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2012年9月

2012年9月29日 (土)

ドイツの産業鉄道 Deutsche Werkbahnen - Inhalt -

Tks

■ティッセンクルップ製鉄所の鉄道

 ・溶銑輸送
 ・原料輸送
 ・Zweikraftlok - 電気・ディーゼル両用機関車 -
 ・スラグ輸送
 ・冷延コイル輸送とヤード
 ・熱延コイル輸送
 ・その他のヤード

Hkm

■HKM製鉄所の鉄道

 ・鋼片輸送
 ・炭酸カルシウム輸送
 

 ・鉄スクラップ輸送
 ・石炭輸送

Rwe

■電力会社RWE社の鉱山鉄道

 ・概要
 ・ハンバッハ線
 ・南北線
 ・EL1型、EL2000型電気機関車
 ・社線内専用ホッパー車
 ・フリンマースドルフのヤード
 ・鉱山の山元信号場

Raganthrazit

■RAG Anthrazit社の鉱山専用鉄道

 ・前編 - 路線概要 -
 ・後編 - 貨物列車とアルゲマイネ社製凸型電気機関車 -

|

2012年9月28日 (金)

【くろがね線を読み解く】第116回■戸畑構内

 高炉のある製鉄所は、一般的に24時間365日操業が基本である。理由はもちろん高炉の火が落ちないためだが、高炉から流れ出る溶銑や転炉から連続鋳造工場へ運ばれる溶鋼を長期間貯蔵することができないことも遠因と言える。では、高炉より下流にある工程がすべて24時間365日操業かといえば、そんなことはない。連鋳でスラブ・ブルーム・ビレットなどの鋼片に姿を変えたあとは、置き場所さえ確保できれば長期間の貯蔵が可能である。貯蔵した鋼片を圧延する際は、エネルギー効率は落ちるものの再加熱処理を行って延ばしやすくすれば良いだけである。したがって、熱延工場、冷延工場、厚板工場、鋼管工場、製品出荷用の設備(駅に連絡する専用鉄道や、船積み用岸壁など)は、よほど景気が良くない限り、必ずしも休日まで動かす必要はない。

D6242010
■ストリップ南本線?を走行して第一操車場へ向かうD624+熱塊カバー台車 2010年

 前述の通り、下流工程が日曜に動くことはないから、邪魔にならない範囲で、Y製鐵所敷地境界に設けられたフェンスの外側から眺められる場合がある。

 第一操車場から先、線路は大きく二つに分岐する。一方は、北上して高炉・転炉のある方向へ向かい、他方は圧延工場や連鋳の方へ向かっているようである。興味深いのは、第一操車場を発着する列車のほとんどは後者の線路を通るということである。

まだ八幡地区に製鋼工場があった頃は、戸畑→八幡間で溶銑輸送も行われていたから、高炉から直接第一操車場へ向かう貨車もあっただろう。しかし2010年現在くろがね線で輸送されているのは半製品だから、高炉・転炉と第一操車場の間で直接貨車をやり取りする必要は無い。八幡から到着した鉄スクラップは、一見直接転炉へ向かいそうな気もするのだが、どうも一時的に貯蔵する場所があるらしく、転炉のある方向の線路へは入っていかないようである。

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2012年9月25日 (火)

ドイツ・ティッセンクルップ製鉄所の鉄道(3)

 ティッセンクルップ製鉄所の構内鉄道は、2012年現在非電化ですが、かつてはかなりの区間が電化されていたようです。以前紹介した場所にも架線が張られ、凸型の電気機関車がトピードカーを牽引して走行していました。とはいえさすがに高炉や転炉の傍は電化することが出来ないため、非電化区間を走ることもできる Zweikraftlokomotive(ツヴァイクラフトロコモティフェ=電気・ディーゼル両用機関車)という特殊な機関車が使用されていました。当時の様子は、Youtubeで見ることが出来ます(クリックで別ウィンドウ起動)

Eh_no301
■Museumbahnsteig Gleis 5,  Oberhausen Bf.     27-4-2012

 当時使用されていた凸型機関車は、ドゥイスブルクの隣駅、オーバーハウゼン駅の構内で、スラグ鍋車・トピードカーと共に静態保存されています。使用しなくなった5番線ホームを「博物館鉄道ホーム」と称し、

Eh_no302
■Zweikraftlokomotiven  EH159

副本線に展示した保存車両をホームから見学できるようになっています。カラーリング・形態共に現役時代ほぼそのままです。こういったゲテモノ産業車両を、インターシティも停車するようなターミナル駅の中に保存してしまうあたりが、ドイツですね。

