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2013年11月

2013年11月30日 (土)

【くろがね線を読み解く】第156回■八幡構内形鋼輸送

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■長い鋼矢板を積載し前後に控車を連結した80t積台車  2013年秋

 以前紹介した80t積レール輸送用台車 は、八幡構内の形鋼輸送にも使用されている。この時に見た列車は鋼矢板を輸送するものであったが、鋼矢板は台枠上に直接乗っておらず、荷役を容易にするためかトラス構造の台座の上に乗せられていた。製品の全長が車両長を超えるため、80t積台車の前後には、控車(遊車)として40t積台車(空車)が1両ずつ連結されている。40t積台車は全長が短いため2軸車かと思ったが、よくみると2軸ボギー車である。これまでの経験上、こういった輸送は平日しか見ることができない。

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 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

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2013年11月27日 (水)

【くろがね線を読み解く】第155回■E8502 ボックスパンタ撤去される

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■八幡寄りの菱形パンタグラフが撤去されたE8502  2013年11月23日

 某LCCのセールで成田→福岡¥3,980というのがあったので、利用してみることにした。夜行バスで名古屋へ行くより安い。帰路は日曜夜の便で他の航空会社同様に1万円程度するのだが、それでもお得な事には違いない。

 さて本題。今年4月にパンタグラフの換装が実施されて以降、くろがね線の牽引機はE8501とE8502の交互使用が半ば常態化しているようで、相対的に予備機E8502の使用頻度が上がっている。この週末も、土曜日がE8502、翌日曜日がE8501であった。土曜日は、およそ4年ぶりに枝光のトンネル入口付近の陸橋で待機したところ、5分で登場した。これまでの待機時間最短記録10分を塗り替えた。ちなみに最長記録は4年前のシルバーウィークに経験した2時間40分で、それ以降は概ね毎回1時間以内に撮影に成功している。運任せにするのではなく、地上設備を観察することで、列車が来ないときに無駄に待たないようにしただけである。九州には魅力的な鉄道スポットが多いので、執着し過ぎないことも肝要、というわけである。

 この日に5分で撮れたのも所詮は運、という見方もできる。しかし、ただやみくもに待っていたわけではない。撮影地へ行く前にまず機関区を観察し、E8501とD705が予備機として待機していることを確認。予備機の見える場所から歩道を西へ5~8メートル移動すると、実は、フェンスの向こうに茂った木の葉の僅かな隙間から、第二操車場に待機する機関車が見えるのである。第二操車場に機関車が待機中であれば、撮影したい場所へ移動して戸畑行きの発車を待つ。いなければ運行中なので戸畑からの戻りを待つ。で、今回は前者。沿線の信号機をチェックすることにより待ち時間を見積もり、余裕があれば撮影地を変えてもよいのだが、今回は戸畑行き方面が青信号だったので枝光側を選んだ。

 戸畑からの戻りは動画撮影したが、行楽シーズンのためスペースワールドのジェットコースターの歓声が入ってしまった。ご当地感は出たのでよしとしよう。

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2013年11月26日 (火)

【くろがね線を読み解く】第154回■焼き鈍す。

 2013年11月25日月曜日、鉄鋼メーカーN&S社Y製鉄所構内において爆発事故があり、本稿執筆時点で少なくとも3名の死傷者が出ている模様である。報道が正しいならば、事故が起きたのは、変圧器用の電磁鋼板を製造している子会社の焼鈍工場である。

 私のような素人から見ると、製鉄所の構内で最も危険なのは上流工程で、湯(高温の溶けた鋼)を鍋から鍋へ移し替える作業を行っている製鋼工場(転炉)が、もっとも火災事故やそれに伴う死傷者が多く、その次に危険なのが溶銑予備処理施設や高炉周辺という印象である。下流工程、それも冷間圧延の後に続く焼鈍工程では、鋼は固体の状態を保っているため、化学工場のような古典的な爆発事故が起きるというのは、正直意外な気もする。

 さて、報道発表を見る限り、焼鈍(しょうどん)とは何かについてメディアは多くを語っていない。一部には「鉄を焼き固める工場」などという形容があったが、おそらく当該記事を書いた記者は、焼き鈍す(やき・なます)の意味をまったく理解していないのだろう。焼き鈍しとは、金属を加熱して結晶を構成している原子を動きやすく(柔らかく)し、内部の不純物を析出させて取り除いたり、結晶構造を整えたりするためのプロセスである。したがって、冷却して固めるのは最後の段階であり、本質ではない。

