« 【くろがね線を読み解く】第192回 ■JR東海浜松レールセンターの入換 | トップページ | ★785000アクセス突破★伊豆箱根鉄道ED31重連運転 »

2014年12月10日 (水)

【くろがね線を読み解く】第193回 ■西八幡の予備機D627の入換

 西八幡(JR鹿児島本線黒崎駅分岐)におけるY製鉄所専用鉄道の貨車の入換には、通常、日立製45t機のD442が使用されている。しかし、D442が故障修理や検査の都合で運用入りできない場合、構内用60t機が使用されることがある。(→くろがね線を読み解く第97回を参照)

Nishiyahatad62701

 2014年4月29日の朝。この日は昭和の日で祝日であったが、火曜日のため171列車にチキ5500が連結されるハズ…。スペースワールド駅で待っていると、EH500-72号機がチキ5500形6両編成を牽引してやってきた。狙い通りである。

Nishiyahatad62702

黒崎で機回しして折り返し、遅発入換時刻に西八幡へやってきた。貨車の構成は、東京タ寄りが国鉄時代から使用されているチキ5500形3両、黒崎寄りが民営化後に登場した私有貨車のチキ5500形3両である。通常、チキの到着のある日は、到着前からスイッチャーが待機しているのだが、この日は出場していなかった。

Nishiyahatad62703

しかし9:45頃になると、遅れて東ヤードからスイッチャーがやってきた。それも見慣れたD442ではなく、


Nishiyahatad62704

八幡構内で使用されている日車製60t機のD627である。60t機が西八幡でJR貨車の入換に使用されるのは大変珍しい。

Nishiyahatad62705

D627は、EH500が置き去りにしたチキ6両を連結して引き出し、

Nishiyahatad62706

東ヤードへ引き込むと、転線して側線へと押し込んでいった。スイッチャーはリモコン制御で、先頭のチキのステップに運転士が乗っている。

Nishiyahatad627075500

スイッチャー寄りの3両は、黒崎寄りから順にチキ5519、5607、5515で、未だ廃車にならずに最後まで残っているチキ5500形である。

Nishiyahatad627550001

チキ5515のTR63F台車と、車体の表記類を観察してみる。荷重37t、自重16.0t、汽車会社昭和39年製造、日本国有鉄道広島工場昭和48年改造。

Nishiyahatad627550002

左端の「緩」「ブ」の表記はもちろん貫通ブレーキの状態を表す。写真の状態で、針は「緩」を指している。

JRの機関車から切り離されたチキは全車に貫通ブレーキがかかっているが、右端に見えるBC確認レバー(取っ手のような部分)を手前に引っ張ると、引っ張っている間はBC(ブレーキシリンダ)のエアが抜けて圧が下がっていき、貨車自身のブレーキが緩んだ上記の状態となる。製鉄所の機関車がチキを入れ換える際は、貫通ブレーキを使用しないので、貨車の貫通ブレーキは緩んだ状態になっていないと入換ができない。もちろん、製鉄所の機関車を連結してからエアを抜いてもよいのだが、抜けきるまでに3~5分前後かかるので、その間入換作業ができず、効率が悪い。JRからY製鐵所へ引き渡す段階でエアを抜くルールにしておけば、製鉄所の機関車が到着次第入換作業を開始でき、時間のロスを最小化できるというわけである。もちろんチキには手ブレーキがかかっているので、Y製鐵所の機関車が連結されるまでの間に貨車が勝手に走り出してしまうようなことはない。

Nishiyahatad6275619

東京タ寄りのチキ5519.検査表記は「26-11-10小倉車」とあり、年内には引退しそうである。

Nishiyahatad6275607

中央締結車のチキ5607.鉄道ピクトリアルの臨時増刊号「鉄道車両年鑑」によると、九チキは既に全車がY製鐵所の私有貨車となっている。

Nishiyahatad6275515

黒崎寄りのチキ5515.以前お伝えしたように、この3両編成も2014年12月の東京タ行レール輸送をもって引退となる。(→以前、川崎貨物駅での入換も撮影済み

Nishiyahatad62708

製鉄所構内走行時はまず撮れない、D627の歪み無しサイドビュー。これまで西八幡訪問日はなぜか曇ることが多かったので、天候に恵まれたのは幸いであった。

●西八幡の入換実施日

 西八幡の入換は、JR東海向けチキとJR九州向けチキでそれぞれ作業日が計画されているが、JR東海向けの発送(170列車)と到着(171列車)は運行曜日が決まっているため、入換実施日も曜日によって概ね決まっている。以前鉄道ピクトリアル2011年3月号掲載の拙稿において、入換曜日と時刻について言及したが、来年になり150mレール輸送が本格化すると、また変化があると思われるため、いまのうちにブログにも記載しておくことにした。

