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2012年9月16日 (日)

★JR東日本★郡山工場のスイッチャー

 JR東日本の在来線車両の全般検査を実施している工場は、5箇所あります。

各工場で全検の対象となる車両は、概ね周辺の支社管内の路線で運用されている車両が中心ですが、郡山ではこれに加え、交直両用電車と気動車の検査を担当しています。

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■郡山工場で検査を終えて木更津へ配給されるキハ38   2009年10月28日

このため、検査時には常磐線用415系や久留里線用キハ30など東北本線とは縁遠い車両が東北本線を配給される(自走含む)シーンが見られます。

 さて、いずれの拠点も、検査中で自走できない車両を入れ換えるため、入換用機関車が配置されています。工場公開の機会を利用すると、休日でも入換の様子を見ることが出来ます。

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 2012年の工場公開は、8月25日に行われました。来場者を輸送するため、郡山駅と郡山総合車両センターの間でキハ110系による臨時列車も運行されました。

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郡山工場の動車庫は、北側の踏切から遠望できます。動車庫内にはスイッチャーが2両納められており、

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■入換用スイッチャー(右)と控車(左)。控車は自動連結器を装備。

工場に入ると南側からも確認することが出来ました。このスイッチャーは、一つ上の写真に映っているスイッチャーとは別物(L2-3号)です。動車庫の外には控車の姿も見えます。

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工場公開が15:30で終了すると、すぐに北側のスイッチャー(L2-2号)が外に出てきました。

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動車庫の隣の線路へ向かいます。動車庫内にもう1両のスイッチャー(L2-3号)の姿も見えます。

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スイッチャーは先程外に留置されていた控車を連結し、

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キハ48みのりを引き出すと、

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別の線路に押し込みます。

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控車は高さ調整可能な自動連結器を備えています。台枠上に黄色い器具がありますが、これがこのあと大活躍することになります。

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奥に向かったスイッチャー+控車+みのりは、

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検修庫脇の線路に留置されていたクハ718とニューなのはなクロ485を連結して再び出場してきました。冒頭で紹介した、郡山駅と工場を連絡していたキハ110系気動車による臨時列車が検修庫を発着場として使用していたため、この3両は一時的に外にどかされていたようで、空になった検修庫にまとめて押し込まれました。

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留置車両を切り離して出場してきた控車の連結部を見ると…自動連結器が密着連結器に変わっていました。正確には、先程の黄色い器具で密連型の中間連結器を上から吊っています。自動連結器の連結面は上下方向に動ける構造ですから、上から吊らないと固定することが出来ません。

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入換掛は、手摺ではなく黄色い器具を握っています。

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■郡山工場のスイッチャー L2-2 の公式側(左)と非公式側(右) 

 何度かの入換で、スイッチャーの両側を見ることが出来ました。銘板の脇に記された機械番号は06-28-01-002です。L2-2号の「2」の由来が機械番号の下3桁なのは、他の車両工場と同じですね。昭和45年協三工業製の20t機で、寒冷地仕様のため屋上のホイッスルはカバー付です。一見平凡なスイッチャーに見えますが、よく見るとキャブの前面窓が小さい旧タイプです。2012年現在日本全国で稼動している同型機すべてを自分の写真で確認しましたが、ほとんどは昭和45年以降に製造された前面窓の大きい車両でした。製造時期も含めての真の同型機(車体が同一の車両)と言えるのは、新湊線高岡貨物駅連絡の荻布倉庫専用線の予備機(2008年頃までメインで使用されていた20t機)のみです。

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 入換の観察に戻ります。工場内で展示するため架線の無い線路に留置されていた車両が、相次いで引き出され架線下に移動されます。485系ジパングにつづき、

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次のターゲットは、

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E655系なごみです。

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■イベント展示のため、中間のTR車はオミットされて5両編成。

なごみは、イベント終了後大宮方面へ自力回送されるため、工場入出庫線へ引き出されました。

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工場内のほとんどの線路は電化されているため、ふだん郡山駅まで自力回送された電車が工場を出入りする際は自力走行と思われます。このようにスイッチャーに牽引されて入出場するのは珍しいのではないでしょうか。

