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2011年2月 4日 (金)

■えちぜん鉄道■機関車ラッセルML521+522 排雪列車の活躍

 今年の冬は、日本海側を中心にいつにも増して大雪のようです。2010年の大晦日から元旦にかけて山陰を襲った豪雪は全国的に報道されましたが、1月末に今度は福井が大雪に見舞われました。

 私が冬の福井を訪れたのは、2002年12月、もう9年も前のことになります。プロジェクトの関係で三国港へ出張の予定が入り、直前に福井に大雪の予報が出たものの営業的な目的ではないため日程が前後にずらせず、仕方なく米原回りで現地入りしたのでした(小松空港の除雪が追いつかないため、飛行機は当然欠航)。

当時は京福電気鉄道が衝突事故を起こした直後で運行を休止しており、三国へはレンタカーで行きました。地元ではこのまま廃止になるだろうともっぱらの噂で、寂しい気持ちで現地を後にしたのを覚えています。その後、この鉄道は第三セクター「えちぜん鉄道」として見事復活を遂げています。

Ml521522
■えちぜん鉄道の電気機関車 ML521(左)とML522(右)  2012年4月、永平寺口

 えちぜん鉄道は、2011年現在も除雪用に電気機関車を2両保有しています。戦後に福井震災で焼失した機関車の補充用、ダム建設資材運搬用に増備されたといわれています。

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■ML521の勝山側。「521」のフォントは縦細タイプ。   2012年4月

2両とも、1949年日立製作所製の25t機です。京福時代は「テキ521、522」を名乗っていましたが、えちぜん鉄道では Motor Locomotive を表す記号を冠して「ML521、522」となっています。しかし車体表記は変わっていません。

同型機には、日本セメント上磯工場専用鉄道7号機日産化学王子工場の入換機No1住友金属鉱山別子鉱業所のED101~104などがありましたが、いずれも現存しません(別子銅山のものはナローゲージで台車は異なる)。同じ日立製の戦後の凸型機で現存するものには十和田観光電鉄ED301がありますが、同型機というにはあまりにも寸法が違いますので別物と考えたほうが良いでしょう。

  • 形   式 : ML521
  • 記号番号 : 521、522
  • 全   長 : 9,694mm
  • 幅     : 2,171mm
  • 高   さ : 3,915mm
  • 自   重 : 25.8t(521)、25.9t(522)
  • 主電動機 : 60kw × 4個
  • 引張力  : 4,090kg
  • 制御装置 : 電磁空気単位スイッチ式
  • 制動装置 : AMM
  • 製造年  : 1949年(昭和24年)
  • 製造所  : 日立製作所

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■ML522の福井側。「522」のフォントは「521」とは異なり極太タイプ。 2012年4月

ML521と522は常時ペアを組んで運用されており、ネット上では時折「永久連結」なる表現を見かけることがあります。しかし、何も特別な仕掛けがあるわけではなく、両者は単純に自動連結器とBP管・ジャンパケーブル(電源・ATS用)で繋がっているだけですし、それぞれが独立した機関車で、総括制御もできません。したがって運行する際は両方の機関車に運転士が乗務しています。この事実から考えれば、永久連結というより「固定編成」と表現した方が妥当ではないのでしょうか。えちぜん鉄道として再出発した際にATSが整備されましたが、どちらの機関車も2箇所ある運転台のうち片側(ラッセルヘッドの付いている方)にしか装備していませんので、本線走行するには固定編成を組む必要があると思います。

なお上の写真をご覧いただくと、ラッセルヘッドの上に回転式のレバーが二つついているのがお分かりいただけると思いますが、これはヘッドの高さを調節するためのハンドルです。調節する際は、それぞれのハンドルに人が張りついての共同作業となります。したがって、仮に総括制御ができるように改造されたとしても、実際に運行する際は常に2人乗務が必要になります。だから改造する必要がないのかもしれませんね(笑)。

●機関車ラッセル、三国芦原線を走行(2011年1月29日)

 2011年1月29日、えちぜん鉄道の排雪列車が三国芦原線を走行しました。概要はRMニュースに投稿させていただきましたのでそちらをご覧ください。

 排雪列車の時刻は一定しませんが、三国芦原線も勝山永平寺線も30分ヘッドのパターンダイヤで運行されていますから、その合間をぬって走ろうとすれば自ずと排雪列車のスジもパターンになります。

Mlx2_coming

 福井口で観察していると、この日は10時半過ぎに入出庫線から2番ホーム(3番線)へ出場してきました。

Mlx2_insta

情報収集してみると、どうやら普段はあまり走らない三国方面へ向かうとのこと。早速三国港行の電車に乗って芦原を目指すことにしました。とは言うものの、油断は禁物。排雪列車が常に終点まで行くとは限りません。同線の信号設備を思い出してみると、たしか西長田駅は1番2番線双方に福井向きに出発信号機があったはず。つまり折り返しができるということです。したがって、空振りしないためには西長田より手前(福井寄り)で待っていた方が良さそうです。

Mlx2_running_mikuni

西春江で下車し、徒歩5分で撮影場所に着きスタンバイしていると、10分もしないうちにやってきました。最初に視界に入ってきた頃はノロノロ運転でしたが、雪原の中に私の姿を見つけるや否や、急に加速して盛大に雪を巻き上げながら走り始めました。

