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2010年3月

2010年3月31日 (水)

▲三菱化学▲酸化エチレン輸送 - 検査回送

 奥野谷浜-塩浜間で液化酸化エチレン輸送に使用されているタンクコンテナの検査は、安治川口で行われている。検査の際は、塩浜-安治川口間で貨車の回送が行われる。往復ともにタンクコンテナに酸化エチレンは充填されていないため本旨からは外れるが、興味深い列車なので紹介する。

●塩浜-安治川口

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■塩浜に留置される安治川口行きのコキ200

 検査に出されるタンクコンテナは、コキ車に積載されたまま昼の小ヤードの入換で引き出されたあと塩浜に留置される。

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■塩浜で発車待ちの5284レに連結される、安治川口行のコキ車

留置されたコキ車は、後日以降塩浜から石油系タキ車の連なる5284列車に併結され、稲沢へ向かう。

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■一路稲沢へ向かう5284レ。 塩浜-四日市

稲沢から梅小路までは8865列車に継送、梅小路から安治川口までは1883列車に継送される。

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■稲沢発梅小路行8865レ。酸化エチレンのコキ車は通常は機関車次位。 近江長岡-醒ヶ井

  • 5284列車 塩浜12:46発 → 稲沢15:31着
  • 8865列車 稲沢9:04発 → 梅小路11:55着
  • 1883列車 梅小路14:02発 → 安治川口16:27着

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■安治川口からの返却コキ車を連結した5381レ。傍目には普段の列車と変わらない。 白鳥信号場

 検査後の返却については、安治川口から1182列車に併結され、梅小路から8864列車に継送されて稲沢に至る。以降は「稲沢-四日市」「四日市-塩浜」の各項に記載した通り、5381列車・251列車と継送されて塩浜に戻る。

  • 1182列車 安治川口11:16発 → 梅小路13:26着
  • 8864列車 梅小路18:32発 → 稲沢21:35着
  • 5381列車 稲沢9:18発 → 四日市11:26着
  • 251列車  四日市12:18発 → 塩浜12:26着

塩浜に戻った車両は、駅のヤード内で切り離されてしまい小ヤードへは向かわないので、四日市事業所専用線には入らない。これは、奥野谷浜発の車両とは異なり荷を積んでいないためと思われる。その日の午後ないし後日、奥野谷浜行の返空が小ヤードから塩浜に到着すると、検査済み車両は稲沢寄りに連結され、一緒に奥野谷浜へ戻る運用になっている。

 なお上記回送途上の8865/8864列車は、黒崎-西浜松のレール輸送用チキ車のほか、ワム、コキ、トキ、シキなど日によって連結される貨車が異なり、大変興味深い。貨物ターミナル間の直行系コンテナ列車が幅を利かせている昨今、こうした雑多な貨物列車は我々ファンにとって魅力的な存在である。

つづく

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2010年3月27日 (土)

★祝★45000アクセス突破!!(新緑の都電荒川線)

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■サンシャイン60を背に下り坂を快走する、7500形電車。 
 2009年6月7日 学習院下-面影橋

沿線の桜、そろそろ開花でしょうか。

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2010年3月24日 (水)

【コラム】袋セメントの鉄道輸送

 先日のスイッチャーに関する記事の中で、秩父鉄道のスム4000形貨車が登場しました。せっかくなので、「袋セメントの鉄道輸送」について、備忘録的に記しておこうと思います。

一般に、セメント業界の物流面にスポットを当てた記事が鉄道趣味誌に載ることは、滅多にありません。きちんと取材をして調べなければ分からないことがほとんどですし、仮に記事を書いても読者の興味をひくのが難しいからでしょう。(それ以前にこの手の記事は、電気車研究会の『鉄道ピクトリアル』か、吉岡心平の貨車ホームページ、ないねん出版の『鉄道番外録』以外では、滅多に採用されない気がしますが…笑) しかしそんな隙間ネタこそ、当ブログの十八番です。

●バラセメントと袋セメント

 さて、袋セメントの輸送について説明する前に、セメントの荷姿について説明しておこうと思います。セメントを輸送する際の荷姿には、「バラ」と「袋」があります。「バラ」とは「バラ撒き」の略で、バラ輸送とは粉体を専用の容器に入れて輸送することです。「」は、包装設備で粉体を袋詰めしたものです。他にも、フレコン(フレキシブルコンテナ)や缶など荷姿は色々あるのですが、鉄道輸送には直接関係ないので省略します。

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■秩父鉄道三峰口駅付近に保存されているスム4000形4023号  2009年