 今回事故が起きたのは、電磁鋼板の焼鈍炉である。電磁鋼板とは、鉄が元々持っている磁性に磨きをかけて、電流を流した時により効率よく磁化する性質を持たせた鋼板のことである。発電機やモーター、変圧器などに使われている鉄心が、まさにそれである。電気→磁気変換効率の良い鉄心ほど、同じ磁力を得るために必要な電力はより少なくて済むため、省エネに寄与するというわけである。電磁鋼板の焼鈍では、前述のとおり加熱して鉄原子を動きやすくし、磁束が鋼板中を綺麗に流れるように結晶構造を調整する。結晶構造に乱れがあればあるほど、電流を流した際の発熱によるエネルギーロスは大きくなる。

 電磁鋼板には、圧延方向のみに磁束が通りやすく調整された方向性電磁鋼板と、どの方向にも万遍なく磁束が通りやすい無方向性電磁鋼板がある。前者は主に変圧器向け、後者は発電機やモーター向けである。日経新聞によると、事故は「直径約2メートル、高さ約4メートルの焼鈍炉」付近で起きたとのことである。「直径」と表現していることから察するに、地面に沿って細長く延びている連続焼鈍炉ではなく、その後工程で使用されるバッチ焼鈍炉のことを指していると思われる。となると、Y製鉄所が世界に誇る方向性電磁鋼板の製造ラインで事故は起きたことになる(無方向性電磁鋼板のラインにはバッチ焼鈍炉はない)。

爆発の直接の原因については、いまのところ加熱のプロセスで用いられているガスバーナーのガスに引火したのではないかとされているのだが、そんな単純なことが本当に原因なのだろうかという素朴な疑問は残る。

●焼鈍電車という存在

 さて、ここからは少し話題を変えよう。焼鈍工場には、加熱→加工→冷却の各工程を連続的に行うための連続焼鈍設備が導入されているが、かつてはこれらの各工程が分離していて、小規模ながら工程間の物流というものが存在していたらしい。そのため、焼鈍工場には線路が敷設され、バッテリー駆動の入換用機関車=焼鈍電車が使用されていた。焼鈍電車の走行する線路の一部にはサードレールの設けられた区間があり、使用しない時はそこで充電していたようである。この焼鈍電車、以前弊ブログで紹介した消火電車以上にマイナーな存在で、かつ現在では姿を消しているため、ネットを検索してもまったく出てこない。しかし実は、焼鈍電車の写真が掲載された「書籍」は存在する。岩堀春夫著「鉄道番外録8」のp62を見てみると、鉄鋼メーカー神戸製鋼所の社紋を付けた、神鋼電機伊勢製作所製の整ったスタイルの凸型バッテリー機関車が、大物車に乗せられている様子が写っている。「焼鈍」の文字はどこにも見当たらないが、キャプションの文章から、撮影者はこの機関車の用途を熟知している様子が見て取れる。

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2013年11月25日 (月)

★575000アクセス突破★福岡市人口150万人突破記念HM付2000系

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■福岡市人口150万人突破記念編成    2013年9月22日

 福岡市の人口150万人突破を記念して運行されている、記念ヘッドマーク付き2000系電車。秋に訪れた際、博多駅から乗ったのがまさに目当ての編成でした。筑前前原行きだったので、途中駅で下車してしばらく待っていると、戻ってきました。

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2013年11月19日 (火)

【くろがね線を読み解く】第153回■八幡構内25Mレール輸送

 Y製鐵所八幡地区構内で見られる列車の多くは、くろがね線から継送されてくるスラブ・ホットコイル・冷延コイルを輸送するものだが、平日のみではあるものの、構内で完結する横持ちのための列車も見ることができる。輸送されている品種は、以前紹介した場所 に留置されている貨車に積まれているものが中心で、レール・鋼矢板・ステンレス製品などである。

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 今回は、レールの横持ちを取り上げる。条鋼工場で完成したレールは、以前紹介した80t積3軸ボギー貨車 に積まれて引き出され、スペースワールド裏手にある留置線へ一時的に?移送されるようである。最終出荷段階では、船積みするために岸壁へ移送する場合はキャリアパレットカーに積んでいるようだし、西八幡駅から貨車で発送したいときは、25mレールの場合はJR九州チキ6000or5200×2両へ、50mレールの場合はウタ×4両 へと積みかえて送り出しているようである。したがって、どのケースでも80t積レール用貨車が横持ち以外の目的で使用されることはないようだ。

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2013年11月11日 (月)

