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2011年11月

2011年11月30日 (水)

【くろがね線を読み解く】第97回 ■西八幡の予備機 D618

 前回紹介したとおり、JR八幡駅前には、Y製鐵所専用鉄道の製品倉庫東ヤードを一望できるホテルがある。

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■眼下に広がる製品倉庫東ヤード  2011年10月28日、北九州市八幡東区東田

朝目覚めた瞬間からスイッチャーの動きを把握することができるため、平日に北九州に来る機会があると1回はこのホテルに泊まることにしている。

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■奥にはチキ5200形が8両、手前にはチキ5500形が6両留置中。

 東ヤードには、JR九州の工臨に使用されるチキ5200形8両編成と、JR貨物のレール輸送に使用される黒崎駅常備のチキ5500形6両編成が留置されている。Y製鐵所が出荷する50メートルレールは、JR九州向けのものはチキ5200形ないし6000形により、またJR東海向けのものはチキ5500形により輸送される。レールの長さに合わせ、前者は4両1ユニットで、後者は3両1ユニットで運用されている(JR九州向けの25メートル定尺レールはチキ2両1ユニットで輸送)。1列車あたりの輸送単位は1~3ユニットであることが多い。

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■製品倉庫を出て国道3号黒崎バイパスをくぐるスイッチャー。

東ヤードを観察していると、午前9時頃、製品倉庫の中から1台のスイッチャーがゆっくり登場した。通常、西八幡駅の入換に従事しているのは日立製の凸型センターキャブ機であるD442だが、今回は同じ凸型でもセミセンターキャブタイプのようだ。

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スイッチャーは東ヤードに進入(左写真)すると、反転して奥のJR寄りの線路を西へ向かっていく(右写真)。

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西に向かったスイッチャーは、建設中の国道3号黒崎バイパスの下を潜り抜け、JR西八幡駅へと進入する。この日は鉄道ピクトリアル2011年3月号に記載のとおり、入換が行われる。

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■EF81 301の牽引により到着したチキ5500形6両編成。 

 早速チェックアウトして、近くにあるレンタサイクル無人スポットで自転車を借り、国道3号線の歩道に出てみる。ほどなく171列車が到着した。171列車は、朝に北九州貨物ターミナルを発車し黒崎に到着したもので、入換扱いで上り本線を走行し西八幡へとやってくる。この日の編成は、小倉寄りからJR貨物の九州チキ5500形3両+日鐵運輸の私有チキ5500形3両であった。

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■黒崎駅構内(西八幡)で並ぶ、JR貨物EF81 301と、Y製鐵所D618

JRの機関車は小倉寄りに引き上げ、スイッチャーと並ぶ。この日に使用されている日車製の60t機はY製鉄所構内輸送専用であり、普段はこうして外から見える場所まで出てくることはない。JRの機関車との並びは大変珍しい。

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JRの機関車が黒崎駅方向へ単機で戻るのとほぼ同時に、スイッチャーが入換を開始する。チキ6000形2両を小ヤードへと押し込むが、運転しているのはもちろんチキの手前を歩いている緑と黄色の上下を着た運転士。製鉄所の機関車はこのようにリモコン制御が基本で、入換作業はワンマン化されている

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チキ2両を切り離すと、運転士はスイッチャーを小倉寄りへ動かしながら自らも歩いて移動し、分岐器を切り替える。

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今度は先程171列車で運ばれてきたチキ5500形の入換を始める。連結作業のため、運転士はスイッチャーの黒崎寄りの簡易運転台に乗り込んでいる。

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スイッチャーをチキ5500形6両編成に連結すると、

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今度は小倉寄りの簡易運転台に乗り込み、チキを小倉側へ移動する。

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分岐器の場所で一旦停止し、スイッチャーを降りて列車だけを再び小倉寄りに移動させる。

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最後尾のチキが分岐器を通過したところで列車を止め、分岐器を切り替えて隣の線路へ推進運転でチキを押し込む。推進運転の時にはこのように先頭のチキに運転士が乗ることになる。