バラの鉄道輸送には、タキ1900形や12200形、ホキ5700形といった専用貨車が使用されるため、鉄道ファンの注目度も高くなっています。これに対し、袋の場合は有蓋車での輸送となるため、外見では積荷が分からず、セメント輸送として注目されることはほとんどありません。もちろん、かつての秩父鉄道のように、テキ100形やスム4000形など、袋輸送専用の貨車を用意している私鉄の場合は大いに注目されますが、輸送そのものはあまり長続きしませんでした。一般に、わざわざ袋詰めして輸送するのは小口の需要家へ届けるためですから、輸送手段としては、鉄道貨車よりも小回りの利くトラックの方が適しています。

そんな背景もあり、鉄道の世界ではすっかり影を潜めている袋セメント輸送。しかし、実はまだ現存している、というのはあまり知られていません。なぜでしょうか。これを理解するには、二つの前提知識が必要になります。

●一次輸送と二次輸送

 まずセメントメーカーの物流について把握しておく必要があります。これについては、セメント協会のホームページに簡潔にまとめられています。

下のリンクで、「物流の合理化」の下の方にある「■セメントの物流プロセス」欄を参照。
http://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/jc6.html

工場で生産されたセメントは、まず各地に点在する出荷場所(SS:サービスステーション)まで、船舶・鉄道・トラックなどで輸送されます。これは自社内在庫移動の一種で、一次輸送と呼ばれます。SSは、セメントを貯蔵するためのサイロを2~3基備えており、常時2~3品種が出荷可能な状態になっています。SSは、かつては包装所と呼ばれ、バラセメントを袋詰めするための設備を有しています。大規模な一部のSSは混合設備を有し、混ぜものを添加して多様な品種を作り出せるところもあります。ちょうど工場の仕上工程の一部をSSが担っているようなイメージです。

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■某県内にあるセメントメーカーのSS(サービスステーション)。
 サイロの下でセメントを積込み、トラックで出荷。

SSから先は、必要に応じて生コンメーカーなど需要家へ届けられます。生コンメーカーへはバラ車での輸送が大半だと思いますが、小口需要家へは袋詰めしたものを届けることになります。これらは販売のための輸送で、二次輸送と呼ばれます。

●セメントの品種と出荷量

 次は、セメントの品種について。セメントにはさまざまな品種がありますが、出荷量が多いのは普通セメント()、早強セメント()、高炉セメントB種(BB)の三種類です(カッコ内はJIS品種名)。この三品種だけで、全出荷量の95%以上を占めます。セメント協会の統計よる内訳は、Nがおよそ70%、Hが5%、BBが20%という割合になっています。

●なぜ袋を鉄道輸送する必要があるのか?

 先程、SSにはサイロが2~3基あると述べました。統計の通り、出荷する品種の大半はN、H、BBのいずれかですので、1品種を1サイロに貯蔵するとしても、3基あれば十分需要に応えることができます。では、これ以外の品種を出荷する場合は、どうするのでしょうか。

特殊セメントの出荷量は全体の5%に満たないため、わざわざ各SSにサイロを設けて常備しておく必要はありません。更に上で述べたとおり、大抵のSSには混合設備がありません。つまりSSでは、特殊セメントの貯蔵も生産もできないわけです。したがってこのような品種は、工場から直接需要家へ二次輸送することになります。量が少なく小口のため、袋の割合が高まります。SSの拠点数は、一社あたり百から数百箇所にのぼり、日本中にそれなりの密度で点在していますが、工場は数が限られますので、当然需要家までの二次輸送の距離は長くなります。長距離で、かつ小口輸送。このフレーズ、どこかで聞いたことはありませんか?

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つまりコンテナ輸送ですね。私の知っているところでは、兵庫県からはるばる関東まで輸送している事例があります。もっともセメントメーカー側は、輸送を運送会社に委託していますので、鉄道を利用しているという意識は無いかもしれませんが。

 専用貨車によるセメント輸送は、2006年3月のダイヤ改正で激減。2008年3月改正以降は、東藤原-四日市間を残すのみとなりました。しかし、袋セメントをはじめ、製品の一つであるタンカル(炭酸カルシウム粉末)や石灰石骨材、そして原料用の石炭灰や汚泥・建設廃土などの輸送には、地味ではあるものの今でも鉄道が利用されています。今後も、こうしたセメント業界の物流の動向に注目していきたいと思います。

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2010年3月21日 (日)

★秩父鉄道★広瀬河原のスイッチャー

 ここ数回連続で、いつ動くのか分からないスイッチャーを取り上げました。電気運転を行う(電化されている路線を持つ)鉄道事業者の車両工場には、必ずといっていいほど工場内で車両を移動するための移動機が配置されています。これは、通常、電車(特に新性能電車)は1両単独では自走できないためです。逆に、保有する路線が全線非電化の私鉄や第三セクターでは、気動車は1両単位で自走できるため、必ずしも工場内専用の移動機を必要としません。こういった観点でスイッチャーを探していくのも、専用線巡りとはまた違った楽しみがあります。移動機は車両の形をしているとは限らず、最近ではアントも多いのですが、中小私鉄では、昔ながらのスイッチャーが使用されていることも珍しくありません。