Eh_no303 Eh_no304

左がディーゼルエンジン搭載側、右が集電装置・電気機器搭載側のボンネット。電化区間は架線集電で走行し、非電化区間はディーゼルエンジンで走行します。非電化区間から電化区間へ入る際は走りながら集電装置を上げていましたので、架線集電可能な電気式ディーゼル機関車と形容した方が分かりやすいかもしれません。

Eh_no306 Eh_no307

EH159(Eisenbahn und Häfen Nr.159)は、1970年ユング・ユンゲンタル社製の80t機で、製造番号は14117。このメーカーは、19世紀から Feldbahn(ナローゲージ)向けの機関車を製造していたようですが、1970年代中頃に機関車製造から撤退してしまいました。したがってこの車両はかなり末期の製品ということになります。

車軸配置はBBで、軸重は20t。日本国内の製鉄所の機関車と比べるとなかなかの重量級ですが、2012年現在、ドイツの鉱山鉄道には自重140tのBB機(軸重35t!)も健在ですし、ドイツ鉄道ICEの機関車401形でも自重80tのBB機(軸重20t)ですから、驚くようなスペックではなく、むしろ標準的といえます。

Eh_no305
■Torpedopfannenwagen                  Oberhausen Bf.   27-4-2012

反対側からはトピードカーが見らます。現役の車両を見られる場所があるのに、わざわざ駅の保存車を見る必要があるのかという声が聞こえてきそうですが(笑)、それは鉄道マニア視点の話。子供達を危険な目にあわせるわけにはいかないので、これはこれで社会科見学の教材として役立っているのではないかと思われます。

 さて、電気・ディーゼル両用の凸型機関車はもうすべて廃車になったのでしょうか。実は、ディーゼル機関車に改造された仲間がまだ現役で活躍中です。

Eh_no311
■Diesellok  EH171 (Geänderte)

その機関車は、製鋼工場付近でよく見かけます。この日は、転炉に投入する鉄スクラップを輸送する貨車の入換に使用されていました。

Eh_no312 Eh_no313

Nr.171は、ボンネットが大改造され、前後非対称の歪な形になっています。おそらくエンジンを載せ替えているのでしょう。ボンネット上の集電装置は撤去され、台座のみが残っています。

Eh_no314

電気機器を撤去したためか、Gew(=Gewicht、自重)は若干減って78.7tになりました。Gewの上のUnt(=Untersuchung、検査)は全般検査日付を表し、右にある四角で囲ってある部分の日付が、次回検査予定です。したがってこの機関車は、2004年12月5日に検査を受け、次回が2012年(つまり今年)の12月5日ということになります。無事検査を通れば、来年も活躍する姿が見られるかもしれませんが、どうなるでしょうか。

Eh_no315_2

鉄スクラップを輸送する貨車。そして最も興味深いのは、

Eh_no316

機関車とスクラップ用貨車の間に連結された、控車とも言うべきこの車両。

用途は……見ればすぐにお分かりでしょうか?

この控車、機関車側はねじ式連結器+バッファーですが、スクラップ用貨車側は自動連結器を備えているのです。つまり、異種連結器間のアダプターとして使用されているわけです。浮き上がりを防ぐため、台枠上に死重を積んでいます。

最初にこの車両を見たときには、機関車と控車がケーブル接続されているため、ケーブルはBPの引き通しで、控車はブレーキ用の台車なのかとも考えました。しかし、控車の車輪周りを見てもブレーキシューが見当たらないため、その可能性は低そうです。ではケーブルは何のためにあるのかという疑問が当然わくわけですが…?

ここからは推測になりますが、控車に引き通されたケーブルは、控車の自動連結器を機関車から遠隔制御するためのもの(ナックルを圧縮空気で動かすための空気管)ではないでしょうか。

Eh_no317

通常、このNr.171を含む入換用機関車は上のようなオートカプラーを装備しています。ここに控車を連結すると、控車を自動解放することはできますが、控車を連結したままその先に繋がった目的の貨車だけを遠隔制御で切り離すことが出来ません。ケーブルの引き通しは控車の自連の遠隔制御用ではないかと思われますが、どうでしょうか。

(つづく)

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2012年9月23日 (日)

★380000アクセス突破★休日の西金工臨

 毎回、時事ネタ・地元ネタを展開しているアクセス突破シリーズ。今回は、近所で撮影した列車の中から、西金工臨を紹介します。

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■西金工臨新小岩行  お召し指定機EF81 81+ホキ800 6連      2011年7月9日

