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2010年7月21日 (水)

【碓氷鉄道文化むら】ナローSL列車 あぷとくん

 全国にテーマパークは数あれど、鉄道をメインテーマに据えたところは侮れませんね。「どうせ園内遊具だろう…」と馬鹿にするのは簡単ですが、その筋のファンには堪えられないお宝があるのも、また事実。ちょうど学生さんや子供達が夏休み期間に入ったこともあるので、今後しばらくの間、群馬県安中市にある『碓氷鉄道文化むらを集中的に取り上げてみようと思います。とはいえ、当ブログがありきたりの施設紹介などするはずもないのですが…。

Maingate

碓氷鉄道文化むらは、1999年4月18日にオープンした、鉄道テーマパークです。旧横川機関区の跡地に開設され、機関庫や詰所の建物を生かした造りで人気を博しています。

開園当初は、旧国鉄の機関車の展示が中心でした。車両のほとんどは、旧高崎機関区・高崎第二機関区で国鉄時代から保存されていたものです。国鉄高崎鉄道管理局では、西の梅小路に対抗して鉄道博物館の開設を目論んでいましたので、EF30形やEF59形など、全国から機関車を集めていたのです。鉄道文化むらに、上越線や信越本線とは全く関係ない機関車が並んでいるのは、この名残です。

最近では、入口付近に低年齢層をターゲットにした遊具が増えて雰囲気は変わってしまいましたが、一方でマニア受けする遊具も増えてきて、なかなか楽しめる施設に変貌しています。

●あぷとくん

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■施設を外周するアプトくん。
 
背後のEF63形や189系がなければ、文字通り「英国庭園」の雰囲気なのだが…

 SL列車『あぷとくん』も、そんな楽しい遊具の一つです。施設内に敷設された全長およそ800mの小判型エンドレスを、ほぼ30分ヘッドで運行しています(お昼休みを除く)。一応、公式な時刻表があるにはあるのですが、乗り場に乗客がいないときは運休することもありますので、写真を撮る際は、並んでいる人がいるかどうかを事前に確認した方がよいでしょう。もちろん、乗車券を渡したうえで「乗りませんが写真を撮りたいので走らせてください」とお願いするのもアリでしょう。こういう場面では受益者負担が原則です。

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■障害物無しで撮影できる場所は意外と少ないアプトくん。  2010年7月18日

列車を牽引するのは、英国ウィンソン(Winson Engineering)社から輸入されたタンク式蒸気機関車です。  ※ウィキペディアには「ウィルソン社」とありますが、何かの間違いでしょう…。

  • 記号番号 : 3950
  • メーカー型式: Winson19
  • 自  重 : 約13t
  • 車軸配置: 1C1 (ホワイト式表記では2-6-2、米国式ではPrairie)
  • 軌  間 : 2フィート (610mm)
  • 製造年 : 1999年

電化前の碓氷峠で使用されていたアプト式蒸気機関車「3950号」を模して製作されたようです。グリーンブリーズ号の愛称で親しまれています。文化むらの別名「ぽっぽタウン」は、このSLに由来します。

ちなみに、製造元のウィンソン・エンジニアリング社は、英国内のナローゲージや遊園地のミニチュア鉄道向けの車両を製作しているメーカーです(2001年に倒産したらしいですが、詳細は不明)。

また客車も英国製とのことですが、メーカーまでは調べられませんでした。二軸ボギー車が3両あり、機関車側から順に「榛名」「赤城」「妙義」と、地元群馬県に因んだ山の名前がつけられています。最後尾の「妙義」は、幅広の乗降扉と室内空間を備えており、車椅子対応です。運行開始当初のカラーリングは、「淀んだ水色に窓周りが掠れた赤」という、いま一つパッとしないものでしたが、現在では上のように機関車に似つかわしい明るい塗装に変更されています。

●もうひとりのアプトくん

 この鉄道には、予備機としてもう1台の機関車があります。スイッチャーファンには、こちらの方が人気が高いかもしれませんね。

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■途中駅を通過する10000号牽引のアプトくん。  2010年7月18日

同じく碓氷峠用のEC40形アプト式電気機関車を模して製作された、10000号です。この機関車の運用については、せんろ商會著『知られざる鉄道Ⅱ』の中で「SLの装備点検中や、圧力が上がる前などに大活躍」との記述がありますが、2010年現在は15時以降の便に半ば定期的に充当されているようです。最終便の発車時刻は16:40ですが、こちらも乗客がいない場合は運休となり、さっさと入庫してしまいますので注意が必要です。

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■10000号のサイドビュー。ロッドを下に降ろしている。  2010年7月18日

電気機関車の形をしていますが、立派なディーゼル機関車です。そのスペックを箇条書きにしてみましょう。

  • 全  長 : 5,820mm
  • 幅    : 2,005mm
  • 高  さ : 2,950mm
  • 自  重 : 8t
  • 軌  間 : 610mm
  • 車軸配置: B
  • 駆動方式: ロッド式(アウトサイドフレーム)
  • 機関出力: 132ps
  • 走行速度: 40km/h
  • 製造者 : 北陸重機工業

産業用車両や保線車両メーカーとして有名な北陸重機製なのが注目に値します。

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もちろん、そんな小難しいことは抜きにしても、

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十分楽しめます。

次回は、信越本線廃線跡の線路を現役で走行するシェルパ君を取り上げます。

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コメント

こんにちは。東京〜東北旅行の計画が崩れたRUIDOです。京急デトも京成金町も当分行けなさそう…

文化村ですか〜 私は去年12月に行きましたが日曜日だった割にはほとんど人がおらずかなり寂しかったです。当然アプト君は動かずでシェルパ君は冬季運休中… それでも保存されている車両が結構好きなヤツだらけなので楽しんでいましたが(笑)

偽EC40のアプト君って何気に面白い存在なんですね。アウトサイドフレームロッド式8t機で北陸重機製というのも…

投稿: RUIDO | 2010年7月21日 (水) 11:58

RUIDOさん、こんばんはsun
横川は、軽井沢へ友人とドライブする際に何度か素通りはしていましたが、入園したのは開園した頃以来になりますので、もう10年ぶりでしょうか。当時はまだシェルパ君の運行はなかったので、今回は楽しみが増えました。

北陸重機は、産業用機関車や新幹線用のキヤ編成をはじめ、製鉄所の鍋台車、テーマパークの園内遊具に至るまで幅広いですね。ゴールデンウィーク前に工場に行って覗いてきましたが、なにやらまた新しい機関車を造っていましたよflair

投稿: 社長 | 2010年7月21日 (水) 22:15

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