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■わくわく鉄道フェスタ 2009年5月16日(日) 広瀬河原

秩父鉄道は、毎年5月にファン向けの車両工場公開イベントを開催しています。イベントの内容については、既に多くのブログで取り上げられていますので割愛します。ここではあくまでも、スイッチャー撮影のために何が必要なのかという点にポイントを絞って説明します。

初めに述べた通り、スイッチャーは、何らかの理由で自走できない車両を移動するために存在します。車両工場公開イベントでは、架線の無い場所に展示する電気車(電気機関車や電車)を並べるために、スイッチャーが使用されます。当然、イベント終了後に車両を然るべき場所へ「片付ける」際にも使用されます。ですから、イベント終了後のスイッチャーの動きを事前に知るためには、架線の無い場所に展示されている電気車がどこにどれだけあるかを調べておくことが重要になってきます。例えば…

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この時展示されていた電車は、すべて編成を組んだ状態で電留線にいますので、自走できます。また、電気機関車は…

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デキ501、デキ303、デキ103の3両とも架線下で展示中ですから、やはり自走できます。その左には…

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架線の無い場所に1両いました! パレオエクスプレスの編成を熊谷駅まで往復輸送する、緑色の電気機関車デキ201。これは入換が必要です。ちなみに、左端のヘッドライトが点灯している茶色のデキ101は現役の機関車ではありませんので、入換があるかどうかは分かりません。他にないかと探してみると…

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会場一番奥のターンテーブル上に、デキ107が。ここも架線がありませんので入換が必要です。というわけで、デキ201とデキ107、正味2両分の入換が期待できます

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工場の中では、袋セメント輸送用有蓋車スム4000を連結した状態のスイッチャーD15が、イベント終了を待っています。スイッチャーは、日本車輌製造の規格型15t機です(この車両の詳細は、以前の記事を参照のこと)。

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いよいよイベントの終了です。広瀬河原発熊谷行の臨時列車を、ゆるキャラのパレオくんパレナちゃんが見送ります。右にも見たことの無いキャラがいますが、気にしないようにしましょう(笑)

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お見送りが終わるとイベントは終了ですが、スイッチャーファンにとっては、これがむしろ「始まり」の合図です。

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工場から出場したDB+スムは、転線してまずはデキ201を引き取りにいきます。

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■スイッチャーD15に引き出される、デキ201

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デキは電化区間に入ると集電装置を上げ、あとは自走して所定の場所へ戻っていきます。つづいてスイッチャーは、デキ107の方へ移動します。

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デキ107も、ターンテーブル上から引き出され、架線下に押し込まれると、その後は自走して戻っていきます。

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仕事を終えたスイッチャーも、工場へ戻ります。だいぶ暗くなってきたのでここで撤収しましたが、この後デキ101の入換があったのかどうかは確認していません。

 なおこの時のイベントでは、15tスイッチャーは展示車両リストに含まれておらず、実際見に行っても建屋内に仕舞われていました。動き出すまでは写真が撮れないかと不安でしたが、無事撮ることができました。きっと今年のイベントも盛況となるでしょう。

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おまけ。イベント終了後に熊谷駅構内で実現した、元国鉄101系3色揃い踏み。

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2010年3月18日 (木)

【スイッチャー分類学】目次

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日本国内で活躍している産業用機関車を分類・分析します。

【目次】

  • はじめに
  • 日本車輌製造 … L型・凸型B、 凸型BB
  • 日立製作所  … L型、 凸型2エンジンBB、 凸型1エンジンBB
  • 協三工業    … L型、 凸型半キャブB、 L型半キャブB
  • 北陸重機工業 … L型B、 凸型BB
  • 三菱重工    … L型、 凸型BB
  • 川崎重工業  … L型、 凸型BB
  • 新潟鉄工所  … L型、 凸型BB
  • 日本輸送機  … L型
  • 富士重工業  … L型
  • 各社のモーターカー
  • 富士重工業
  • 松山重車輌工業 
  • 堀川工機
  • 小松製作所
  • 新潟トランシス
  • 各社のバッテリーロコ

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2010年3月16日 (火)

【浜松工場のスイッチャー】協三工業15t半キャブ

 2010年3月某日金曜日の昼下がり。午前中の撮影を終え、次の入換までのあいだ遠州鉄道の凸型電気機関車を撮影して時間を潰し、14時過ぎに踏切へ戻りました。例によって、まだ北側の踏切の門は閉まったままです。暫く待っても動きがないので、500m程離れた場所にあるJT専用線の様子を見ようかと歩き始めると、自転車に乗った地元のオジさんに声をかけられました。なんでも近所に30年間住んでいて、新幹線の踏切をよく観察しに来るそうです。最近では、夜中に新車の搬入を見に来ることもあるそうです。なかなか活動的な方でした。