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先程押し込んだチキ6000形2両に、チキ5500形6両を連結すると、

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さらに奥(黒崎寄り)へと編成を押し込む。

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所定の位置まで押し込むと、切り離して単機で小倉寄りへ引き上げ、分岐器を切り替える。

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今度はJR九州向け50メートルレール輸送用のチキ6000形4両編成を引き出し、東ヤードへと運んでいった。入換作業が終わったようなので、下に降りて…

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駐車場から形式写真を撮影。D618は以前紹介したスイッチャーのため、諸元は既に明らかになっているので詳細は割愛する。

 この日は、朝8時の時点で西八幡のヤードに実車のチキ(レールを積んだ5500形)が留置されていたため、通常であれば170列車で連れて行かれる筈なのだが、なぜか肝心の170列車はEF81 301単機。というわけで、実車が着発に留置されたままなので、この日に製品倉庫から新たに実車チキが引き出されることはないと思われる。

Nishiyahata_60t22

案の定、スイッチャーは11時前にはさっさと製鉄所内に戻っていった。

 西八幡のスイッチャーはD442の固定運用かと思っていたのだが、何十両もの機関車を保有する製鉄所だけあって、時には今回のように別のスイッチャーが予備として出てくることもあるようである。なかなか珍しい光景が撮れたものだ。

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2011年11月28日 (月)

【くろがね線を読み解く】第96回 ■製品倉庫東ヤード

 JR鹿児島本線黒崎駅構内の八幡駅近くには、長物車を留置するための小ヤード(旧 西八幡貨物駅)がある。しかし、その東側にY製鐵所専用鉄道の小ヤードがあることはあまり知られていない。 

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八幡駅前にある某ホテルの上層階西側の部屋に泊まれば、その全貌を捉えることができる。写真中央が件の製品倉庫東ヤードで、左手が八幡駅、右奥が製品倉庫である。

この東ヤードには、奥を走るJR鹿児島本線との間にコンクリート製の壁が設けられているため、JRの電車に乗っても車窓からその存在を確認するのはきわめて困難である。いっぽう、東ヤードの北側(写真手前)は元々製鐵所の敷地内(旧 西田地区)であったから、この写真のような角度から部外者が見ることは不可能であった。製鐵所の縮小で西田地区が一般に開放された後も、東ヤードの周りだけは樹木や草木が生い茂り、外から様子を窺い知ることはできなかった。

 転機が訪れたのは2011年。国道3号黒崎バイパスの建設工事が本格化すると、東ヤード北側に建設資材搬入用のスロープが設けられることになり、工事に伴って周辺の樹木が伐採され、全容が明らかになった。

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■東ヤードに留置中の、JR九州チキ5200形8連   2011年6月

 東ヤードには3本の線路が設けられている。3本の線路の東端は1本に収束し、機回し用の引き上げ線になっている。いっぽう西端は2本に分岐していく。

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■製品倉庫東ヤードの2012年頃の配線 (Google Mapより)

2本のうち南側の1本は、上の写真左手にあるJRの小ヤード(西八幡貨物駅)へと接続している。北側の1本はそのまま左へ直進して製品倉庫へと伸びているが、途中で更に北方へ分岐する線路が1本あり、その線路はカーブして橋梁を渡りY製鐵所構内へと接続している。また倉庫直前で南方へ分岐する線路も1本あり、こちらは製品倉庫の南側に沿って西進し、奥で製品倉庫から出てきた線路と合流して引き上げ線を形成する。

 東ヤードには、JR九州のチキ6000形、チキ5200形のほか、JR貨物のチキ5500形(九チキ、日鐵運輸チキ)、Y製鐵所構内レール輸送専用貨車のウタ形(U*編成)、推進運転用控車のテテ形など、日替わりで様々な貨車が並び、毎回見ていて飽きることがない。上の写真では、JR九州のチキ5200形8両編成の右側に、推進運転用控車テテ形が連結されているのが分かる。

