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2013年5月27日 (月)

【八戸臨海鉄道】製紙メーカーM社のスイッチャー 日車35t予備機DD352

 最近、ブログで紹介するのが車両工場のスイッチャーばかりになっていますが、もちろんこれまでには専用線や臨海鉄道で活躍するスイッチャーも撮っています。今回は八戸臨海鉄道の終点・北沼駅に連絡する、製紙メーカーM社専用側線のスイッチャーDD352を紹介します。

Dd352_03

 この専用線で使用されているスイッチャー2両はいずれも日本車輌製造製の35t機ですが、その形態は大きく異なります。1両は、クリーム色のセミセンターキャブ機でDD351を名乗り、こちらが常時使用されている車両です。もう1両が今回紹介する朱色のセンターキャブ機DD352で、この車両は予備扱いらしく、稼働率は低いです。2011年2月訪問時には、DD352の方が使用されていました。

Dd352_01

 この車両は元々秋田臨海鉄道向けに新製されたものです。1977年に除籍され、八戸臨海鉄道へと譲渡されました。ボンネット上に前後各1個取り付けられている旋回灯は、八戸に来てからの装備です。鉄道ピクトリアル臨時増刊号「2005年版 鉄道車両年鑑」で確認すると、2004年度末の時点で八戸臨海鉄道に車籍はありません

 この車両が最も特異なのは2エンジン機であることです。鉄道ピクトリアル2011年3月号の拙稿「産業用機関車を追い求めて」においても言及しましたが、日車の産業用機関車はそのほとんどが1エンジン機なのです。2エンジン機は、国鉄DD13形ディーゼル機関車をベースに改良を重ねながら増備された臨海鉄道向け55tクラスの車両がメインで、専用線向けの小型2エンジン機はごく僅かです。

 日車の35t1エンジン機には大量生産されている規格型がありますが、あえてオーダーメイドの2エンジン機としたのは、臨海鉄道向けだからでしょう。もともと機関車保有両数の少ない臨海鉄道では、エンジン故障時の冗長性を担保するうえで、1エンジン機より2エンジン機の方が好まれるというのは、これまでDD13形や臨海鉄道を研究されてきた方々には釈迦に説法ですね。

Dd352_02

 この機関車の検査は、スイッチャーを保有する八戸通運の子会社「八戸通運工業」が実施しており、2011年2月訪問時の車体表記によると、前回検査が2006年4月、次回が2012年4月となっていました。しかし訪問直後の3月、この工場・専用線は東日本大震災による津波被害があったため、スイッチャーの検査周期も変わっている可能性があります。震災時には、工場内に留置されていた多くのコキ車が水に浸かり廃車になっていますが、のちにこのスイッチャーの去就を確認したところ、2012年8月の段階ではまだ動車庫内に保管されているとのことでした。外観はきれいですが動くのかどうかはよく分かりません。

 最後に、日車の車輌史から諸元をピックアップしておきましょう。

  • 記号番号 :  DD352
  • 製造年月 :  1974年(昭和49年)2月
  • 製造者  :  日本車輌製造
  • 製造番号 :  2966
  • 自  重  :  35t
  • 全長(連結面):10,750mm
  • 幅     :   2,720mm
  • 高 さ   :   3,720mm
  • 機 関  :   DMH17C × 2基 (180ps×2)
  • 台 車  :   日車NL26A

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コメント

こんにちは。かなりお久しぶりとなりますが、再度、お邪魔させて戴きます。
いつも、詳細な記事を拝見させて戴き、誠にありがとうございます。

さて、この2エンジンの日車製DD352を見て思い出しますのは、ご存じの通り、やはり、「苅田港:日本セメント・末広海運K-1号→中条:日本通運」の唯二の?同形機(昭和57年製造・製番3371)でしょうか。ただし、同形機とは申しましても、台車等の細部が異なり、また中身も多少は異なることだろうと思われます。
この日車製DD352は、日車の車輌史での写真などを見ますと、かつて前照灯は、大形のものが2灯装備されており(※現在は小形のもの2灯に交換・ちなみに旋回窓は秋田臨海鉄道時代から)、その姿は、秋田臨海鉄道の先輩機・日立製35t2エンジン機DD351のかつての姿に相通じるものが見受けられます。(※秋田臨海鉄道DD351の前照灯は、その後、大形2灯→小形2灯→ボンネット先端部の小形1灯へと交換されております。)
この日車製DD352が何故、2エンジン機として、落成されたのかは興味深いところですが、秋田時代での先輩機・日立製DD351に合わせて製造された結果なのかも知れませんね。(?)
また、同形機の苅田港K-1号も、このDD352から遅れること8年目にして製造されておりますが、これも何故、このブランクを置いて、突然、同形の2エンジン機として登場したのか、興味深いところですね。(※ちなみに、ご存じの通り、K-1号の前照灯も大形のもの2灯ですが、こちらはシールドビーム?タイプの大形のものです。中条時代には、小形化されております。)