★570000アクセス突破★近鉄モト75形マンモス号

 2013年11月2日土曜日、近鉄の五位堂検修車庫と高安検車区の公開イベントが開催され、両会場を連絡する臨時列車「マンモス号」が運転されました。

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 近鉄のEFC(貨物電車)モト75形77・78は、大阪市交通局中央線へ直通するけいはんな線の車両を五位堂で検査する際の回送車両牽引用として使用されていますが、この日は5800系電車6両を間に挟み込み、会場間を移動する乗客を乗せて高安-五位堂間を4往復しました。

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中央線直通用の車両は密着連結器を装備しているため、モトは回送車両連結面側のみ密連に交換されています。しかしこの日の連結相手は密着自動連結器を装備した5800系ですので、連結する向きは通常とは逆、つまり密連装備側が編成の外側に向いて連結されています。密連装備を表す青帯を先頭にして走行するシーンは珍しいですね。


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近鉄沿線のことはよく知りませんが、せっかく知り合いに教えてもらった場所なのでここでも撮ることにしました。スマホを活用すると、GPSから得られた座標データを元に、駅から撮影地までの最短ルートをカーナビの如く懇切丁寧に教えてくれるので、まったく迷わずに来られました(笑)
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あまりにも有名すぎるこの橋の南側では、撮影者が溢れて車道にせり出し道路を塞いだため、警察が何度も出動していたそうです。この写真を撮った北側には車道は無く、土手にひな壇も形成できるほどキャパが大きいので、まったく混乱はありませんでした。

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モト77と78は、どちらも五位堂寄り(賢島寄り、と言うべきか?)にパンタグラフを装備しているので、行きと帰りでは前パン後パン2通りの表情が見られるのですね。

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大手私鉄の象徴とも言える、架線の上の送電線。鉄道事業者がかつて送電事業を行っていた名残で、関東でも京急などでよく見かけます。現在では自社内の変電所間の送電線として使用されているようです。

さて、これで近鉄の貨物電車でまだ走っているところを見たことがないのはモト97・98。3年前のイベントで止まっているところは撮影済 ですが、本線走行をぜひ拝んでみたいものですね。

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2013年11月 5日 (火)

【くろがね線を読み解く】第152回■落下物で緊急停止

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■事故現場付近と思われる場所を通過するくろがね線の貨物列車 2013年秋

 2013年10月30日、くろがね線で事故があったようである。といってもY製鉄所側には何の落ち度もなく、とんだとばっちりのようであるが…。

●情報元 (クリックで別ウィンドウ起動)

http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20131102ddlk40040353000c.html

  鉄道事故:橋工事用ネット、下の電車に接触 垂れ防止ひも切断−−八幡製鉄所構内線 /福岡

  毎日新聞 2013年11月02日 地方版

   北九州市は10月30日に、戸畑区の市発注の橋架け替え工事現場で、落下物防止
  
用ネットが、新日鉄住金の貨物電車に接触し、パンタグラフが壊れる事故があったと
  1日、発表した。垂れないようネットを結んでいたひもが切られた跡があり、市は、威力
  業務妨害容疑で戸畑署に被害届を出す方針。

   市などによると、10月30日午後8時半ごろ、新日鉄住金八幡製鉄所の八幡−戸畑
  構内を結ぶ戸畑区のくろがね線(新日鉄住金所有)で、貨物電車が橋の下を通過中、
  火花が散り、緊急停止した。落下物防止用ネットが垂れ下がり、パンタグラフに接触
  していた。

   ネットは同日午後5時ごろ、橋下に落ちないようひもでむすんでいたが、ひもが
  刃物のようなもので切られていた。

  〔北九州版〕

 地上設備の復旧工事が完了するまでの間は架線への通電はできないかもしれないが、列車の運行に大きな影響はないと思われる。くろがね線では、製鉄所側の設備点検に伴う停電時に架線への通電が停止されることがあるが、その場合はディーゼル機関車2両によるプッシュ・プル運転 で列車の運行を継続するため、今回も同様の対応で乗り切ることは可能であろう。電気機関車の修理が完了するまでの運行についても、予備の電気機関車が使えるので問題はない。

 ところで余談だが、上記の記事で「貨物電車」という呼称が使用されていることについて、「正しくは貨物列車なのでは?」とお考えの方がおいでかもしれないが、結論から述べれば、鉄道マニアの視点では「貨物電車」で正しい。製鉄所や鉱山では、電気機関車のことを「電車」と呼称するのが一般的で、貨物を牽く電車だから「貨物電車」、というわけである。もっとも、Y製鉄所側の発表を、一般社会が理解可能な形に咀嚼せずにそのまま報じていることが妥当なのかどうかは、また別の話ではあるが…。

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