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2015年5月

2015年5月25日 (月)

【くろがね線を読み解く】第201回 ■150mレール輸送列車

 2015年3月のダイヤ改正より、黒崎発東京貨物ターミナル行の150m長尺レール輸送用列車が運行を開始した。東海道新幹線用の150mレールを、製造元であるY製鉄所から輸送するための列車で、2015年3~5月現在の運行実績は、黒崎発隔週日曜日である。黒崎→北九州タの上りは改正前同様の170列車、北九州タ→東京タは最高速度95km/hの8090列車として運行される。

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JR東海の新幹線用レールセンター・保線基地のうち、150mレールの受入(荷役)に対応しているのは、いまのところ浜松レールセンターだけであるため、150mレールの着駅は西浜松である。西浜松→東京タで8090列車が運行されているのは、静岡貨物、相模貨物、東京貨物ターミナル向けの50mレールを輸送するためである。

上写真は、2015年5月24日に黒崎を出て北九州タへ向かう170レである。東京タ寄り(機関車次位)から順に、まず東京駅品川保線区(東京貨物ターミナルに隣接)向け50mレール28本を積載したチキ5500×3両が連結され、続いて浜松レールセンター向け150mレール28本を積載したチキ5400、5500、5450から成る9両編成×2本が加わり、合計21両編成の長大編成となった。編成全体の荷重は単純計算で588tにも及ぶ。チキ5500の積車換算は4.0、チキ5400・5450の積車換算は4.5だから、編成の積車換算両数は4.5×6+4.0×15=87である。

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東京駅品川保線区で150mレールの荷卸しができるようになれば、東京貨物ターミナル行も運行されるようになるだろう。この日は東京へ戻りながら170レ→8090レを追いかけることにした。
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小倉から各駅停車を乗り継ぎ、某駅からあらかじめ呼んでおいたタクシーに乗り10分(¥1,320-)、山中で下車徒歩3分でこの場所へ。8090レの幡生→東京タ間は吹田機関区の電気機関車が牽引するが、臨時貨物列車のため、EF200であったり、上写真のようにEF210であったりする。編成は、東京タ寄りから順に以下の通りである。赤が東京タ行50mレール積載車、青が西浜松行150mレール積載車である。

  • チキ5500-13
  • チキ5500-14
  • チキ5500-15
  • チキ5400-1
  • チキ5500-16
  • チキ5500-17
  • チキ5500-18
  • チキ5450-1
  • チキ5500-19
  • チキ5500-20
  • チキ5500-21
  • チキ5400-2
  • チキ5400-5
  • チキ5500-1
  • チキ5500-2
  • チキ5500-3
  • チキ5450-3
  • チキ5500-4
  • チキ5500-5
  • チキ5500-6
  • チキ5400-6

引き続きここまで連れてきてもらった運転士に厚狭まで運んでもらい(¥1,640-)、こだまで広島へ向かうが、途中徳山で一旦ホームに降りてみる(改札から外へは出ない)。

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すると、入線してくる8090レを俯瞰で迎えることができた。8090レは徳山ではホームの無い2番線へ入線し、およそ1分間停車していた。

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この位置で停車。車票や特大貨物検査票を記録するなら、こういった途中停車駅を利用して効率よく調べるとよいかもしれない。(もっとも西八幡や黒崎まで行けばゆっくりチェックできるが)

ふたたび後続のひかりに乗り、今回最大の狙いである瀬野八へ向かう。時間的には、大竹-広島間でもう1回撮影してから瀬野八へ移動しても追い越して先回りできそうだが、今回はリスクを冒さず直行したので、8090レ通過の1時間30分以上前には現地へ着いてしまった(八本松からタクシーで¥1,060-)。

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17時に現れた8090レ。東京駅品川保線区向け50mレールもカーブに沿って曲がるが、

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浜松レールセンター向け150mレールはよりダイナミックに曲がる。

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150mレール積載編成の2本目が現れる。そして後ろから力強く押しているのは…

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8090レの後部補機に指定されている広島車両所のEF67。時刻が時刻だけに、夏至前後の各々1.5か月間くらい(トータル3か月間)しか撮影できない、貴重なシーンである。来年のダイヤ改正で、担当がEF210-300に変わる可能性もゼロではないから、記録するなら早い方が良いだろう。

●150mレールの輸送先

 JR東海浜松レールセンター向け50mレール輸送は、今春から150mレール輸送にとってかわられた。従前の50mレールの輸送単位は、28本を1~2編成、毎週2回程度であったので、週あたり50m×84本、すべてを1本に溶接した場合の長さ4200m分のレールが運ばれていた。いっぽう、150mレールの輸送単位は28本×2編成となり、倍の8400m分のレールを運べることになる。つまり、2週間にわたり毎週2回運んでいた量を1度に運べることになる。運行が隔週なのはこのためと思われる。

ただし、レールメーカーのプレスリリースを読む限り、150mレールはJR東海以外の鉄道事業者各社へも拡販していくことを最初から念頭に置いているのは明らかで、本数が少ないのは一時的なことに過ぎない。東京駅品川保線区向け輸送の開始後は、どこに輸送されるようになるだろうか。