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なごみとスイッチャーのツーショット。

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スイッチャーと控車の間のブレーキホースは連結されていません。このため、控車はブレーキ用台車としても機能しておらず、異種連結器に対応する目的のみに使用されていることがわかります。

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控車は、元国鉄ヒ600形ですが、車体は撤去されてしまいました。

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最後に引き出されたのはE657系。スーパーひたち用651系の置き換えのために新製された車両で、郡山工場に入線するのは今回が初めてとのことです。来年からは検査入場があるとのことでした。

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俯瞰してみると、サイドビューでは気づかない部分が見えてきますね。控車の自動連結器+中間連結器+E657系の密着連結器と順番に繋がっている様子もよく見えます。

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この車両もE655系同様に自力回送で他所へ行ってしまうのかと思いましたが…

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再び工場内の別の線路へ押し込まれてしまいました。切り離したスイッチャーは、動車庫脇に控車を放置すると、動車庫内へと戻っていきました。最後は土砂降りの雨になってしまいましたが、念願のスイッチャーを存分に撮影することが出来ました。

 ところで、今回の工場公開で気になったのはやはり来場者数の少なさですね。特に、親子連れが非常に少ないのが印象的でした。やはり、除染をきちんとしているのかどうかも定かではありませんし、工場内の放射線量がオープンになっていないので敬遠されたのではないでしょうか。かといって、あまり人が集まりすぎても受け入れ側の負担が増えますから、積極的に公表する理由も無いのかもしれませんが。イベントそのものは来年以降も毎年開催されると思いますが、今後の推移を見守りたいと思います。

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 C.協三工業のスイッチャー」カテゴリの記事

コメント

こん××は
なぜE657がもう郡山に?と思いましたが、6月の人身事故で前面(常磐線ではいわき側=東北本線では上野側のため画像では確認できませんが)大破したE657の入場なんでしょうか。ちょうどE657甲種待ちの最中に前面が大破したE657 Sひたちが徐行して通過したことが記憶に新しいので......

投稿: はいしゃさん | 2012年9月18日 (火) 00:37

社長さん こちらでは、はじめまして。中継信号です。

控車の中間連結器の構造とてもよく分かりました。クレーンで中間連結器を吊り下げるタイプは見たことがあるのですが、手動の器具で吊り下げる物があるとは知りませんでした。僕は連結器が好きなので、この控車の模型がとても作りたくなりました。

少し気になることがあるのですが、車庫の中に入っているもう一台のスイッチャーは動くことはあるのでしょうか?よろしければ教えてください。

投稿: 中継信号 | 2012年9月18日 (火) 19:22

はいしゃさん、中継信号さん、こんばんは
コメントありがとうございます。

●はいしゃさん
写真のE657系はこのイベントの重要な展示車両の一つで、工場内では写真とは逆向きの先頭車側が展示されていました。したがって、特に大破もしておりませんので別編成ではないでしょうか。
車番を記録するのを忘れましたが、いわき側(郡山では上野側)の先頭車の連結器カバーにはK13と書いてありました。何か参考になるでしょうか。

●中継信号さん
連結器に興味がおありとは通ですね。
この記事を書く前に、鉄道ピクトリアルに連結器の話を連載していたIさんと一緒に飲む機会があり、郡山の一連の写真を見せて報告したのですが、中継信号さんと同じくとても興味を示されていました。Iさんの書いた連結器の本には、双頭連結器までは登場するのですが、本を書く前にこのタイプの連結器をもし知っていたら、是非載せておきたかった連結器だ、とも。
さて、もう1台のスイッチャーですが、画像2枚目のキハ110系臨時列車が運転された直後に入換の方に話を聞いてみましたが、スイッチャーは2台あり、普段は1台しか使用していない、もう1台は予備で、使っているほうが壊れたときか検査のときにしか使わない、という、ごくごく当たり前の回答がありました(苦笑)
何の参考にもならなくてすみません。

投稿: 社長 | 2012年9月22日 (土) 01:05

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