 国道3号黒崎バイパスが完成すると、この場所は再び外部から見えなくなる可能性が高い。記録するならいまのうちであろう。

●2012年8月9日追記

 黒崎バイパスの工事は着々と進んでいる模様で、2012年3月30日(金)には前田ランプ-皇后崎ランプ間およそ3kmが部分開業した。残る区間についても今年度中の開業が予定されており、北九州都市高速東田ランプ接続部が開業すると、この東ヤードは外部からほとんど見えなくなると思われる。2012年7月下旬にホテルの部屋から俯瞰してみたところ、道路の舗装工事も終焉を迎えつつあり、東ヤードの西側半分は既に外部から見えなくなっていた。現地訪問の際は留意されたい。

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2011年11月19日 (土)

★260000アクセス突破★ 隅田川貨物駅公開後の入換

 2011年11月5日、隅田川貨物駅が公開されました。昨年は控車ヒ600形の展示など多くの見所がありましたが、今年の内容はいま一つ。当日は東京都交通局100周年イベントと重なったため、午前中は馬込へ、午後隅田川に行って友人と合流し、ファミレスで飲んだあと、イベント終了後の入換を撮って帰宅しました。

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旧 荷物ホーム脇には、EF81 95号機と、EF510-512号機が展示されていました。

2011_sumidagawa_de101555_ef8195

イベント終了は15時でしたが、展示車両の入換が始まったのは意外と遅く、16時20分頃でした。南千住駅前のファミレスから出て歩道橋へ行くと、偶然DE10 1555号機が高床ホームでコキの入換をしていました。終わると単機で荷物ホームへ向かったので、展示車両の入換を確信。5分ほどで引き出してきました。

このあとEF510-512の引き出しもありましたが、暗すぎるし面白みが無いのでパスしました。最終的に、EF81はコンテナホームの方へ、EF510は貨車検修庫の側線へ留置されていました。

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2011年11月16日 (水)

★長野総合車両センターのスイッチャー★訓練センターの予備機

 今回紹介するのは、撮影することが困難なスイッチャーの中では5本の指に入る(注:日本国内、製鉄所を除く)であろう、JR東日本長野総合車両センターのスイッチャーです。

長野総合車両センターには、旧 長野工場時代から2両の入換機が配置されています。

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1両は、ウグイス色の協三工業製25t機で、平日はほぼ毎日稼動しています。もう1両は…

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■訓練センター常駐の115系訓練車とスイッチャー

東側の長野総合訓練センターに常駐している20t入換機で、今回の主役はこちらです。

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訓練センターの入換機は、めったに動くことのないマニア泣かせの代物です。普段はこのように敷地外の駐車場から撮れる位置に留置されていますが、必ずと言って良いほどフェンスや架線柱が手前にあり、綺麗に撮るにはやはり動くところを狙うしかないわけです。

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■訓練センターから出場するスイッチャー    2011年1月19日

 とある方からお寄せいただいた情報によると、訓練センターの機関車は総合車両センターの予備も兼ねており、めったに動かないが、月に一度給油のために出場するので撮れないことはない、とのこと。早速出かけてみました。時刻ははっきり決まっていませんが、東京始発の「あさま」で行けば間に合う、と申し上げておきましょう。

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単機で出場した訓練センターのスイッチャー。前日まで飯山線が運休するほどの大雪が降っていましたが、入換は通常通り実施されるようです。

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このスイッチャーは、1966年(昭和41年)国鉄浜松工場製の20t機です。スポーク車輪にロッド駆動。最近では珍しくなりましたね。この車両の同型機は、