話をしているうちに14時半を過ぎましたので、お別れして一路南へ向かいます。すると、異変は起きました。普段は閉まっている南側の踏切小屋に人が入っていくではないですか! 南側の踏切は、線路がすっかり錆付いていたので、てっきりもう使っていない線路なのかと思っていました。これは珍しく入換があるぞと思い、カメラを構えていると…

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■南側の踏切から出場する、協三工業製L型2軸機、L6

午前中とは異なるタイプのスイッチャー L6 が単機で出場しました! 協三工業製の15t機です。側面から見た印象は、国鉄標準の平凡な20t移動機に見えるのですが…

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正面から見ると、左右非対称の半キャブであることがよく分かります。このタイプは、協三工業の規格型の中でも少数派の、標準軌専用車です。規格型をベースに製作されたオーダーメイド機、という見方をする人もいます。もっぱら、新幹線の車両工場に配置されているタイプです。数年前までは、JR東日本の仙台総合車両所(現:新幹線総合車両センター)にも同型機があったようですが、トワイライトゾーンマニュアル14によると、既に北陸重機製に置き換えられているようです。つまり、現存する車両としては結構貴重なものになります。

さて、午前中の入換のときに考察した通り、この線路は北側にある踏切から出てきた線路と合流する引上げ線になっています。つまり…

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北側の踏切で待っていれば現れるとういことです。さあ、次はいったい何を入れ換えるのでしょうか。

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■工場建屋内から車両を引き出す。(写真右)

工場の方を見てみると、午前中は閉まっていた右手前の建屋のシャッターが開き、中から背丈の高い車両が姿を現します。

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なんと、100系新幹線の食堂車が出場です!!

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非常にゆっくりとした速度で、慎重に引き出されます。スイッチャーの前面(2エンド側妻面)には、黒い円筒状の容器(空気ダメ)が露出しています。空気管はそのまま貫通ブレーキ用のホースに繋がっています。おそらくこのスイッチャーは、新製時に貫通ブレーキを装備していなかったのではないでしょうか。あとから改造で取り付けられたものと思われます。

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■2階建て新幹線を牽引するスイッチャー。大きさの違いは歴然。

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2階建て食堂車の記号番号は、「168-9001」。後日調べたところ、浜松工場の保存車であることが分かりました。保存車といえば、「車体は綺麗な状態を保っているものの走行はできない」という印象がありますが、この新幹線は立派に走行しています。

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前回解説した入出場線ではなく、引き上げ線(左へ分岐する方)へ入線します。もし仮に、単純に工場内で入れ換えるだけであれば、この場所で停止して引き返すはずです。それにそのような入換であれば、そもそも南側の工場からわざわざ別のスイッチャーを持ってくる必要もありません。案の定、168-9001はそのまま奥の方に行ってしまいました。ということは…

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予想通り、最初にスイッチャーが出てきた南側の踏切から南の工場へ推進で入場します。

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■新幹線とは密着連結器で連結。ブレーキ管の引き通しは行われていない。

今回入換に遭遇した168-9001は、近々名古屋に開設されるJR東海の博物館に保存される車両のようです。プレスリリースがありました。

このまま博物館行になるのか、それとも今夏のイベントで再び見ることができるのかは分かりません。いずれにしろ、営業運転から退いた花形車両と、マイナーなスイッチャーによる、貴重な入換シーンを見ることができた、ということになります。

●その他の入換機

 岩堀春夫著『鉄道番外録』シリーズによれば、この工場には、新幹線の入換用にもう1両標準軌のスイッチャーが配置されているはずです。つまり計4両あることになります。

更に、南側に隣接する在来線の工場にも狭軌の入換動車が配置されています。私がこれまで目撃した情報、書籍の情報、ウェブ上で見つかった写真を総合すると、入換動車はすべてL型2軸機で、

  • 北陸重機、オレンジに緑帯、記号番号不明
  • コマツ、銀キャブ+青ボンネット、L10
  • 日車、紺色、20t機

の3両が配置されているようです。日車の20t機は、浜松工場内にある日車の出先機関が動かす車両のようです。つまり、この工場全体で少なくとも7両が稼動していることになります。これはぜひ再訪したいところです。

おそるべし、浜松工場。

(つづく)

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2010年3月15日 (月)

【浜松工場のスイッチャー】北陸重機20t/25t

 時刻表掲載の貨物列車の入換に従事する全国のスイッチャーを撮り終えたいま、私の中でホットなテーマは、いつ動くのか分からないスイッチャーの撮影です。以前の記事で取り上げたとおり、甲種・特大輸送時のみ稼動するスイッチャーは順次撮影してきましたが、最後に残ったのが西浜・沼津・常陸多賀です。いずれも運行頻度は1~3年に1回程度ですから、難儀なターゲットです。幸い、今年は特大の当たり年なのか、2010年3月に沼津発着の運行予定が確認できましたので、早速撮ってきました。そのときの様子は別途取り上げようと思います。

