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2011年7月31日 (日)

フルコースで楽しむ★とうてつ電車まつり2011年夏★

 2010年12月の東北新幹線新青森延伸以降、経営環境の悪化が懸念されていた十和田観光電鉄。2011年3月11日に発生した東日本大震災以降は、鉄道網が断絶した影響もあり、観光客が激減したといいます。そんな状況を打開するために企画されたのが、今回紹介するイベント『とうてつ電車まつり2011年夏』です。普段は、類似のイベントが年一回11月に実施されていますが、今年は7月の3連休(16~18日)に内容をボリュームアップして開催されることになりました。この連休は、ちょうどJR東日本が発売中の、新幹線を含めて全線が1日乗り放題となる割引切符『東日本パス』(¥10,000-)の有効期間内であり、集客にはもってこいのタイミングです。十和田観光電鉄自身も『よりみちきっぷ』なる1日乗車券を発売していました。

 せっかくイベントを開催していただけるのですから、前泊して朝から二日間にわたり楽しむことにしました。前日は、震災復旧後の八戸臨海鉄道を撮影後、三沢駅の待ち時間を利用して『古牧温泉 元湯』で汗を流し(¥300也)、よりみちきっぷを2枚(2日分)購入してから、十和田市中心部のホテルに泊まりました(二連泊で総額¥5,980-という格安プラン)。

 さて、イベントのメニューは次の通りです。フランス料理のフルコースに譬えてみました。

Le menu d'aujourd'hui (ムニュ・ドジュールデュイ = 本日のメニュー)

  1. Les Entrées (アントレ=前菜)
              イベント前の電機入換
  2. Les Poissons (ポワッソン = 魚料理)
              凸+□おもしろ列車
  3. Les Sorbets  (ソルベ = お口直しのシャーベット)
              七百車両区での撮影会
  4. Les Viandes   (ヴィアンド = 肉料理)
              貨物列車復活運転、凸+□おもしろ列車2、旧型電車臨時運転
  5. Les Fromages (フロマージュ=食後のチーズ)
              旧型電車解説
  6. Les Desserts (デセール=デザート)
                               
    イベント後の電車入換

1.Les Entrées … イベント前の電機入換

 イベントの前菜といえば、もちろん列車組成のための入換です。17日は朝一番で十和田市内のホテルを出発し、1日乗り放題のよりみちきっぷを使用して三沢まで1往復しながら沿線の状況を確認しました。しかし、撮影地に三脚等を見かけることもなかったため、場所取りに精を出すより入換から楽しんだ方が得策と判断しました。

 七百で下車し、入換撮影ポイントである用水路の対岸でスタンバイ。

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■七百車両区内で並ぶED402(左)とED301(右)  2011年7月17日 

列車の発車時刻は9:55ですが、8時半を過ぎた頃でしょうか、

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ED301がトラ302形1両を切り離しておもむろに工場から出場し、トラ301形を牽引して三沢方へ引き上げます。

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方向転換してモハ3401形が待機している線路へ入線し…

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連結しました。これで午前中のイベントの準備は完了です。

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 ED301とED402が2両並ぶと、その大きさの違いが良く分かります。手前のED301は、以前の記事で言及したように、原型となった同じ日立製の機関車(20~25t機)が他の私鉄や専用線向けに納入されていました。特筆すべきは住友金属鉱山別子鉱業所の20t機(ED101~103)で、他の25t機とほぼ共通の車体を持ちながらナローゲージ(762mm)用の台車を履いていました。十和田観光電鉄のED301は30t機であり、車体の大きさは住友別子の20t機より一回り大きいのですが、車体の大きさに対して相対的に台枠がかなり高い位置にあり腰高な印象を受けます。それに合わせるように端梁も縦に長くなっています。にもかかわらず、屋根高さ(レール面上)は低く、本来ナロー向けの車両だったのではないかと疑いたくなるほどです。

 十和田観光電鉄は、1922年9月にナローゲージ(762mm)で開業し、1951年6月に電化・拡軌工事を実施したとされています。しかし、渡邊肇著「日本製機関車製造銘板・番号集成」、沖田祐作著「機関車表 私設企業編」によれば、ED301は1951年5月8日に認可されており、実はナロー時代に既に納入されていたことが窺えます。こう考えると、車体サイズとの関連を探りたくなるところですね。

2.Les Poissons … 凸+□おもしろ列車

 凸+□おもしろ列車の第一弾は、七百-十和田市間で1往復運転されます。機関車が貨車を牽引するところを、連結された電車から眺めることができるという趣向です。一応乗ることもできますが、もちろんこれはカッコ付きのネタで、実態は撮影用の列車ですね。

