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2014年1月13日 (月)

【くろがね線を読み解く】第164回■チキ5500形走行試験

 2013年11月23日から24日にかけて、またLCCのお世話になり九州を訪れた。23日に西鉄宮地岳線(現在は貝塚線?)で運用に就いていた300形を何度か撮り、午後に特急きらめきに乗って黒崎→八幡に来てみると、珍客が鎮座していることに気付いた。

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ResearchCabinと命名されたZX45A形事業用コンテナ2個を積んだコキ106形119号が、「緑チキ」こと私有貨車のチキ5500形3両編成とコキ104形1両(いずれも空車)に挟まれて、西八幡の小ヤード留置されていたのである。
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ZX45は、機関車や貨車の走行中のデータ収集をするために製作された事業用コンテナ。測定機器を動かすために電気が必要なのでディーゼル発電機を積んでおり、人も乗れるようになっている。

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ZX45Aからは何やら怪しげな電気関係のケーブルが隣のチキ5500に伸びている。

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ケーブルには、連結を解く際に着脱可能なコネクタ類はなく、直付けしてあるので、この編成でしばらく走行試験を実施するのかもしれない。

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ケーブルの半分は台枠の側面に沿ってそのまま隣に連結されたチキ5500形へと向かい、残り半分は自分自身のFT1-2台車の車軸へと至る。

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車軸には何やらシリンダ状(円筒形)の装置が取り付けられている。付いているのがもし、発電機と熱電対ならば、走行中の速度と温度を測定することができる。

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人がいないのでデータ収集の目的は聞けないが、国鉄時代に登場した「九チキ」ことチキ5500形は、2014年をもって引退し、黒崎発送のレール輸送列車は、民営化後に日車で製作された私有貨車の「緑チキ」ことチキ5500形で統一される見込みである。現在私有チキの最高速度は85km/hだが、以前の記事 で言及したように、ブレーキシステム上は95km/hに対応しているはずなので、車種が私有チキに統一されれば、列車の最高速度を95km/hに向上することができる。更にダイヤ混乱時には、一般の95km/h列車に併結して運行することも可能になり、冗長性が向上する。

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チキ5500形の反対側には、コキ104形1507号が連結され、同じようにZX45Aからケーブルが伸びていた。


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FT-1台車の車軸にも、同様の測定装置が取り付けられていた。Research11koki1041507

 チキ5500形のみならずコキ104形も連結するのは、しごく当然の措置である。すでに110km/hの実績のあるFT-1台車と、FT1-2台車の走行データを比較したいなら、同一条件で測定しなければ意味がない。レール・バラストを含めた軌道の状態は日々変化するから、同じ日に、同じ区間で、同じ速度で測定することが重要で、手っ取り早いのはFT-1/FT1-2を両方連結した編成を走らせて同時に測定し比較すればよいわけである。

●運行日の予測

 さて、こういった編成はいつ運行されるのかわからないのが悩みの種である。人がいれば聞けばよいのだが、土曜日の西八幡は基本的に無人なのでそういうわけにもいかない。しかし、運行日を特定する方法は、ある。上の写真を見ると、コキ104形の門司港寄りに、レールを積んだチキ5500形が留置されているのが分かる。しかも、もう一つ上の写真を見ると、コキ104形は右手のチキ5500形とは連結されていないことが分かる。この「連結されていない」というのが非常に重要。

右手の実車のチキ5500は、11月25日月曜日の170列車で西浜松に向けて発送される編成である。チキ5500走行試験のための編成は、西浜松行の編成よりも黒崎寄りに留置されていることから、前日24日日曜日以前に発車することが分かる。しかも、上の写真を撮影したのは11月23日土曜日であったから、24日日曜日に発車することが確定する。

●運行時刻の予測

 黒崎-西八幡間で入換が実施される時間帯というのはだいたい決まっている。以前の記事で何度も紹介しているように、黒崎-西八幡間の入換は鹿児島本線貨物線の上り本線を占有して行われるため、上り本線で事実上の線路閉鎖を行う必要があるからである(駅構内の入換のために上り本線の運行を禁止するという意味であり、法規上の厳密な意味での線路閉鎖ではないが)。西八幡の入換は、貨物時刻表によると171列車到着後→170列車発車前に実施されるが、実は11時と13時過ぎに、貨物時刻表未掲載のスジもある(いずれも普段はJR九州向け工臨の発送 空車到着 に使用される)。むかしは夕方にも入換のスジがあったように記憶しているが、最近はほとんど使用されることはないようなので、朝から13時過ぎまで張り込んでいれば撮り逃すことはない、ということになる。日曜日は予定をあけてあったので、八幡駅近くのホテルに当日予約で部屋を取り、翌日に備えることにした。

●チキ5500形走行試験の実施

 24日日曜日は、朝から171列車を待っていたが機関車単機もやってこないので、11時か13時過ぎの便で入れ換えると予測し別の場所へ向かった。

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とりあえず11時頃に戻ってみると、上のとおりZX45Aに人が乗り込み、ディーゼル発電機の音も聞こえる。とっさに行先を聞いてみると「黒崎まで」とのことだが、食い下がってその先の予定を聞いてみると「北九州まで行く」とのこと。すぐに移動を開始しなければと思った矢先、背後から聞き慣れたモーター音が聞こえてきて……

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ED76形1022号機があらわれた。2010年秋に工臨運用を引退して以来、ED76が西八幡で入換を行うこと自体珍しいが、いまは感傷に浸っている場合ではない。すぐに黒崎へ移動する。

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電動レンタサイクルで暴走して6分で所定の場所へ到着すると、5分も待たずに列車はやってきた。進行方向を変える際にABBを落とすのが面倒なのか、鹿児島寄りのパンタを上げたまま前パンで黒崎へ戻ってきた。

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走行試験編成が黒崎駅構内へ進入する。駅構内には、もう1両のED76形1017号機の姿も見える。すぐに八幡に戻り駅北側に自転車をとめてホームへ入ると、先客は一人もいなかった。

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北九州貨物ターミナルに向かって発車したチキ5500形走行試験編成。編成は門司港寄りから順に、

  • ED76 1017
  • コキ104-1507
  • コキ106-119(ZX45A-2,1)
  • チキ5500-13
  • チキ5500-14
  • チキ5500-15
  • ED76 1022

であった。前後に機関車を連結しているということは、特定の区間を往復運転するものと思われるが、時刻が分からないので、この日はこれにて終了し、別の場所へ向かうことにした。

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