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2014年12月 8日 (月)

【くろがね線を読み解く】第192回 ■JR東海浜松レールセンターの入換

 新日本製鐵(現 新日鉄住金)八幡製鉄所は、国内・海外鉄道事業者向けに鉄道用レールを製造している。製品の8割は海外へ輸出されるが、国内向けとなる残り2割のうちの一部、東海道新幹線用のレールは、JR鹿児島本線黒崎駅からJR東海レールセンターのある西浜松駅へ鉄道輸送されている。西浜松では、毎週月・木曜日に到着貨車の搬入・荷卸し・空車の搬出が実施されており、レールセンター所属の軌道モータカー(以下、MC)による入換を見ることができる。

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■出場したMC   2014年11月28日、西浜松駅構内を陸橋より俯瞰

朝9時過ぎ、レールセンターからMCが単機で出場し、

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西浜松に常駐しているJR貨物の入換用ディーゼル機関車(愛知機関区所属のDE10)が前日以前に授受線に据え付けた長物車(チキ5500形)を牽引して、レールセンターへと引き込む。

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チキは3両ずつ分割して引き込まれることもあれば、このように6両まとめての時もある。

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50mレールは、チキ3両編成の中央に連結された中央締結車の真ん中で上下左右方向に動かないよう固定されているが、その他のレール積付具は上下方向の動きのみ制約し左右方向に遊びがある構造のため、曲線通過時もレールはこのようにスムーズに曲がりながら運ばれていく。

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■JR東海浜松レールセンターでの50mレール荷卸し作業   2014年11月28日

レールセンターに搬入されたレールは、夕方までに門型クレーンで順次荷卸しされる。

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50mレールを吊り上げるクレーン。

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チキ5500形のレール積付具は、片側の支柱を支点に回転して、積まれたレールを取り出せる構造になっているが、中央締結車のレール積付具はこのようにクレーンで吊り上げないと荷卸しできない。

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夕方16時を過ぎると、空車の搬出が行われる。搬入時とは逆で、MCのボンネット側が先頭になり、牽引して出てくる。

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以前、くろがね線を読み解く第170回で紹介したが、八幡製鉄所は来年から150mレールの出荷を本格化する予定である。これに伴い、浜松レールセンター向けの50mレール輸送は、2014年11月度の発送をもって終了している(西浜松での入換最終日は12月1日)。来年の遅くとも春頃には、150mレールが当レールセンターへ搬入されることになると思われるが、このMCは牽引力不足で150mレール輸送用のチキ9両編成を牽引できないため、使用されなくなる見込みである。


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レールセンターでの荷卸しと入換作業を請け負っている通運会社の方に伺ったところ、150mレール用貨車は西浜松に常駐しているJR貨物の機関車で入換するとのことである。もともと、JR東海の在来線向けロングレール輸送に使用されているキヤ97系の入換は、このMCではなくDE10で実施されていたため、それと同等の扱いとなる見込み。

※2015年9月13日追記

 浜松レールセンターの150mレール輸送貨車の入換は、DE10ではなくレールセンターのMCが前後に連結されプッシュプルで実施されている模様。レール輸送用のMCはもともと1両しかいなかったので、プッシュプルの片方は新型とのこと。

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この日は、6両搬出後もMCはレールセンターに戻り、更に6両を今度は押し出してきた。チキの先頭に乗って手旗を振っているのも通運会社の方だが、この会社はレールの荷役作業自体から撤退するとのことである(150mレールの荷卸しは別会社が実施)。

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このMCももう見納めとなる。この日は勤務先の創立記念日で休みだったため、最後の雄姿を記録することができた。

※2014年11月度の発送をもって、黒崎発西浜松行の50mレール輸送は終了しています。

●JT専用側線の入換

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■JT浜松工場から貨車を引き出すMC   2009年3月5日、JT専用側線

 レールセンターに隣接するJT浜松工場も2014年3月末まで貨車で製品を発送していた。当初は専用の入換機を擁していたが、末期はJR東海のレールセンターへ入換を委託するようになっていて、旅客会社のMCがコンテナ貨車を牽引する珍しい場面を見ることができた。編成は4両であることが多かったが、

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■JT専用側線の入換シーン   2014年3月6日

廃止月に訪れてみると2両に減っていた。

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工場内では、アントにより貨車の移動も行われていた(敷地外より望遠で撮影)。

●軌道モータカー MO-7201

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 JR東海レールセンターのMCは、MO-7201と称する松山重車輌工業製の自重20tクラスの2軸機関車である。特注とはいえ元の設計がMCなので、柴田式自動連結器の下に保線車両を連結するための連結器も別途装備している。ただし燃料タンク容量は、このタイプのMC標準の150リットルから200リットルへと大型化されている。

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サイドビュー。後位側のデッキのスペースは本来クレーンや発電用エンジン・バッテリーを載せるためのスペースである。

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■JR西日本米子保線区のMC   2010年2月13日、米子タ付近

まったく同一の型というのは存在しないが、類型機であればJR旅客会社各社、特にJR西日本に多く存在するようだ。こちらはJR西日本米子保線区のMJK-MR775.ラッセルヘッドとクレーンを含めた自重は16.5t。

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