 今回取り上げるのは、沼津でのミッション達成後に向かった、浜松です。ここにも同じように、いつ動くのか分からないスイッチャーの巣窟、JR東海浜松工場があります。工場内で検査する車両の入換や、JR東海道本線←→工場間を入出場する車両の牽引のために入換機が必要、というわけです。

 3月某日朝に沼津で撮影後、新幹線で急行し、浜松駅前からバスで踏切前に着いたのが10:45頃。私の今までの経験では、車両工場は9~10時に開門して入換を開始するパターンが多かったのでどうかと思いましたが、まだ門は閉まっていました。とりあえず、開門まで工場周辺を観察しようと思い、雄踏街道を東に向かいます。すると、コーポレートカラーのオレンジ色を纏ったスイッチャーのキャブ内に、黄色いヘルメットの人影が! すぐにエンジンを吹かし始めました。撮り逃してなるものかとBダッシュで踏切まで戻りましたが、まだ門は閉まっていました。スイッチャーは、閉門したままの踏切まで一旦単機で接近した後、転線して車両を引き取りに奥の方へ行きました。

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■写真1 L型スイッチャーが新幹線車両の入換を開始。

暫くしてまずやってきたのは、北陸重機製と思われるL型2軸機(写真1の左)。

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■写真2 700系中間車4両編成を牽引して出場。

牽引している新幹線は700系中間車4両編成です。東海道新幹線の車両は、電気的には300系は3両1ユニット、700系は4両1ユニットで動きます。このときの700系は4両で出てきました。電気的な検査はユニット単位で行われることが多いようです。

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■写真3 北陸重機製の20tスイッチャー L9。

700系の入換に従事するL型2軸スイッチャー、L9。自重は20t、軌間は標準軌です。形態上は、99%北陸重機製といえるでしょう。北陸重機の車両は、通常楕円形の銘盤が付いていますが、この車両には見当たりません。もしかしたら帳簿上はアント工業製スイッチャーということになっているかもしれません。というのも、JR各社に移動機として納入されている北陸重機の車両は、アントの銘盤を付けていることがあるからです。
(読者のタムタキさんからの情報では、日車の銘盤をつけているとのことです)

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■写真4 西側へ引き上げると、分岐器を切換え、工場へ戻る。

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■写真5 踏切より東側を望む。右手前に至る3線区間が、引上げ線
      写真中央から右へ分岐する狭軌の線路が、在来線工場との連絡線。

 入換が終わっても開門したままなので「次があるぞ」と期待していると、今度はオレンジ色のもう1両が同じように車両を引き取りに奥へと向かいました。

 ここで次のスイッチャーが来るまでの間に、この踏切(あえて名前は伏せます)周辺の線路の配線と役割について考察しておきます。この踏切は、単線並列の線路が2本通過しています。

Configuration_west

■写真6 踏切より西側を臨む。右の標準軌の線路が、東海道新幹線本線へ合流する入出場線。
      左に分岐する3線軌道が引き上げ線で、在来線車両が引き上げる際にも使用する。

北側の線路(写真6の右側)は、東海道新幹線の上り本線に接続する入出場線で、軌間は1,435mm(標準軌)になっています。通常は、営業運転用の16両編成が回送される線路です。いっぽう南側の線路(写真5の中央の線路、写真6では左へ分岐していく方)は、工場内入換時の引き上げ線(狭軌・標準軌)です。同時に、南側の工場から北側の新幹線工場への車両回送ルートとしても機能しています(標準軌のみ)。この3線区間の狭軌側は、以前、日本車輌製造豊川工場からJR浜松工場まで、在来線経由で新幹線車両を輸送していた時期に引き上げ線として使用されていました。このため、大物車に乗せたままの新幹線車体を、新幹線工場へ引き込めるよう、狭軌と標準軌の3線区間となっています。なお現在は、豊川からの新幹線は陸送ですので、この回送ルートはあまり使用されることはなく、写真の通り狭軌側のレールは錆びていました。

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■写真7 先程とは別のスイッチャーが動き出す!

 そんな風に考察していると次のスイッチャーがやってきました。こちらもL型2軸機です。

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■写真8 N700系2両編成を牽引して出場。

N700系の入換に従事するL型2軸スイッチャーL11。25t機で、軌間は標準軌です。牽引しているのは先頭車と中間車1両です。

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■写真9 引き上げた後、左へ推進していく。

西側へ引き上げると、L9と同じように再び工場内へ推進していきました。N700系はボディマウント構造ですが、点検中のため台車や床下機器が露出しています。東海道新幹線の台車をじっくり観察できる場所は、全国でもこの踏切くらいしかないのではないでしょうか。