水郡線や常磐線交流区間まで出かける時間は無いものの、走る時刻は分かっているので、走れば近所で撮る、という感じです。バラスト輸送区間は、水郡線西金から水戸を経由し常磐線・新金線経由で新小岩まで。この列車を「水戸工臨」と呼ぶ人がいますが、工臨は積み地または揚げ地の名称で呼ばないと何のことやらさっぱり分かりません。

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■西金工臨西金行  EF81 97+ホキ800 6連    2009年10月25日

首都圏では、バラストをトラックで搬入している保線基地も少なくありません。したがって、ホキ800で輸送する地域は限られます。近場では、金町の保線基地はホキで搬入ですね。

そういえばここ1年以上撮っていないので分かりませんが、近頃はもうこの列車の牽引機はEF510形500番台に置き換えられてしまったのでしょうか。

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2012年9月21日 (金)

【くろがね線を読み解く】第115回■2011年末のある編成

Kurogane_edamitsu
■戸畑へ戻る貨物列車      2011年12月30日 12:33  宮田山より俯瞰

 八幡地区のすべての工場が操業を停止しない限り、24時間365日動き続けているのがくろがね線。2011年12月30日は、年末にもかかわらず、およそ2時間おきに運転されていた。記憶が正しければ、この写真は帰省ついでに立ち寄った際の記録と思われる。

「くろがね線 ダイヤ」などのキーワードでネット検索して弊ブログへ飛んでくる閲覧者が後を絶たないため、あらためて申し上げておくが、くろがね線に固定された運行ダイヤは存在しない。ただし、運行されていることの多い時間帯というのは確かに存在する。詳しくは、鉄道ピクトリアル2011年3月号掲載記事にて言及があるので、参照されたい。

【注意】

 近頃は、ネット上にくろがね線の撮影記をアップロードしているブログやホームページが徐々に増えているようである。興味深い報告が多く、大半は読んでいて楽しいものばかりだ。しかしながら、一部には「1時間おきに運転されているというから来てみたが、列車がまったく来ない。ガセネタを書くな」という類のリアクションも無いわけではないようである(笑)

一度申し上げておきたかったのだが、上のようなメンタリティを持った人間は、正直、専用線探訪には向かないと思う。すぐにこの趣味から撤退した方が身のためだし、気分を害さずに済むだろう。ネットを5分10分検索しただけで分かったつもりになり、手っ取り早く写真だけ撮ってやろうというタイプの人間には、くろがね線訪問はお勧めしない。自分の五感をフルに活用して情報収集・分析・行動をしなければ、時間ばかり浪費し、得るものはほとんど無いのだから。

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2012年9月20日 (木)

【くろがね線を読み解く】第114回■トンネルポータルのマルエス

 鉄鋼メーカーN社Y製鐵所専用鉄道くろがね線には、途中に全長1.18kmの宮田山トンネルがある。

Miyatayamaedamitsu1
■宮田山トンネルの八幡側入口

このトンネルの入口(トンネルポータル)は、戸畑側・八幡側でそれぞれ異なるタイプの優雅な意匠が施され、いまなお官製製鐵所の風格が漂っている。八幡側の入口はJR鹿児島本線枝光駅から徒歩5~6分の場所にある。

Miyatayamaedamitsu2 Marus_fujis
■トンネルポータルに残る旧社紋マルエス(左)と、現在の機関車に見られる社紋(右)

坑口の上方左右に1個ずつ、石造りの八幡製鐵の社紋が取り付けられている。丸の中にアルファベットのSを配したマーク「マルエス」は、富士製鉄との合併後に現在の社紋に変更されており、機関車に取り付けられていたマルエスもすべて新しいものに交換されてしまった。しかしながら、トンネルをはじめとする地上設備には、このようにまだ旧社紋マルエスがそのまま残っているケースがあり、注目に値する。

 2012年10月には、鉄鋼メーカーN社とS社が合併し、社紋も新しいものに変更されることが既に決まっている。現在の社紋を記録するなら、いまのうちであろう。

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2012年9月19日 (水)

【くろがね線を読み解く】第113回■ATS地上子

Atsground1

 くろがね線には、打子式ではないATS地上子も設置されている。形態は、国鉄で広く採用されていたタイプである。

Atsground2

くろがね線で運行されている列車は、通常85ED-1形電気機関車が牽引している。このATS地上子は、85ED形が使用していると思われる。

いっぽう、Y製鐵所内の発送電設備点検により、架線への送電が停止される場合は、電気機関車を使用することができないため、85ED形ではなく70DD形や60DD形、45DD形などのディーゼル機関車が使用される。このうち、60DD形と45DD形は構内専用機関車のため、このタイプの地上子に対応したATS車上子を装備していない可能性が高い。このため、以前紹介した打子式も併用されていると思われる。