1.発送前入換

 JR東海向けチキが170列車により黒崎から発送されるのは毎週月・金曜日で、西八幡→黒崎の出場入換も同じ日に実施される。製品倉庫でレールを積んだチキが西八幡へ搬出されるのは、原則として西八幡を発車する前営業日であるため、金曜発送分は前日木曜に、月曜発送分は3日前の金曜には搬出されている。

搬出時刻は、拙稿掲載の通り発送チキが3両編成の場合は10時~11時頃、6両編成の場合は14~15時頃であることが多いが、荷役の進捗によっては早まることもよくある。たとえば、木曜日に搬出するチキが3両編成だった場合、午前中のうちに積付と貨車の搬出が終わってしまうため、午後には翌日予定作業を前倒しで実施して新たに3両分の積付が終わってしまう。この場合、金曜日午前中に新たに3両積み込むと、これを前日午後に積付した3両と繋いで6両とし、午前中のうちに搬出してしまうことがある。このように6両編成でも午前中に搬出するパターンもある。

2.到着後入換

 171列車の到着後入換は、発送時とは異なり、本記事で紹介している通り到着日当日に実施される。171列車にチキ5500が連結される日は、朝8時前後にY製鉄所のスイッチャ―が西八幡へ姿を現し、9時過ぎに黒崎から西八幡へチキが到着すると、すぐに着発線から側線への貨車の入換が行われる。

 発送前の入換は前述のとおり週2回(木曜・金曜)だが、だからといって到着も週2回あると考えるのは早計である。貨物時刻表を素直に眺めると、西八幡への返却チキは8867列車(日付を跨いで北九州タ到着時は8869列車)で山陽本線を下り北九州タへ輸送後、その日の171列車に継送して黒崎まで持ってくるように思われるが、実態は異なる。空車のチキはレール積付に必要な時に必要数ありさえすればよいので、律儀に週2回黒崎へ戻す必要はない。実際には、8869列車のチキは北九州タ止まりとなり、列車指定表示票通りに171列車へは継送されない。そして、数日後に次のチキを連結した8869列車が北九州タへ到着すると、留め置いていたチキを連結し、2列車分のチキをまとめて171列車で黒崎まで運ぶ。171列車にチキ5500が連結されるのが週1回、毎週火曜日なのはこのためである(2列車分まとめないときは金曜日にも運転)。

本記事で紹介している入換も、たとえ祝日であっても火曜日ならば171列車にチキ5500が連結されることを確信していたからこそ、撮りに行けたわけである。

※無論、171列車はJR貨物小倉車両所での交番検査後の貨車の返却にも使用されるので、実際には火曜以外の曜日にも貨車付きで運行されることはある。

※2014年11月度の発送をもって、黒崎発西浜松行の50mレール輸送は終了しています。12月以降当面のあいだ、50mレールの輸送先は、静岡貨物、相模貨物、東京貨物ターミナルのみとなり、運行頻度は著しく低下します。必然的に西八幡の入換回数も激減しますので、ご注意ください。

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

|

« 【くろがね線を読み解く】第192回 ■JR東海浜松レールセンターの入換 | トップページ | ★785000アクセス突破★伊豆箱根鉄道ED31重連運転 »

▼くろがね線を読み解く」カテゴリの記事

 A.日車のスイッチャー」カテゴリの記事

コメント

こんばんわ
レールチキの入れ換えは曜日で決まっているのですね
EH500のチキ列車の写真、くろがね線の背後霊が・・・
構内用機関車がJRの貨車を運ぶのもまた面白いですね
みどりの日は2007年から5月4日になり、4月29日は昭和の日になりましたねcoldsweats01

投稿: ジンネマン | 2014年12月12日 (金) 02:21

ジンネマンさんこんばんは
またのコメントありがとうございます
最近本業多忙でなかなかコメントできず申し訳ありません。
なぜか171レを撮るとくろがね線の戸畑からの戻りと並ぶことが多いです。つまり朝一番の八→戸→八は動く時間が大体決まっているということになるわけですけど…。
仰る通りみどりの日はいまは5/4ですね。直しておきますね。

投稿: 社長 | 2014年12月20日 (土) 22:25

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 【くろがね線を読み解く】第192回 ■JR東海浜松レールセンターの入換 | トップページ | ★785000アクセス突破★伊豆箱根鉄道ED31重連運転 »