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2016年1月 9日 (土)

青函トンネル風圧問題解決に向け、貨物新幹線案が再浮上

 今年は元旦から貨物ファン注目のニュースが報じられました。北海道新聞の1面トップに掲載された、以下の記事です。

『貨物新幹線 開発検討』 国交省など20年代実用化

 国土交通省とJR北海道、東日本、貨物の3社などは、コンテナを直接載せる方式で、最高時速200キロで走行できる新幹線仕様の貨物列車を開発し、3月開業の北海道新幹線新青森―新函館北斗間(約149キロ)に走らせる方向で検討を始めた。いわば「貨物新幹線」と言える構想。北海道新幹線の高速化が可能になり同区間の所要時間を18分短縮できる上、貨物輸送のスピードアップにもつながる。積み込むコンテナの左右に「側壁」を設けて対向車両の風圧を防ぐ。新年度以降、車両の開発を急ぎ、2020年代前半の実用化を目指す。

 導入を目指す貨物新幹線は、東北・北海道新幹線で使うE5系、H5系などの車両をベースに開発する。在来の貨物列車は線路幅1067ミリの「狭軌」だが、貨物新幹線は新幹線と同じ同1435ミリの「標準軌」とする。車両幅を広げることで、貨車上の左右に頑丈な側壁を設けることが可能になり、すれ違う際の風圧でコンテナが荷崩れする恐れを大幅に軽減できる

 運行は5トンコンテナを約100個積める20両程度の編成とし、新青森側と新函館北斗側に建設する積み替え基地で、専用クレーンを使って「在来線」「新幹線」双方の貨物列車間でコンテナを積み替える構想だ。

 北海道新幹線は、青函トンネルなど約82キロに及ぶ在来線貨物との共用区間で、貨物の荷崩れ防止などの観点で、最高時速は当面、通常の260キロよりも遅い140キロに制限される。貨物新幹線導入後はこの速度制限も緩和され、新幹線は260キロ、貨物新幹線も従来の110キロより格段に速い200キロで走行できる。

 これにより新幹線の新青森―新函館北斗間の所要時間は最短1時間1分から43分となり、東京―新函館北斗間は開業時の最速4時間2分から3時間44分になる計算。30年度までに予定される札幌延伸時も東京―札幌間を4時間台で結ぶことが確実となる。貨物新幹線もコンテナの積み替え時間を加えても、新青森―新函館北斗間の所要時間が2時間半から1時間40分程度に縮まる

 新青森―新函館北斗間の貨物列車の高速化は05年度から、コンテナを載せた貨車ごと新幹線用車両に載せる「トレイン・オン・トレイン(TOT)方式」が本格的に検討されてきたが、台車部分の重量が大きすぎ、重心も高くなるなどの難点が指摘されていた。新方式の事業費は新幹線仕様の貨車開発や積み替え基地建設費などで800億~1千億円が想定される。

 国交省やJRは、こうした貨物新幹線構想とは別に、北海道新幹線の開業から2年後の18年春から、貨物列車とのすれ違いがない時間帯を設けて、共用区間も時速260キロで走行する最速新幹線を1日1往復だけ導入する方針だ。

また3面には次のような記事もありました。

『旅客・物流 時短に期待』 貨物新幹線 事業費確保が課題

<解説> 国土交通省やJR北海道などが、従来の「トレイン・オン・トレイン(TOT)方式」の検討が行き詰る中、それに代わる新幹線仕様の貨車の開発を検討し始めたのは、北海道新幹線を高速化しようという意欲の表れだ。3月の開業後当面は走行速度が制限されるが、2030年度までに予定される札幌延伸に向けた利便性向上だけでなく、物流面でのプラス効果も期待できる構想で、関係者の期待も高まりそうだ。 国交省関係者によると、新貨車開発はTOT方式の研究が本格化する前にも案としてあったが、コンテナの積み替えにTOT方式より時間がかかるとの懸念から、いったんは選択肢から消えていた。 だが、関係機関があらためて新貨車開発の可能性を検証した結果、在来線の貨物列車を横付けし、1両あたり5個、最大20両のコンテナを一斉に持ち上げて水平移動する大型クレーン施設を整備することで、積み替え時間は20分程度で済むことが分かり、有力案に浮上した