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2012年9月16日 (日)

★JR東日本★郡山工場のスイッチャー

 JR東日本の在来線車両の全般検査を実施している工場は、5箇所あります。

各工場で全検の対象となる車両は、概ね周辺の支社管内の路線で運用されている車両が中心ですが、郡山ではこれに加え、交直両用電車と気動車の検査を担当しています。

Koriyama00
■郡山工場で検査を終えて木更津へ配給されるキハ38   2009年10月28日

このため、検査時には常磐線用415系や久留里線用キハ30など東北本線とは縁遠い車両が東北本線を配給される(自走含む)シーンが見られます。

 さて、いずれの拠点も、検査中で自走できない車両を入れ換えるため、入換用機関車が配置されています。工場公開の機会を利用すると、休日でも入換の様子を見ることが出来ます。

Koriyama01

 2012年の工場公開は、8月25日に行われました。来場者を輸送するため、郡山駅と郡山総合車両センターの間でキハ110系による臨時列車も運行されました。

Koriyama02

郡山工場の動車庫は、北側の踏切から遠望できます。動車庫内にはスイッチャーが2両納められており、

Koriyama03
■入換用スイッチャー(右)と控車(左)。控車は自動連結器を装備。

工場に入ると南側からも確認することが出来ました。このスイッチャーは、一つ上の写真に映っているスイッチャーとは別物(L2-3号)です。動車庫の外には控車の姿も見えます。

Koriyama04

工場公開が15:30で終了すると、すぐに北側のスイッチャー(L2-2号)が外に出てきました。

Koriyama05

動車庫の隣の線路へ向かいます。動車庫内にもう1両のスイッチャー(L2-3号)の姿も見えます。

Koriyama06

スイッチャーは先程外に留置されていた控車を連結し、

Koriyama07

キハ48みのりを引き出すと、

Koriyama08

別の線路に押し込みます。

Koriyama08a

控車は高さ調整可能な自動連結器を備えています。台枠上に黄色い器具がありますが、これがこのあと大活躍することになります。

Koriyama09

奥に向かったスイッチャー+控車+みのりは、

Koriyama10

検修庫脇の線路に留置されていたクハ718とニューなのはなクロ485を連結して再び出場してきました。冒頭で紹介した、郡山駅と工場を連絡していたキハ110系気動車による臨時列車が検修庫を発着場として使用していたため、この3両は一時的に外にどかされていたようで、空になった検修庫にまとめて押し込まれました。

Koriyama11

留置車両を切り離して出場してきた控車の連結部を見ると…自動連結器が密着連結器に変わっていました。正確には、先程の黄色い器具で密連型の中間連結器を上から吊っています。自動連結器の連結面は上下方向に動ける構造ですから、上から吊らないと固定することが出来ません。

Koriyama12

入換掛は、手摺ではなく黄色い器具を握っています。

Koriyama13 Koriyama14
■郡山工場のスイッチャー L2-2 の公式側(左)と非公式側(右) 

 何度かの入換で、スイッチャーの両側を見ることが出来ました。銘板の脇に記された機械番号は06-28-01-002です。L2-2号の「2」の由来が機械番号の下3桁なのは、他の車両工場と同じですね。昭和45年協三工業製の20t機で、寒冷地仕様のため屋上のホイッスルはカバー付です。一見平凡なスイッチャーに見えますが、よく見るとキャブの前面窓が小さい旧タイプです。2012年現在日本全国で稼動している同型機すべてを自分の写真で確認しましたが、ほとんどは昭和45年以降に製造された前面窓の大きい車両でした。製造時期も含めての真の同型機(車体が同一の車両)と言えるのは、新湊線高岡貨物駅連絡の荻布倉庫専用線の予備機(2008年頃までメインで使用されていた20t機)のみです。

Koriyama23

 入換の観察に戻ります。工場内で展示するため架線の無い線路に留置されていた車両が、相次いで引き出され架線下に移動されます。485系ジパングにつづき、

Koriyama31

次のターゲットは、

Koriyama32

E655系なごみです。

Koriyama33
■イベント展示のため、中間のTR車はオミットされて5両編成。

なごみは、イベント終了後大宮方面へ自力回送されるため、工場入出庫線へ引き出されました。

Koriyama34

工場内のほとんどの線路は電化されているため、ふだん郡山駅まで自力回送された電車が工場を出入りする際は自力走行と思われます。このようにスイッチャーに牽引されて入出場するのは珍しいのではないでしょうか。

Koriyama35

なごみとスイッチャーのツーショット。

Koriyama41

スイッチャーと控車の間のブレーキホースは連結されていません。このため、控車はブレーキ用台車としても機能しておらず、異種連結器に対応する目的のみに使用されていることがわかります。

