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2013年3月24日 (日)

【くろがね線を読み解く】第123回■製品倉庫からのレールチキ引出し

 JR黒崎駅は、JR東海浜松レールセンターに向けて東海道新幹線用のレールを発送している拠点である。JRの貨物列車の発駅は黒崎だが、実際にレールが積み込まれるのは、旧西八幡貨物駅に隣接する鉄鋼メーカーN社の製品倉庫である。倉庫と黒崎駅(西八幡)は専用鉄道で連絡され、レールを積んだ長物車の入換はY製鉄所のスイッチャーによって行われている。

東海道新幹線向けのレールはすべて長さ50メートルで、長さ25メートル以上200メートル未満の「長尺レール」に分類される。レールの長さが貨車1両の全長を超えるため、輸送にはJR貨物に車籍のあるチキ5500形3連が1セットで使用されている。レールを積んだチキが入換で西八幡のヤードへ押し出される場合、たいていは3連か6連である。170列車や8866列車にチキが9両連結されている場合があるが、私の見た限りではこういった編成の入換は二回に分けて行われ、レールを積んだチキ9連を一度に入れ換えることはめったにない(ただし空車9連の引き込みはある)。

黒崎駅常備のチキ5500形には、JR貨物(九州支社)保有のとび色(赤茶色)の車両のほか、日鐵運輸(2013年4月現在は日住金物流八幡)が保有する黄緑色の私有貨車がある。黄緑色の私有貨車は、当初西浜松行に限定使用されていたが、増備が進み国鉄時代に製造されたチキ5500形が少なくなると、運用上の区別はなくなった。

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 入換のある日は、製品倉庫の落書きワムの前でスイッチャーが待機していることが多い(ただし入換のためにY製鐵所内へ戻っていることもある)。2012年現在、JRの西浜松行の貨物列車の運行は曜日指定で、毎日運行されているわけではない。したがって専用鉄道の入換も毎日行われるわけではない。

入換のある曜日や時刻については、鉄道ピクトリアル2011年3月号の拙稿にて紹介しているので、興味のある方は当該誌をお買い求めいただきたい。

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この日はチキ6両編成を西八幡へ引き出すための入換が行われた。雑誌未掲載の補足事項を述べると、チキが3連の場合と6連の場合で入換時刻が異なるのが特徴で、当専用鉄道の撮影をより難しくしている一因といえる。時刻に2パターンあるのは、おそらく、6両にレールを積み込みむには3両の倍の時間がかかるためと思われる。雑誌には両方のパターンの入換時刻を記載しているので、早い方に合わせて行動していれば空振りは少なくなるだろう。

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しばらく倉庫のすぐ前で待機していたスイッチャーD442が動き出すと、

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レールを積載したチキ6連を牽いて出場した。雑誌の方は例によって白黒写真だが、カラーだとまた雰囲気が異なると思う。

この写真の場所は、もともと製鐵所内が外部から見えないように塀や木々で覆われていたのだが、国道3号黒崎バイパスを建設するためにそれらが撤去され、当時(2010年9月)はこのようにすっきり見えるようになっていた。もちろん道路建設のために更地になったわけだから、いずれは見えなくなる筈の場所である。2011年6月に訪問した際はもう橋脚が建っていたので、見えたのは2010年~2011年上半期のわずかな期間だったことになる。雑誌にこの写真を選んだのも、撮るならお早めにという善意からであったが、果たして役にたてられた方がいらしたかどうか…定かではない。

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チキを牽いて製品倉庫東ヤードまで引き上げると、スイッチバックして西八幡まで押し出す。

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この日の入換はこれにて終了。以前の記事にて、JR九州向け工臨チキの入換を紹介したが、今回JR貨物西浜松行チキの入換を紹介したことで、入換のパターンは一通り網羅したことになる。ポイントは、主に新幹線用となる50mレールは西八幡の製品倉庫で積むが、在来線向けの25mレールはY製鐵所八幡地区内にある工場で積んで持ってくるので、入換の手順が異なるという点に尽きるだろう。

●『The工臨』の不可解な記述

 コスミック出版という出版社から『The工臨! 全国主要工臨徹底ガイド』という本が出ている。本屋で立ち読みした限り、内容は日本全国で撮影された工事用臨時列車(レール輸送、バラスト輸送)の写真集といったところなのだが、どういうわけか工臨ではないはずの黒崎発西浜松行のレール輸送貨物列車に関して言及がある。しかも、西八幡の入換に関する記述が、弊ブログの過去記事(これこれこれ)をまとめたような内容なのだ。これには、正直呆れてしまった(苦笑) 工臨に限らずレール輸送全般に言及しているならまだしも、通常の工臨について運行曜日や運行時刻など列車の運用に関する詳述が全くないのに、工臨ではない列車のしかも西八幡の専用鉄道の入換だけやたら詳しいという(笑)、バランスが悪くまた不可解な内容になっている。

 もちろん、西八幡に関してはブログだけではなく雑誌でも発表させていただいたわけだが、この専用鉄道の記事が掲載された鉄道ピクトリアル2011年3月号の発売日は2011年1月21日であるのに対し、『The工臨』の発売日が直後の2月10日であるから、雑誌掲載の拙稿を参考にして当該記事が書かれた可能性はまずないといってよいだろう。情報源が弊ブログ記事以外にあるというのなら、ぜひご教示いただきたいものである。

 著作権の問題を持ち出すまでもなく、余所様が調べたことを参考にして何かを発表する際は参考文献・資料を文末に記載するのがセオリーであり、自分自身で見聞きしたり調べてもいないことを、さも自分が調査したように装っても、見る人が見ればバレバレなのである。他人のレポートを参考に書かれたものというのはすぐに分かるし、どれがオリジナルなのかもそれなりに見当がつくものである。

 5~10分ネットを検索すればある程度のことは手軽に見つかる今の世の中であるが、発表する側だけではなく読者も同じようにネットを検索できるという、ごくごく当たり前のことは頭に入れておいた方がよいだろう。ネットで調べたことを発表すれば、短期的には効率が良いかもしれないが、読者も同じ情報源に簡単にアクセスできるので、何を参考にしたのかはすぐにバレる。こうした行為は、長い目で見れば恥をかくだけなので、鉄道趣味を長く続けたい方にはお勧めしない。

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