  1. JR東海浜松工場の入換機L2(機械番号 06-28-01-002)
  2. JR西日本吹田工場の入換機(06-28-99-272)
  3.  〃 松任工場(現 金沢総合車両所松任本所)の入換機まつかぜ号(06-28-05-001)

など数両いましたが、現在はどうでしょうか。浜松・吹田の2両は弊ブログで紹介したとおり新型機に置き換えられており現存しませんし、松任の入換機は現存しますがDE10に置き換えられ、稼動する機会はほとんどありません。したがって、この入換機は東京総合車両センターの入換機と並び、貴重な国鉄工場製ロッドスイッチャーということになります。

なお土崎工場(現 秋田総合車両センター)にも元 同型機はいますが、ボンネットが改造されており若干形態が異なっています。

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解体予定の車両を横目に給油場所へ向かいます。

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スイッチャーの停止しているところが給油場所です。解体線のかなり奥ですね。

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10分ほどで終わると、再び出場し、

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入換を行うことも無く元いた場所へ戻っていきました。

結局、車両を連結していないとボンネット側を撮れる位置まで出てこないことが分かりました。屋根に雪が乗っていない状態でボンネット側から撮りたいため、再チャレンジすることにしましたが、問題はいつ動くのかです。

 後日、この時に一緒に撮影した方のブログを発見したのですが、その方の観察記録によると、必ずしも定期的に月に一度出場するわけではないようで、2ヶ月毎のようでもあり、3ヶ月毎のようでもあります。ということで、最小公倍数をとって半年後のまったく同じ日に訪れることにしました。論理的には、かなりの確率で撮れるはずです。

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■長野総合車両センターの廃車解体線  2011年7月19日

今度は真夏。解体予定の車両が変わっています。

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左側には、なんちゃってL特急あさま風味の「回送」幕を表示した189系が留置されています。幕の下には「惜別OM201」の表示。なかなか洒落が効いていますね。

この場所でしばらく待機していると、この日は訓練センターのスイッチャーを使うとの情報をキャッチしました。BINGO!

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反対側に移動すると、早速出場して北側にある車両工場へ向かっていきました。車両工場の東側には工場建屋が、西側には長野新幹線の回送線があり、残念ながら外から撮影することはできません。

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しばらく入換を行うと、戻ってきました。よく観察すると、ある場所の状態が変わっていますがお気づきでしょうか。工場へ向かう前は、ボンネット側の双頭連結器が自動連結器になっていますが、戻ってきた時には密着連結器に変わっています。密連の電車を入れ換えたわけですね。

転線すると、今度は廃車解体線の方へやってきました。

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先日幕張から回送されてきたばかりの113系スカ色MM’ユニットを引き出します。別の線路に転線し、湘南色MM’ユニットを連結して引き出すと、

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工場へ向けて推進していきます。先頭は湘南色、

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後方はスカ色、そしてしんがりはもちろん、

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浜松工場製ロッドスイッチャー。

半年がかりになりましたが、めったに動かない貴重なスイッチャーを撮影することができました。中々手強い相手でしたが、情報収集と推理によって、極力無駄足を踏まずに結果を残せたのは良かったと思います。

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2011年11月 9日 (水)

★255000アクセス突破★馬込車両検修場公開

 毎年11~12月にかけて開催されている東京都交通局の車両基地公開イベント。これまでのところ、偶数年は浅草線の馬込車両検修場、奇数年は三田線の志村車両検修場という具合に交互に公開されていますが、今年は都営交通100周年記念イベントという位置づけでしたので、2年連続で馬込で開催されることになりました。

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車両基地では、このイベントのために集められた車両が一堂に会しました。左から順に、

  • 京成電鉄AE100形電車
  • 京浜急行電鉄2100形電車
  • 東京都交通局5300形電車 (都営交通100周年記念ステッカー付)
  • 北総鉄道9000形電車
  • 芝山鉄道3600形電車 (京成電鉄からのリース)
  • 北総鉄道7260形電車 (京成電鉄からのリース)
  • 東京都交通局12-000系電車
  • 東京都交通局E5000形電気機関車 (都営交通100周年記念ステッカー付)

