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2010年5月13日 (木)

◆十和田観光電鉄◆ED402試運転

 バスとの衝突事故で機関車1両が廃車となり、予備車がなくなっていた八戸臨海鉄道に、JRからの譲渡車(DD16形)が増備され活躍を始めたのが、昨年12月。本来であれば2009年度内には撮影したいところでしたが、普段はなかなか稼動することの無い特大輸送が、年明けから年度末にかけて集中したため、それらの撮影に奔走していました。結局、日祝以外毎日動いている八戸臨海鉄道の訪問は後回しになり、2010年5月1日(土)になってしまいました。

天気もよさそうなので、わざわざレンタサイクルのあるホテルに泊まり、繰り出してみると…

Hachinohe_rinkai

始発便が来ません。本来土曜日は運行日の筈。終点の北沼駅に向けて線路沿いを走っていると保線の方にお会いしたので、事情を聞いてみました。5日まで全便運休とのこと。おそらく工場そのものは24時間稼動と思われますが、連休中の出荷は止まるようです。

しかし、転んでもただでは起きません。貨物列車の連休中の運休はよくあること。実はこういう事態を想定して、保険をかけておきました。それは、近隣の三沢と十和田市を結んでいる十和田観光電鉄の撮影です。二年前の同じ時期に家族旅行で十和田湖を訪れた際、沿道から電気機関車の運行を目撃していたため、同じ時期に行けば何か起きるのではないかといった期待がありました。仮に何も起きなくても、沿線には桜の名所がたくさんありますし、この日はすぐ近くの七戸で南部縦貫鉄道の保存車両イベントも催されています。つまり、保険の保険も万全であり、全く無駄足にならないプラン、というわけです。

三沢経由で車庫のある七百駅に着いたのが11時前。駅に進入する直前に車庫が見えますが、扉が開いて中には電気機関車の姿がありました。しかも機関車の前に3名のスタッフが待機しています。これは何かあるぞと思い下車することに。

旅客列車同士の交換が終わると、スタッフ2名が三沢寄りにある分岐器に細工をします。本線上の分岐器はスプリングポイントですから、常時定位側に開通しています。入換をするためには、一時的に反位側に固定する必要があります。

Ed402_a_shichihyaku_coming

作業が終わると、電気機関車がおもむろに姿を現します。

Ed402_a_shichihyaku_side

■十和田観光電鉄ED400形ED402(クリックで拡大) 2010年5月1日

現れたのは、2台配置されている電気機関車のうちの新しい方です。入換が見られるだけでもかなり幸運でしょう。

  • 形 式  : ED400形
  • 記号番号 : ED402
  • 運転整備重量: 35t
  • 全 長 : 10,950mm
  • 幅   : 2,700mm
  • 高 さ : 4,257mm
  • 出 力 : 90kVA × 4
  • 引張力: 4,400kg
  • 製造年  : 1962年(昭和37年)
  • 製造所  : 川崎車輛
  • 製造番号 : 241
  • 制御装置 : 電磁空気単位スイッチ式
  • 制動装置 : EL14A、発電制動付
  • 台 車  : 川車613(国鉄DT21と同型)

Ed402_makersplate

■ED402のメーカーズプレート

川崎車輛で戦後に製作された電気機関車は注目すべき存在です。日立や東芝、三菱、東洋電機、日本車輌といった各大手メーカーは、規格型を量産して各社に納入していますが、川崎製の戦後の電気機関車は他に例がありません。

もっとも、製鉄所や鉱山など鉄道事業者以外に納入された機関車や、輸出分まで含めて網羅的に調査している人は、私の知る限りまだいませんので、もしかしたらどこかでひっそりと同型機が活躍しているかもしれません。

Ed402_zenkendate

■ED402の全般検査標記

全般検査は平成22年4月に実施済、次回検査が平成30年4月となっています。つまり、この機関車は全検直後ということになります。

Ed402_a_shichihyaku_moving

ED402は三沢方向に向かって動き出します。このまま行ってしまうのかと一瞬不安がよぎりますが、

Ed402_a_shichihyaku_waiting

信号設備の都合で一旦三沢行ホームに入線します。 この機会を利用して運転士から情報収集しみてると、これから11:06発で三沢まで1往復し、午後は13:00発で今度は十和田市まで1往復するとのこと。時計を見るともう11:04で時間がありませんので、一先ずこのまま見送ることにします。

Ed402_to_misawa_f

三沢に向けて、発車!

Ed402_to_misawa_b

この機関車が戻ってくるまでの間に、撮影場所を見つけておかなくてはなりません。幸い、駅から歩いて15分ほどの場所に、拓けた農地と日当たりの良い好ましい場所がありました。線路沿いに雑草が生え放題でしたが、除草剤を撒いてあるのか全て枯れています。5分ほどで草刈りをし、待機します。

Ed402_a_shichihyaku_f

■三沢-七百間で試運転中のED402 2010年5月1日、柳沢-七百

Ed402_a_shichihyaku_b

■同上、後追い

試運転の目的は聞けませんでしたが、全検直後ということで検査後の試運転と解釈することもできます。ただ、十和田観光電鉄は鉄道ファン向けのチャーター運行(有料)を実施することで知られており、そのための準備とも考えられます。チャーター運行は冬季(12月~3月)は実施されないこと、またこの機関車の全検が4月であったことを考えると、これから秋までの間のチャーター運行に備えているのかもしれません。

さて、午後の試運転までは若干時間がありますので、沿線名物の桜と一緒に撮ってみることにします。十和田観光電鉄と言えば、真っ先に思い浮かぶのが三本木農業高校の正門前の桜。早速行ってみると、駅前に障害物があり、鉄道と一緒に撮るのは難しそうです。結局、線路沿いに桜並木が続く北里大学駅周辺に移りました。今年は4月の気候が安定せず、特に下旬に寒い日が続いたため、まだつぼみの状態なのがとても残念です。

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■開花直前の桜を横目に試運転を行う、ED402  2010年5月1日、北里大学前-工業高校前

なんとか開花している木を探して歩くこと10分、

Ed402_w_sakura2b

十和田市からの返しは多少まともになりました。

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桜花を後にする7700形電車「観桜号」。結局この日撮影を終えたのは14時過ぎで、南部縦貫鉄道のイベント終了時刻は15時だったため、1日のイベント参加は諦めました。2~3日の二日間、レールバス乗車体験イベントがあるため、そちらに参加することにして、この日は八戸のホテルに引き上げました。

(つづく)

【参考】

  • 杉田 肇「私鉄の電気機関車」『鉄道ピクトリアル』電気車研究会、1984年7月。
  • 大幡 哲海「私鉄電気機関車の現勢」『鉄道ピクトリアル』電気車研究会、1984年7月。

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