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2015年1月24日 (土)

【くろがね線を読み解く】第196回■旧本事務所前に眺望スペース設置へ

 2014年11月21日、西日本新聞WEB版に興味深い情報が掲載されたので、引用する。

八幡製鉄所旧本事務所が見学可能に 製鉄所内に眺望スペース、北九州市

 北九州市は21日、世界文化遺産登録を目指す「明治日本の産業革命遺産」の構成遺産「官営八幡製鉄所旧本事務所」(八幡東区)のそばに来年4月、眺望スペースを整備すると発表した。これまで非公開だった旧本事務所が見学可能になる。

 旧本事務所は、赤れんが造りの2階建てで、官営八幡製鉄所が操業開始する2年前の1899年に完成。長官室などが入る中枢施設だった。稼働中の新日鉄住金八幡製鉄所の敷地内にあるため、安全性の問題などから一般公開が難しく、市と製鉄所が公開手法について協議を続けていた。

 眺望スペースは長さ約150メートル、幅3~12メートルで、旧本事務所から約80メートルまで近づける。専用入り口を設け、歴史を紹介するパネルなども設置。観光ボランティアを常駐させる。整備費は2900万円。敷地は製鉄所が無償で貸し出す。
=2014/11/22付 西日本新聞朝刊=

製鉄所の構内に、入れ代わり立ち代わり不特定多数の来客が出入りできるような施設を造るとは考えにくいので、おそらく本事務所には近づけず、敷地外の遠くから眺めるだけの設備だろうと思っていたが、案の定、その通りであった。

Chobo201411
■左下にあるのが旧本事務所で、水色が眺望用スペース予定地
 西日本新聞WEB版に掲載された鳥瞰図をもとに作図。元記事は、掲載期間終了に伴い既に削除されている。


 記事に掲載された鳥瞰の完成予想図を見る限り、北九州都市高速の敷地と半製品貨車のヤードの間の空き地に展望スペースを造る構想らしい。以前は高速の下の空き地に入ることができたので、くろがね線を読み解く第121回 で旧本事務所を紹介しているが、おそらく眺望スペースからの眺めは、これとほとんど同じアングルになるものと思われる。

八幡製鉄所と同じく世界遺産候補となっている大牟田の三井三池炭鉱関連施設についても同じことが言えるのだが、遺産候補の多くが社有地内にあって見学ができないというのでは、なんのための世界遺産なのかという気もしないではない。産業施設として初めて世界遺産に選ばれたのは、ドイツのザールラントにあるフェルクリンゲン製鉄所なのだが、こちらも現役の製鉄所が世界遺産に選ばれたという点では八幡製鉄所と似たような境遇であるといえる(もっともフェルクリンゲンの方は、停止した高炉が世界遺産となり、後工程の製鋼、連続鋳造、圧延部門が現役なのだが)。眺望設備の竣工は2015年4月とのことなので、完成した暁には、ぜひ訪れてみようと思う。

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

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コメント

いつも楽しく読ませてもらっています。ところで、この眺望施設ですが、4月15日号の市政だよりに、4月17日(金)公開と載っておりました。ただ、残念なのは、当然と言えば当然ですが、『施設は工場構内のため、写真・動画の撮影はできません』とのことです。せっかくの眺望用施設なのに、何とかならなかったのかなあと思います。ご存知とは思いますが、本事務所は外部から場所によっては写真撮影も可能なので、いまさら眺望施設からだけの撮影を禁止してもあまり意味がないように思えます。不謹慎な私としては、鉄道も撮影できないかなとか思っていたので、至極残念です。

投稿: 枝光人 | 2015年4月10日 (金) 20:29

枝光人様
またのコメントありがとうございます。いよいよ地域情報誌に発表されたのですね。
調べたところWEB版にも掲載されているようです。

http://www.city.kitakyushu.lg.jp/page/dayori/150415/topics/topics2.html

写真・動画撮影禁止は仰るとおり残念です。
番人(北九州イノベーションセンターの常駐職員)もいるようですしねcoldsweats01
眺望スペースから見える範囲にあるのは、レールや鋼矢板を積んだ貨車とそれを入れ換える機関車だけで、
生産ラインなどがある工場の建屋の中が見える場所はどこにも無いので、
仰るように私も問題ないような気がするのですが……。

