« ▲三菱化学▲酸化エチレン輸送 - 検査回送 | トップページ | ◆東京都交通局◆馬込のバッテリーロコ(入換編) »

2010年4月 8日 (木)

◆東京都交通局◆馬込のバッテリーロコ(車両編)

 ここ数回連続して、いつ動くのか分からないスイッチャーの撮影例をあげました。それらはいずれもディーゼル機関車に限られていましたが、スイッチャーは、内燃機関で動くものばかりではありません。最近では環境意識の高まりもあってか、地下鉄や大手私鉄の一部に、バッテリーロコ(モーターを蓄電池で駆動するタイプの電気機関車)を採用する鉄道事業者があらわれています。東京都交通局も、自局の車両工場内での入換用に、バッテリーロコを採用しています。

Magome_rollingstocks
■東京都交通局 馬込車両検修場。都営地下鉄浅草線の車両を収容し、清掃や検査を実施する。

 馬込車両検修場は、日常的な車両の点検・洗浄のための設備と、全般検査のための車両工場が一体となった、いわゆる総合車両基地に相当する施設で、2000年に発足しました。1968年にこの場所に開設された馬込検車場がルーツです。一方、馬込車両工場は、当初は西馬込駅を挟んで反対側(北西側)に設けられ、当車両基地とは地下の入出庫線経由で接続していました。しかし2004年3月、設備老朽化に伴い従来の工場は閉鎖され、当車両基地内の留置線を一部撤去して捻出した用地に、新しい車両工場が建設されました (上の写真右側に写っている、ベージュで箱型の建物)。この工場では、都営浅草線用5300形のほか、大江戸線用の12-000形の全般検査も可能になっています。大江戸線の車両を当検修場まで輸送するために導入されたのが、E5000形電気機関車です。

Magome_in Magome_tunnelin
■西馬込駅と車庫の間の入出庫は、ラッシュ前後が中心。
 浅草線用5300形(左)のほか、京成車(右:写真は3000形)も入線する。

 さて、車庫に来て真っ先に見たいと思うのは、やはり車両の入出庫シーンではないでしょうか。ここでは、始発・終電およびラッシュアワー前後の時間帯を中心に、西馬込駅との間で車両の入出庫が行われます。幸い、頻繁に出入りするため、撮影に困ることはありません。また、西馬込駅基準で10:37発と13:37発の2本は試運転のスジで、これも興味深い列車です(運休あり)。平日と土休日で時刻が異なりますが、詳しくは駅のホームに掲示されている業務用時刻表に記載されていますので、興味のある方はご自身の目で確認を。撮影するうえでより難易度が高いのは、E5000形電気機関車や入換用バッテリーロコの走行シーンです。

Magome_sw_flag
■入換前日の夜の段階で、既に上のように8両編成が4両に分割され、中間車の妻面が露出していた。

 2010年3月某日(土)、馬込車両検修場を訪れました。目的はもちろん、バッテリーロコの撮影です。都営浅草線は、学生時代(1994~2000年)に通学で毎日利用していた馴染み深い路線ですので、その車両基地にスイッチャーが配置されているとなれば、撮らないわけにはいきません。

当日は、京成線内で北総鉄道9000形を使用したイベント列車が運行されていたため、それを撮影してからの訪問となり、着いたのは10:30を過ぎていました。俯瞰スポットとして有名な道々め木橋に上ると…

Magome_sw_waiting_o
■馬込車両検修場のバッテリーロコ、2号機。

バッテリーロコは既に工場外に留置されていました。トモエ電機工業製の凸型の2軸機で自重は25tです。同社は、MRV(Maintenance Recovery Vehicle)と称する保守用機関車をシリーズ化しており、その納入先は国内の地下鉄・私鉄のみならず、海外へ輸出もしています。詳細スペックは鉄道ピクトリアル2012年2月号をご覧ください。

Magome_sw_waiting_uo
■反対側。もう一両、同じメーカーが納入した1号機もある。

銘盤はトモエ電機で、その下には保線用車両の卸業者として有名な伊岳商事の銘盤もついています。屋上には旋回灯が取り付けられ、ボンネット端部にはバックミラーと物々しい連結器を備えています。ボンネット端部側面に、方角を示す「北」「南」のテプラが貼付されています。当検修場は西馬込駅より南にあるため、「押上寄り」「西馬込寄り」では通じないのでしょう。

こういった車両は、一見前後左右対称に見えても、よくよく観察してみると非対称であることがままあります。ですので車両研究の観点では、前後左右あらゆる方向から撮っておくことが、後の発見に繋がります。

Magome_sw_1end_2Magome_sw_2end_3
■2号機の端梁部。北側(左)と南側(右)では、大江戸線用連結器の首振りの向きが逆になっている。

連結器は、浅草線用双頭連結器と、その下に大江戸線用密着連結器を備えています。浅草線用5300形は、1号線乗り入れ規格により、先頭車の運転台側が密着自動連結器、それ以外は密着連結器になっています。このため、入換えの便を図るためには双頭連結器が必要になります。大江戸線12-000形用連結器は、連結時の車体間隔を確保するため、浅草線用のものより長くなっています。このため未使用状態では写真のように首振りをして、双頭連結器の連結相手に支障しないように配慮されています。

Magome_sw_cab
■運転台内部。マスコンは、簡素な造り。「2」とあるのは2号機の意。

キャブ内部の制御盤。マスコンは、ジョイスティックのような興味深い形状をしています。どこかで見たことがあるなと気になっていたのですが…鉄道ピクトリアルのバックナンバーを読んでいて思い出しました。大手鉄鋼メーカーJ社の福山製鉄所内で使用されている、東芝製の産業用電気式ディーゼル機関車の運転台に、ほとんど同じ形状のものがあったはず。

Magome_sw_w_e5000
■大江戸線車両輸送用の電気機関車E5000形と顔を並べる。

●2015年11月15日追記

 新トモエ電機工業の英語版ホームページに、諸元が掲載されていましたので抜粋します。

  • 全 長 : 4,680mm
  • 全 幅 : 2,600mm
  • 全 高 : 3,415mm(屋根上の旋回灯含む)
  • 自 重 : 25t
  • 主電動機出力:80kW×2(直流サーボモーター)
  • 牽引力: 37kN
  • 蓄電池容量:320Ah/5hr (電圧480V)
  • 最高速度:15km/h
  • 軌 間 : 1,435mm
  • 製造者 : トモエ電機工業

(つづく)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ にほんブログ村 鉄道ブログ 貨物列車へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

|

« ▲三菱化学▲酸化エチレン輸送 - 検査回送 | トップページ | ◆東京都交通局◆馬込のバッテリーロコ(入換編) »

 Z.バッテリーロコ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/63194/48025968

この記事へのトラックバック一覧です: ◆東京都交通局◆馬込のバッテリーロコ(車両編):

« ▲三菱化学▲酸化エチレン輸送 - 検査回送 | トップページ | ◆東京都交通局◆馬込のバッテリーロコ(入換編) »