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2013年5月 5日 (日)

★JR北海道★五稜郭車両所のスイッチャー

 JR五稜郭駅は、本州・北海道連絡の要となる駅です。両地域を通して運行されるすべての貨物列車がこの駅で機関車交換(ED79形orEH500形⇔DF200形)を実施しているほか、五稜郭貨物駅(2011年3月改正で函館貨物駅と改称)に停車する貨物列車も、当駅で必ず機関車を交換します。

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■函館貨物から貨車を運んできたDF200-123(左)と、
 その貨車を3063レに増結して札幌タまで牽引するDF200-54(右)
 奥に停車しているのは札幌タ行き99レで、当駅では機関車交換のみ実施。

五稜郭-函館貨物間は厳密には五稜郭駅構内にあたり、この区間の運転は入換扱いとなります。五稜郭に到着した函館貨物行きの貨物列車は、函館貨物への引込線に入線する際に必ず進行方向が変わります。このため、機回しではなく区間運転用の機関車が別に用意され、専用されています。数年前まではDD51形ディーゼル機関車が入換運転専用に使用されており注目を集めていましたが、2013年現在では上のように本線・引込線いずれもDF200形が充当される機会が増えています。

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■車両所全景。手前は保存車オハ50 5003 と キハ56 211

機関車を観察しているだけでも飽きない五稜郭駅……そのすぐ西側にあるのが、JR北海道五稜郭車両所です。五稜郭車両所は、主に函館運転所に所属する気動車・客車の全般検査を担当している車両工場です。読者のタムタキさんからお寄せいただいた情報によると、この工場には、検査車両の入換を行うための移動機(スイッチャー)が配置されているそうです。しかしながら、2002年12月のダイヤ改正で快速海峡が電車化&特急格上げされて以降、789系電車の全検を苗穂工場で実施しているために検査対象の車両数が激減してしまい、スイッチャーの稼働頻度も低下しているようです。

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線路の配置はいたって平凡で、入口付近に動車庫、その西側に各工場への線路が分岐しており、その奥に縦列配置された工場建屋間にトラバーサーがあります。

2013年5月2日木曜日、室蘭でスイッチャーを何台か撮影した後、スーパー北斗12号に乗って五稜郭で下車したのが15時半過ぎ、ゴールデンウィーク中の平日で工場の稼働日かどうかは疑わしかったのですが、上のように動車庫のシャッターが開いていました。中は空ですので、スイッチャーが工場の方へ作業に向かっていると想像できます。

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16時を過ぎたころ、線路脇の旋回灯(左の建屋の窓の手前)が点滅し始めると、スイッチャーが検査済車両を牽引して奥から姿を現しました。

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■キハを引き出す五稜郭車両所のスイッチャー。機械番号06-28-01-0033  2013年5月2日

スイッチャーは協三工業製の10t機で、被牽引車両のキハ183-3563同様にJR北海道カラーですが、台枠側面とフランジャー?だけが真紅に色差しされ、なかなか奇抜な塗装に仕上がっています。いつ動くのかわからない車両工場のスイッチャーに、30分足らずでお目にかかることができました。かなりついているといえるでしょう。それにしても……スイッチャーの四隅に人が一人ずつ立っている様子は、どことなく映画『ハリーポッターと賢者の石』の人間チェスのシーンを想起させますね(笑)

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動車庫の手前あたりまでキハを引き出すと、

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切り離して手前にやってきました。

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スイッチャーのいる位置より手前から分岐している線路もあるのですが、すべて途中で剥がされていますので、スイッチャーは動車庫の入出庫以外でこの場所まで出てくることはありません。

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さて問題のこの車両、半キャブ……と言いたいところですがそうではありません。キャブがボンネットの片側だけ飛び出しているのがいわゆる「キャブ」ですが、この車両のキャブは両側に飛び出していますので半キャブではありません。このタイプは、北海道に多く配置された「ラッセルヘッド付」10t機です。

協三工業の10t機には、標準タイプ、ロータリータイプ、ラッセルタイプがあります(いずれも便宜上の呼称で正式名称ではありません)。ラッセルタイプは、ラッセルヘッドを取り付けるために台枠の角が斜めに落とされているのが特徴で、ラッセルヘッドに干渉しないように解放テコは向かって右側だけ短くなり、連結器も端梁から手前に突き出ています。また、キャブは標準タイプとは異なりボンネットの左右両側に飛び出ており、煙突もキャブのそばに寄せられているのが特徴です。

上の写真、ボンネット右下の台枠部をよく見ると、角の部分だけ色が変わっているのがわかると思います。キャブに近い側はグレーですが、ステップの足下部分だけ黒い三角形になっていますね。斜めに落とされた台枠の角にそのまま手摺だけ取り付けた場合、足元のスペースが非常に矮小になってしまいますので、台枠の角に継ぎ足す形で三角形のステップを取り付けたわけですね。オリジナルがどんな姿なのかを見た方がわかりやすいと思いますので、同型機を後程紹介します。

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キハ1両だけ引き出したスイッチャーは、

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そそくさと動車庫へ戻ってしまいました。本日の入換はこれにて終了。

五稜郭車両所では、毎年秋の鉄道の日の前後に公開イベントを開催しており、イベント後には展示車両を元の場所に戻すための入換が行われることがあるようです。いまのところ、このスイッチャーを計画的に撮影するチャンスは公開イベント後しかないようです。今年のイベントでは、ぜひともスイッチャーを展示して……あるいはJR貨物広島車両所のレインボーGOように一つのアトラクションとして活用していただきたいものです。きっと、マニアのみならず子供たちにもウケること間違いなしです。期待していますよ。

●同型機(協三工業10tラッセルタイプ)

 五稜郭車両所で使用されているスイッチャーは、協三工業製10t機のラッセルタイプで、動態の同型車両としては安平町の鉄道資料館の移動機があります。

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■1969年(昭和44年)11月協三工業製10t機 製造番号10679 機械番号06-28-01-028   2011年8月

 このスイッチャーは、資料館で静態保存されているD51 320を屋外展示する際の移動機として使用されています。五稜郭のスイッチャーと同じ角度(後位側)から見てみると、同型であることがよく分かります。ラッセルヘッド装着用に台枠の向かって右手だけ角が落とされていますね。ラッセルタイプにはさらに2種類あり、このスイッチャーのように車両の前後いずれも向かって右側のみ角が落とされた複線ラッセルタイプと、四隅すべての角が落とされた単線ラッセルタイプがあります。足尾の古河鉱業に、協三工業製10t機のラッセルタイプの動態保存機がいますが、あちらは単線ラッセルタイプです。

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