Koriyama42

控車は、元国鉄ヒ600形ですが、車体は撤去されてしまいました。

Koriyama43

最後に引き出されたのはE657系。スーパーひたち用651系の置き換えのために新製された車両で、郡山工場に入線するのは今回が初めてとのことです。来年からは検査入場があるとのことでした。

Koriyama15 Koriyama44

俯瞰してみると、サイドビューでは気づかない部分が見えてきますね。控車の自動連結器+中間連結器+E657系の密着連結器と順番に繋がっている様子もよく見えます。

Koriyama45

この車両もE655系同様に自力回送で他所へ行ってしまうのかと思いましたが…

Koriyama46

再び工場内の別の線路へ押し込まれてしまいました。切り離したスイッチャーは、動車庫脇に控車を放置すると、動車庫内へと戻っていきました。最後は土砂降りの雨になってしまいましたが、念願のスイッチャーを存分に撮影することが出来ました。

 ところで、今回の工場公開で気になったのはやはり来場者数の少なさですね。特に、親子連れが非常に少ないのが印象的でした。やはり、除染をきちんとしているのかどうかも定かではありませんし、工場内の放射線量がオープンになっていないので敬遠されたのではないでしょうか。かといって、あまり人が集まりすぎても受け入れ側の負担が増えますから、積極的に公表する理由も無いのかもしれませんが。イベントそのものは来年以降も毎年開催されると思いますが、今後の推移を見守りたいと思います。

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2012年9月14日 (金)

★375000アクセス突破★ドイツ連邦軍 機材輸送列車

 2012年のゴールデンウィーク、1日1往復しか運行されないという RAG Anthrazit の鉱山専用鉄道を無事撮影し、あとは日没までドイツ鉄道の貨物列車でも撮って帰ろうかと思っていた矢先、その列車はやってきました。

Dbag_army01
■ドイツ軍の装甲車を輸送する貨物列車                 30-4-2012,  Ibbenbüren Esch - Ibbenbüren

 牽引するのはRailion所属のBR185 210-2(185形電気機関車210号機)で、チキのような長物車に装甲車を載せています。日本国内ですら自衛隊の機材輸送列車を一度も撮影したことがありませんが、こういうのは運ですね。

Dbag_army02

壮観です。

Dbag_army04_2

よく見ると、編成のちょうど真ん中あたりに乗せられた8台の車両は、他の車両とは形態が異なっています。あいにく軍事関係の知識を持ち合わせていないため、「違う」ということしか分かりません(苦笑)

Dbag_army03

最後尾には、保安要員を乗せるための控車として客車が1両連結されています。屋根の形状から判断して、急行用2等車Bm235あたりからの改造車と思われますが、詳細は不明です。通過時にディーゼルエンジンの音が聞こえましたが、おそらく発電用エンジンを搭載していると思われます。外部との通信やエアコンなどを動かすためには電源が必要です。通常、欧州の客車の補助電源は機関車から供給されますが、機関車と最後尾の控車の間に貨車を連結しているため電源を引きとおすことができないための装備と思われます。


より大きな地図で ドイツ連邦軍用列車 を表示

この列車の走っていた路線は幹線ではありませんが、オランダ・アムステルダムとドイツ・ハノーファー-ベルリンを結ぶ重要ルートです。

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2012年9月13日 (木)

【くろがね線を読み解く】第112回■八幡構内の機材輸送

D616_strol
■D616に輸送される圧延ロール             2009年6月10日

 Y製鐵所の構内で輸送されているのは、くろがね線からやってくる半製品ばかりではない。

写真は、八幡の工場から第二操車場へ移送される圧延ロールである。おそらく、八幡構内にある冷延工場・ステンレス工場で熱延コイルやスラブを圧延するために使用されているロールを、くろがね線を経由して戸畑で検査・修理するために移送されているものと思われる。

撮影当時はその正体に自信が持てなかったため、工場の設備に関する余計な情報を暴露するのは控えた方が良いとの判断で公開を自粛していた。その後、とある製鉄所の方とお話しする機会があったので試しに聞いてみたが、このロール自体にはたいした秘密も無いこと、また既に鉄道雑誌において、この圧延ロール積載貨車を敷地外から撮影した写真が記事に採用されていることを教えていただいた。したがって、弊ブログでも公開に差し支えはないと判断した次第である。

私の手元には、正体がよく分からず公開を控えているものがいくつもあるが、問題がないと確認が取れた物に関しては、今後公開することもあるかもしれない。

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2012年9月 8日 (土)

