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2016年1月20日 (水)

★JR貨物西大分駅のスイッチャ― ①新旧交代の儀

 JR貨物西大分駅には、貨車入換用の入換動車(以下、スイッチャーと呼ぶ)が2両配置されています。1990年代まで、九州の貨物駅では、着発線と荷役線の間で貨車を入れ換えるためのスイッチャーが数多く活躍していましたが、JR貨物の着発線荷役・E&S化の推進により次々と姿を消し、現在でも現役なのは西大分と延岡の2駅だけになりました(延岡は2015年3月にDE10入換動車をスイッチャーで置き換え)

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西大分駅の全景は上の通りです。コンテナ線と1番線が荷役線、2番線が下り授受線、3・4番線が下・上本線、5・6番線が上り授受線、7番線が機廻り線としてそれぞれ使用されています。このほか鹿児島寄りに引上げ線があり、下り貨物列車到着後の入換や、上り貨物列車に連結する貨車を荷役線から本線を横断して5・6番線へ入れ換える際に使用されます。

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2両配置されているスイッチャーのうち、使用される車両の常駐位置は1番線です(左写真)。使用されない方は、7番線の小倉寄り末端から分岐している保材線と呼ばれる線路にいます(右写真)。2016年1月9日に訪問した際は、1番線に「505」が、保材線に「106」がいました。したがって、505がこの日入換に使用される方のスイッチャーということになります。


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 保材線にいた「106」は、一昨年の記事で紹介済みです(敷地外より撮影)。1973年4月に日本車輌製造で製作され、三重県四日市市の石原産業専用鉄道(関西本線塩浜駅連絡)の入換用にDL106として新製配置された車両です。2008年に専用鉄道を運行する列車が無くなると、同県内の北越紀州製紙専用側線(紀勢本線鵜殿駅連絡)の入換用に転用され、さらに同側線が2013年3月に廃止されるとJR貨物に譲渡され、2014年に西大分に現れました。配置当初は一昨年の記事の通り山吹色のままで記号番号もDB25-106でしたが、2015年8月にJR貨物小倉車両所で全般検査を受けた際、ボディを朱色に、台枠を白に塗装され、記号番号も単に106となりました。小倉車両所で全般検査を受けたスイッチャーは、本州のスイッチャーの朱色(国鉄DL色に近い朱色4号?)より幾分明るく、中央線201系のオレンジバーミリオン(朱色1号?)に近いのが特徴です。一つ上の写真のスイッチャー505は、塗装変更前の姿ですので、よく見比べてみてください。

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 さて、既に述べたように、使用スイッチャーの普段の常駐位置は、1番線です。早朝5:42に4071列車から切り離した貨車を1番線へ押し込み、続いて9:42着の4075列車から切り離した貨車をコンテナ線へ押し込むのですが、終了後必ず単機で1番線へ戻るのが通常運用です。しかし、ごく稀に上写真のようにコンテナ線に貨車を押し込んだまま1番線へ戻らない場合があります。これが、スイッチャー交代のサインです。

理由を一言でいえば、荷役の都合によります。通常、大きな貨物ターミナルであれば、荷役のために貨車を留めたら、荷役するフォークリフトの方が動き回って作業するので、基本的には終わるまで貨車を動かすことはありません。ところが、西大分のコンテナホームは上の通り非常に狭隘で、場所によっては線路の間際までコンテナ置き場になっているほどです。必然的に荷役可能なスペースが限られるため、フォークリフトが荷役する場所をある程度限定し、荷役が終わったら貨車の方を編成ごとスイッチャーで動かして、次に荷役する貨車をフォークリフトのいる場所まで移動する、という手法をとります。この作業が1編成あたり数回発生します。

スイッチャー交代の日は、4075レの着後入換までは従来のスイッチャーが担当し、終了後は1番線へは戻らずにスペースを空けておいて、前述の貨車小移動時に交代スイッチャーが登場する、というのフローになります。

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 では交代が何時頃なのかというと、荷役の進捗に因るので一概には言えません。コンテナが普通に乗っていれば、概ね13時~15時頃が多いようです。私が撮影した日は14時過ぎでした。運転1、誘導2の合計3名体制での入換作業となります。分岐器は側線含めて自動ポイント化されているので、2名でも可能かもしれませんが、本線横断を伴うので保安上の観点で人数を増やしているのかもしれません。このほかに、駅ホーム上にある操作室で本線線路の閉鎖や分岐器の切り替えを行う方が1名います。

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保材線を出て7番線へ入線し、中島踏切付近の本線横断箇所へ向かうスイッチャー106。

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本線横断前に一旦停止することは容易に想像がついたので、Bダッシュして先回り。7番線を出たスイッチャーは、

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3・4番線を渡って引上げ線へ。

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スイッチバックして、1番線へと滑り込みます。


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日車のスイッチャーがJRのマークを付けていると、なんとなく違和感がありますね。


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コンテナ線の505と並んだ106。更に貨車に接近して、


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連結しました。

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新旧スイッチャーの並びは、交代の間の数時間しか見ることができない貴重なシーンです。このあと、505の方が本線を逆に横断して保材線へと納まり交代終了となるのですが、その入換時刻はなんと日没後です。理由は、コンテナ線の貨車を南延岡発の4076レに連結するために本線を横断して5番線へ押し込むのが20時過ぎであるためです。終了後、スイッチャーは通常のように1番線へは戻らずに保材線へ向かうことになります。

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翌朝見てみると、505が保材線に納まっているのが確認できました(写真左奥)。

 西大分の2両のスイッチャーに正副の関係はなく、2週間毎に交代する交互使用体制です。交代日は土曜が多いようですがたまに日曜にやることもあるみたいです。また1両が検査で不在の間は、当然残りの1両が2週間を超えて稼働し続けます。平日しか稼働しない専用線の場合、スイッチャー交代は週末金曜にやることが多い印象ですが、西大分発着の貨物列車は土日も運行されるので、週末土日に交代シーンが見られることになります。平日自由に動けないサラリーマンにはありがたいですね。

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