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2010年10月12日 (火)

◆JR東日本◆新津車両製作所のスイッチャー

 車両メーカーのスイッチャーシリーズ、今回取り上げるのは、JR東日本 新津車両製作所のスイッチャーです。
Niitsu_2sw
■JR東日本新津製作所のスイッチャー2台。背後は試走中のE233系5000番台

 1994年に発足したこの車両製作工場は、今日のJR東日本の主力車両(通勤・近郊形電車)の製造を一手に引き受けています。最近では、同工場製の標準車体・艤装をベースに、相模鉄道、小田急電鉄、東京都交通局(新宿線)など、民鉄各社の車両製造も手掛けています。

完成車両は、新津駅から引き込まれた線路を通って工場から駅へと出場し、各事業者へ配給(ないし甲種輸送)されます。駅への出場線路は電化されており、自力出場も可能ですが、工場内での車両単体移動のため、スイッチャーが配置されています。 かつては、協三工業製の20t機2両が使用されていましたが、老朽化により動かなくなった(担当者談)ため、2008年に今回紹介する新型機に置き換わっています。

Hj22b
■新津車両製作所の入換用スイッチャー。北陸重機製の22t機  2010年10月9日

現在のスイッチャーは1両で、アント製20t機です。

  • 形  式 : ANT-HDCB-20LP
  • 製造所  : アント工業
  • 製造年月: 2008年9月
  • 製造番号: 0150
  • 自  重 : 22.2t
  • 機械番号: 06-28-01-4001

銘板はアントですが、よく知られているようにアント社はスイッチャーを製作しておりませんので、ご多分に漏れず他社のOEM品です。供給元は、新潟市内に本社工場を構える北陸重機。経験的に、JRの車両工場のスイッチャーには、北陸重機のOEM品が多いです。この車両の場合、ご丁寧に北陸重機の銘板までついていました(笑)。研究する側にとってはありがたいことです。北陸重機側は、

  • 形  式 : HDCB-20LP
  • 製造所 : 北陸重機工業
  • 製造年月: 2008年8月
  • 製造番号: 2953-01
  • 自  重 : 22.2t

となっています。

Hj22b_1e

1エンド側(ボンネット側)の連結器は、自動連結器と密着連結器から成る双頭連結器です。JRの電車は、基本的に編成両端は密連ですが、自連もあるのはおそらく民鉄向け車両の入換を考慮してのものでしょう。

Hj22b_2e_kre

2エンド側には、連結器を吊り上げるためのクレーンが設けられています。類似の装備は、東急車輌製造横浜製作所のスイッチャーにも見られます。当製作所の車両製造技術が、東急車輌製造から移転したものであることを考えると、このあたりのノウハウにも関連があるのでしょう。

Hj22b_2e

2エンド側の双頭連結器は少し変わっていて、棒連結器と密着連結器の構成です。国鉄・JRの電車は、211系・205系以降、電動車ユニット間は棒連結器化されましたが、最近の車両では、例えば10両編成の場合、両端と5+5の間のみ密連、あとは棒連結器のようです。

Ky10r_cab_o

こちらは除雪用の移動機で、新津車両所時代から配置されていたものです。

  • 製造年 : 1978年
  • 製造所 : 協三工業
  • 自  重 : 10t
  • 製造番号: A10041
  • 機械番号: 06-28-01-144

機械番号の下2桁が「44」とインフレを起こしていることからも分かる通り、元々は貨物駅やヤードに新製配置された除雪用車両だったと思われます。(車両工場へ新製配置された移動機の機械番号下2桁は、通常00ないし01からの追番方式)

Ky10r_cab_uo

1エンド側の非公式側。

Ky10r_hed

2エンド側にロータリーヘッドを装備。このタイプの移動機は、線路上で床下からジャッキアップして方向転換することが出来ます。ものの数秒で回転する様は見物です。

Traverser

スイッチャーではありませんが最後に興味深い施設を紹介しておきます。工場間で車両を移動するためのトラバーサーなのですが、架線集電というのが目を惹きます。

Traverser_current_taker_side

架線が3本あるので「もしや?」と思い確認してみたところ、やはり三相交流でした。電圧は、工場内の一般電源を引き込んでおり、200Vとのこと。交流モーターによってレール上を直線的に動くものといえば、製鉄所内のコークス工場で活躍する消火電車(消火車牽引車)が思い浮かびますが、技術的な関連はあるのでしょうか。

Traverser_current_taker_2 

とある専門家にうかがったところ、クレーンメーカーの製作するトラバーサーは、レール付近から集電するものがほとんどで、このような架線集電方式は珍しいとのことです。今回は見るだけでなく、乗ることも出来、なかなか良い経験になりました。

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