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2016年3月13日 (日)

◆電気化学工業青海工場◆上部軌道用10tディーゼル機関車

 2016年3月5日土曜日、朝イチでかなりんの特大貨物輸送を撮影後、新幹線で栃木県へと向かいました。この日は、那珂川清流鉄道保存会で保存されている元名鉄8500系気動車が屋外に引き出され、車内にも入れるとのことでしたので、新しいスイッチャーの見物も兼ねて訪問することにしました。那珂川を訪ねるのは、所属クラブの烏山線EV-E301系見学会参加を兼ねて訪問した2014年以来ですから、およそ2年ぶりです。今回は、初めて見た機関車のうちの1両を紹介します。

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 昨年新潟県からやってきたというこの機関車。見るからに坑道用DLですが、それもそのはず。電気化学工業青海工場の石灰石原石採掘現場近辺で使用されていたディーゼル機関車です。原石を工場内へ輸送するための下部軌道ともいえる原石線は既に弊ブログでも紹介していますが、採掘現場側の上部軌道の機関車はこれまでほとんど紹介されたことがありません。いやはや、貴重な車両がやってきたものです。

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正面はこんな感じ。軌間はレール幅762mmのナローゲージです。

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連結器は独特な形状の自動連結器。解放テコを持ち上げると、通常の自連のようにピンが抜ける……のではなく、ナックル自体が動いて切り離せるようになっています。

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 サイドビューは本来遠くから望遠で綺麗に撮りたいところでしたが、駐車してあったクルマが邪魔で近くから広角で撮ることしかできませんでした。広角独特の歪みがありますが、雰囲気はわかるかな?? 車軸配置はB(2軸)です。

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 キャブ側から見てみると、妻面窓とヘッドライトには防護柵が取り付けられています。屋根上に無線アンテナが付いていますが、坑道のような細長い閉鎖空間では誘導無線でないと電波が届かない気がするのですが、このアンテナは空間波無線用っぽいですね、、はてさて。。

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反対側。見たところ車体の外観に関しては、ほぼ左右対称と言えそうです。

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後ろにある軌間1,067mm用のスイッチャー10t半キャブと比較してもひけを取らない大きさ。

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軸箱まわり。

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製造者は、福島に本社のある協三工業です。

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窓ガラスの外側からフラッシュをたくと、キャブ内にあった銘板を読み取ることができました。1971年10月製造、製造番号は10776です。協三工業製機関車の製造番号は、先頭2桁が自重、残りの3桁がシーケンシャルナンバーになっていますので、この機関車は776番目に製造された機関車で、自重は10tということになります。上写真は拡大しますのでご自身の目で確認してみてください。ちなみに、沖田さんの発表された機関車表では1972年製造となっていて製造番号の記載もありません。今回この機関車がサルベージされたことにより詳細データが明らかになったのは幸運といえるでしょう。

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ここで参考までに、同じ協三工業製で製造番号の近い車両を2両紹介しておきます。左は、JR日豊本線南延岡駅連絡の旭化成専用側線で使用されている20t機(車軸配置B)で、製造年は1971年、製造番号は20768です。右は、JR羽越本線羽前水沢駅連絡の水澤化学専用側線で使用されていた30t機(車軸配置B-B)で、製造年は1971年、製造番号は30777です。

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キャブ内にある弁とメーター・スイッチ類。これらもすべて車外からフラッシュ撮影。走行距離を見る限り、あまり使用されていなかったようです。

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キャブ内左手には、工業用サーモメーターと思しき装置が取り付けられていました。

Kseg10b13100120

右側の液柱の目盛は0~100なので温度を指すと思われますが、左側は0~120で目盛の間隔も異なっています。どのような用途に使用するのでしょうか。

●エンジン

 先日那珂川を訪れた方の調査によると、上部軌道用10トン機関車のエンジンは、日野製DS50とのことです。標準馬力は160psとのことですので、過給器やインタークーラーが付いていない限り、概ねその位の馬力と思われます。

●おまけ

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場内では、修復を終えたタ3077の表記類貼り付け作業が行われていました。2軸のタンク車は保存車両を含めても珍しい存在です。昨年10月に津軽鉄道のイベントでタム501が本線走行しましたが、この車両も何らかの形で構内を走行してほしいものです。

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コメント

社長さん、こんばんは~。
私が見慣れた(?)林鉄の運転台と比べると操作機器が少なく広々としたイメージですね。
因みに林鉄の運転席は以下のページに載せてますが機械式変速のためかなり狭いです。
http://nishimiyaushiro.web.fc2.com/haisen/shinshiro/shinshiro_gl.html

自連はグランビー鉱車や立山砂防の人車でも見られるタイプですね。
しかもどこぞの石油基地の専用線並にキャブから解放操作できるとは・・・。

投稿: 西宮後 | 2016年3月16日 (水) 00:12

連結器は日立ウィリソン連絡器ですね。
あと、温度計と言われた物は、単なる燃料計とオイル計じゃないかと思われます。
黒姫山の鉱山は、ベンチカット+縦坑シュートで軌道で出してたんですかね。

投稿: 通りがかり | 2016年3月16日 (水) 20:21

◆西宮後さんこんばんは
連結器の解放テコ、よく見ると仰るように自動解放可能になっていますね。気づきませんでしたcoldsweats01
解放テコを手で動かした際には押し戻す抵抗感があり、手を放すと解放状態を維持できないので、どうしているのかと思っていましたが、そういうことだったのですね。

◆通りがかりさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
燃料計・オイル計は、ひとつ前の写真の丸いメーターがそれです。
「FUEL」「OIL」表記があります。
よくご覧いただければと思います。

投稿: 社長 | 2016年3月16日 (水) 22:11

搭載エンジンが明らかになりましたので追記しました。

投稿: 社長 | 2016年7月21日 (木) 19:06

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