Ml521_running

福井の雪は水分を多く含んでおり粘性が大きいので、跳ね除けた雪は塊になって飛んでいきます。粉雪の場合はまた違った飛び方をしますね。

Mlx2_stopping

私の横の踏切を通り過ぎると、急に減速してノロノロと西春江へ向かっていきました。特別この区間の積雪量が多かったというわけではないと思うのですが。サービスだったのでしょうか。

Mlx2_w_mc6100

後続の列車で西長田に行ってみると、機関車ラッセルは福井方のヘッドライトを点灯させて停車していました。つまり、この駅で折り返して福井方面へ戻るということです。芦原まで行かなくて大正解でした。早速徒歩5分の場所で待機して同じように撮ろうとしていると、列車がやってくる数分前から猛吹雪となり、

Mlx2_mikunisnowing

返しはほとんどホワイトアウトに近い形になってしまいましたsweat02

後続の列車で福井口へ戻ると、機関車ラッセルは入出庫線に待機していると思いきや、見当たりません。どうやらそのまま福井へ向かったようです。都合が良いので、福井駅構内の除雪を行っている時間を利用して、勝山永平寺線へ先回りすることにします。

●機関車ラッセル、勝山永平寺線を走行(2011年1月29日)

 同線には俯瞰ポイントもあるのですが、上の写真のように離れたところから撮ると天候の変化に対応できないので、猛吹雪になっても撮れる場所を選びました。

Mlx2_kaihotsu_coming

越前開発駅近くで待っていると、14時半過ぎにやってきました。福井市内でもこれだけ雪が積もっていると「らしい」シーンが撮れるのですね。速度は遅いですが力強さを感じます。

Mlx2_kaihotsu_running

同列車の後追い。福井口-越前開発間は写真のとおり複線区間になっています。私は最近まで、えちぜん鉄道に複線区間があることを知りませんでした(苦笑)。

 さて、勝山永平寺線の排雪列車で興味深いのは、その運行パターンです。旅客列車は、福井口-勝山間をおよそ60分かけて走りますが、排雪列車は90分以上かけて走行します。旅客は30分ヘッドですから、必然的に途中駅で後続列車に抜かれるわけです。ということで、後続列車に乗ってみると、山王駅で追い越すことができました。次の越前竹原で下車し、徒歩5分の場所で待っていると、10分もしないうちにやってきました。

Mlx2_takehara_coming

九頭竜川の上流は、市内とは比較にならないほどの積雪量。機関車も足元が完全に隠れてしまっています。

Mlx2_takehara_running

 後追いは山をバックに。

 通常であれば、勝山で30分ほど停車してすぐ折り返してくるのですが、この日はなかなかやってきません。日没も近づき16時半頃まで粘りましたが発車する気配がないので、おとなしく福井市内へ戻りホテルへチェックインしました。

シャワーを浴びて一息ついた頃、また新たな情報が入ってきました。上り排雪列車が運転されているとのこと。バルブでも撮れないかなと思い、ホテル前に常駐しているタクシーに飛び乗り、福井口駅へと向かいました。こういうとき大型ホテルに泊まっているとタクシーを呼ぶ時間が省けて便利ですね。

Mlx2_fukuiguchi_coming

30分ほど待つと、やってきました。勝山から来るので4番線(3番ホーム)への入線です。ヘッドライトの光が吹雪に反射して心霊写真のようになってしまいました(笑)。後続の旅客列車もしばらくないので止まっているのかと思いましたが、すぐに入換が始まってしまいました。一旦福井方へ引き上げると、

Mlx2_fukuiguchi_out

3番線に入線しました。2番ホーム脇で一旦停止しましたが、バルブを撮る間もなくすぐに発車してしまいましたので、後追いを流し撮りで。1日の除雪作業、おつかれさまでした。

 この後、福井名物の秋吉の焼鳥に舌鼓を打った後、サッカーアジアカップの決勝戦に大興奮、有意義な一日となりました。

【参考】

  • 大幡 哲海「私鉄電気機関車の現勢」『鉄道ピクトリアル』電気車研究会、1984年7月。

●排雪列車の運行有無を読み解く

 排雪列車はスジを調べることよりも運行有無を調べる方が難しいと思いますが、「案ずるより生むが易し」、空振りしないことにエネルギーを割くより、行動あるのみだと私は思います。上記運行日の前日(1月28日)に発表されていた福井(嶺北)の29日の天気予報を、参考までに記しておきます。

  • 天  気   : 雪
  • 気  温   : 最高3℃、最低-1℃
  • 注意報警報 : 大雪注意報

福井新聞などのこれまでの報道によると、えちぜん鉄道の機関車ラッセルは積雪20センチ以上が予測されるときに出動するとのことですから、注意報レベルでも走るときは走りますね。また今回の大雪で福井嶺北に大雪警報が出たのは、2011年1月30日23:21ですが、その数時間前の段階で既にJR北陸本線は不通になっていました。JRの特急列車や国道8号線の自動車が立ち往生しているニュースをご覧になった方も多いと思います。したがって、大雪警報が出てから行動開始しても、手遅れになる可能性が高いと思います。また仮に何らかの手段で現地へ辿りつけたとしても、警報レベルの大雪の場合は、区間運休して下のロータリー車が活躍することになりますので、いずれにしろ機関車ラッセルは撮れないかもしれません。

Mcr4_no2
■ロータリー車MCR4 NO2 1981年9月新潟鉄工所製(製番4124)
 同型機のNO1は永平寺口に常駐している。   2011年1月9日、勝山

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