 ここからはあくまでも個人的な推測になることをお断りしておくが、JR東日本なら東京レールセンター(越中島)、JR西日本なら向日町レールセンターへの直送が想定される。たとえば東京レールセンター向けの場合は、現状ではY製鉄所で船積みした25m定尺レールを江東区有明にある物流子会社の倉庫(ゆりかもめの車両基地に隣接)へ船で輸送し保管のうえ、必要の都度、艀に乗せて越中島のレールセンターまで輸送している。貨車でY製鉄所からレールセンターへ直送できるようになれば、25mレールを溶接してロングレールにする手間だけでなく、輸送工程上の二度手間も解消することになる。向日町レールセンターについても、船で輸送し大阪港(安治川口駅構内の荷役設備)で陸揚げして、JR貨物の1180列車→1182列車で安治川口から梅小路(京都貨物)まで送り、そこからJR西日本の配給列車で向日町駅のレールセンターまで届けているので、やはり二度手間は解消する。

●競合他社J社が対抗製品を出す可能性はない

 日本国内で鉄道用レールを製造しているのは、Y製鉄所とJ社N製鉄所(福山地区)のみだが、福山も150mレールを同じように製造する可能性はあるのだろうか。答えはNOである。Y製鉄所は元々圧延設備が150m対応なのでレールは150mで圧延していたが、輸送の都合で3分割(50mレール×3)ないし6分割(25mレール×6)していたにすぎない。これに対して福山は最初からレールを50mで圧延しているので、圧延設備を改修ないし新設しない限り、150mレールを製造することはできない。

●2015年12月19日追記

 別記事にて言及した2016年3月ダイヤ改正で登場するJR東海以外の鉄道事業者向け150mレール輸送であるが、JR西日本向けについては、ロングレールの荷卸しが可能な新幹線用保線基地へ直送し、向日町レールセンター行きの設定は無いようである。納入先の鉄道事業者によってレールの受け入れ方が異なり、興味深い。

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2015年5月19日 (火)

【くろがね線を読み解く】第200回記念■小倉地区高炉2018年度末に休止

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■小倉地区の高炉休止と、戸畑第4高炉からの溶銑輸送  2015年3月3日、新日鐵住金中計発表資料より引用

 2015年3月3日、新日鉄住金の中計(2017年中期経営計画)が発表された。八幡製鐵所の鉄源最適生産体制構築と棒線品種競争力強化策の中で、構内鉄道に影響がありそうな事案があったので、引用させていただく。

  1. 旧住金小倉製鉄所の高炉休止
  2. 戸畑第4高炉の出銑率の向上
  3. 戸畑地区→小倉地区への溶銑輸送用線路の新設
  4. 社内の他製鉄所からの特殊鋼棒線用鋼片の供給

まとめると、(1.高炉休止)を実施してもなお、小倉製鉄所の製鋼設備を稼働し続けるためには、(2.戸畑出銑率向上)と(3.溶銑輸送)が必要で、かつそれだけでは鋼片が不足するから(4.鋼片受入)が必要、という主旨である。記者会見発表直後の朝日新聞・毎日新聞の記事では、(4.)の鋼片供給元について「大分製鉄所」や「和歌山製鉄所」などという名前が飛び出していたが、いずれもいわゆる「飛ばし記事」であり根拠がなく、のちに日経新聞や日刊鉄鋼新聞などの他紙より「室蘭製鉄所から鋼片を供給」との正確な情報が発信されている。

【出典】

●日経新聞 2015/3/3 15:15 (2015/3/3 16:40更新)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03HDQ_T00C15A3000000/

●日刊鉄鋼新聞 2015/03/04 06:00更新
http://www.japanmetaldaily.com/metal/2015/steel_news_20150304_1.html

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 上図は、新日鉄住金の各製鉄所で生産している主力製品とその元となる半製品を、私の個人的知見(工場見学など)を基に一覧化したものである。この通り、小倉で生産している棒鋼・線材の元となる半製品ブルーム・ビレットを供給できるのは、室蘭製鉄所をおいて他にない。以前別記事のコメントでも言及したが、日本全国の工場で同じ製品・品種を生産している石油精製会社やセメント会社とは異なり、製鉄業では工場毎に生産しているものが全く異なる。したがって、距離的に近い工場があったとしても必ずしも半製品の供給元とはなりえないのである。小倉への鋼片供給元が、距離的に近く輸送コストが低いはずの大分ではなく、旧同グループ会社の和歌山でもなく、意外や意外、最も遠いはずの室蘭になるのも、このためである。