です。

左の編成2本は、普段地下鉄線内を走行しない車両で、存在感がありますね。京急2100形は、普段から京急と地下鉄の連絡駅(泉岳寺)まで来ていて、押上寄りにある浅草線の引き上げ線に入線していますが、京成のAE100形が浅草線の線路を走行したのは新製時の車両輸送以来ではないのでしょうか。このAE100形、流線型で特急形のスタイルを維持しつつも、地下鉄乗り入れのため前面に貫通扉を設けるという快挙?を成し遂げた、稀有な車両です。いまだにその機能が生かされていないのは残念です。

なお、ホームページでの事前アナウンスでは、車両撮影会に参加するには当日配布される整理券をもらう必要があるように記載されていましたが、実際にはもらわなくても撮影できるのは昨年と同じでした(笑) 昨年は事前応募制でたまたま当選したのですが、実際に行ってみると、当選ハガキが無くても入れるエリア(上の写真を撮った場所)から何の問題も無く撮影できることが分かったので、今回は整理券待ちの大行列を横目にさっさと撮ってきました。

左端のAE100形のすぐ左に架線柱があり、24mmの広角(35mm判換算)でギリギリでした。おそらく、標準レンズではこのアングルは無理だったのではないでしょうか。まあ、イベントに行くと色々ありますね。

本日はもう遅いので、この辺で。

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2011年11月 6日 (日)

◆JR西日本◆下関総合車両所のスイッチャー

 事前アナウンスの通り、10月最後の週末はLCCを利用して北九州へ行ってきました。土曜日はくろがね線撮影中にブログ読者のタムタキさんと合流し、関門海峡を越えて幡生駅へ。ほかでもない、『下関総合車両所一般公開』の機会を利用してスイッチャーを撮影するためです。

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 鹿児島本線が遅れていた影響で、幡生駅に着いたのはイベント終了30分前。ヒヤリとしましたが、なんとかノルマをこなすことができました。いやむしろ、関門海峡通過時に下り線を走行する上り列車に乗ることができたのは幸運と言えるでしょうか。戦時下に複線化された山陽本線 下関-門司間の信号システムは、現在でも単線並列方式のままです。有事の際、上下いずれか一方の線路を使用して単線運転ができるようにこのような設計になっていますが、現在でも貨物列車の少ない日中に保線作業を行う場合に、線閉していない方の線路で単線運転を行うことがあるのです。

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入場して早速出迎えてくれたのは、架線集電方式の遷車台。中央が反り返っているのは、車両が乗ったときに水平になるようにするためですね。

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集電装置を見てみると、車両工場でよく見かけるタイプで架線が3本あります。今回は時間の都合で聞くチャンスがありませんでしたが、他のいくつかの工場で伺った限り、電源は3相交流のはずです。

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更に奥に行くと、懐かしい九州ブルトレのヘッドマークが並んでいました。子供の頃、春・夏・冬に学校が休みに入ると、必ずと言って良いほど鹿児島へ帰省していた私にとって、九州ブルトレでの帰省(旅行)は毎回ドラマの連続でした。鹿児島なのでやはり『はやぶさ』か、とも思うのですが、一番思い出に残っているのは『あさかぜ』ですね。『はやぶさ』はチケットが非常に取りにくく、あさかぜ1号で博多に出て、少しぶらぶらしたあと『有明』に乗換えと、いうのが定番コースでした。

『はやぶさ』は東京発が17時頃で、2時間後の19時に出る『あさかぜ』の方が乗りやすかった記憶があります。関門海峡での機関車付け替えも、ブルトレファンにとっては重要なイベントです。これが『はやぶさ』だと朝7時頃に通過してしまうので忙しないのですが、『あさかぜ』の場合は9時前後なので、食堂車で瀬戸内海を眺めながら朝食(洋食バイキング食べ放題)をゆっくり楽しんでからになるのです。したがって旅を楽しむ向きには断然『あさかぜ』でしたね。

