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2012年8月 4日 (土)

ドイツ・ティッセンクルップ製鉄所の鉄道(2)

 前回、ドイツ・ティッセンクルップ製鉄所の鉄道を走行するトピードカー を紹介しましたが、今回は同じ場所で見られる原料輸送列車を見ていきます。

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現地に到着してすぐに見られたのは、コークス工場前で入換中の石炭輸送用ホッパー車です。奥のコークス工場のすぐ向こう側にはライン川に臨む岸壁があり、

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艀で運ばれてきた石炭が陸揚げされています。

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入換作業に従事している4軸機関車Nr.604は、マシーネンバウ・キール(MaK[1])の貨物用レディメイド機関車G1206をEHが購入したものです。ドイツ鉄道の線路上を走行する貨物専業の私鉄会社にも、ほぼ同型の車両が何両も納入されているほか、フランス国鉄BB61000など隣国でも同型機が活躍中です。したがって、あまり希少価値は無いかもしれません。

Europorte1729 Europorte1574
■EUROPORTE G1206 (Nr.1729/1574)     2-5-2012, Völklingen

参考までに、同型機2両を紹介します。ドイツ南西部のザール地方、フェルクリンゲン駅に停車中のEUROPORTE所属の同型機です。左の赤と右の青で重連を組んで使用されています。EUROPORTEは、フランス・英国を中心に貨物輸送サービスを展開している物流会社です。

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コークス工場の入換を行っている最中、奥の高炉方面から別のホッパー車が姿を現しました。同型車ですが、左の貨車の汚れが黒っぽいのに対し、右は白っぽくなっています。これは、右の貨車が石灰石輸送に使用されているためです。

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高炉では、鉄鉱石・石灰石・コークスを上部から投入して、下部から炭化鉄と不純物(スラグ)を取り出します。この貨車は、高炉まで石灰石を運び、空で戻ってくるところです。

長い編成の最後尾に、黄色と朱色のツートンカラーの機関車が見えると思いますが、これは後部補機ではなく、1本奥の線路を走行する別の機関車です。

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その機関車は、トピードカーを牽引していました。Nr.507は、丸みを帯びた車体を持ち、600番台の機関車よりだいぶ古びています。こちらの方が好みです。

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続いて、規格型G1206のNr.603がコークスを積んだ貨車を牽いてやって来ました。

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焼きあがったコークスは、別の場所で使用するために貨車で運ばれます。この貨車の車体側面には、UICコードの表記が見当たらないため、製鉄所構内輸送専用貨車の可能性が高いと思われます。

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別の場所では、粉末石灰(炭酸カルシウム粉末)を輸送するためのホッパー車も見ることが出来ます。粉末石灰は、製銑工程に欠かせない焼結鉱の原料となります。通常、石灰石の粉砕設備を製鉄所が自前で持つことは少なく、こうして石灰メーカーから仕入れる段階で、必要な粒度ごとに区別して受け入れています。粒度の大きい石は上のような無蓋ホッパー車で、粒度の小さい粉末はこのような有蓋ホッパー車で輸送されます。

なお5両編成の貨車のうち、青緑色をしている奥の3両はB Cargo(ベルギー国鉄の貨物輸送部門を民営化した会社で、現在の正式名称はSNCB Logistics)所属の車両です。欧州では、このように専用貨車から成る国際貨物列車も珍しくはありません。

(つづく)

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コメント

社長様、こんにちは。

TKS構内用のホッパー車ですが、
敷地北側の原料ヤードから第8・第9高炉に原料を輸送する列車ではないでしょうか。

Duisburg-Schwelgern (敷地北側)
○貯鉱場
○コークス工場 (KBS Kokereibetriebsgesellschaft Schwelgern GmbH)
○焼結工場
↓構内鉄道
Duisburg-Bruckhousen
○Hamborn 第8高炉
○Hamborn 第9高炉

次に、「E+H」に在籍するMaK G1206型についてですが、
○MaK G12006型 E+H541~549号機 (2001~04年製、順不同) 運整重量:87,3 t 出力:1500Kw 最高速度:100km/h
○MaK G12006-2型 E+H601~607号機 (2007~08年製) 運整重量:87,3 t 出力:920Kw 最高速度:50km/h
の二種類があります。

供給側では形式分けをしているようですが、車体のネームは同一ですから何号機かを覚えてしまった方が早いかと…。
G12006-2型の方が生産数は少ないので、同系でも一寸レアですね。

投稿: いたるばす | 2012年8月 7日 (火) 03:55

いたるばすさんこんばんは
コメントありがとうございます

やはり構内輸送列車の可能性が高そうですね。
機関車情報については、毎度のことではありますが、書籍名を教えてください。

投稿: 社長 | 2012年8月11日 (土) 23:35

失礼いたしました。

今回のソースはこちらです。
○http://www.loks-aus-kiel.de/index.php?nav=1400668&lang=1
○Vossloh Locomotives GmbH/2007年 『G1206 For-axle Diesel-Hydraulic Locomotive for heavy shunting and main line service』

私は、Podszun刊 Jörg Hajt著『Zechen und Hafenbahnen im Ruhrgebiet』に載っている在籍リストをベースに
http://www.rangierdiesel.de/・http://www.loks-aus-kiel.de/等の情報を適宜書き込みながら使っております。

投稿: いたるばす | 2012年8月12日 (日) 03:59

いたるばすさん
情報ありがとうございます

補足事項として、記事中でコークスと記載している黒灰色の塊ですが、私はあくまでも外観のみから判断していますので、別物である可能性もゼロではありません。あらかじめご了承ください。


ところで、この記事の場所二箇所はいずれも交通量がそれなりに多く、長時間クルマを停めるのは難しそうな印象を持ちましたが、いたるばすさんはどのような手段で訪問されましたか?
参考までに教えてください。

投稿: 社長 | 2012年8月16日 (木) 08:36

社長様、残念ながら私は彼の地を訪ねたことがありません。
ご希望に副えず申し訳ありません。

▼Duisburg-Bruckhausen地区にあるHamborn高炉用鉱石取り下ろし施設(の集塵機)が、こちらで紹介されています。
http://www.thyssenkrupp.com/en/publikationen/magazine.html#thyssenkrupp_techforum
『ThyssenKrupp techforum 2011』(PDFファイル)の44~47ページをご覧ください。

投稿: いたるばす | 2012年8月17日 (金) 18:49

いたるばすさん
こんばんは
ご紹介のリンク先が開けず、ご返信遅くなりました。2ヶ月前に購入したモバイルPCからは問題なく開けました。ありがとうございます。
たしかに高炉用の設備が紹介されていますね。興味深く読みました。

TKSは、私の見つけた2箇所以外にもまだ見える場所があるらしく、
今年になってから撮影された写真も徐々に見つかっています。
ご訪問手段をお伺いしたのは、それらの場所へのアクセス手段をご存知ないかと考えたためです。

投稿: 社長 | 2012年9月28日 (金) 00:05

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