★安中T社専用側線★新型スイッチャーDB301によるタキ入換

 本日2012年9月8日、いよいよ非鉄金属メーカーT社 安中精錬所の焙焼炉に火入れが行われます。焙焼炉とは、亜鉛精鉱から酸化亜鉛を生成するために必要な釜のことです。T社は福島県の小名浜精錬所にも大型の炉を保有しており、亜鉛精鉱の多くは小名浜で酸化亜鉛(亜鉛焼鉱)となり、タキ車で安中へ輸送されていますが、一部は亜鉛精鉱のままトキ車で安中に輸送され、安中の炉で処理されています。

 2012年7月12日から9月5日までの間、T社は安中精錬所の操業を停止していました。これは、2012年4月1日より東京電力の企業向け電気料金が値上げされたためです。焙焼の後工程となる硫酸亜鉛の電気分解には、生成亜鉛1トン当たり換算で3000kWhともいわれる大電力が必要ですが、割高な電気料金を払いながら操業を続ければ、収益に悪影響を及ぼすのは必至です。このため、夏期限定で操業を停止するに至ったわけです。

 亜鉛焼鉱・亜鉛精鉱を輸送する小名浜(宮下)発安中行きの貨物列車(通称:安中貨物)は、9月6日に運転を再開していますが、安中駅到着後の入換は、日没時刻の関係で夏至の前後の時季にしか撮影できないため、今回は操業停止直前の2012年6月17日に撮影した入換の様子を紹介します。

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■亜鉛精鉱荷役設備兼動車庫を出るDB301  17:08

 この日は日曜日のため、亜鉛精鉱輸送用の無蓋車(トキ25000形)の入換はありません。このため、入換用スイッチャーDB301は亜鉛精鉱荷役用の建屋に格納されていました。17時を過ぎると、入換の準備のために外へ出てきます。

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DB301は、以前の記事 で紹介したとおり、2010年新潟トランシス製の30t機です。とある産業機械専門の商社の方に伺ったところ、新潟トランシスの銘板を付けてはいるものの、実際に製作したのは別メーカーとのことです。たしかにキャブやボンネット(ラジエーター)の形状は、ある保線車両メーカーのそれと酷似しています。その方には、同じく新潟トランシスの銘板をつけている新芝浦の重電メーカーT社のスイッチャーの写真も見せていただきましたが、こちらも実際には別メーカーが製作しています。

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17:40発横川行き149Mをやり過ごします。高崎からこの列車に乗って安中へ来れば、入換には間に合います。

107系電車もそろそろ置き換えの時期が近づいていますね。日光線用の0番台については、抑速ブレーキ・トイレ取付改造を施された205系によって置き換えられることが既に決まっています。(本件、半年以上前にとある関係者から聞いていましたが、正式発表されていたかどうかはうろ覚えです…)

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■安中駅に到着する5781列車と、それを迎えるDB301      17:36

17時半を過ぎると、EF510-509牽引の安中行き貨物列車が到着します。

2012年現在、安中駅の入換は、スイッチャーの運転から推進運転時の誘導、分岐器の切替に至るまで、ジェイアール貨物・北関東ロジスティクスが全面的に担当しており、T社の関連会社である安中運輸は関与していません。DB301の車体表記が、先代DD352のように「安中運輸」ではなくT社になっているのも、安中運輸が貨車入換作業から撤退し、スイッチャーの所有者が切り替えられたためです。

このスイッチャーDB301は、交友社『鉄道ファン』誌の連載にも紹介されていますが、車体表記がDD352と同じ安中運輸ではなく、T社になっている理由については、まったく言及されていませんね。まぁ、取材していないのでしょう。

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■EF510-509カシオペア色とDB301のツーショット             17:39

カシオペア塗装の機関車との並び。

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JRの機関車が機回ししている間に、スイッチャーがタキ車を受け取りに行きます。

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さて、このスイッチャー最大の問題は、上の写真の通り、運転士の座席が車体の中央に配置されていることです。ふつう入換用機関車は、運転台がキャブ中央に横向きに配置され、座席が車体側部寄りに前位側を左手に見て着席するように設けられるのが定石です。ところがこのスイッチャーの配置では、キャブのど真ん中に着席した運転士はボンネットが邪魔になり連結部を見ることが出来ません。

実は、このスイッチャーが導入された当初、運転士や入換担当の方に感想を伺ったことがありますが、前方視認性についてあまり良い評判は聞きませんでした。注文時に「前が見にくくなるから、座席を真ん中にはしないでください」なんてわざわざ言わないですよね、ふつう。ジェイアール貨物・北関東ロジスティクスの方も、機関車メーカーが製作した(プロ中のプロが設計した筈の)車両が、まさかこんなものに仕上がってくるとは、予想もしなかったでしょうね。

