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2012年4月 1日 (日)

トワイライトゾーン? 備中の山村に佇む入換機のキャブ

Twilightzone_bitchu_2  北緯,東経(34.838507,133.595917)
■国道180号線沿いに放置されている入換機のキャブ  2012年4月1日、JR伯備線車内より撮影

 高梁川に沿って走るJR伯備線と国道180号線。その沿線のとある場所に、一つの怪しげな物体が佇んでいる。どう見ても日車製スイッチャーのキャブなのだが、よく見ると窓配置がおかしなことになっている。改造する積極的な理由は思いつかないのだが…。

手前の看板は、地域の作業代行サービス会社の広告で、このキャブは看板を目立たせるために置かれたただのオブジェのようである。

●特定できるか!?

 日車製スイッチャーでこのタイプのキャブを持つのは、昭和46年以降に製作された製番2967~2976の10両である。内訳は、25t機5両、15t機5両。それ以前の日車製スイッチャーは、15t(20t)機はL型エンドキャブ、25t機は凸型セミセンターキャブであったが、この10両からはキャブやボンネットが共通化された。同時に、それまでキャブと台枠の間に設けられていた溝がなくなっているのが大きな特徴である。

しかしどういうわけか、その後量産された車両(製番3140~3145)では、溝が再び復活してしまった。おかげで、このキャブの元車両を類推することができる。件の10両にはまだ現役機も何両かある(安中25t、鵜殿25t、伊予三島15tなど)ため、消去法でかなり絞り込むことはできる。果たして特定することはできるだろうか…。

●2012年4月4日追記

 本記事掲載のキャブについて、国鉄操重車ソ60形のキャブではないかとの情報をいただいた。そこで、早速検証してみることにする。

Twilightzone_bitchu_after
■国鉄操重車ソ60形 『日車の車輌史 写真集2』鉄道史料保存会編 p141 より

ソ60形は、1971~72年(昭和46~47年)に日本車輌製造で製作されたレール荷役用操重車である。日車の車輌史・写真集掲載の写真を確認すると、その形態は、長物車チキのような台枠上に、日車製スイッチャーのボンネットとキャブ、レッキングクレーンと操縦室を載せた格好である。ソ60形のキャブをよく見ると、その特異な窓配置は備中に置かれていたキャブと瓜二つである。冒頭で窓配置が不審である点に言及したが、まさにそれがヒントであった。2012年現在、こちらのホームページでは前位側 後位側 共にカラー写真でも確認することができるので、参照されたい。

なお参考までに、日車の車輌史掲載のソ60形の解説を引用させていただく。

《保線合理化を狙ったレール積卸し用操重車で,チキを挟み2両総括制御で2.5t(25mレール3本)を荷役でき、30km/hで自走可能.機関車部は日車標準形ディーゼル機関車の設計を流用,台車は日車バーバー台車.》

この通り、ソ60形のキャブは日車製スイッチャーの設計を流用したものであることが明記されている。前述の、昭和46年以降に製作された10両のスイッチャーのキャブと同じ特徴を持っているのは、同じ時期に製作されたためであろう。

 スイッチャーの設計を流用した操重車や保線車両は、日立製作所など他のメーカーも製作している。今後、スイッチャーのキャブを見つけたら、共通設計の保守用車両も含めて調査対象に入れておいた方が良さそうである。

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コメント

初めまして、いつも楽しませて戴いておりますとともに、貴重な参考とさせて戴いております。
突然で誠に申し訳ございませんが、件の伯備線「川面~木野山」間鳴戸踏切付近だろうと思われます日車製キャブらしきものは、かつて私も、日車製DLのものだろうと思い、2003年9月に、現地を訪れて確認したことがあります。
その結果と致しましては、同じ日車製でも、DLではなく、ソ60形のキャブではなかろうかという結論に達しました。
塗装の下地は保線機械の様な黄色で、キャブサイドには、「岡」の表示跡が見えました。銘板類は見当たりませんでした。
どうかお気を悪くなさらぬ様、ご参考にでもして戴ければ幸いです。
以上、これにて失礼させて戴きます。今後とも、楽しい記事を期待致しております。

投稿: 匿名 | 2012年4月 3日 (火) 02:39

匿名さんはじめまして!
追記してみました。こんなんでどうでしょう?

投稿: 社長 | 2012年4月 4日 (水) 07:08

 再び失礼致します。4月3日付・匿名改め、チムニイと致しました。
詳細な御検証、誠にありがとうございました。
さすがです。正にかゆい所に手が届く様な解説には、敬服致します。
実車では、「ソ」の表記は見当たりませんでしたので、断定は出来ないのですが、恐らくこれで良いのではなかろうかと思われます。
ボンネットも片側に寄って取り付けられていた跡もありました。
伯備線のこの付近の専用線も、ご存じの通り、足立・石蟹・井倉とありましたが、その内、前二者のスイッチャーは、かつて放置されていたこともあるようですし、他に放置DLがありましてもおかしくはない様な雰囲気もありましたので、これがDLではなくて、少し残念に思った記憶があります。
ただ、私の場合は、保守用機械好きでもありましたので、「ソ」もまた珍しくて良いかと思ったりもしました。
以上、それでは、今後とも良い記事を楽しみに致しております。御丁寧かつ、詳細な御検証、誠にありがとうございました。これにて失礼致します。

投稿: チムニイ | 2012年4月 6日 (金) 22:16

チムニイさんこんばんは
コメントありがとうございます
日車の車輌史で何度も目にしていながら、真っ先にスイッチャーを連想してしまったのは悲しい性です。しかしご指摘を受けましたのでおかげさまですぐに調べることができました。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

投稿: 社長 | 2012年4月 8日 (日) 20:45

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