そんなこんなで、東京発着便はすべて乗りましたし、関西発着便もメジャーどころは大体乗っています。筑豊本線経由の『あかつき3号』とか、名古屋発西鹿児島行きの『金星』など、マニアックな列車には乗れませんでしたが(苦笑)

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 『あかつき3号』で思い出しましたが、寝台特急の旅をより魅力的にしている要素として忘れてはならないのが、西村京太郎の存在でしょう。彼は、1978年(昭和53年)に発表したトラベルミステリー第1作『寝台特急殺人事件』で一躍有名になりました。この作品は、翌年にはもう現在の土曜ワイド劇場枠でテレビドラマ化されており、注目度の高さが伺えます。

未読の方がいらっしゃるといけないのでトリックを詳しくは明かせませんが、『寝台特急殺人事件』のストーリーは、『はやぶさ』『富士』の編成がもっているある特長を生かしたものです。両列車に個室寝台車(オロネ25形)が連結されるようになった1976年(昭和51年)以降にしか成立しないトリックで、明らかにアガサクリスティの代表作『オリエント急行の殺人』を意識した内容になっています。鉄道を知っている人ほど楽しめる「そりゃないだろ~~!」、良い意味での大どんでん返しが…。ブルトレに乗りながら寝る前に読むと、より楽しめます。

その後 1980年(昭和55年)に発表した『終着駅殺人事件』で、西村は日本のミステリー界ではもっとも名誉とされる、日本推理作家協会賞を受賞しています。この後の10年間の作品が私にとっての西村京太郎全盛期です。ドラマの傑作の多くも、原作はこの時代に発表された作品が多いですね。

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 更に奥に行くと、スイッチャーの展示スペースが見つかりました。以前このイベントを訪れた方のブログを拝見すると、建屋内で撮影はできるもののたまたま置いてあるだけという感じでしたが、今回は展示車両として置いてありました。奥のスイッチャーの手前にいる傘をさした方が詳しいので色々教えていただきました。

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 まずは手前においてある2軸機から。1975年(昭和50年)協三工業製の20t機で、機械番号は06-28-01-001です。もっともこれは旧番号で、現在では帳簿上は06-28-01-6001になっているとのことです。形態は標準的であまり代わり映えはしません。しいて挙げれば、2位側に設けられた入換掛用のステップが特徴でしょうか。

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3位側から。ボンネットとキャブの間(空気ダメの脇)にも乗降用のステップが付いていますね。協三20tにはこのステップを標準装備しているタイプと、そうでないタイプがあります。

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次に連結されているのが、幡生工場の入換用控車として使用されている、この車両。形式はありませんが、昭和30年新津工場改造、昭和42年鷹取工場改造の銘板がついていました。足回りを見てみると2段リンク化されており、2軸貨車としては一般的な形のようですが、まず一見異様にみえる注目ポイントは、車体幅です。上の写真の角度からでは分かりにくいですが、車体幅≒レール幅(車輪幅)ですね(笑) 連結相手のスイッチャーとは反対側(写真右)だけ、台枠両側面に外付けのステップが取り付けられていますが、ステップの出っ張りを入れても国鉄の車両限界に十分納まってしまうほどの幅です。もっとも、無蓋車や有蓋車の車体を撤去すると、台枠はこの幅ですので、単に既存マスプロ貨車から車体を撤去しただけの車なのかもしれません。

以前トワイライトゾーンマニュアルで、吉岡心平氏が控車の解説をしていたと思い本を見てみましたが、私有貨車でないためか、網羅されているというよりも、ざっくりとした感じでした。この車両の解説を希望(笑)

