« 【上信電鉄】デキの復活◆本線走行編◆2011/4/29 | トップページ | ★190000アクセス突破★流鉄3000形若葉号引退 »

2011年5月11日 (水)

【くろがね線を読み解く】第90回■高炉と予熱機の見分け方

 「くろがね線を読み解く」の連載が90回を迎えた。思いがけず長続きしているが、これまではもっとも興味のある車両や運用の話題が記事の中核を成していた。今後は、路線や設備なども含めて、もう少し幅を広げて展開していこうと思う。

 今回はそのための基礎編?として、製鉄所とセメント工場の設備面の違いについて述べてみよう。製鉄所は鉄(鋼)を造る工場で、セメント工場はセメントを生産しているのは周知の通りだが、各工場内のそれぞれの設備が何のためにあるのかについては、意外と誤解が多い。

Jfe_fukuyama_bf

 上の写真は、とある山の中腹から撮影したJFEスチール西日本製鉄所(福山地区)である。このような一貫製鉄所は、自然界に鉄鉱石として存在する酸化鉄を還元して鉄を取り出すための設備=高炉を有する。高い塔のような格好で、製鉄所内で最も目立つので、見学などでご覧になったことのある方も多いと思う。写真には、休止中のものも含め4基の高炉が写っている。高炉には、原料である鉄鉱石・石灰石・焼結鉱を上部から投入するために、地上から高炉上部に向けて長いベルトコンベアが設けられているのが特徴である。

Soc_ako_ph

いっぽう、セメント工場にも高炉に似た外観の設備がある。もちろん外見が似ているだけで、高炉ではない。上の写真は、JR赤穂線天和駅ホームから眺めた、住友大阪セメント赤穂工場のプレヒーター(予熱機)である。プレヒーターとは、原料ミル(原料を粉砕する設備)からロータリーキルン(回転釜)へ原料を送る前に、事前に加熱しておくための設備である。加熱しているだけであり、燃やしているわけではない。粉末石灰を含む原料は、キルンなどで発生するガスにより上部に向けて圧送されるため、製鉄所の高炉のようにベルコンが接続されることもない。原料を焼成してセメントを生産している、いわば心臓部にあたるロータリーキルンは、プレヒーターの足元から地面とほぼ平行に(予熱機とは直角方向に)伸びる直径5~6メートルほどの円筒形の設備で、基本的に外部から見えることはない。

なお、このプレヒーターは、SCSSumitomo Cement Cross Suspension Preheater and Spouted Furnace)と呼ばれる住友セメント独自設計の予熱機で、キルンからの排ガス・クリンカークーラーからの排気・仮焼炉排ガスを用いて効率よく原料の加熱を行うことができる。関係会社の八戸セメント八戸工場も含め、全5工場が同種のプレヒーターを備えている。

 工場萌えという言葉も最近はあまり聞かなくなった。萌えるのは構わないのだが、何かの工場内に高い塔を見つけるたびに、なんでもかんでも一緒くたにして「高炉」と呼ぶのだけはやめていただきたい(笑)

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道路線・車両研究へ にほんブログ村 鉄道ブログ 貨物列車へ
にほんブログ村 (鉄道ブログポータルサイト)

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

|

« 【上信電鉄】デキの復活◆本線走行編◆2011/4/29 | トップページ | ★190000アクセス突破★流鉄3000形若葉号引退 »

▼くろがね線を読み解く」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/63194/51647271

この記事へのトラックバック一覧です: 【くろがね線を読み解く】第90回■高炉と予熱機の見分け方:

« 【上信電鉄】デキの復活◆本線走行編◆2011/4/29 | トップページ | ★190000アクセス突破★流鉄3000形若葉号引退 »