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2015年11月17日 (火)

【福井鉄道610形百景】F1000形運用離脱により檜舞台へ!

 福井鉄道では、10月13日に発生した200形電車202号の車両故障に続き、2日後の15日に今度はFUKURAMことF1000形が脱線事故を起こした影響で、大型車が不足したことから、日曜日の日中でも残りの大型車で運用をカバーしなければならない事態に陥っています。幸いなことに?200形203号は運行中ですが、F1000形は車両の設計そのものに問題がある可能性があるため、事故を起こしていない編成も含めて2本とも運用を離脱しています。これは、福井鉄道独自の判断ではなく、国土交通省中部運輸局からの指導によるものなので、長期化は必至でしょうね。

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というわけで、事故直後の日曜日に訪れてみると、案の定大型車610形電車が運用入りしていました。この車両はこれまでほとんど撮影したことが無く(これこれだけ)、いずれも降雪時の姿。200形が検査に入らない限り土日に何度訪れても運用入りしていないので、こんな機会でもなければ、私のような遠方在住者はなかなか撮ることができません。

 土曜夜に移動して鯖江駅前のホテルに前泊、まずは朝一番で下り大型車運用定番の715レを日野川でゲット。駅前からタクシーでワンメーター、近くにセブンイレブンあり。

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徒歩移動してサンドーム西から乗車し、運転士から1日フリー切符を購入して、折り返しの820レは三十八社で撮影。光線は良いのですが電車の風圧でプレハブ屋根が吹っ飛んだのは誤算でした。。まぁいっか(笑)

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越前武生に戻ると、610形(左)と600形(右)が並んで停車していました。右の600形、普段は居酒屋電車として臨時運用に就くのみですが、大型車不足の現在では通常運用に入れるよう車内が復元されており、夕方に堂々と急行運用にも就く姿はなかなか見ものです。

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 この日は昼まで運用に入らないようなので、接近してみます。側面には名鉄車両に似たフォントの「モ 610」「ク 610」の切り抜き文字が貼り付けられています。車体は、元名古屋市営地下鉄1200形(1204→モハ610、1203→クハ610)ですので、「6」の切り抜き文字は名市交の別の廃車体から流用したのでしょうか。いずれにせよ、国土交通省に届けられている正式な形式名はモハ610・クハ610です。

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モハ610の床下機器は、モハ600同様に種車の流用で構成されているため、基本的には1M車なのですが、上の写真の通り、蓄電池(左)とコンプレッサー(右)をクハ610に搭載しているため、実際にはモハ610単独で走行することはできません。これが、両運転台であるモハ600との最大の相違点ですね。

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単独で走行できないため、モハ610とクハ610は棒連結器で連結されており、工場入場時以外、分割することはできません。

 ちなみに、台車と主電動機は豊橋鉄道1900系電車からの流用で、元は国鉄101系電車の廃車発生品であるDT21BとMT46A(出力100kW、端子電圧375V)です。端子電圧とは、主電動機1個あたりにかかる電圧のことで、直並列組み合わせ制御の電車の場合は、回路から抵抗がすべて抜けて並列最終段まで進段したときに主電動機にかかる電圧のことです。101系電車はMM’ユニット方式を採用している(モハ101+モハ100のM車2両を主制御器1基で制御する)ため、架線からの電圧は2両のM車で分け合い、直流1500V下ではM車1両あたり最大で1500/2=750Vがかかります。並列最終段では各台車の端子に750Vかかりますが台車内にある2個の主電動機は直列に接続されていますので、1個あたり750/2=375Vかかることになるわけです。

いっぽう福井鉄道の架線電圧は直流600V。モハ610も直並列組み合わせ制御ですが1M車なので、主電動機の端子電圧は最大で600/2=300Vとなります。端子電圧が375V→300Vへ低下することに伴い、当然出力も落ちます。出力(W)は、電圧(V)と電流(A)の積ですから、モハ610の主電動機出力は、300/375×100=80kWとなるわけです。雑誌に掲載されている諸元はそれとして、自分で計算しても正しい値を導き出すことができます。

※もっとも、モハ600出力不足の教訓から、モハ610では主電動機の限流値が若干アップしているという解説が、鉄道ピクトリアル2001年5月臨時増刊号に記載されていますが。

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 次にモハ610とクハ610の相違点も見てみましょう。モハ600(左)・610(右)ともに、スカートの奥、連結器の下に板状の物体を吊り下げています。これはATS車上子です。床下が走行機器でいっぱいなのでこの位置に取り付けるしかないわけです。

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いっぽうクハ610の場合は、同じ位置には何も付いていません(左)。ATS車上子は、台車間床下に吊り下げられていました(右)。スペースに余裕があれば、取付位置について、なにも運転台直下にこだわる必要はないわけですね。

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 さて、この日は正午過ぎの1207レに運用入りすることが判明したため、福井市内へ先回りしてレンタサイクルを借りることにしました。JR福井駅前をはじめ、フェニックス通り沿いのビジネスホテルなどで借りることができる、ふくチャリ。早速活用しました。

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まずは木田四ツ辻付近で、専用軌道から路面へ進入するシーン。一旦停止し、

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轟音とともに路面へ。F1000形はこの付近で脱線しましたが、610形は難なく通過しました。

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先回りして、公園口で迎え撃ち。

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市役所前でスイッチバックしている間に先回りして…

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定番の、商店街の中を大きな電車が~~の図。何度見ても違和感があります。

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この日はハロウィンウィークということもあり、福井駅前周辺の商店街には若い人が大勢いました。仮装した集団もチラホラ…。旧市街に賑わいがあるのは良いことですが、一過性に終わらないよう願いたいです。


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大名町交差点でもたついている間に先回りして、田原町定番の歩道橋俯瞰。

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田原町駅は、えちぜん鉄道との直通運転のために線路配線を含む駅の構造が大きく変化していました。

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また先回りして、市役所前電停から紅葉バックに迎え撃ち。自転車はどこにでも留められるので便利です。

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通過後に振り向くと、ちょうど770形がヒゲ線から駅へ入ってきました。こうしてみると、大型車と小型車の定員差は、全長だけでなく車体幅にも起因していることが、よく分かりますね。F1000形のように連接3車体でも、幅が小さいと定員はあまり稼げません。

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福井駅前を経由している間に先回りし、足羽川を渡る幸橋で。

このあとは夕方まで運用に入らないことが分かっていたので、福井駅前(の駅前にある)ドトールで一休みし、自転車を返却して最後の〆。

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側面からの流し撮りと、

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やっと入ってくれた、急行運用もゲット。幕に赤地白文字で「急行」と入っているのが最高です。天気にも恵まれ、610形を満喫できた日曜日でした。

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