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■写真10 北陸重機製の25tスイッチャー L11。

形態は、スイッチャーというより巨大なモーターカーといった風情です。こちらはしっかりとアントの銘盤がついています。

  • 形  式  : ANT200DB-25
  • 製造年月 : 2006年2月
  • 製造番号 : 0140
  • 自  重  : 25.9t

しかし、、、騙されてはいけません。この車両は、実際には北陸重機がアントへOEM供給した、油圧モーター駆動の入換動車なのです。皆さん、銘盤だけにとらわれないよう注意しましょう。油圧式のため、普通のディーゼル機関車のようなエンジン音がまったく聞こえず、静かに走行していたのが印象的でした。写真だと分かりませんが、動画を撮る方には面白い素材になるのではないでしょうか。

今回撮影したスイッチャーL9・L11は、いずれも前後に双頭連結器を備えているのが特徴で、新幹線の密着連結器と在来線の自動連結器どちらとも連結できます。このため3線区間では、新在どちらのの車両でも入換えることが出来ます。

 一連の入換が終わった11:40頃、一旦閉門しましたので、午後再び訪れることにして一時退散します。踏切周辺での長居は禁物です。

(つづく)

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2010年3月 7日 (日)

★祝★40000アクセス突破!!(上毛電鉄デハ101/熊本電鉄モハ71)

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■写真1 上毛電鉄デハ101 2009年1月4日、富士山下  ■写真2 熊本電鉄モハ71 2009年6月20日、北熊本

 2009年は、大手私鉄の主力車両が更新時期を迎えたため、在来車が相次いで一線から退いていく様子が度々報じられ、印象的な年でした。一方、日本全国の中小私鉄では、旧形車両の復活運転に注目が集まった年でもありました。

写真1は、2009年1月4日に行われた、上毛電気鉄道デハ101形の営業運転の一コマ。1928年(昭和3年)製、日本最古参のこの電車は、当初は(2007年に報じられた内容では)、2008年9月の全般検査で修繕が行われなかった場合、営業運転はできなくなる見込みでした。しかし、従来は外注して数百万円かかっていた全般検査を自社内で行い経費を圧縮することで、観光資源として今後も活用していく道筋がついたといいます。職員の方々のご苦労は計り知れません。

写真2は、2009年6月20日に公開運転された、熊本電気鉄道モハ71形。こちらも同じく1928年(昭和3年)製で、車籍はないものの、普段は北熊本車両基地の入換用として使用されています。2009年の熊本電鉄100周年にあわせて、車内や外装の修繕が行われ、5月30日、6月20日の二回にわたり、一般客を乗せて駅構内を走行しました。走行距離は片道80m余りありましたので、乗車感を堪能できる良いイベントになりました。

これらはいずれも、旧形電車の観光資源的活用例として、注目に値します。ファンとしてのせめてもの貢献は、運賃を払ってきちんと「乗る」ことでしょう。一般的に言って、行政サービスや慈善事業などを除けば、受益者負担の原則が成り立たない世界に、未来はないのではないでしょうか。私は、そう思います。

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2010年3月 5日 (金)

▲三菱化学▲酸化エチレン輸送 - 去就について

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■国鉄色のEF65 1041に牽引される73レ。コキ車のうち先頭5両の有蓋コンテナは東京タ発。
 後方4両が塩浜発の酸化エチレン          2009年9月5日、本八幡

 2008年7月29日付の日本経済新聞によると、三菱化学は酸化エチレンの輸送コスト削減のため、現在行っている鹿島から四日市への事業所間の移送を、2011年3月をもって廃止することを発表している図2参照。酸化エチレンの需要家は鹿島事業所内に誘致し、パイプラインで直結して供給するとしている。このため、今回紹介した奥野谷浜-塩浜間の貨物列車は、遅くとも2011年3月をもって廃止となる見込みである。

なお、三洋化成工業向けの鉄道輸送については、2009年10月現在廃止の話は出ていないが、輸送単位が小さいことからトラック輸送への転換も不可能ではないと思われる。危険物であることや、モーダルシフトによる温室効果ガス削減効果が重視されて、運行が継続されることを期待したい。

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2010年3月 2日 (火)

▲三菱化学▲酸化エチレン - 三洋化成工業向け輸送

 三洋化成工業名古屋工場は、名古屋南部臨海工業地帯の東海市新宝町に立地しており、名古屋臨海鉄道の東港駅に接続する専用線を保有している。同社向けの液化酸化エチレンは、かつて三菱化学四日市事業所から発送されていた(図1参照)。輸送には専用貨車タキ14700形が使用されていたが、2008年3月をもって廃止されている。2009年現在、発送地は鹿島事業所に切り替えられており、コンテナ化のうえ奥野谷浜発で運行が継続されている(図2参照)。

Photo

■図2 酸化エチレン輸送プロセス概要図(2009年現在)

