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2012年6月20日 (水)

ドイツ・ティッセンクルップ製鉄所の鉄道(1)

 2012年ゴールデンウィークの訪独時、1日だけDuisburgのティッセンクルップ製鉄所を訪れました。ドイツ語のサイトをチェックしていると、溶銑を輸送するトピードカーを間近に見ることができるとの情報が見つかったためです。もちろん、往復10万円以上かけてヨーロッパへ行くわけですから、曖昧な情報源だけを頼りにするはずも無く、しっかり下調べをしたうえでの訪問です。

Tks_04

 ティッセンクルップ製鉄所へアクセスするには、Duisburg Hbf を通っている Straßenbahn 901系統のThysssen Verwaltung 駅が最寄となります(もっともDuisburg駅周辺は地下化されているため、路面電車ではなくU-Bahn扱いですが)。Thyssen Verwaltung は直訳すると「ティッセン管理局」で、文字通り、公道以外の周辺敷地のほとんどはティッセン社の社有地となっています。

高炉から出てくるTorpedopfannenwagen(=魚雷型鍋車、トピードカー)の見える場所まで辿りつくためには、Thyssen Verwaltung 駅から更に 2km 以上歩く必要があるため、Duisburg駅前でレンタサイクルを借りて行くことにしました。

Tks_05_2

DuisburgのStraßenbahnは、5車体連接の比較的新しい車両が主力です。中央の3車体目に自転車を積めるスペースがあります。

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駅を降りて自転車を走らせ、Alsumer 通りへ回り込むと、その場所はあります。

 左端の黒い塔は消火塔で、そのすぐ右下にある横長の施設がコークス工場です。そこに向かっている線路2本は、コークス工場へ石炭を運び込むために使用されます。残りの右側4本の線路のうち、最も左端の1本はコークス工場へ、残り3本は高炉へと向かっています。

Tks_01

 しばらく待っていると、高炉からトピードカーを連ねた列車がやってきました。手前の貨車と奥の貨車では荷重が異なるようで、車体の大きさや車軸の数が異なります。機関車は Eisenbahn und Häfen (=直訳すると「鉄道と港」。ライン川沿いの港湾部に配置された製鉄所や臨港線の貨物輸送を担っている私鉄会社)の所属で、写真の575号機の車軸配置はBBです。通常ドイツでは、自重60tクラスの機関車の車軸配置はC(3軸)になるため、おそらくこの機関車は80tクラス以上と思われます。

Tks_02

トピードカーは、10~15秒おきに突沸して液体の鉄を吹き上げながらこちらに近づいてきました。公道をトピードカーが潜るなど、今の日本では考えられない危険な光景です。思わず真上から見下ろしたい衝動に駆られましたが、万が一溶けた鉄が顔面に直撃したら……おそらく即死でしょう。やむを得ず、すぐに逃げられるよう斜めから望遠で撮ってみました。雰囲気は伝わると思います。

 この場所は、ドイツのWerkbahnfreund(産業鉄道の友、産業鉄道愛好家)にはよく知られたポイントのようですが、日本ではほとんど紹介されたことが無いため、貴重なシーンではないかと思います。探究心と勇気のある方は、訪問してみると面白いと思いますよ。もちろん、自己責任で。

(つづく)

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コメント

社長様こんにちは。

デュイスブルクにも行かれたのですね。
混銑車の俯瞰ができるという…有名な場所ですね!!

写真のDLですが、クラウス・マッファイ製のようです。
Krauss-Maffei 1967年製 製番:19326 メーカー形式:MB800 または M800BB (出典によって異なる) 出力:748kw
だそうです。

「EH」は産業用DLの見本市状態の品揃えで、調べていても飽きません。(笑)
混銑車のラインナップも気になるのですが…。

ちなみに「Eisenbahn und Häfen」は現在、「ThyssenKrupp Steel Europe」という社名になっているそうです。
去年位から新しい社名に変更されているようです(詳細は失念してしまいました)。
参考までに…。

失礼いたしました。

投稿: いたるばす | 2012年6月22日 (金) 01:26

いたるばすさん
またコメントありがとうございます

こちらのサイト
http://www.rangierdiesel.de/index.php?nav=1402276
を見ると、どうやらクラウス・マッファイのM800BBという型のようです。
ただ、ウェブ情報は出典や執筆者がよく分からず信憑性に疑問が残るので、
書籍等できちんと確認しておきたいところです。
もし情報源をご存知でしたら、教えてください。

Eisenbahn und Häfenは、ホームページを見るとティッセンクルップに買収されたと記載されていますが。
ThyssenKrupp Steel Europeはこの製鉄所の社名です。


そうそう、実はドゥイスブルクでは、午前中にもう1箇所訪ねたんですよ(Stahl. Das sind wir.で分かるかな?)、
そちらの方が撮影ポイントは多かったです。

この写真の製鉄所は広大な敷地に網の目のように路線が張り巡らされていますが、道路との交差部のほとんどは築堤か高架線になっており、撮影できる場所は2箇所に限られます。
以前はDBとの連絡線を撮影できた場所がありましたが、信号所の扉が溶接されて中に入れなくなっていましたweep

とはいえ、その限られた2箇所で、混銑車・鋼滓鍋車・スラブ台車・熱延コイル台車・冷延コイル台車3種類、厚板台車と、製鉄所にいる種類の貨車はほぼ全種類撮れましたので、満足はしていますsun
DBからやってくる原料系の貨車も、石炭・コークス・炭カル・鉄スクラップと一通り。

他のジャンルに記事も控えているので、そのうち徐々に出していきますね。

投稿: 社長 | 2012年7月 2日 (月) 22:40

こんにちは。

Stahl. Das sind wir.…HKM, Duisburg-Hüttenheimのヤードでしょうか。
「E+H」を堪能されたご様子で、何よりです。(笑)

さて、クラウス・マッファイの形式についてですが、確かに
http://www.rangierdiesel.de/index.php?nav=1402276&lang=1
を見ますとM800BB形となっており、
http://www.railfaneurope.net/list/germany/germany_eh.html
こちらのサイトでも同様です。

ところが、私の手許にある
Podszun/2005年刊 Jörg Hajt著
『Zechen und Hafenbahnen im Ruhrgebiet』
という本に載っている2005年時点での在籍リストでは、MB800形となっています。

困りました…(笑)
ドイツ製のメーカー型DLを体系的に解説する本があれば良いのですが、なかなか見つけられませんね。

次に、Eisenbahn und HäfenとThyssenKrupp Steel Europeの合併時期が気になっていたのですが、
公式のプレスリリースのバックナンバーは無いようです。

こちらのサイト
http://www.bonapart.de/nachrichten/beitrag/eisenbahn-und-haefen-gmbh-wird-mit-thyssenkrupp-steel-europe-verschmolzen.html
で、2011年6月に合併で合意と、その概略が述べられています。
また、前出の
http://www.rangierdiesel.de
では2011年5月25日(に機関車を移籍、という意味か?)
さらに、
http://www.hans-maennel.de/d/reg_werkb/eh.htm
の記述では2011年5月5日に合併、とあります。

「合併」の解釈の違いか、正確なところはよくわかりませんでした。

今回もまとまらない長文になってしまい申し訳ありません。
次回も楽しみにしております。

投稿: いたるばす | 2012年7月 6日 (金) 15:22

いたるばすさん
遅くなりましてすみません。そして、情報ありがとうございますhappy01
今度、教えていただいた本、探してみますね。

投稿: 社長 | 2012年7月20日 (金) 09:26

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