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2015年6月10日 (水)

【くろがね線を読み解く】第202回■150mレール輸送用チキ5400形・5450形長物車(完全版)

 およそ1年前、150mレール輸送用チキ5400形・5450形長物車についての速報記事を、弊ブログに掲載した。その直後に、物流博物館で開催されていた特別展示を見に行った際に渡辺一策殿からうかがった話だが、最近JR貨物は新製貨車の記事を鉄道雑誌へ寄稿しなくなっており、それが貨車ファンにとっては悩みの種とのことであった。

実際に、鉄道ピクトリアル臨時増刊号として毎年刊行されている『鉄道車両年鑑』(前年に登場した新製車両・改造車両の詳細を網羅している唯一の雑誌)においても、最近は貨車の記事が無いか、あっても諸元データの記載がなく、出典・情報源も曖昧なものが目立つ。チキ5400形・5450形については、2014年10月号臨時増刊号に鉄道友の会柴田東吾氏による解説記事が掲載されいているが、内容的には雑誌発売前の4月に弊ブログに掲載した速報記事と五十歩百歩であった(笑)

そこで本稿では、業界誌へリリースされた当該貨車の情報に、これまで自身で観察して得られた情報を適宜盛り込み、まとめることにした。昨年4月の記事が「見たまま速報版」とするならば、本記事は言わば「完全版」である。

■JR貨物150mレール輸送用 チキ5400形・チキ5450形長物車

Chiki5400rail Chiki5450rail
■150mレールを積載したチキ5400-1(左)とチキ5450-1(右) 2015年5月

1.登場の経緯

 速報記事で紹介したとおり、従来は製鉄所で長さ150mで圧延したレールを25mないし50mに切断して輸送し、輸送先の鉄道事業者で溶接してロングレールとしていた。本貨車の登場によって150mレールを切断せずにそのまま輸送できるようになり、鉄道事業者側の溶接工程削減による線路保守コストの低減とレール品質向上を図ることができる。

2.諸元

 150mレール輸送用貨車は9両編成で、編成両端車チキ5400形2両と、編成中央車チキ5450形1両、中間車チキ5500形6両から成る。今回新登場のチキ5400形・5450形の諸元は以下の通り。

 2-1.両端車

  • 形 式  チキ5400
  • 全 長  15,000mm (車体長14,200mm)
  • 自 重  18.7t
  • 台 車  FT1G-1(後位側)、FT1G-2(前位側)
  • 車輪経  860mm
  • ブレーキ 応荷重式自動空気ブレーキ(CL)
  • 最高速度 95km/h
  • 荷 重  37t
  • レール積載可能本数 28本または0本
  • レール積付具 3個(間隔4,575mm)

 2-2.中央車

  • 形 式  チキ5450
  • 全 長  15,000mm (車体長14,200mm)
  • 自 重  18.7t
  • 台 車  FT1G-3
  • 車輪経  860mm
  • ブレーキ 応荷重式自動空気ブレーキ(CL)
  • 最高速度 95km/h
  • 荷 重  37t
  • レール積載可能本数 28本または0本
  • レール積付具 2個(中央締結装置との間隔3,550mm)
  • 中央締結装置 4個(両端間隔1,000mm、中央間隔1,600mm)

参考までに、編成に組み込まれた在来車流用の中間車についても記載する。

 2-3.中間車(在来車流用)

  • 形 式  チキ5500
  • 全 長  18,150mm (車体長17,350mm)
  • 自 重  17.0t
  • 台 車  FT1-2
  • 車輪経  860mm
  • ブレーキ 応荷重式自動空気ブレーキ(CL)
  • 最高速度 95km/h
  • 荷 重  37t
  • レール積載可能本数 28本または0本
  • レール積付具 4個(両端間隔5,125mm、中央間隔3,600mm)

3.台枠

 チキ5500形のみで9両編成を組んで150mレールを積載した場合、両端の車両はレールが車体中央あたりまでしか載らず重心が偏ってしまうため、新形式のチキ5400形・5450形の全長は、18m級のチキ5500形より短い、15mとされた。全長を短くすると、空車重量が軽くなりすぎて高速走行時の安定性を損なうため、側バリ構造の工夫によりチキ5500形と同等のねじり剛性を維持しつつ自重は1.7t増の18.7tとされた。また台車中心間距離は10,700mmで、車端から台車中心までの長さをチキ5500形と全く同じ1,750mmに揃えている。

4.台車

 コキ100形~105形で採用されているFT1系台車をベースに、2段マクラバネを組み込んだFT1G台車(FT1G-1~3)が新規開発された。2段マクラバネは、空車時は走行安定性を確保するために外側の柔らかいバネのみが作用する(バネ定数が小さくなる)が、積車時には隣接するチキ5500形と車体高さが同じになるよう、内側に組み込まれた固いバネが作用し(バネ定数が大きくなる)、荷の積/空によってバネ定数の切り替わる構造である。なお軸受はコキ106形と同じJT11Bが採用された。

5.レール中央締結装置、レール積付具

 50mレール輸送時には、中央締結装置は3両編成中央のチキ5500形に2個設けられていたが、チキ5450形には4個設けられている。これは、レールの長さが長くなり曲線区間走行時の横圧が増加するためである。また積付具については、曲線区間走行時の輪重(車輪の左右にかかる重量)のバランスが過度に崩れないよう、レールの枕木方向の可動範囲を従来の1,880mmから1,604mmへと狭めている。

6.その他

 両端車についての雑多な事柄であるが、量産先行車のチキ5400-1・2と、量産車の3~以降では、車端部手すりの長さ(高さ)が異なる。3~以降では、貨車を先頭にして入換運転を行う際の誘導者の安全性確保のために、手すりが高くなっている。なお先行車についても量産化改造が行われ、現在では見分けはつかなくなった。

【参考】

  • Rollingstock & Machinery APRIL 2015 VOL.23 No.4 pp73-76
  • MONTHLYかもつ 2015年6月号 pp22-23

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