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2011年11月30日 (水)

【くろがね線を読み解く】第97回 ■西八幡の予備機 D618

 前回紹介したとおり、JR八幡駅前には、Y製鐵所専用鉄道の製品倉庫東ヤードを一望できるホテルがある。

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■眼下に広がる製品倉庫東ヤード  2011年10月28日、北九州市八幡東区東田

朝目覚めた瞬間からスイッチャーの動きを把握することができるため、平日に北九州に来る機会があると1回はこのホテルに泊まることにしている。

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■奥にはチキ5200形が8両、手前にはチキ5500形が6両留置中。

 東ヤードには、JR九州の工臨に使用されるチキ5200形8両編成と、JR貨物のレール輸送に使用される黒崎駅常備のチキ5500形6両編成が留置されている。Y製鐵所が出荷する50メートルレールは、JR九州向けのものはチキ5200形ないし6000形により、またJR東海向けのものはチキ5500形により輸送される。レールの長さに合わせ、前者は4両1ユニットで、後者は3両1ユニットで運用されている(JR九州向けの25メートル定尺レールはチキ2両1ユニットで輸送)。1列車あたりの輸送単位は1~3ユニットであることが多い。

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■製品倉庫を出て国道3号黒崎バイパスをくぐるスイッチャー。

東ヤードを観察していると、午前9時頃、製品倉庫の中から1台のスイッチャーがゆっくり登場した。通常、西八幡駅の入換に従事しているのは日立製の凸型センターキャブ機であるD442だが、今回は同じ凸型でもセミセンターキャブタイプのようだ。

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スイッチャーは東ヤードに進入(左写真)すると、反転して奥のJR寄りの線路を西へ向かっていく(右写真)。

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西に向かったスイッチャーは、建設中の国道3号黒崎バイパスの下を潜り抜け、JR西八幡駅へと進入する。この日は鉄道ピクトリアル2011年3月号に記載のとおり、入換が行われる。

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■EF81 301の牽引により到着したチキ5500形6両編成。 

 早速チェックアウトして、近くにあるレンタサイクル無人スポットで自転車を借り、国道3号線の歩道に出てみる。ほどなく171列車が到着した。171列車は、朝に北九州貨物ターミナルを発車し黒崎に到着したもので、入換扱いで上り本線を走行し西八幡へとやってくる。この日の編成は、小倉寄りからJR貨物の九州チキ5500形3両+日鐵運輸の私有チキ5500形3両であった。

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■黒崎駅構内(西八幡)で並ぶ、JR貨物EF81 301と、Y製鐵所D618

JRの機関車は小倉寄りに引き上げ、スイッチャーと並ぶ。この日に使用されている日車製の60t機はY製鉄所構内輸送専用であり、普段はこうして外から見える場所まで出てくることはない。JRの機関車との並びは大変珍しい。

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JRの機関車が黒崎駅方向へ単機で戻るのとほぼ同時に、スイッチャーが入換を開始する。チキ6000形2両を小ヤードへと押し込むが、運転しているのはもちろんチキの手前を歩いている緑と黄色の上下を着た運転士。製鉄所の機関車はこのようにリモコン制御が基本で、入換作業はワンマン化されている

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チキ2両を切り離すと、運転士はスイッチャーを小倉寄りへ動かしながら自らも歩いて移動し、分岐器を切り替える。

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今度は先程171列車で運ばれてきたチキ5500形の入換を始める。連結作業のため、運転士はスイッチャーの黒崎寄りの簡易運転台に乗り込んでいる。

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スイッチャーをチキ5500形6両編成に連結すると、

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今度は小倉寄りの簡易運転台に乗り込み、チキを小倉側へ移動する。

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分岐器の場所で一旦停止し、スイッチャーを降りて列車だけを再び小倉寄りに移動させる。

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最後尾のチキが分岐器を通過したところで列車を止め、分岐器を切り替えて隣の線路へ推進運転でチキを押し込む。推進運転の時にはこのように先頭のチキに運転士が乗ることになる。

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先程押し込んだチキ6000形2両に、チキ5500形6両を連結すると、

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さらに奥(黒崎寄り)へと編成を押し込む。

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所定の位置まで押し込むと、切り離して単機で小倉寄りへ引き上げ、分岐器を切り替える。

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今度はJR九州向け50メートルレール輸送用のチキ6000形4両編成を引き出し、東ヤードへと運んでいった。入換作業が終わったようなので、下に降りて…

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駐車場から形式写真を撮影。D618は以前紹介したスイッチャーのため、諸元は既に明らかになっているので詳細は割愛する。

 この日は、朝8時の時点で西八幡のヤードに実車のチキ(レールを積んだ5500形)が留置されていたため、通常であれば170列車で連れて行かれる筈なのだが、なぜか肝心の170列車はEF81 301単機。というわけで、実車が着発に留置されたままなので、この日に製品倉庫から新たに実車チキが引き出されることはないと思われる。

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案の定、スイッチャーは11時前にはさっさと製鉄所内に戻っていった。

 西八幡のスイッチャーはD442の固定運用かと思っていたのだが、何十両もの機関車を保有する製鉄所だけあって、時には今回のように別のスイッチャーが予備として出てくることもあるようである。なかなか珍しい光景が撮れたものだ。

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