でも団体ツアーの外国人が大挙して訪れたら、いくら撮影禁止と言っても統制利かない気がしますが(苦笑)

投稿: 社長 | 2015年4月14日 (火) 13:17

こんばんは。
16日の朝刊の地域欄に、①眺望施設からの写真撮影解禁②世界遺産候補の対象になっている
工場内3施設のバス見学コース設定 を、工場側が検討中と出ていました。
くろがね線いや本事務所の写真撮影がしやすくなるなあ。
小倉地区への専用鉄道の方は、まだ、工事らしきものをしている様子もないし、
工事しているといううわさも聞きません。
この前、お返事いただいたように、自然消滅もありえますね。。。

投稿: 枝光人 | 2015年6月17日 (水) 21:02

枝光人さんこんばんは
またのコメントありがとうございます
写真撮影解禁を検討中というのはうれしいことですね。
この眺望スペース、私も興味があって5月に訪れました。見るだけなので、5分で終わりましたが(苦笑)
くろがね線の機関庫が逆側から見られるので、薄緑色に塗りかえられた架線作業用貨車は綺麗に見えそうです。
バス見学コースはやはり撮影禁止なのでしょうかね。

投稿: 社長 | 2015年6月17日 (水) 23:57

こんばんは。こちらは、世界遺産決定の翌日からかなりにぎわっています。市の世界遺産推進関係部署に勤務する友人の話では、電話が鳴り止まずいろんな人が訪ねてきて大忙しとか。私の職場の近くでも今日は昼にイベントやってました。で、気になる写真撮影ですが、本日7月6日(月)から解禁になりました。まだ、行ってませんが、カメラ抱えて、長時間粘って鉄道撮ってたら何か言われるかなあ?

投稿: 枝光人 | 2015年7月 6日 (月) 22:01

枝光人さんこんばんは
コメントありがとうございますsun

写真撮影が早速解禁されたのですね。
でもあの場所の側線は、主に平日しか入換をやらないので、土日に訪れてもあまり撮るものは無さそうな気もします。。
ただ、以前弊ブログでも紹介した25Mレール輸送用の3軸貨車を間近で撮影できるのは良いですね。
くろがね線の機関区側には高い壁があったはずなので、機関区は撮れなそうですね。

世界遺産決定が遅れた経緯については色々報道されていますが、
韓国側の主張するforced labor(強制労働)という表現を受け入れず、
forced to work(労働を強いられた)としたから強制労働ではないというのは、
いかにも役人らしい屁理屈に私には聞こえます。
言語・コミュニケーションというのは相対的な文脈によってその意味が決まるので、
日本の官僚がいくら解釈を開陳しても
文脈を決めるのは日本ではなく海外ですからね。
特にユネスコや国連で発言権を持っている国々の受け止め方次第では、
将来に禍根を残す結果ではないでしょうかね。

投稿: 社長 | 2015年7月 8日 (水) 00:42

はじめまして。八幡構内世界遺産の展望台からの撮影解禁になったとの事で、さっそく出かけてきました。電車も3両ほど常時待機しています。望遠、3脚は、禁止ですが、70mmもあれば、手持ちで十分アップが撮影出来ます。フェンス越しなのが珠に傷ですが。管理の方もやさしくて、自由に撮影させていただけました。

投稿: 矢野 | 2015年7月22日 (水) 18:36

矢野さんはじめまして
撮影解禁はフェンス越しとのこと。
あまり目が細かいと実質撮影禁止と変わりませんが、どうなのでしょうか。
シルバーウィークまでには一度訪れてみたいものです。

投稿: 社長 | 2015年7月23日 (木) 01:17

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