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2010年11月24日 (水)

★大阪市営地下鉄★緑木のバッテリーロコ

 毎年恒例の「大阪市営交通フェスティバル」が2010年11月14日、大阪市交通局緑木検車場で開催されました。参加するのは初めてです。ニチユのスイッチャーが配置されていると聞き、遥々東京から駆けつけました。

Entrance

 大阪市交通局緑木検車場は、大阪市営地下鉄四つ橋線の北加賀屋駅に連絡している車両基地です。車両工場(緑木車両管理事務所)も併設しており、四つ橋線のみならず御堂筋線の車両の検査修繕も担当しています。検車場は高い塀に囲まれており、外から見える場所は限られていますが、毎年1回公開イベントが開催される際、中の様子をじっくり見学することが出来ます。

Series23

構内へ入ってみると、屋外の留置線に四つ橋線用23系が並んでいました。しかし、他の事業者の車両基地公開時によくありがちな、ヘッドマーク掲出や撮影会などは、一切ありません。その代わり、保存車両の展示・説明や実演に力を入れた、学び重視のイベントになっています。

Series30

 まず最初に見学したのが、元・四つ橋線用30系の展示コーナー。この3062形は、引退後、当検車場で保存されていた車両です。説明担当者によれば、今年はきちんと整備をして、場内を自走できるまでになったそうです。ゆくゆくは、人を乗せて走れるようにしたいと、夢を語っていました。

Teiko_cum M_seigyoki_3 Tenkan_cum

この30系、最大の見せ場は主制御器の実演です。運転台でマスコンが力行側へ動かされると、連動して写真左の抵抗カムが動き出します。さらに、加速に伴ってノッチが進段されると、カムがガチャガチャと動き、写真中央の主制御器の回路構成が自動的に変更されていく様子を真近に見ることが出来ます。こういった実演が見られる機会は限られますので、大変貴重です。

 次に屋外に出てみると、マルタイ実演やレール削正車の見学が行われていました。どちらも、車両基地公開時によくある光景ですから珍しくありませんが、私の興味をそそったのが、コレ。

Fan_w_mc

はて、これは何でしょうか。巨大な扇風機のようにも見えますが……。早速近くにいる職員に聞いてみました。

トンネル内で、マルタイやレール削正車が仕事をすると、砂利やレールの削り滓が飛散して大量の粉塵が発生します。その粉塵を、このファンでトンネル外部へ強制排出するのだそうです。なんだかローテクな機械ですが、いかにも地下鉄ならではと言えるかもしれません。電源については、トンネル内のコンセントから受電するとのことで、モーターカーはあくまでも牽引するだけで給電はしないそうです。

2f_behind 

 今度は、市電保存館に入ってみます。日本の2階建て車両の歴史が語られる場面で必ず登場するのが、この車両。大阪市交通局の2階建て路面電車「5号車」です。正しくは、2階「付」路面電車、今回実車と初対面です。「2階から家の中を覗かれる」と線路沿いの住民からクレームが絶えなかったと聞いています。眺望はどの程度のものかと思いましたが、残念ながら2階に上がることは出来ませんでした。

2f_stairway 2f_cab

2階へは、お洒落な螺旋階段で。階段のすぐ前に運転台があり、運転士は落ち着かなかったでしょうね。

2f_meiban

車内には、戦後に復元された際の銘板がついています。

 さて、場内を一通り回りましたが、残念ながらニチユのバッテリーロコを発見することは出来ませんでした。ブログなどを検索してみると、昨年は旧100形車両の近くに屋外展示されていたようですが、今年は同じ場所に100形しか置かれていませんでした。どうしたものか。

適当に職員を見つけて聞いてみると、車体吊り上げ作業実演コーナーの近くに置いてあるとのこと。早速急行です。

Bl

これが、遂に見つけた、日本輸送機の蓄電池機関車です。工場の機械扱いで車両ではないため形式というのは特にありませんが、識別するための番号として、備品番号「914-61328」と呼称しておきましょう。1986年(昭和61年)製の20t機で、製造番号は4597001です。同型機には、阪急電鉄正雀工場で活躍中のBL2などがあります。BL1も同型、と言いたいところですが、製造年が異なるため屋根の形など細部が異なります。

Bl1 Bl2

左がBL1で、右がBL2です。1978年(昭和53年)製のBL1は、屋根の両端に角度がつけられており平面構成になっていますが、1985年(昭和60年)製のBL2は丸屋根です。緑木の機関車の形態は、製造年の近い後者と同一になっています。

Bl_w_23

ここでもやはり職員を見つけて色々聞いてみました。

  • 機関車はディーゼルではなく蓄電池駆動で、回生ブレーキ付サイリスタチョッパ制御方式
  • 以前使用されていた、丸みを帯びたニチユの機関車は、もう廃車になっており現存しない。
  • 検車場の南側の門からなら、公開時でなくてもこの機関車を撮影できる。
  • 入換で動くのは、検査対象の車両が工場に入場してから2日後。たとえば、四つ橋線用23系6両編成の場合は、2+4に2分割して2回に分けて検査するので、入場の2日後、4日後にバッテリー機関車に牽引されて南端まで移動する。このときが撮影チャンス。
  • お勧めは、御堂筋線用21系が入場した場合。10両編成は、2+3+3+2に4分割されるため、入換の機会も4回あり、撮影チャンスも倍増。
  • 大阪市の方針で、森之宮検車場との統合が予定されているが、統合時に新型機関車を導入する予定がある。
  • 現在の機関車については、統合時に廃車にはせず更新して使い続ける予定。ただし正式決定ではない。

23_w_bl

四つ橋線用23系と連結された状態で展示。昨年は屋外展示でしたが、今年は入換作業の光景をイメージできるよう、あえて車両と連結した状態にしてみたとのことでした。質疑応答で15分ほど足止めしてしまいました。懇切丁寧にご説明いただき、大変勉強になりました。お礼を述べて現場を後にしました。なお本機関車の詳細スペックについては、鉄道ピクトリアル2012年2月号をご覧ください。

 首都圏の車両基地公開イベントのほとんどは、写真撮影会・グッズ即売会の様相を呈しています。いっぽう緑木検車場のイベントは、「展示」「実演」「解説」に軸足を置いた内容になっており、大変充実した1日を過ごすことが出来ました。

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