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2011年12月

2011年12月26日 (月)

【くろがね線を読み解く】第99回 ■JR九州チキ輸送用合図台車

 Y製鐵所専用鉄道の条鋼工場-製品倉庫-西八幡駅間では、条鋼工場で生産された軌条(鉄道用レール)が貨車輸送されている。鉄道ピクトリアル2011年9月号掲載の通り、JR東海向け50m長尺レールは、まず条鋼工場から製品倉庫まで製鐵所の40t積台車によって輸送され、倉庫内に一時保管される。その後、JR貨物チキ5500形に積まれて西八幡駅の発送線へ押し出され、JR線経由で西浜松駅のJR東海レールセンターまで輸送されている。

条鋼工場-製品倉庫間には、構内配線の都合により貨車を推進運転する区間がある。推進運転の場合、運転士は製鐵所の40t積台車の簡易運転台に乗り込み、編成の先頭から最後尾の機関車をリモコン制御する。

 いっぽうJR九州向け25m定尺レールは製品倉庫にストックがないため、JR東海向けとは異なり、レールは条鋼工場から西八幡駅まで直送されている。このため、JR九州向けレールを輸送する際は、JR九州の工臨用貨車(チキ6000形・5200形)が製鐵所内を走行する珍しいシーンを見ることができる。JRの貨車には、推進運転用の簡易運転台はないため、推進運転時は専用の控車が編成の先頭に連結されている。それが、今回紹介する合図台車である。

Tete8375 Tete8375_np
■JR西八幡駅の側線に留置中の合図台車テテ8375    2010年

 合図台車(左写真)には「テテ」の記号が付与されている。 以前紹介した貨車命名規則に拠れば、「テテ」は15t積鉄側車をあらわしているから、この貨車は以前紹介した15t積鉄側車からの改造車ということになる。

Tete8375_w_chiki6000_d442

 例えば、製品倉庫から条鋼工場への回送時はこのように運用されている。写真は、製品倉庫東ヤードを機関車牽引で出発したチキ+合図台車が、製鐵所構内でスイッチバックして、合図台車推進運転で工場へ向かっていく様子である。50mレールは4両1ユニットで輸送されるため、「合図台車+JR九州チキ4両」の運用が多いが、まれに「合図台車+JR九州チキ4両+40t積台車4両」のように、製鐵所の貨車とJRの貨車がごちゃ混ぜに連結された編成になることもあり、興味は尽きない。かく言う私自身も、まだそのような編成は一度しか撮ったことがない(→こちら)。

条鋼工場-製品倉庫間のレール輸送は不定期であり、さらに合図台車が連結されるのはJR九州向けの工臨が走るときだけなので、撮影の難易度はかなり高いといえる。

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2011年12月20日 (火)

凸型蓄電池機関車と凸型電機 ~こぼれ話~

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 2011年12月に発売される鉄道ピクトリアル2012年2月号の特集テーマは、『凸型電気機関車』です。今回は、電気機関車のサブカテゴリとして『凸型蓄電池機関車』をご紹介し、諸元を一通り網羅することができました。本編はモノクロなので、当ページではカラーでお楽しみください。各車諸元についてブログに掲載する予定はございませんので、データをご所望の方は書店にて当該雑誌をお買い求めください。

 今回の個人的な感触ですが、阪急電鉄BL1/2の正体を明らかにできたことと、福岡市営地下鉄BB-1のエピソードを発掘できたのは良かったと思っています。すべての車両に蓄電池容量を記しているのは、BB-1の蓄電池が「大容量」であることを明確に示すためです。物事の大小関係を論じるには比較する相手が必要ですからね。

最後になりますが、昨年お話を伺った「JR西日本吹田工場」が謝辞から漏れていたことをお詫びします。ISOの話は職員の方から直接伺いました。今後の動きとしては、JR西日本の他の車両工場への蓄電池機関車の展開が予想され、既に後藤総合車両所、下関総合車両所については堀川工機製のBLに置き換わっています(凸型ではないため今回のテーマからは外れますが…)。大阪・福岡のニチユについては当面使い続けると思いますが、2両とも外部からの確認が困難なだけに、限られたイベントの機会に中に入ってみたら新型に置き換わっていた、なんてことも無いとは言い切れません。今後も注視する必要があるでしょう。

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2011年12月 9日 (金)

【くろがね線を読み解く】第98回 ■特殊スラブ積み台車

 今回紹介するのは、特殊なスラブを積んだ台車(貨車)である。台車そのものが特殊なわけではなく、積んでいるものが珍しいというパターンである。

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■D624の牽引により第一操車場に到着した特殊スラブ台車。   2010年

