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2013年4月 2日 (火)

【くろがね線を読み解く】第124回■黒崎-西八幡入換運転

 東海道新幹線向けのY製鐵所製のレールは、以前紹介したとおり西八幡の製品倉庫でチキ5500形に積みこまれる西八幡から、170列車の発駅となる黒崎までの間の入換はJRの電気機関車の担当で、北九州貨物ターミナルを朝出発する171列車が黒崎に到着してから、北九州タ行き170列車が発車するまでの間に行われる。

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■黒崎を出発する西八幡行きの小運転  2010年10月、黒崎-八幡

 171列車の黒崎着時刻はここ5~6年間ほとんど変わっておらず、9時前後である。しかし、黒崎を出発して西八幡へ向かう入換運転の時刻は2パターン存在することが確認できている。早発の場合は9:13頃、遅発の場合が9:27頃で、曜日や当日の列車の遅延とは全く関係ない。

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■西八幡から黒崎へ戻るEF81 403牽引チキ  2010年10月、八幡-黒崎

 西八幡の専用鉄道は、鹿児島本線貨物線の上り線にしか接続していないため、西八幡から黒崎への戻りはこのように上り線を下り方向へ逆走することになる。これが当入換運転最大の見どころである。

西八幡構内での入換作業には10分前後を要するから、当然黒崎への戻りの便も2パターン存在することになる。西八幡早発が9:24頃、遅発が9:44頃である。どちらの時刻で運転されるのかについては、JR貨物が製鐵所側と調整して決めていると思われる。なぜなら、西八幡のY製鐵所の入換作業は早いときで8時頃から始まっており、JRとの貨車の授受はあくまでもその合間の一作業に過ぎないからである。 

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■上り線を下り方向へ逆走するEF81 452牽引のチキ  2011年6月3日、八幡-黒崎

上のEF81 403号機、下のEF81 452号機いずれも同じ曜日の記録だが、曜日が同じでもこのようにチキの両数は必ずしも同じわけではない。また2枚の写真を比較すると分かるが、403号機のように黒崎への戻り便でも西八幡行きと同じように進行方向後ろ寄りのパンタを上げている場合と、452号機のように往復とも同じパンタ(鹿児島寄りのパンタ)を上げている場合がある。交流電化区間を走行する電気機関車は、進行方向後ろ寄りのパンタを上げて運行されることがほとんどだが(青函のED79を除く)、黒崎-西八幡間は入換運転なので、運転規則に縛られることはないのだろう。

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この日は、鹿児島寄りが日鐵運輸(当時)のチキ5500形3連、門司港寄りがJR貨物九州支社のチキ5500形3連であった。載っているレールもどことなく色が違う。

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黒崎に到着するとすぐに機回しが行われ、発車に備える。170列車の黒崎発車時刻はこれも5~6年間ほとんど変わっておらず、10:20前後である。ただし2013年3月改正で10:45とだいぶ遅くなったので、黒崎-西八幡間の時刻にも変化があるのかどうか気になるところである。

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JRチキ5500形の車体表記。後の合併で、日鐵運輸は「日鐵物流八幡」へと変わっているが、2012年10月1日の2大鉄鋼メーカーN社・S社の合併を受け、2013年4月1日付で物流子会社が統合されたため、いずれは「日鉄住金物流八幡」へと再び書き直されると思われる。

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170列車の車票。60Kレール28本が、西浜松からJR東海浜松レールセンターへ運ばれることがわかる。

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レールは西浜松行きばかりではなく、このように東京貨物ターミナル行きが混ざっている場合もある。荷受人名が「東京駅品川保線区」となっているが、稲沢から東へチキが継送される950列車の行先は川崎貨物。川貨から東がどうなっているかというと、配6794列車に継送されて東京タまで輸送されている。JR貨物のレール輸送というのは工臨のような「事業用列車」ではなく立派な「営業列車」なのだが、最後の最後で自社の配給列車に繋がってしまうあたりが面白い。

行先にはほかに、静岡貨物行きというのもある。いずれも到着後は保線基地へと運び込まれる。静岡貨物駅は東海道新幹線本線の南側に位置するが、いっぽう新幹線の保線基地は北側にある。静岡貨物に到着したチキは、西浜松以東を牽引してきたDE10形ディーゼル機関車によってそのまま新幹線本線を潜る地下連絡線を通り、北側にある保線基地へと運び込まれる。保線基地内は一部が3線軌条になっており、在来線の貨車も乗り入れることができるようになっている。

#手順については、静岡貨物駅見学時に当時の駅長に確認済。

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 最後に台車。左は民営化後に登場した私有貨車のチキ5500形のFT1-2台車、右は国鉄時代から使用されているチキ5500形のTR63F台車。台車そのものの性能だけ見れば、TR63Fは95km/h、FT1-2に至ってはコキ100系と同じく110km/hに対応する。しかし国鉄チキ5500形の場合、ブレーキシステムがコキ50000形のようなCL方式(三圧式制御弁、応荷重装置付)ではないため85km/h止まり、いっぽう私有貨車のチキ5500形はCL方式だがコキ100系のように電磁弁を備えておらず95km/h止まりである(2012年現在、諸元上は85km/hとされている)

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 西浜松・東京タに向けて黒崎を出発したレール輸送列車。170列車は北九州貨物ターミナルから8868列車に継送されることになっているが、実際にはそのまま幡生まで門司機関区の機関車が直通して牽引している。

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こちらは2009年9月某日の同列車。2012年3月のダイヤ改正以降、171/170列車の牽引機は所定ではEH500形となっており、残念ながらEF81形による入換はもうめったに見られなくなっている。

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コメント

「社長」様
はじめまして、私は鉄道友の会貨車部会会員で鉄道貨物を趣味としております。
このたび鉄道ピクトリアルから依頼され7月号に「現代の貨物列車」に関する一連の記事を書くことになりました。
そこで突然たいへんぶしつけなお願いで恐縮なのですが本ブログ掲載の写真から2点ほど転載をさせていただけませんでしょうか。
具体的には黒崎駅のチキ5500形6連、及び東京タ行車票を考えております。もちろんクレジットは明記いたします。
ご検討を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
**** 渡辺 一策 ****

投稿: 渡辺 一策 | 2013年4月 3日 (水) 16:09

渡辺一策様、はじめまして
コメントありがとうございます。原稿に絡むお誘いですね。
ぜひとも協力させていただきたいと思います。

実は、私も別件で原稿依頼を受けておりまして(貨物特集とは関係ないのですが)、
その写真もそろそろ納めなければなりませんので、
同じCD-Rに焼いて直接編集部へ送らせていただこうと思いますがいかがでしょうか。
ネットではご本人確認が難しい面がありますがこの方法でしたら問題ないのではと思います。
よろしくお願いします。
※編集部へは連絡済です。

#コメント最後の個人情報は削除させていただきました。

投稿: 社長 | 2013年4月 6日 (土) 21:45

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