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2両ずつ切り離すのは、日車25t機の入換 と同じです。

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■タキ1200形2両を切り離し、専用側線へと引き込む     17:42

タキ1200形で揃った編成も、2012年9月の運転再開後は珍しくなくなりましたが、この写真を撮影した6月時点では稀でした。

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2両をヤマへ推進し、

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■押し込んだタキを奥で荷役中に単機で駅へ戻るDB301 17:53

荷役中に単機で駅へと戻ってきます。

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■3~4両目のタキを再び押し込む               17:57

また2両押し上げ、単機で戻り。これを合計3回繰り返すと、

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■荷役設備から駅への引き出しは6両まとめて行う       18;27

荷役終了したタキ車6両をまとめて駅へと引き出します。

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タキ車を貨車留置線へ押し込むDB301。微妙ですがS字カーブになっています。

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空車の推進はスピード感溢れ手際よく進みます。

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すべて押し込むと、

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単機で引き上げ、

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■残り6両のうちの2両を荷役設備へ推進するDB301      18:34

再び2両ずつヤマへ。

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■2両荷役中に単機で次の2両を引き取りにくるルーチン   18:42

駅ホームから流し撮り。

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また2両を引き出します。おっと、この日の最後尾2両はタキ15600形でした。

【参考】

  • 日刊産業新聞 2012年4月6日版
  • 上毛新聞 2012年9月7日版
  • 増子昇、高橋正雄「電解百話」、『ソーダと塩素』、2007年

●2012年9月29日追記

 2012年9月6日に運行再開しておよそ一ヶ月が経過しました。ここで、運行状況を振り返ってみようと思います。SNSでお世話になっている「スーパーゆうづる2号」さんの記録データを参照させていただきます。

日付 曜日 牽引機 タキ車 トキ車
2012/9/1 運休
2012/9/2 運休
2012/9/3 運休
2012/9/4 運休
2012/9/5 運休
2012/9/6 EF510-513   12両 6両
2012/9/7 EF510-515    9両
2012/9/8 EF510-502   12両
2012/9/9 EF510-510   12両
2012/9/10 EF510-513   14両 #2
2012/9/11 EF510-515   12両 6両
2012/9/12 EF510-502   12両 1両
2012/9/13 EF510-501   12両
2012/9/14 EF510-503   12両
2012/9/15 EF510-509   12両
2012/9/16 EF510-511   12両
2012/9/17 EF510-513   14両 #2
2012/9/18 EF510-512   12両 1両
2012/9/19 EF510-514   12両 5両
2012/9/20 EF510-510   12両 5両
2012/9/21 EF510-513   12両 #2
2012/9/22 EF510-512   12両
2012/9/23 EF510-514   12両
2012/9/24 EF510-501   12両 #1 5両
2012/9/25 EF510-504   12両 6両
2012/9/26 EF510-509   12両 #2 5両
2012/9/27 EF510-505   12両
2012/9/28 EF510-501   12両 #2
2012/9/29 EF510-504   12両

※タキ車は、特記のない限りタキ1200形です。ピンク色に着色した日は、所定でトキ車が連結されない休日です。

 #1  … タキ15600形×1両を含む

 #2  … タキ15600形×2両を含む

こうやって観察してみると、運行再開からトキ車がまともに連結されるようになるまでには、さらに10日以上を要していることが分かります。焙焼炉に火入れをしても、すぐには本格操業に至っていない様子が見て取れます。

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2012年9月 5日 (水)

★370000アクセス突破★阪神電鉄武庫川信号場の入換

 大手私鉄の中にも、中小私鉄のようなローカル色漂う、味わいのある支線があるものです。阪神電鉄武庫川線は、武庫川駅と武庫川団地前駅を武庫川右岸に沿って結ぶ全長およそ1.7kmの路線で、この路線用に改造された車両(7861・7961形電車および7880・7980形電車)が専用で使用されています。これらの車両は、2009年3月の近鉄との相互乗り入れ開始に前後して、連結器を近鉄と同じ柴田式密着連結器に交換してしまった本線用車両とは異なり、いまだに阪神オリジナルのヴァン・ドーン式密着連結器を備えているのが大きな特徴です。

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■左がヴァン・ドーン式密連、右が柴田式密連 2012年8月15日、尼崎

 左が武庫川線用の7861形電車、右が本線用の5131形電車です。このように並ぶと、密着連結器の形と高さが異なるのがよく分かると思います。通常、日本の普通鉄道の車両の連結器中心の高さはレール面から880mmですが、武庫川線用7861形のそれは235mm低く、645mmの高さに付いています。

