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2012年6月22日 (金)

▲三菱化学▲四日市事業所専用線スイッチャーのその後

 2011年4月をもって列車の運行が無くなった、四日市の三菱化学専用線。そこで活躍していたスイッチャー2両の去就について、一年ほど前に読者の方から情報をいただいていました。今回は、それぞれの新天地で活躍を続ける、2012年現在の姿をご覧いただきましょう。(スイッチャーのスペックについては、過去の記事を参照

 2両のスイッチャー(DB251、DB252)のうち、DB251が売却されたのは、N通運米子支店です。この拠点は、山陰本線伯耆大山駅に連絡する製紙メーカーO社専用側線の入換と荷役を受託しており、入換用のスイッチャーを保有・運行しています。2012年4月に訪問してみると、本務機として活躍する姿が見られました。

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この専用線のスイッチャーは、場内入換及び駅への貨車引き出し用が1両、駅からの貨車引き込み用が1両、予備1両の3両が常時使用されます。このほか、奥に分割された貨車を手前に移動するために予備機も兼ねて数両が配置されています。予備機以外は外に出てくるため撮影するチャンスはありますが、門扉の前に注意書きがあることを忘れてはいけません。事前に守衛さんに一声かけて、敷地外から(門から離れて)撮影するのが最低限のマナーでしょう。

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 三菱化学専用線で使用されていた頃から大きな変化はありませんが、日本トランスシティのロゴが取り外され、N通運の社紋が取り付けられています。また、キャブの上には旋回灯が2個取り付けられました。このほか、ヘッドライトが前進・後進どちらの場合も点灯するようになっていますが、これはこの専用線のスイッチャーすべてに共通する運用ですので、改造と言うほどのものではないかもしれません。

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後位側から見ると、日本トランスシティ時代に荷役の都合で設置された妻面の台座がまだ残っています。キャブ側面にはNo.15とありますので、協三工業製20t機No.14(写真1枚目の左の黄色いスイッチャー)の続番となったようです。

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 いっぽうDB252は、秋田臨海鉄道の終点向浜にある製紙メーカーN社専用側線の場内入換用として使用されています。かつてこの場所で使用されていた35t機DD351(1971年3月日立製作所製、製造番号13192)は、DB252によって置き換えられ、2012年現在、秋田港に留置中です。

4軸機を2軸機で置き換えるのは意外に思えるかもしれませんが、DB252は軸重12.5t、DD351は軸重8.75tですから、2軸のDB252の方が牽引力がありますし、エンジンも1基(DD351は2基)で燃費も良いので、至極真っ当な判断です。時速10~35km/h程度の領域では、エンジン出力はさほど牽引力に影響を与えません。なんといっても軸重が重要です(摩擦係数は垂直抗力に比例、物理の基本)。

上の写真の場所は工場の正門なのですが、ご覧の通り踏切に近づくことができません。しかし…

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北側にある通用門の外側から見ることができます。工場内には、返空便に積載されている古紙(パルプの原料として使用)を荷卸しするための線路が1本あり、機回し線と合流したあと、2つの製品倉庫へ向かって3本の線路が伸びています。この踏切を渡っている線路はそのうちの2本ですから、2/3の確率でスイッチャーを撮ることができます。荷役を行う倉庫は、時刻で決まっているわけではないので、この場所を通過する時刻も決まっていません。

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この日は、クルマで場内へ入る方にたまたま声をかけられました。機関車が来るのを待っているのだと伝えると、トラックの出入りが多いから充分気をつけるように、それから踏切より中へは入らないようにと指示を受けました。その指示に従い、踏切の手前かつ道路の外側にある茂みの中から待っていたところ、製品倉庫から単機で戻ってくるスイッチャーの正面を撮ることができました。

 このDB252は、DB251とは異なり改造点が多いです。一番目に付くのはスノープラウで、これを取り付けるために、日本トランスシティ時代に端梁に増設されたステップと握り棒が撤去されています。また、一つ上のコキを牽引している写真を見ると分かりますが、後位側妻面の連結器の上にあった台座も跡形も無く撤去されています。もともと、浪速貨物時代には無かった装備ですし、塗装も国鉄色風味に戻ったわけですから、先祖返りしたと言えなくも無いですね。どうでしょうか。

 いままともに残っている専用線は、石油メーカーと製紙メーカーくらいのものですが、石油の専用線が2軸機を引き取るとは考えにくく、2両とも製紙メーカーの専用線に転じたのは必然であると言わざるを得ません。秋田臨海鉄道は、仙台臨海鉄道に機関車を1両貸与しているため、北港線の運行が無いとはいえ、車籍のあるDD351を予備機として確保しておくというのは、理に適った判断でしょう(軸重云々は別にして)。そういう意味で、DB252はしばらく活躍するのではないでしょうか。いっぽう、スイッチャーの入れ替わりの激しい伯耆大山については、いつ他のスイッチャーに置き換えられてもおかしくは無いですね。これまで、伯耆大山で使用されてきた多くのスイッチャーがそうであったように、めったに動かない予備機として君臨してしまう可能性があり、あと1年もすれば、遠くに見えるのに撮れないという最悪の事態が待っているかもしれません(笑) 何事も早め早めが肝要です。

 ところで、三菱化学専用線の廃止が決まってから、どこぞのブログに、スイッチャーが「北の大地」へ行くなどと、北海道行きを仄めかすような記述がありましたが、あれは何だったのでしょうか? ガセネタ? ちなみに現在ではその記述は削除されています(笑)

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コメント

こんばんは。
DB252も転属できたんですね。
廃線後どうなったのか気にはなっていました。
伯耆大山のDB251の画像はあちらこちらで見ることができますが、DB252は初見です。
スノープラウも付いて精悍になりましたね。
元来日本海側の人間なのでスノープラウ付き機関車はそれだけでツボです(笑)。
塗装も浪速の頃は白帯より上も灰色でしたが、現在の赤塗りの方が見栄えがしますね。

投稿: 西宮後 | 2012年7月 2日 (月) 23:07

西宮後さんこんにちは
先日はデキ600おつかれさまでした。

スノープラウがツボとのことhappy01
実は、今年1月にDB252による工場内除雪シーンを撮っていますsnow 着雪していて形式写真としてはいまいちなので、6月に小坂鉄道のイベントのついでに訪問して撮り直しました。そのうち記事にしようと思っています。

ところで、先週は3日間四国出張でしたが、ほとんど鉄分のない生活パターンでした。収穫は、初日の移動中に水島臨海DE701とフリーゲージトレインを撮れたことくらいでしょうか。

来週末は名古屋出張です(またかい…)

投稿: 社長 | 2012年7月 3日 (火) 12:59

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