上記の疑問点を、どなたか明かして戴ければ、嬉しい限りなのですが、これはもはや、当時の関係者に伺うしかないのでしょうね。

以上です。
雑感ばかりで誠に申しわけございませんでした。
これにて失礼させて戴きます。それでは、どうも有り難うございました。今後とも、詳細な視点での記事を楽しみに致しております。

投稿: チムニイ | 2013年5月30日 (木) 12:34

チムニイさんお返事遅くなりすみません。
他意はないのですが、なにしろお答えに窮す難題を突き付けられたものでcoldsweats01

それはさておき、やはりなぜ2エンジンなのかというのはありますね。
この記事の車両に関して言えば、先代の日立に合わせてということであれば
「なぜ合わせる必要があるのか」
という観点で、やはり最初の疑問に戻りますよね。
エンジンを共通化して予備兼用とする発想ならば理解できます。日立のDD351も神鋼DMH17Cですので。
日車の35tは当時DMH17S/SBのものしかなかったので、同じエンジンを指定すると
DMH17C搭載モデルは2軸機か35t4軸2エンジン機しかできないので、
結果的にそうなったと。(あくまでも仮説)
ただ、秋田臨海は車両の全般検査を自社工場ではやっていないはずなので、
エンジンを共通化してもいざ交換するとなると外注せざるを得ないので、
あまりメリットは享受できないような気がしますがどうなのでしょうか。

日本セメント苅田K-1については、車体設計は秋田臨海向けの流用で、
台車だけは当時最新の三菱化学黒崎D352や関西フレートサービスD35-1/2向けNL41を
組み合わせたと言えそうです。
35tBBの1エンジン機が既成品としてすでにあるのに、あえて2エンジン機とする理由…。
ここでもやはりエンジンという切り口は考えてみても良いと思います。
当時の日車の35tBBは、もう国鉄標準エンジンのDMH17SBは採用していませんでした。
日本セメントでK-1導入前に使用されていたD33(元・大分交通D33 1954年製C/N12254) のエンジンは、DMH17B。
同じエンジンで、とオーダーするとどうなるか…組み合わせ的には2軸機しかつくれないが注文は35tBBなので、
…あとは秋田臨海と同じ理屈ですね。

以上は、あくまでも一つの想像です(笑)

投稿: 社長 | 2013年6月28日 (金) 23:08

こんにちは。こちらこそ、遅くなりまして、誠に申し訳ございません。
当方、気軽な感想(雑感)ですので、お気軽に流して戴いて構いませんでしたのに、ご丁寧にお答え戴きまして、誠にありがとうございました。
件の日車の2エンジン機2台ですが、確かに、先輩機のエンジン(数)に合わせて発注されたのかも知れませんね。特に予備機のいない場合などは、万が一の為に(いわゆる片肺走行が出来ます機種ならば)2エンジン機の方が都合が良いのかも知れません。
苅田港の日本セメント専用線は、貨物廃止後の1989年9月に訪れたことがありますが、この時は、貨車受け渡し場所であったと思われる場所に、件のK-1号が1台だけポツンと留置されておりました。この専用線も予備機が無かったのかも知れません(?)。車体表記には、「アサノセメント」の表記とともに、「末広海運」の表記もありました。
ちなみに、駅側の側線には、廃車になりました「421系(低窓車)4両編成×2本、DE10-121、DE10-1023、スエ31-50、マニ44×4両、ワサフ8500×2両」が留置されておりました。
北沼駅のDD352は、当方の場合、同機に会いたいが為に北沼を2度ほど訪れたことがあるのですが、出て来ましたのは、他機(D727、現DD351)で、未だに会うことが出来ておりません。当方、現在の年間休日数が毎年50日~60日未満程度で、遠出もままなりませんので、もはや会うことは叶わないだろうと思われます。
従いまして、貴兄の記事の様に、「本気で」車両達のことを紹介して戴ける・スポットを当てて戴けることは、大変ありがたく、かつ大変嬉しいものであるのです。(※好きな車両が紹介された嬉しさで、つい雑感を書き込んだものですので、お気軽に流して戴いても全く構わないのです。)
以上です。長々となりまして、誠に申し訳ございませんでした。また、お忙しい中、誠にありがとうございました。
今後とも楽しい記事を宜しくお願い申し上げます。(※御返答は御不要ですので、お気になさらずに。)

投稿: チムニイ | 2013年7月 9日 (火) 22:53

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