N社の一貫製鉄所のうち、O製鐵所やK製鐵所が大量生産品向きの工場なのに対して、Y製鐵所は高級品・特注品に特化した工場である。それが理由なのかどうかはわからないが、くろがね線で輸送されているスラブにはかなりのバリエーションがある。

60t_spslab

貨車そのものは何の変哲もない60t積みスラブ台車で、銘板を観察しても取り立てて特徴はない。

  • 形式: 60B-7 (60t積台車の7世代目)
  • 記号番号: ユタ2256 (56号車)
  • 自重: 14.3t(車両により異なる)
  • 製造年: 1967年(昭和42年)
  • 製造所: 日本車輌製造 名古屋

しかし、積荷のスラブの方はかなり変わっている。通常は、背後に写りこんでいるような、貨車の全長とほぼ同じ長さのスラブを3枚積んでいる。

Spslab

しかしこの台車に積まれているスラブは、厚みが(目視で)通常スラブの3倍ほどあり、全長は逆に1/3ほどである。角も尖っておらず丸みを帯びており、くろがね線でよく見かけるタイプとは風貌が異なる。おそらく、通常スラブを生産している連鋳のラインとは別のラインで生産されたものではなかろうか、と思う。

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2011年12月 5日 (月)

★265000アクセス突破★黒部峡谷鉄道~宇奈月界隈~

 2011年12月4日日曜日、前日に富山県内の専用側線の撮影をすべて終えてしまい、それでは元・専用鉄道もということで久々に宇奈月温泉へ。起床時にはまだ天気が悪く、ホテルの部屋で寛ぎながらプランを練っていたのですが、9時頃になってようやく雨が止みました。今回はスロースタートです。

ちなみに、速星の化学メーカーN社ではスイッチャー重連運用を、高岡貨物のO倉庫では2年前に置き換えられた協三20tを、二塚の製紙メーカーC社では最近では珍しくなった協三10t半キャブを撮りました。合間に伏木で、南延岡の化学メーカーA社のベンベルクせんい工場内で稼動していた協三15tスイッチャーも撮影。移動はすべて列車と徒歩。我ながら無駄のないプランでした。

Kurobeuna01

この時期になると、もう今シーズンの営業運転は終了していますが、電力メーカーK社向け従業員輸送、資材輸送のため、列車は頻繁に(60~90分に1~2本程度)やってきます。

Kurobeuna02

トンネルを抜けて橋の反対側に行ってみると、リラックス客車8両編成を牽いた下り列車がやってきました。

Kurobeuna03

ロープの外側(敷地外)からお気楽撮影です。

Kurobeuna04

反対側から上り列車が来るのかと思いきや、また下り列車が。

Kurobeuna05

なにやら色々な資材を積んでいます。

Kurobeuna06

てんこ盛りですね。

Kurobeuna07

トンネルを抜けてダム湖へ行ってみると、反対側から上り工事列車がやってきました。重連機関車次位に、緑色の妖しげな物体が繋がっています。

Kurobeuna08

再びトンネルを戻り、先程の位置から反対側を向いて。

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怪しい緑の正体はショベルカーでした。キャタピラ装備の重機が貨車に乗っていると、敦賀港の自衛隊戦車輸送を思い出してしまいます。もっともあちらは、無蓋車ではなく大物車でしたが。

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最後尾のカブース風ハ型客車。

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貨物列車は電力メーカーK社の資材輸送がメインですので貨車は無蓋車が多いですね。

Kurobeuna12

宇奈月温泉駅構内では、入換も頻繁に行われます。これは、滑落事故を起こして廃車となったDD23形ディーゼル機関車の補充用として増備された、日本除雪機製作所製のDD24形ディーゼル機関車です(メーカー型式はMTL240)。貨物列車を牽引し、そのまま本線を下っていきました。

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こちらは、協三工業製のDD22形ディーゼル機関車。最後尾に連結される貨車を入換中。

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最後はこちら。まだこの路線が日本電力専用鉄道だった1934年(昭和9年)に導入された、凸型電気機関車のED形です。しかも3重連です! 右から順にED10、ED9、ED11です。ED11のみボンネットが丸みを帯びており、角ばった他の機関車とは趣を異にしていますが、これは焼失により失った車体を1957年(昭和32年)にナニワ工機で新製したためです。これらの機関車は直接制御で重連総括もできません。このためED10以外は集電装置を下しています。

 今回は専用線撮影のついでだったため、宇奈月に滞在したのは数時間だけでしたが、なかなか楽しめました。次回は日照時間の長い季節に温泉にでも泊まってゆっくり乗車&撮影を楽しみたいものです。

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