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2010年3月 2日 (火)

▲三菱化学▲酸化エチレン - 三洋化成工業向け輸送

 三洋化成工業名古屋工場は、名古屋南部臨海工業地帯の東海市新宝町に立地しており、名古屋臨海鉄道の東港駅に接続する専用線を保有している。同社向けの液化酸化エチレンは、かつて三菱化学四日市事業所から発送されていた(図1参照)。輸送には専用貨車タキ14700形が使用されていたが、2008年3月をもって廃止されている。2009年現在、発送地は鹿島事業所に切り替えられており、コンテナ化のうえ奥野谷浜発で運行が継続されている(図2参照)。

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■図2 酸化エチレン輸送プロセス概要図(2009年現在)

東港発着の貨車は、奥野谷浜-稲沢間では前述の塩浜発着の編成に併結される。運行は不定期で需要家の要望次第という面はあるが、2009年度上半期に観察したところ、おおむね毎月5~10往復前後の頻度で運行されていることが確認できた。貨車・コンテナいずれも、塩浜行に使用されているものと共用である。首都圏で目にする機会の多い72列車を観察していると、4両編成中1両が東港行のこともあれば、6両編成すべてが塩浜行ということもある。東港行の運行日は塩浜行の運行日(日・月以外)に限られ、東港行単独での運行はない。

●稲沢-笠寺

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■酸化エチレン専用コンテナ車を輸送する、1554レ。最後尾が奥野谷浜発のコキ車   2009年10月17日、熱田

  • 1554列車 稲沢6:29発 → 笠寺6:52着
  • 1555列車 笠寺19:24発 → 稲沢19:47着

 JRが名古屋臨海鉄道との間で貨車の授受を行うために設定している列車である。二列車ともに、笠寺側に連結されているコキ車は名古屋南貨物発着のもので、コキ200形の化学系タンクコンテナ車は稲沢側に連結される。化学系タンクコンテナ車には他に、日本触媒川崎製造所(千鳥工場)から三洋化成工業名古屋工場へ発送される酸化エチレン(神奈川臨海鉄道千鳥町→名古屋臨海鉄道東港)や、昭和町の東亞合成名古屋工場から東京液体化成品センター川崎営業所へ発送される苛性カリ(名古屋南貨物→川崎貨物)がある。奥野谷浜発のコキ車は、前述した5087列車から稲沢で1554列車に継送され、千鳥町発のコキ車の後方に連結される。逆行程となる1555列車では、機関車次位が千鳥町行の返空で、その後方に奥野谷浜行の返空が連結される。

牽引機は、1554列車が新鶴見機関区のEF65形、1555列車が岡山機関区のEF210形であるが、吹田機関区のEF200形が使用されることもある。

●笠寺-東港

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■ヘッドライトを輝かせながら笠寺駅に進入する1554レ。最後尾に酸化エチレンのコキ車を連結。
 手前で名古屋臨海鉄道の機関車に連結されて待機しているのが、1095レで到着した貨車。

  • 3列車 笠寺7:10発 → 東港7:19着
  • 18列車 東港18:30発 → 笠寺18:39着

 3列車は、早朝に笠寺に到着した1095列車に、前述の1554列車を併結した列車である。奥野谷浜発のコキ車は最後尾に連結される。東港に到着後入換が行われ、化学系タンクコンテナ車が切り離される。名古屋南貨物行のコキ車は303列車で先行し、三洋化成工業向けの酸化エチレンのコキ車は後続の305列車で輸送される。いっぽう18列車は、午前中に306列車で三洋から戻ってきた返空コキ車と、名古屋南貨物からのコキ車を東港で連結し、笠寺へ向かうものである。

牽引機は、国鉄DD13形に類似した車体を持つ[6]名古屋臨海鉄道ND552形(55t機)か、鹿島臨海鉄道KRD64-1と同型のND601(64t機[7])である。

●東港-三洋

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■酸化エチレン編成のみで三洋へ向かう。
 機関車次位が千鳥町発、最後尾が奥野谷浜発    2009年10月17日、東港-三洋

  • 305列車 東港9:00発 → 三洋9:09着(三洋9:14発→名古屋南貨物9:25着)
  • 306列車 (名古屋南貨物9:35発→三洋10:02着)三洋10:22発 → 東港10:31着

 三洋化成工業名古屋工場専用線は、東港から南港線をおよそ3km南下した地点で分岐している。分岐点(「三洋」とする)は東港駅構内扱いのため東港との間に営業キロの設定はなく、305列車の車票の着駅も単に「東港」となっている。編成は、三洋発着の酸化エチレンのコキ車のみで組成されていることが多い[8]。305列車で三洋に到着したコキ車は、側線に留置されるだけで工場への引き込みは行われず、牽引してきた機関車は単機で名古屋南貨物へ向かう。留置されたコキ車は、折り返しの306列車が三洋に停車した際に工場へ引き込まれ、発送コキ車と同時に入換が行われる。

 なお名古屋臨海鉄道は、時刻表通りに運行されず早発早着することがままあるので、撮影の際は注意が必要である。撮り逃しの無いよう、貨物時刻表をベースに自分でダイヤグラムを書いて(OuDIAなどのソフトを適宜活用して)持参したい。例えば上記306列車の場合、名古屋南貨物で305列車からの折り返しに10分、途中新日鉄で15分の停車時間が設けられている。これらの停車時間がないと仮定して、ダイヤグラム上でスジを前に(左に)平行移動すると、実際の列車の時刻とほぼ一致する。この手法は他の列車にも応用できるので、参考になれば幸いである。

(つづく)

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