 この貨車が導入され、在来線貨物列車との共用区間がなくなれば北海道新幹線新青森-新函館北斗間の所要時間は18分程度短縮でき、沿線自治体などが求める東京-新函館北斗間の「4時間切り」、東京-札幌間の「5時間切り」も達成できる。  東京-札幌間の貨物列車も、新青森-札幌間を新幹線化すれば、現行で17~19時間の所要時間が4時間半程度短くなり、首都圏に運ばれる道産農産物などの速達性も増す。 ただ、事業費は800億~一千億円とみられ、財源を確保できるかが大きな課題だ。巨額の資金が必要なだけに実現には道民の理解も不可欠で、道や道内経済界を含めたオール北海道の支援体制構築が求められる。(高橋俊樹)

 今回の案、内容的に真新しさはありませんが、国交省とJR3社が合意しているという点は、一歩前進でしょうか。貨物列車の最高速度がなぜ260km/hではなく200km/hなのかについては、技術的な根拠はないと思います。理由は単純で、全国新幹線鉄道整備法第二条において、主たる区間を時速200キロ以上で走行する鉄道を新幹線鉄道と規定しているためでしょう。最高速度が200km/hを超えないと法令上新幹線ではなくなりますから。現時点では260km/hで運行するための検証をしていないので、とりあえず200km/hとしたのでしょう。

しかし、夢は膨らみますね。東北新幹線仙台~盛岡間で運行されている営業列車は、わずかに1時間あたり上下各4本のみです。盛岡以北ではもっと減ります。このため個人的には、貨物新幹線を仙台まで運行してほしいですね。いま既に存在する設備を使うなら、北海道方面からやってきた貨物新幹線は、仙台駅でスイッチバックして、新幹線総合車両センターへの連絡線を通り高架線から地上に降りて、さらにスイッチバックして保線基地(仙台新幹線保線技術センター)へ行けば、在来線の東北本線岩切駅から分岐する仙台レールセンターへの狭軌の線路がすぐ隣まで来ています。2015年現在、仙台新幹線保線技術センターでは、在来線経由で運び込んだロングレールを新幹線軌道側の保線車両に積み込んでおり、現状でも既に一部の線路は荷役の都合で3線軌条化されております。レール以外も荷役できるように改修できるならば、新在連絡線や積み替え設備を建設するために用地買収から始めるよりハードルは低くなりそうです。用地については、保線基地内の線路を整理する以外に、奥の手?もあります。実は、今年4月から始まる新日鐵住金八幡製鉄所からJR東日本向けの150mレールの輸送、JR東日本側の着駅の一つに岩切が指定されているのです。この150mレール輸送が(在来線向けも含めて)本格的に軌道に乗れば、仙台レールセンター内のロングレール溶接設備やレール荷役設備そのものが不要になり、用地確保の目途も立ちます。なお岩切地区に関しては、東北本線東仙台-岩切間の南側に仙台貨物駅(旧 宮城野貨物駅)を移転し、跡地を広域防災拠点に転用する計画があり、買収用地の検討も進んでいます。したがって、もし新在連絡設備を新設するなら、こちらもアリですね。

東北新幹線の軌道は、国鉄時代に開業した大宮-盛岡間は許容軸重17tで建設されていますが、盛岡以北の区間が貨物輸送に耐えられるのかどうかが気になるところです。 今年の夏頃にJR貨物のとある幹部の方とお会いする機会がありに水を向けてみたところ、東北新幹線・北海道新幹線(青函トンネル含む)はすべて許容軸重17tで建設されているので問題ないようです。

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