東港発着の貨車は、奥野谷浜-稲沢間では前述の塩浜発着の編成に併結される。運行は不定期で需要家の要望次第という面はあるが、2009年度上半期に観察したところ、おおむね毎月5~10往復前後の頻度で運行されていることが確認できた。貨車・コンテナいずれも、塩浜行に使用されているものと共用である。首都圏で目にする機会の多い72列車を観察していると、4両編成中1両が東港行のこともあれば、6両編成すべてが塩浜行ということもある。東港行の運行日は塩浜行の運行日(日・月以外)に限られ、東港行単独での運行はない。

●稲沢-笠寺

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■酸化エチレン専用コンテナ車を輸送する、1554レ。最後尾が奥野谷浜発のコキ車   2009年10月17日、熱田

  • 1554列車 稲沢6:29発 → 笠寺6:52着
  • 1555列車 笠寺19:24発 → 稲沢19:47着

 JRが名古屋臨海鉄道との間で貨車の授受を行うために設定している列車である。二列車ともに、笠寺側に連結されているコキ車は名古屋南貨物発着のもので、コキ200形の化学系タンクコンテナ車は稲沢側に連結される。化学系タンクコンテナ車には他に、日本触媒川崎製造所(千鳥工場)から三洋化成工業名古屋工場へ発送される酸化エチレン(神奈川臨海鉄道千鳥町→名古屋臨海鉄道東港)や、昭和町の東亞合成名古屋工場から東京液体化成品センター川崎営業所へ発送される苛性カリ(名古屋南貨物→川崎貨物)がある。奥野谷浜発のコキ車は、前述した5087列車から稲沢で1554列車に継送され、千鳥町発のコキ車の後方に連結される。逆行程となる1555列車では、機関車次位が千鳥町行の返空で、その後方に奥野谷浜行の返空が連結される。

牽引機は、1554列車が新鶴見機関区のEF65形、1555列車が岡山機関区のEF210形であるが、吹田機関区のEF200形が使用されることもある。

●笠寺-東港

Kasadera_1554

■ヘッドライトを輝かせながら笠寺駅に進入する1554レ。最後尾に酸化エチレンのコキ車を連結。
 手前で名古屋臨海鉄道の機関車に連結されて待機しているのが、1095レで到着した貨車。

  • 3列車 笠寺7:10発 → 東港7:19着
  • 18列車 東港18:30発 → 笠寺18:39着

 3列車は、早朝に笠寺に到着した1095列車に、前述の1554列車を併結した列車である。奥野谷浜発のコキ車は最後尾に連結される。東港に到着後入換が行われ、化学系タンクコンテナ車が切り離される。名古屋南貨物行のコキ車は303列車で先行し、三洋化成工業向けの酸化エチレンのコキ車は後続の305列車で輸送される。いっぽう18列車は、午前中に306列車で三洋から戻ってきた返空コキ車と、名古屋南貨物からのコキ車を東港で連結し、笠寺へ向かうものである。

牽引機は、国鉄DD13形に類似した車体を持つ[6]名古屋臨海鉄道ND552形(55t機)か、鹿島臨海鉄道KRD64-1と同型のND601(64t機[7])である。

●東港-三洋

Nd5526_w_eox2_2

■酸化エチレン編成のみで三洋へ向かう。
 機関車次位が千鳥町発、最後尾が奥野谷浜発    2009年10月17日、東港-三洋

  • 305列車 東港9:00発 → 三洋9:09着(三洋9:14発→名古屋南貨物9:25着)
  • 306列車 (名古屋南貨物9:35発→三洋10:02着)三洋10:22発 → 東港10:31着

 三洋化成工業名古屋工場専用線は、東港から南港線をおよそ3km南下した地点で分岐している。分岐点(「三洋」とする)は東港駅構内扱いのため東港との間に営業キロの設定はなく、305列車の車票の着駅も単に「東港」となっている。編成は、三洋発着の酸化エチレンのコキ車のみで組成されていることが多い[8]。305列車で三洋に到着したコキ車は、側線に留置されるだけで工場への引き込みは行われず、牽引してきた機関車は単機で名古屋南貨物へ向かう。留置されたコキ車は、折り返しの306列車が三洋に停車した際に工場へ引き込まれ、発送コキ車と同時に入換が行われる。

 なお名古屋臨海鉄道は、時刻表通りに運行されず早発早着することがままあるので、撮影の際は注意が必要である。撮り逃しの無いよう、貨物時刻表をベースに自分でダイヤグラムを書いて(OuDIAなどのソフトを適宜活用して)持参したい。例えば上記306列車の場合、名古屋南貨物で305列車からの折り返しに10分、途中新日鉄で15分の停車時間が設けられている。これらの停車時間がないと仮定して、ダイヤグラム上でスジを前に(左に)平行移動すると、実際の列車の時刻とほぼ一致する。この手法は他の列車にも応用できるので、参考になれば幸いである。

(つづく)

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2010年3月 1日 (月)

