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2016年5月18日 (水)

★台湾★中国石油高雄製油所のスイッチャー(保存)

 2016年のゴールデンウィークは台湾を訪れました。この時期の台湾は梅雨入りも間近ですが、今年は運良く上空に高気圧が居座ってくれたおかげで、8日間滞在中雨に降られたのは電車に乗って移動している間の数時間のみで済みました。目当てはもちろんスイッチャー(車両入換用途の産業用機関車)です。

 往復にLCCを使った関係で、台北(桃園空港)に到着したのは5月1日日曜日の0:55。空港でモバイルWifiルーターをレンタルし、当地での情報収集の手段も確保。日曜日はどうせ貨物列車や専用線は動かないので、保存機巡りを決め込み、高鐵(台湾新幹線)の始発に乗って高雄(Kaohsiung)へと向かいました。MRTの西子湾(Sizihwan)駅で下車し地上に出ると、高雄港駅の廃駅跡に開設された打狗鐵道故事館へ行くことができます。ここには台鉄のSLや客車などの車両が保存されているのですが、2014年4月に日本製のディーゼル機関車が仲間入りしました。

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 保存されたのは、1980年日立製作所製の2軸ボギー機で、メーカー型式:HG-60BBからも分かるとおり、最終動力伝達方式が歯車駆動の、自重60トンのセミセンターキャブの機関車です。中国語の説明板には「(台湾電力)林口発電廠 運煤柴油機車頭」の表題が掲げられていましたが、本記事では最初の納入先に敬意を表し、中油高雄煉油總廠(中国石油高雄製油所)のスイッチャーとさせていただきます。

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 日立の凸型産業用機関車は、2軸ボギー車の場合センターキャブがほとんどで、セミセンターキャブとなると日本国内では常陸多賀(日立製作所専用鉄道)や今は亡き美祢(宇部興産専用側線)の35トンBB、あるいは十勝鉄道(日本甜菜製糖専用側線)の45トンBBなど、数えるほどしかありません。ところが、台湾向けに輸出された機関車にはこのようにセミセンターキャブのタイプが何両もあり、注目に値します。

通常、煙突はキャブかボンネット中央についているものですが、この車両の煙突はボンネット先端に付いています。私は、台湾訪問前にネットでこの機関車の写真を最初に見た時から、この車端部の煙突を疑問に感じていました。煙突の取付位置が車端部に制約されるのは、エンジン排気から火の粉を除去するためのスパークアレスタが車端部に設置されていて、煙突がその上部に伸びているためです。つまりこのスイッチャーは防爆仕様である訳ですが、台湾電力林口発電所は単なる石炭火力発電所ですから、防爆仕様にする必要がありません。なぜ発電所の専用線に防爆仕様のスイッチャーが居るのか? 現地で中国語の説明板を読み納得しました。最初の納入先が精油所ならば、防爆仕様になっていて当然だからです。

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 説明板によると、1980年12月1日に中油高雄に納入後、製油所内の入換に使用され、1993年6月23日に台電林口發電廠に譲渡、2013年12月31日の桃林鉄路運行休止によりお役御免になったとのことです。


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諸元は以下の通りです。

  • エンジン カミンズ社製VTA-1710-L2(680HP/2100rpm) ※HPは英馬力です
  • トランスミッション 新潟コンバーターTDN-22-3501(液体変速機4C-2004内蔵)
  • 燃料タンク容量1,500リットル
  • 自重60トン

なおエンジンは2003年4月9日に三菱重工製の直噴エンジンS6R-PTAに換装され、出力が851HPに向上しているとのことです。なぜ三菱重工のエンジンが採用されたのかについてはよく分かりませんが、改造時の所有者である台湾電力は発電所の建設などで三菱重工の全面協力を受けていますので、そのせいかもしれません。

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キャブ側面にはD-3のプレートが入っていました。Kaohsiunghg60bb05

鋼板溶接固定枕バリの特徴的な日立H台車。さすがに1980年代の機関車になると、平軸受ということはなくコロ軸受ですね。ブレーキシューも両抱き式でシリンダーが片側あたり2個ついています。

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日立製作所の銘板。HITACHI CO.LTD 1980 TOKYO JAPANとあります。日立の産業用ディーゼル機関車を製作しているのは笠戸事業所ですが、輸出の場合は本社名義になるのか、本社所在地の東京を掲出しています。

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