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2013年9月 6日 (金)

★JR東日本★東京総合車両センターの新型重連スイッチャー

 2013年8月24日は東京総合車両センターの公開日でした。2年前に訪問した際は、当センターで検査中の車両を入れ換えるために使用されている入換動車 を撮影することができました。今回は、緑の山手線の臨時運行以外にあまり真新しい企画がなかったのですが、何か動きがあるかもしれないと思い再訪しました。

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するとどうでしょう。入換動車が新型に置き換わっているではないですか! 新型は旧型同様に2軸機2両で重連を組んでいます。近くにいた工場の詳しい方に伺ったところ、新潟トランシス製で2012年にリプレイスしたとのことです。2両は性能的に同一で、ナンバーの区別はなく、あえて識別したい場合には屋根の色で判断するとのことです。たしかに片方が水色、もう片方が桃色で見分けがつきますね。

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車体表記から自重は20t。牽引力については、1両だと制限があって使い勝手が悪いが重連ならば10両程度の編成は問題なく入換可能とのことです。なぜ新潟トランシス製のこのタイプなのか、その背景は…

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2007年頃から、JR東日本が首都圏を中心に導入し始めた同社製軌道モーターカーTMC400Bと同型を入換動車に採用することで、調達や保守の共通化が図れるからでしょうね。上のは高崎の保線区に留置されていたTMC400Bですが、ライトの個数や形状、連結器の形状、キャブ後ろにバッテリーを搭載している以外は、これといって大きな形態上の相違点は見当たりません。自重はどちらも同じ20tです。手摺とボンネット上面の相対的な位置関係を比較すると、東京総合車両センターのスイッチャーの方がボンネット高さが若干高いかもしれません。

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旧型の入換動車は双頭連結器を装備していましたが、現在当センターで検査をする車両はすべて密着連結器の車両ですので、新型は密連のみの仕様です。よく見ると、向かって左手にボタンの付いたコントロールボックスがあると思いますが、これで連結器の解放や高さの上下移動が可能です。工場入場中の車両は空気バネがパンクしていますので、連結器の高さが通常(レール面上880mm)よりも低くなります。連結器が上下に移動可能なのはそのためとのこと。疑問に思ったことは遠慮なく聞いてみるものですね。

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 ところで…鉄道雑誌やネット上で重連のスイッチャーが紹介されている場合、「本来は大型機1両を導入したいはずだが小型機2両で運用している」みたいなことが書かれていることがありますが、私は、「本来は大型機1両を導入したいはず」という前提そのものが間違っていると思いますね。機械やシステムの設計に携わったことのある方であれば「冗長化」というキーワードですんなり理解できることです。

大型機1両は、小型機2両よりも牽引力・制動力に優れているかもしれません。では、その機関車が検査や故障で使用できなくなった場合、どうなるでしょうか。想像してみてください。東京総合車両センターのように大きな事業所で、検査対象の車両数も多く、検査スケジュールもタイトに詰まっている状況で、入換動車が一時的に使用できなくなったことを理由に、スケジュールを延ばしたりすることが許されるでしょうか? 否。

このように小型機2両であれば、何らかの理由で片方が使用できなくなっても、牽引力は劣りますが残った方で入換を行うことは可能です。たとえば、本来は重連で10両編成を1回で入れ換えるところを、5両ずつ2回に分けて入れ換えたって良いわけです。入換手順は複雑になりますが、いわゆるBCP的な観点で見れば、小型機2両にすることで問題の芽を事前に摘むことができるわけです。もちろん、特注の大型機1両より、量産されている規格型の小型機2両の方が、コスト的なメリットもありそうですが…。

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 最後に。緑の山手線が運行されるのは2013年一杯、このスイッチャーが見られるのは年一回。つまり、この組み合わせは一回限りというわけです。

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