▲三菱化学▲四日市事業所専用線

Miyamado_dd51x2_251_pullend

■塩浜で折り返し入換扱いで小ヤードに入線する、DD51重連牽引の酸化エチレン。
 左奥に緑色のスイッチャーが待機中。 

 当専用線を通過するのは、2009年現在、奥野谷浜発着の酸化エチレン列車のみとなっている。稼働するのは日・月曜以外の日の午後2回で、昼過ぎに251列車で小ヤードに到着したコキ車を四日市事業所へ引き込む運用と、午後に250列車で発送するコキ車を小ヤードまで引き出す運用がある。

●入換とスイッチャー

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■到着貨車の後方(塩浜側)にスイッチャーを連結 

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■小ヤードから専用線内へは、日本トランスシティの25tスイッチャーDB252が牽引。

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■工場へ入る直前で産業道路を横断する。踏切の遮断機は、2001年の当列車運行開始にあわせて整備されたもの。

 当専用線の入換作業は日本トランスシティに委託されている。2009年現在稼動中のスイッチャー(入換専用ディーゼル機関車)には、DB251DB252の2両がある。いずれも日本車輌製造製の25t機で、DB251は250列車発車時の午後の入換で、DB252は251列車到着時の昼の入換で使用されることが多い。

2両とも新製時の納入先は浪速鉄道産業で、かつて大阪の浪速貨物駅構内や大阪港・大阪東港で重連で入換に従事していたものである。浪速時代は、朱色の車体に白帯+グレー屋根で、国鉄のディーゼル機関車のような装いであったが、塩浜への移動に伴い現在の深緑色に変更された。2両とも新製時には重連総括制御に対応していたが、総括制御用のエアホースやコックは撤去されており、現在は総括制御は行われない。塩浜への配置後、端梁部の両側ステップ付近に入換作業員用の握り棒が増設されている。

Miyamado_db251_13_2

■日本車輌製造製25tスイッチャーDB251。こちらはオーダーメイド機で、独特の形態。

DB251は、ボンネットや屋根など全体的に丸みを帯びたデザインのオーダーメイドの車両である。同じ時期に日車で製作されていた規格型の角ばった車両とは意匠が大きく異なっており、乗務員用扉も規格型のように前面ではなく側面に設けられている。エンジンと液体変速機には、規格型と同じく神鋼造機製の気動車用の汎用品が採用されており、足回りも規格型同様に軸バネは重ね板バネである。

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■DB251のメーカーズプレートと表記。刻印部に着色してあるため判別が容易。

記号番号は浪速への新製配置時からDB251のまま変わっていないが、前面に掲げられていた日車の社紋とナンバープレートは撤去され、前面には日本トランスシティのロゴが、キャブの両側面にはナンバープレートが新設されている。2009年現在、キャブ屋根には新製時に無かった庇が取り付けられている。また公式側にはヘッドライトが増設され、非公式側は側窓上にも庇が取り付けられている。

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■日本車輌製造製25tスイッチャーDB252。こちらはレディメイド機がベース。

DB252は、日車で1981年以降に製作された規格型車両がベースになっている。それまでの規格型2軸機ではキャブ前面に設けられていた乗務員用扉が側面に移ったため、4枚あった前面窓も35t機同様の2枚に変更された。エンジンには日野自動車製のトラック用汎用品が採用され、液体変速機はパワーシフトトランスミッション一体型のものを搭載している。軸バネは、板バネからコイルバネにモデルチェンジされた。

Miyamado_db252_rolling

■DB252の軸バネはコイル。

Miyamado_db251_cn

■DB252の表記類。メーカーズプレートはなく、ペイントで表現。
 DB251ともども、車両の検査・保守は京都にある「八尾内燃機」で行われている。

浪速時代の記号番号はDB256で、塩浜への移動に伴い現在のDB252に変更された。前述のDB251同様、キャブ側窓上に庇とヘッドライトが増設されている。この車両に同型機は存在しないが、ベースになった同一寸法の規格型車両は、他の専用線や製鉄所の構内鉄道へも納入されている。2009年10月現在、我々鉄道ファンが日常的に稼働を確認できるのは、西上田駅の日本オイルターミナル上田営業所で使用されているDB257のみである。伯耆大山の王子製紙米子工場専用線や、伊予三島の大王製紙三島工場専用線では、同等の形態・同一寸法の車体を持つ15t機が活躍している。各車両の詳細仕様は別表の通りである。

Db251_252_spec

■スイッチャー詳細仕様。寸法はすべて新製時のもの。

Miyamado_db251_pullstart

■午後の空車の引き出しはDB251が担当。

Miyamado_db251_switching

■コキ車を小ヤードに留置し機回し中のDB251。

Miyamado_dd51x1_switcing

■塩浜から小ヤードへ単機でやってきたDD51が、コキ車に連結される。

Miyamado_dd51x1_db251_2

■塩浜に向けて出発。「前方に撮影者確認!」といったところ。終始笑顔(^^)

(つづく)

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