同区には国鉄色の1041号機(写真2-4)1054号機(写真2-5)が所属しており、これらの車両が充当された際は沿線に多くのファンが詰めかけるようである。写真の通り、1041号機の記号番号はブロック式のナンバープレートではなく切り抜き文字で表現されており、ブレーキ系統に改造を受けた他の機関車[5]のようにナンバーの背景が着色されていないため、国鉄時代の雰囲気を色濃く残す機関車として人気がある。1054号機はナンバープレートが原色のクリーム色のままである。

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■写真2-5 国鉄色のEF65 1054に牽引され、武蔵野線(馬橋支線)を南下する73レ。   2009年11月、南流山-馬橋

 運行日は62列車/63列車と同様で、土・日曜日の72列車と月・火曜日の73列車に酸化エチレン編成は連結されない

●東京貨物ターミナル-稲沢

  • 5087列車 東京(タ)21:57発 → 稲沢4:07着
  • 5086列車 稲沢23:59発 → 東京(タ)4:52着

 関東と中京地区を連絡する貨物列車である。二列車いずれも、酸化エチレン編成は稲沢側に連結される。牽引機は、5087列車が吹田機関区のEF200形、5086列車が同区のEF66形である。

(つづく)

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