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2010年3月16日 (火)

★JR東海 浜松工場のスイッチャー★協三工業15t半キャブ

 2010年3月某日金曜日の昼下がり。午前中の撮影を終え、次の入換までのあいだ遠州鉄道の凸型電気機関車を撮影して時間を潰し、14時過ぎに踏切へ戻りました。例によって、まだ北側の踏切の門は閉まったままです。暫く待っても動きがないので、500m程離れた場所にあるJT専用線の様子を見ようかと歩き始めると、自転車に乗った地元のオジさんに声をかけられました。なんでも近所に30年間住んでいて、新幹線の踏切をよく観察しに来るそうです。最近では、夜中に新車の搬入を見に来ることもあるそうです。なかなか活動的な方でした。

話をしているうちに14時半を過ぎましたので、お別れして一路南へ向かいます。すると、異変は起きました。普段は閉まっている南側の踏切小屋に人が入っていくではないですか! 南側の踏切は、線路がすっかり錆付いていたので、てっきりもう使っていない線路なのかと思っていました。これは珍しく入換があるぞと思い、カメラを構えていると…

Kylg15b_switching

■南側の踏切から出場する、協三工業製L型2軸機、L6

午前中とは異なるタイプのスイッチャー L6 が単機で出場しました! 協三工業製の15t機です。側面から見た印象は、国鉄標準の平凡な20t移動機に見えるのですが…

Kylg15b_switching2

正面から見ると、左右非対称の半キャブであることがよく分かります。このタイプは、協三工業の規格型の中でも少数派の、標準軌専用車です。規格型をベースに製作されたオーダーメイド機、という見方をする人もいます。もっぱら、新幹線の車両工場に配置されているタイプです。数年前までは、JR東日本の仙台総合車両所(現:新幹線総合車両センター)にも同型機があったようですが、トワイライトゾーンマニュアル14によると、既に北陸重機製に置き換えられているようです。つまり、現存する車両としては結構貴重なものになります。

さて、午前中の入換のときに考察した通り、この線路は北側にある踏切から出てきた線路と合流する引上げ線になっています。つまり…

Kylg15b_switching3

北側の踏切で待っていれば現れるとういことです。さあ、次はいったい何を入れ換えるのでしょうか。

Kylg15b_w_1689001_start

■工場建屋内から車両を引き出す。(写真右)

工場の方を見てみると、午前中は閉まっていた右手前の建屋のシャッターが開き、中から背丈の高い車両が姿を現します。

Kylg15b_w_1689001_start2

なんと、100系新幹線の食堂車が出場です!!

Kylg15b_w_1689001_pull

非常にゆっくりとした速度で、慎重に引き出されます。スイッチャーの前面(2エンド側妻面)には、黒い円筒状の容器(空気ダメ)が露出しています。空気管はそのまま貫通ブレーキ用のホースに繋がっています。おそらくこのスイッチャーは、新製時に貫通ブレーキを装備していなかったのではないでしょうか。あとから改造で取り付けられたものと思われます。

Kylg15b_w_1689001_pull2

■2階建て新幹線を牽引するスイッチャー。大きさの違いは歴然。

1689001

2階建て食堂車の記号番号は、「168-9001」。後日調べたところ、浜松工場の保存車であることが分かりました。保存車といえば、「車体は綺麗な状態を保っているものの走行はできない」という印象がありますが、この新幹線は立派に走行しています。

Kylg15b_w_1689001_switching

前回解説した入出場線ではなく、引き上げ線(左へ分岐する方)へ入線します。もし仮に、単純に工場内で入れ換えるだけであれば、この場所で停止して引き返すはずです。それにそのような入換であれば、そもそも南側の工場からわざわざ別のスイッチャーを持ってくる必要もありません。案の定、168-9001はそのまま奥の方に行ってしまいました。ということは…

Kylg15b_w_1689001_back

予想通り、最初にスイッチャーが出てきた南側の踏切から南の工場へ推進で入場します。

Kylg15b_w_1689001_end

■新幹線とは密着連結器で連結。ブレーキ管の引き通しは行われていない。

今回入換に遭遇した168-9001は、近々名古屋に開設されるJR東海の博物館に保存される車両のようです。プレスリリースがありました。

このまま博物館行になるのか、それとも今夏のイベントで再び見ることができるのかは分かりません。いずれにしろ、営業運転から退いた花形車両と、マイナーなスイッチャーによる、貴重な入換シーンを見ることができた、ということになります。

●その他の入換機

 岩堀春夫著『鉄道番外録』シリーズによれば、この工場には、新幹線の入換用にもう1両標準軌のスイッチャーが配置されているはずです。つまり計4両あることになります。

更に、南側に隣接する在来線の工場にも狭軌の入換動車が配置されています。私がこれまで目撃した情報、書籍の情報、ウェブ上で見つかった写真を総合すると、入換動車はすべてL型2軸機で、

  • 北陸重機、オレンジに緑帯、記号番号不明
  • コマツ、銀キャブ+青ボンネット、L10
  • 日車、紺色、20t機

の3両が配置されているようです。日車の20t機は、浜松工場内にある日車の出先機関が動かす車両のようです。つまり、この工場全体で少なくとも7両が稼動していることになります。これはぜひ再訪したいところです。

おそるべし、浜松工場。

(つづく)

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