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■七百発十和田市行き。モハ3401+トラ301+ED301  2011年7月17日 

まずは十和田市行きの編成から。東西方向に走っている十和田観光電鉄線は、どいういうわけかほとんどの架線柱が南側に設置されているため、電線など障害物を避けるためには北側から撮ることになります。自ずと逆光になりますが、

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七百への返しは綺麗になりました。

3.Les Sorbets … 七百車両区での撮影会

 イベントの合間のお口直しは、車両区内での撮影会です。

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■七百車両区内で並ぶ希少車両たち      2011年7月17日

イベントの主役達が横並びになった姿を撮影することができます。参加者が多いため10分毎の入替制となりました。左のホームには入場待ち行列が見えます。

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南側から順に、旧型電車の、モハ3401形と、モハ3603形が並び、

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北側にはED402形とED301形が並びます。天気がコロコロ変わるので撮影する方も大変です。こういったお膳立て形のイベントはあまり来る機会がないのですが、首都圏の大手私鉄のイベントのように人が殺到して険悪ムードが漂うようなこともなく、のんびりと撮影することできました。もちろん一部には、入替制にもかかわらずなかなか場所を譲らない困った参加者もいたようですが(苦笑)

4.Les Viandes … 貨物列車復活運転、凸+□おもしろ列車2、旧型電車臨時運転

 いよいよ本日のメインディッシュです。

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■三沢行き。ED301+トラ301+トラ302+ED402  2011年7月17日

まずは電気機関車プッシュプルによる貨物列車復活運転。トラよりワムのほうが過去の実態には合っている気がしますが、贅沢は言っていられません。

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三沢からの返しは見上げる感じで。すぐに次の列車が来るため、移動する余裕はありません。移動先で場所が確保できなかったら、それはそれで困りますし…。

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■三沢行き。ED402+モハ3401+ED301     2011年7月17日

午前中に引き続き凸+□おもしろ列車の第二弾。今度は電車を電気機関車でサンドイッチ。ED301と402の連結順序も逆にして、なかなかにくい演出です。

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この時間になると三沢からの返しの方が順光です。やはりED301が先頭になった方がバランスが良いですね。

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■三沢行き。 モハ3603+モハ3401      2011年7月18日

最後は旧型電車臨時運転。このように踏切の近くで撮ったり、

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■十和田市行き。                   2011年7月18日

陸橋の歩道から俯瞰してみたり、

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■三沢行き。      2011年7月18日

逆俯瞰も楽しんで、

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■七百行き。                     2011年7月18日

夕暮れの後追いも。急行も復活運転し、「急」の種別マークも掲出。

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■三沢行き急行。    2011年7月17日

個人的には三沢駅付近の古牧温泉内を走る併用軌道風の区間が好みです。いかにも元ナローゲージという雰囲気が良いですね。17日は乗車もして、吊掛音を存分に楽しみました。1997年3月に友人と訪れた際は、まだ東急のステンレス電車は入線しておらず、現在の保存電車が主力だった気がしますが、10年以上たってもまだ吊掛電車が動態保存されているのは嬉しい限りです。

5.Les Fromages … 旧型電車解説

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■午後の七百駅構内は形式写真撮影に都合が良い。  2011年7月18日

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モハ3601形(左)とモハ3401形(右)の非公式側連結部。公式側には電気関係の引き通し線が、非公式側には空気関係の引き通し管が設けられています。ご覧の通り、ブレーキ管は連結されていますが、釣り合い管は連結されていません。

6.Les Desserts …  イベント後の電車入換

 食後のデザートは、イベント終了後の入換です。よく学校の運動会で「家に帰るまでが運動会だ」と教師がお約束のスピーチをしますが、さしづめ「入換が終わるまでがイベントだ」といったところでしょうか。

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■七百駅へ入線する旧型電車。         2011年7月18日

臨時の旧型電車が七百駅に入線します。

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午後の七百駅は日当たりが大変良く、足元に雑草などの障害物も無いため、車両の写真を撮るには好都合です。

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七百車両区内には、電気機関車が重連でトラ2両を連結し待機中。実はこの編成は朝からこの状態でした。なにか予定していない非公式なイベントでもあるのかと思い気になっていました。

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それを横目に、到着した電車が三沢側へ引き上げ、

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転線して車両区へ入ります。行先表示が「七百」から「回送」へと変わっています。

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結局、このあと電気機関車のパンタグラフは2両とも降ろされ、何事も起きずにイベントは静かに終わりました。

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