 室蘭製鉄所は、三菱製鋼が資本参加することを条件として、1994年4月に製銑部門(高炉)を北海製鉄として分社化した。以降、室蘭製鉄所の棒鋼・線材は北海製鉄の高炉1基から供給された溶銑によって生産されている。また室蘭製鉄所の製鋼工程から生み出される溶鋼は、自社の後工程(連続鋳造→圧延)のみならず、北海製鉄へ出資している三菱製鋼系列の三菱製鋼室蘭特殊鋼へも供給されている(→以前の記事のコメントを参照)。このことから、室蘭の高炉1基では小倉で必要な鋼片全量を賄う能力はないと思われる。戸畑からの溶銑供給は、室蘭の鋼片供給力不足を当面補完するためのものだが、将来の小倉地区の製鋼工程廃止(戸畑地区からの鋼片供給開始)をも視野に入れれば、海底?トンネル建造費を負担しても充分ペイするという算段なのだろう。

 さて、戸畑→小倉間に線路が新設されるとなると、気になるのはそのルートである。溶銑輸送線は「私鉄道+トンネル」になるとあるが、全区間海底トンネルとすると工費が膨らみすぎるので、おそらく途中まで地上を走行し日明(ひあがり)埠頭のどこかから地下に潜ると推察される。以前別記事で紹介したとおり、Y製鐵所戸畑地区から東へ出るルートとしては日明本線の廃線跡が現存するが、境川を渡った先の新日鐵高炉セメント社敷地内の廃線跡は、既にレールは取り外されて舗装され、バラ車がセメントを積み込むための導線として利用されている。このため、今更廃線跡に単純に線路を復活するとは思えない。どのようなルートに決まるのか、大変興味深い。

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■君津製鐵所D8006が牽引する450t混銑車 2014年見学時に撮影

なお中計では、2015年度末の君津製鐵所の高炉2基化(第3高炉休止)と、和歌山製鉄所の新第2高炉稼働開始準備も発表されている。

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■君津製鐵所第4高炉前で待機する機関車。左から順にD6025, D8016, D8007   2013年

君津製鐵所は毎年夏に工場見学のイベントが開催されているが、これまで写真撮影可能なのは第4高炉のみであり、第3高炉で活躍している機関車は撮影することができなかった。休止により第4高炉へ活躍の場を移すならば撮影できるかもしれない。

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■新高炉向けに増備された北陸重機製65T機D-73 2014年

いっぽう和歌山製鉄所では、2008~2009年前後に新高炉での溶銑輸送用に新造された北陸重機製65t機関車が、導入以来その性能を持て余し気味であったが、いよいよ本領発揮となるか注目されるところである。新高炉は竣工の数か月前に新日鉄との合併が決まり、合併直後に完成はしたものの火入れは延期されていた。他の製鉄所で高炉休止をしているので無理からぬことではある。今後の和歌山製鉄所の動きにも注目したい。

■戸畑-小倉間の溶銑輸送専用線建設案の撤回

 方針変更前の情報をそのまま発信し続けるのは問題があると思われるため、2016年にいただいたコメントを、記事に取り込ませていただく。

2016年3月30日付で、N社ホームページにて以下の発表がなされている。

「八幡製鉄所における最新鋭連続鋳造設備の新設について」

 2017年中期経営計画(2015年3月3日公表)の主要施策の一つである八幡製鉄所の鉄源工程の最適体制構築について、公表以降、具体策の詳細検討を進めて参りましたが、既公表の方案検討に加え、小倉地区の棒線品種の競争力をより一層強化するとともに、他品種も含めた八幡製鉄所の総合的競争力強化を図る観点から各種検討を行った結果、この度方案を変更することと致しました。

 具体的には、最新鋭の連続鋳造設備(以下、CC)を戸畑地区に新設、棒線向け・軌条向け鋼片製造を集約し、更なる生産性向上を実現致します。新設する設備は、小倉地区第4CCの基本設計を踏襲し、同CCの特性を活かした上で、品質対応力と生産能力を一層向上させたCCと致します。
 
(中略)

  今回新たにCCを設置することに伴い、既公表の小倉地区の製銑設備及び製鋼第3CC系列設備の休止に加えて、小倉地区製鋼の精錬設備、第4CC系列設備、及び戸畑地区CC1基を休止致します。また、当初予定していた戸畑地区から小倉地区への溶銑輸送鉄道専用線は建設しないこととするとともに、小倉第2高炉の休止予定時期も昨年公表時から2年延期し、2020年度末と致します。

このように、専用線マニアの間で話題になった戸畑-小倉間の溶銑輸送専用線は、戸畑地区への連続鋳造設備集約とそれに伴う小倉地区の高炉・製鋼設備廃止により、建設する必要が無くなったことを、申し添えておく。

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2015年5月18日 (月)

★860000アクセス突破★東武8000系ペンギントレイン

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 2015年5月17日日曜日、東武伊勢崎線北春日部-東京スカイツリー間にて、団体臨時列車「ペンギントレイン」が運行されました。すみだ水族館のマゼランペンギン4羽が同乗し、招待された子供たちはペンギンとのふれあいを楽しみました。

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昨日はこれだけ撮って終了。半直でそのまま神保町の書泉グランデへ行き、JTBパブリッシングから発売された、『知られざる連合軍専用客車の全貌』なるアツい書籍を購入し、スタバで資格試験の勉強をして涼んでから、アメ横で夏向きの洋服を購入し帰路につきました。

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