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日本国内で一般的な密連(柴田式密着連結器)では、空気の引き通し管(BP・MRP)は連結器本体の上下にありますが、ヴァン・ドーン式の場合は上のように連結器頭部(Guide block)の根元に付いているのが特徴です。

ヴァン・ドーン式密着連結器は、米国のVan Dorn Coupler Co.が考案した製品で、日本国内で2012年現在でも採用しているのは阪神電鉄だけです。阪神電鉄は、1921年11月より急行運転を実施するのにあわせて登場した301形電車で、はじめて総括制御による2両連結運転を開始しましたが、この301形に採用されたのがヴァン・ドーン式密着連結器なのです(301形は、のちにトムリンソン式に変更されています)。

1968年4月、密着自動連結器を備える山陽電鉄との間で、神戸高速鉄道を介して相互乗り入れを実施することになりましたが、これ以降は車両や駅に偏差カプラと呼ばれる中間連結器を常備することで、異種連結器の混在に対応しています。

●尼崎車庫から武庫川駅への送り込み回送と武庫川信号場入換

 武庫川線で運用されている編成は、平日・休日とも朝夕のラッシュ時が2本、早朝・日中・深夜は1本です。使用しない編成の留置場所は、武庫川駅構内の本線との交差部です。

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夜間にこの場所で滞泊した編成は、翌朝始発から運用に入り、ラッシュ時間帯が過ぎるとまたこの場所で夕方まで待機します。いっぽう、日中に常時運行している編成は、朝7時過ぎに尼崎の車庫から送り込み回送され、武庫川信号場で本線から連絡線へと進入し、武庫川線の武庫川駅へと入線します。

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■尼崎から甲子園に向かう送り込み回送列車  2012年8月15日、武庫川

武庫川駅への回送列車が尼崎駅を発車するのは、土休日の場合7:15頃です(平日は40分ほど繰り上がりますのでご注意ください)。この日は7890-7990形電車の2両編成でした。武庫川信号場では、連絡線は上り本線から分岐しますが、2012年現在下り本線とのあいだに渡り線が無いため、尼崎からの回送列車は一旦甲子園まで行き、三宮側のY線を利用して折り返し、武庫川信号場へと戻ってきます。

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甲子園から戻ってきた回送列車は、武庫川信号場で一旦停止し、

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連絡線へと進入します。

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本線の武庫川駅は武庫川に架かる橋梁の上にありますが、武庫川線の駅は地上にあるため、本線と分岐した連絡線は途中で急激に高度を下げていきます。

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私鉄らしい急曲線を通過します。この部分の曲線半径は、一体何メートルなのでしょうか。

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物凄い軋み音をたてながら、北側の引き上げ線へと向かいます。

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引き上げ線のさらに北側には、以前は国鉄西宮駅へ連絡する専用側線があり、蒸気機関車が貨車を牽引して走っていたようです。専用側線は、この場所より南側では三線軌条によって武庫川線と線路を共用し、洲先にある軍需工場へと向かっていました。このあたりの詳しい話については、かつて編集長敬白でも何度か特集されていますので、興味のある方はそちらをどうぞ。

■編集長敬白

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奥でスイッチバックするため、3分ほど停車します。

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武庫川駅へ入線します。入線するとすぐに営業列車として武庫川団地前に向けて発車していきます。

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■武庫川沿いの緑地帯に沿って走る武庫川線  2012年8月15日、武庫川-東鳴尾

武庫川線は全線単線で、かつ敷地境界に高いフェンスが設けられているため、撮影できる場所が限られます。

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武庫川駅と隣りの東鳴尾駅の間にある陸橋がよいでしょう。

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■尼崎発甲子園行き回送列車        2012年8月18日、武庫川

日を変えれば、片開きの扉を持つ7861形・7961形電車を撮ることもできます。

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■日中に運行している編成は、そのまま武庫川で夜間滞泊する模様   2012年8月18日、武庫川-東鳴尾

私鉄の電車といえば、車体は鋼製で、おデコは丸く、小型の分散型クーラーを数多く搭載し、パンタは編成端に設けられ(いわゆる前パン)、扉は片開き、というのが私の中での定番です。この条件に当てはまるポイントが多ければ多いほど、より私鉄らしいと感じられます。関東では、京浜急行1000形電車や、小田急電鉄5000形電車がこれに近く好印象でしたが、いずれも既に引退してしまいました。

【参考】

  • 石本祐吉「ヴァン・ドーン式密着連結器について」、日本機械学会年次大会公演論文集、2000年

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