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2015年9月28日 (月)

★苗穂車両所輪西派出公開★スイッチャー・貨車展示

 2014年10月4日、JR貨物苗穂車両所輪西派出が一般公開されました。2013年7月27日に鷲別機関区輪西派出として公開されて以降、2年連続となります。2013年の公開イベントは初開催ではありませんが、前の公開から20年以上経っていますので、今回は事実上公開2回目と言ってよいでしょう。

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実は2013年のイベント予告時に情報は得ていたのですが、天気予報が雨でしたので訪問を控えました。2014年は開催日含めて週末土日共に天気は晴れ。絶好のイベント日和となりました。入口には手作り感あふれる横断幕が掲げられ、詰所で構内案内図を配布していました。 

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このイベントの目玉は、DD51形ディーゼル機関車の運転体験や部品販売……ではなく、入換用機関車が展示されることです。以前紹介しているように、この工場は敷地外から見られる場所がほとんどなく、中で使用されている入換機関車についてもこれまであまり多くの情報が得られませんでした。このようなイベントを開催いただけるのは、ほんとうに有難く、夢のようです。


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 まずは、以前輪西の丘から撮影したスイッチャーから。JR貨物北海道支社の通風コンテナに似た塗装を施された20t機です。ラジエーターカバーの前に絨毯のようなものがかけられていますが、防雪用でしょうか。

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1978年(昭和53年)協三工業製で、機械番号は06-28-01-082です。機関車表フルコンプリート版によると、新製時に06-28-01-082だったものが、後に東室蘭駅配置となり、06-28-01-272に変更されたことになっていますが、実際に現物の機械番号を確認すると上写真の通り「082」です。後述しますが、機関車表の「272」の記録は間違っていると思われます。

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2エンド側からもじっくり眺めます。スノープラウがゴツいです。たまたま職員の方がいらしたので、声をかけてキャブの中の銘板写真を撮らせていただけないか訊いてみたところ、なんとか許可が下りました。協三工業製スイッチャーの銘板は通常、キャブ内の1エンド側窓上についていることが多いのですが、このスイッチャーは2エンド側窓下についていたので、ちょっと探すのに手間取りました(苦笑) 1978年(昭和53)年2月製造、製造番号は20992でした。

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 次に、もう1両のスイッチャーを観察。こちらは上の20t機が検査や不調で動けないときのみ出動する、予備の10t機です。普段は動車庫の中で静かに出番を待ち続ける存在で、お天道様の下にはめったに出てこない、大変貴重な機関車です。まぁ、マスプロなので形はありきたりですが。

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北海道らしく旋回窓と大型のスノープラウを装備しているのがポイントで、ボンネット先端に貼り付けられた「JR貨物」のロゴもいいアクセント。

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1975年(昭和50年)協三工業製で、機械番号は06-28-01-272です。最初に紹介した20t機の機械番号の変更後の番号と同一になっているので、おそらく機関車表はこの10t機の機械番号と20t機の機械番号を取り違えたものと思われます。


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10t機のキャブ内機器配置にはバリエーションがあるので中をじっくり観察しましたが、逆転器レバーが中央に、ブレーキハンドルが非公式側窓際に配置されたノーマルなタイプのようです。中には、入換作業時に操作がし易いよう、逆転器も窓際に配置されている機種もあります。

こちらもキャブ内の銘板を確認したところ、1975年(昭和50年)12月製造、製造番号10893でした。

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 このイベントでは、スイッチャーとともに、貨車も展示されていました。

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こちらは、以前の記事でも紹介しているチ1000形改造の控車で、種車はチ1109です。一応、トム16000形をベースに改造されたとされていますが、実際には車歴を引き継いだだけで、台枠から新製しています。その証拠に、チ1000形の軸距(ホイールベース)は4,300mmですが、トム16000形のそれは3,900mmです。車体長も、チ1000形の7,300mmに対してトム16000形は7,030mm、車体幅もチ1000形の2,550mmに対してトム16000形は2,300mm(あおり戸の厚み除く)です。どう考えても別車両ですね。

他人様のブログを拝見すると、この控車は廃車となりもう使用されていないかのような書き方をされていることがありますが、車籍が無いだけで工場内での入換に現在でも使用されています。(最近のこちらの記事も参照

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こちらは、車運車の試作車、クキ900-1です。コキ1000にタンクトレーラー積載用の受台・タイヤガイドを設置した車両で、1988年に日本車輌製造で改造されました。1989年(平成元年)7月に東室蘭-北見間で本線試験走行を実施した後は、使用されることなく輪西派出の端っこで永らく保存(放置?)されていました。残っていてよかったですね。形式図によると、寸法は全長16,320mm(連結面間隔)、全幅2,692mm、高さ1,202mmで、空車重量20.0t、最大積載量27.0tです。台車は種車のTR215Fで最高速度は85km/hです。

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構内には、随分古めかしい橋はかり(秤量器)もありました。軸距7,320mm以内の車両の全重を、最小10kg単位で測定することができます。設置年月は、なんと昭和2年7月とのこと。こんなものが残っていること自体驚きですが、とはいえ現在では2軸ボギーの貨車が大半で、この秤には乗り切らないので、使う機会はないと思われます。

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秤量器のある建屋の中から、乗車体験走行中のDD51を遠望。本輪西の専用線が現役の頃は、奥のルートインによくお世話になりました。

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惜別機関区……ではなく、鷲別機関区の区名札も過去帳入りしました。

 関東に住んでいる私のような者にとっては、北海道は決して気楽に訪問できる地域ではありませんが、今回のイベントを通して、永らく手の届かない存在だったスイッチャーたちを間近に見ることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。同じ日の午前中に見学した室蘭製鉄所も含めて、大満足の1日になりました。製鉄所のスイッチャーも謎めいていて魅力的ですが、やはり「会いに行けるスイッチャー」は良いですね(笑) この後、スイッチャー探訪界の大御所の方とお会いし、有難いことにクルマで苫小牧まで送っていただき、翌日の711系撮影へとつながります。

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コメント

こんばんわ〰 工場が公開されたあと、入れ換えは行われましたか?? クキ900が動いたならみてみたいです

投稿: アストナージ | 2015年10月 4日 (日) 18:45

アストナージさんこんばんは
またコメントありがとうございます
当日はイベント後の入換を期待して輪西の丘に登ってしばらく眺めていましたが、DD51がイベントスタッフを乗せて?最後に1往復しただけで、スイッチャーの貨車入換はありませんでした。翌日は日曜でしたから、きっと入換は月曜午前中に実施したのではないかと思われます。

投稿: 社長 | 2015年10月 6日 (火) 21:33

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