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2012年7月 7日 (土)

【くろがね線を読み解く】第106回 ■洞岡ステンレス線

 Y製鐵所構内に張り巡らされた線路の一部は、外部から見ることができる。鉄鋼メーカーN社とS社のステンレス事業を統合して発足した会社のある付近は、構内鉄道が幹線道路に沿って100メートル以上並走しているため、地域の方々にもよく知られているようである。もしかしたらくろがね線より知名度が高いかも知れない。場所は旧西八幡駅の裏側である。

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■洞岡の小ヤードを出てステンレス工場へ向かうD627 2010年10月15日、洞岡

 この場所(便宜上、ステンレス線と呼ぶ)は、観察は容易であるものの、めったに列車がやってくることは無い。運行頻度がどのくらいかというと、くろがね線のそれより低いほどである。理由は簡単で、北側にあるステンレス工場へ輸送されるスラブだけが通過するからである。

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■地上には、分岐器切り替え用レバーが設けられている
 (簡易運転台に乗った運転士の右脇)          2010年10月15日

くろがね線で輸送される品目が八幡構内のどこへ運ばれているのか、これはある程度観察していないと分からない。私の見る限り、ブルームは条鋼工場へ、コイルは冷延工場へ、スラブはステンレス工場へ向かっているようである。したがって、ブルームを輸送する熱塊カバー台車は、八幡の第二操車場からすぐ南側にある条鋼工場へと向かってしまい、ほとんど見ることはできない。熱延コイル台車(ホットコイル台車)冷延コイル台車(防水フード付台車)は、東田地区を通過する様子を見ることができる。そして一番間近に観察できるのが、このステンレス線を通過するスラブ台車 なのである。

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このように、先頭から最後尾までスラブしか積んでいない。

くろがね線を走行しているスラブ台車は、1列車あたり3~6両程度であることが多いが、この区間を通過するスラブ台車はより長く、10両程度である。第二操車場と洞岡の間で観察していると、第二操車場へ到着したスラブ台車は、次の戸畑からの列車が到着する前に洞岡に向けて運ばれていることが分かった。しかし、洞岡でそのスラブ台車を観察してみると、そのままステンレス工場へ直行はせず、スイッチバックして一旦工場東側にある小ヤードへ押し込まれていた。したがって、第二操車場へ到着したスラブ台車は、洞岡の小ヤードまで運ばれてしばらく留置され、ある程度溜まった段階でまとめてステンレス工場へ運ばれているものと思われる。

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■コイル台車は、ステンレス線に入らずスイッチバックして電磁鋼板工場へ 2010年10月15日

こちらは、小ヤードへと押し込まれるホットコイル台車。このタイプの貨車が第二操車場から洞岡へ到着すると、入換の都合で一時的にステンレス線に入りかけるが、最終的に通過することはなく、スイッチバックして工場へと押し込まれてしまう。近くまで来ないので、撮れそうで撮れない。

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■小ヤードから押し出され、スイッチバックして岸壁へ向かう製品  2010年10月15日

八幡構内では、平日を中心にくろがね線とは直接関係無い運用も見られる。これは「輸送出荷」と記載された防水フードに覆われた製品で、ステンレス工場の方から船積み用岸壁へと構内輸送されているもの。貨車も、車番3桁の八幡構内専用のものが使用されている。これはこれで興味深い運用なので、そのうちきちんとした形で取り上げたいと思っている。

●ステンレス線撮影のコツ

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 ステンレス線を通過する列車は、明るい時間帯に限った場合多くて1日に3往復程度である。したがって、ただ待っていても撮れるものではない。スラブ台車しか通過しないことを知るのがまず先決で、上のようにくろがね線でスラブを積んだ貨車が運行されているかどうかをチェックしておくのが賢明であろう。戸畑からスラブがやってこない時には、いくら待ってもステンレス線を貨車が通過することは無いのである。

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