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2015年8月12日 (水)

【くろがね線を読み解く】第205回 ■150mレール輸送船 PACIFIC SPIKE

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■Y製鐵所八幡地区輸出岸壁に寄港中のPACIFIC SPIKE  2015年8月8日

 住友商事のプロジェクトにより、新来島どっく大西工場にて2014年8月29日に竣工した、世界初の150m長尺レール輸送専用船、それが PACIFIC SPIKE である。全長はおよそ190m、D/W(載貨重量トン数)は23,000屯、甲板上には荷役用デッキクレーンを備え、長尺レールを2000本積載することができる。用途は輸出向けで、貨物鉄道向けのレール需要が旺盛な北米が主な輸送先となる。150mレールの国内向け輸送は、2015年3月のダイヤ改正より鉄道貨車で開始されているが、この船による輸出はそれ以前の2014年9月より開始されている。したがって、150mレールの出荷開始は、2015年3月ではなく、2014年9月が正しい。誤解無きようお願いしたい。

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先端に船の名称がペイントされている。

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左舷甲板上には、50tデッキクレーンがおよそ50m間隔で3基設けられている。デッキクレーンは三菱重工製で、シンクロ制御機能により3基を同期して動かすことができる。またリモコン制御のため見通しの良いハウス(居住区)前の操作デッキからの遠隔制御が可能となっており、安全に作業することができる。甲板上のレール積付具は、どことなくチキのそれを巨大化したような構造である。

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ハウス(居住区)の周辺。

Pacificspike06

よく見ると、そこにも「PACIFIC SPIKE」の表記がある。

■PACIFIC SPIKE 諸元

  • 全 長  :  189.9m(垂線間187.00m)
  • 全 幅  :  28.20m
  • 深 さ  :  14.00m
  • 満載喫水:  8.00m
  • 総トン数 :  20,506
  • 載貨貨物:  24,041t
  • 主機関 :  マキタ-三井-MAN B&W 6S42MC7.1型ディーゼル機関×1基
  • 航海速力:  約14.0ノット
  • 定 員 :  25名
  • 船 級 :  日本海事協会(NK)
  • 船 籍 :  パナマ

【参考】

  • 『長尺レール運搬船「PACIFIC SPIKE」竣工』(株)新来島どっく技術設計本部基本設計部船体計画課 松本智、日本船舶海洋工学会HP
  • 日刊工業新聞 2014年4月23日版
  • LNEWS 2014年10月28日版

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コメント

はじめまして
船の写真を見て気になったのですがLRC、480はどんな意味があるのでしょうか。

投稿: 澤部似の銅メダリスト | 2016年8月18日 (木) 12:00

澤部似の銅メダリストさん、はじめまして。
パシフィックスパイクの表記についてのご質問ですが、正確なところは不明ですが、
おそらくLRCは Long Rail Carrier の略で、
480は長さ 480feet (≒150m)を指していると思われます。

JISではロングレールは長さ200m以上のレールを指し、150mのものは長尺レールに相当しますが、
北米では長さ150mのレールもロングレールと呼称するのかもしれません。
レール輸出用の船ですので、表記もJISに縛られる必要はないのではと思われます。

投稿: 社長 | 2016年8月19日 (金) 07:31

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