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更に奥に連結されていたのが、幡生工場の現在の主力スイッチャーです。今年導入されたバッテリー機関車で、それまでの主力機であった上の協三20tを予備機に追いやってしまいました。2011年3月堀川工機製の20t機で、形式はEHL-20、製造番号は2762です。堀川は保線車両メーカーとして有名で、JR東海や西日本の保線用にも数多くの軌道モータカーを納入しています。しかし、営業用車両の入換に使用するための、しかも蓄電池駆動のものは珍しいと思います。機械番号は06-28-01-6004。2011年10月現在、後藤総合車両所に、スノープラウを付けた色違いの同型機がいるようです。

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最後がこれまた控車。こちらは車体幅も営業車両並みで、若干新しい雰囲気です。

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日本国有鉄道の銘板の隣に、「昭和43年三菱重工・舞鶴重工」の銘板がありました。どのような来歴の車両なのでしょうか。先程の傘をさしたスタッフに入換動車のことを色々解説していただけましたが、控車の方はあまり詳しくないとのことで、謎のまま会場を後にしました。

イベント終了後、SL公園を横目に見ながら道を歩いていくと、

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展示車両全体が見渡せる場所にたどり着きました。着くと5分もしないうちに入換が始まってしまいました。雨なので皆さん仕事を早く終えて帰りたいのでしょうね。

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協三20tを引き出してきた堀川20t。前後に控車を連結し、手前の控車(舞鶴重工)に入換掛が乗って誘導しています。

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動車+ヒ+バテロコ+ヒの4重連。これだけでも奇妙な編成なのに…

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そのまま展示車両のクモハ42を建屋へ格納するために引き出してきます。今度は、入換掛は奥の控車(新津工場改)に乗っています。この後、クモハ42+協三20tを切り離すためです。

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進行方向(手前)から順に、ヒ+バテロコ+ヒ+動車+クモハ42。この奇妙な編成を、奥に佇むクハ117が冷静に見つめています。

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このクモハ42+協三20tを、建屋に格納します。

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押し込むと、ヒ+バテロコ+ヒは引き上げて定位置に戻っていきました。

入換終了を覚ったタムタキさんと私は、歩道橋を超えて反対側へ移動、駅に向かってゆっくり歩き出しました。するとどうでしょう。工場内でキヤがアイドリングを始めました。そのうちヘッドライトも点いたので、これは出場があるぞということで戻りスタンバイ。

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ゆっくり出場するキヤ。

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キヤが動くのは初めて見たかもしれません。

21_s141_stop

外で一旦停止すると、

22_s141_restart

幡生駅に向けて走っていきました。私の経験では、工場入出場車両は幡生駅東1番線(旅客の1番線より1本駅舎寄りにある側線)で、入換動車からJRの機関車に引き渡されますので、自走車両も同じ位置でしばらく停まっているはずです。10分ほどで駅に戻ると、

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ちょうど駅舎寄りの側線から本線へ進入して出発するところに遭遇しました。1度で2度美味しいというヤツですね。あとで調べたところ、車両所を16:43に出場し、幡生駅東1番線を16:58に出発する8483Dという配給列車と同じダイヤのようでした。

●以前の車両

 2011年に上のバッテリー機関車が導入されるまでは、協三20t機が入換動車として使用されていました。

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2010年8月に同じ場所から眺めてみると、協三20tが前後に控車を繋いだ状態で定位置にいました。その頃の予備はというと…

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協三10t半キャブでした。クモハ42に連結された状態で格納されていました。

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これは2011年6月に同じ場所から見た様子。定位置には、協三20tではなく黄色い新型スイッチャーが控車を繋いで待機していました。協三10t半キャブがいた場所はというと…

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10t半キャブの姿は消え、代わりに玉突きで協三20tの姿がありました。新型機へ置き換えられてしまったわけです。今回、置き換えを確認してから4ヵ月後に、動く姿を捉えることができたことになります。

下関総合車両所は、以前は国鉄型車両の改造工事などで忙しく動いていましたが、現在では廃車解体の方がメインという雰囲気で、平日でも稼動頻度は非常に低いようです。遠方から駆けつけるには、このようなイベントの機会を狙うしか術がないのが悲しいですね。

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