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2016年10月

2016年10月20日 (木)

★福岡市営地下鉄★姪浜車両基地の入換用機関車

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 もう5年前になりますが、2011年10月30日に福岡市交通局姪浜車両基地にて地下鉄フェスタin姪浜が開催され、入換用機関車や保線車両などが展示されました。地下鉄フェスタは毎年七隈線の橋本車両基地にて開催されていますが、5年に1度だけ、ここ姪浜で開催されます。

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姪浜車両基地と言えば、検査車両の入換にバッテリー機関車が使用されてることで知られ、一部のマニアにはホットなスポットです。2011年訪問時は、展示されている他の保線車両とは異なりバッテリー機関車の車両諸元の説明パネルが無かったので職員の方に訊いたところ、いろいろ紆余曲折のうえ、最終的にメーカー納品時のガリ版刷りの資料を拝見することができました。その成果は、鉄道ピクトリアル2012年2月号で発表済みですが、雑誌の方はほかの機関車の諸元とメッシュを揃えるために掲載せず捨てているデータがあるので、この機会に調査したデータを一通り発表しておきましょう。

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■福岡市交通局 車両入換機 (バッテリー機関車)

  • 型  式  :  BL30-MR-SCR-1067
  • 自  重  :  30t
  • 車軸配置 :  B
  • 牽引力  :  定格3,000kg 最大7,500kg
  • 速  度  :  定格14km/h 最大25km/h
  • 車体番号 :  NO4402001
  • 製造年月 :  1980年1月
  • 製造者  :  日本輸送機株式会社
  • 製造番号 :  4402001
  • 全  長  :  8,000mm(連結面間)
  • 全  幅  :  2,750mm
  • 全  高  :  3,600mm(ライト含む)
  • 最少曲線半径:40m
  • 主電動機出力:62kW(全閉型)×2個 (端子電圧224V)
  • 制御方式 :  回生ブレーキ付サイリスタチョッパ制御
  • 蓄電池  :  VCI-9C 鉛蓄電池 (240V)
  • 蓄電池容量: 612Ah/5hr × 2(前後のボンネット内に各1個ずつの意)
  • 蓄電池電槽数:120個 × 2並列
  • 充電器電源:  三相交流440V60Hz
  • 充電時間 :  8時間

※独自調査による。無断引用・転載禁止。

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また一際目を惹いたのがこちら。東京メトロより譲渡されたモータカーです。東京メトロでは何かの測定用に使用されていたらしいとのことでしたが、福岡市営地下鉄ではバラストトロッコの牽引など専ら機関車として使用されているそうです。

  • 全 長 : 8.3m
  • 全 幅 : 2.76m
  • 全 高 : 3.85m
  • 自 重 : 22t
  • 機関出力: 272ps
  • 型 式 : MR1551
  • 製造者 : 松山重車輛工業
  • 製造年月: 1996年(平成8年)3月
  • 製造番号: 102427

※この車両は2013年に新型軌道モータカーによってリプレイスされ、現存しません。

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いっぽうこちらは、車両入換機と同じニチユ製の蓄電池駆動の電気測定機です。

  • 全 長 : 8,000mm
  • 全 幅 : 2,600mm
  • 全 高 : 4,100mm
  • 自 重 : 約13t
  • 主電動機出力:14kW ×2台
  • 走行速度: 最高35km/h(単車)、最高6km/h(作業台運転)
  • 主な検測機器:ATC受信機、ATO送受信機、列車無線送受信機、データ無線送受信機
  • 製造者 : 日本輸送機
  • 製造年月: 2005年3月
  • 製造番号: 不明(製造番号位置に刻印無し)
            ただし銘板右下端に12403 00060の陰刻あり

他にも保線車両は展示されていましたが、すべて紹介すると訪問する楽しみが減るのでこの辺で。今年も10月23日に開催される予定です。

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2016年10月16日 (日)

■EF200形901号機■日立製作所水戸事業所へ

 運用から離脱しJR貨物吹田機関区に留置されていたEF200形電気機関車の試作車である901号機が、2016年10月6日から16日にかけて、吹田貨物ターミナルから常磐線の日立駅まで輸送されました。日立駅からはトレーラーに載せ替えられ、日立製作所水戸事業所内へ搬入されることになっています。今年のイベントでED78保存に関わったOBの方がEF200を持ってきたいと仰っていたので、いつか来るのだろうと思っていましたが、想像以上に早く、驚いています。

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EF200形は出力6,000kWを誇る日本最強の機関車で、主に東海道・山陽本線の高速コンテナ貨物列車の牽引に活躍してきました。しかし、バブル崩壊に伴う輸送量の減少と変電所容量の問題から、試作車である901号機を含む全機が出力を落として運用されており、晩年は低速の専用貨物列車や甲種輸送列車などにも使用されるようになっていました。

上写真は、2015年7月20日に東淀川で撮影した901号機牽引の2077列車です。所定では吹田機関区のEF210でしたが、なぜかEF200-901に差し替えられてきました。901号機と量産型の見分けポイントは、屋上の集電装置の間に並んだ箱型の機器類の高さの違い(901号機の方が高い)や、運転台屋根上のRの違い(901号機が平らなのに対して量産型の方が丸みを帯びている)などです。こちらの量産型の写真と、上の写真を、よく見比べてみてください。

●吹田タ→日立の輸送

 EF200-901は、吹田タから稲沢までは10月6日発の8864列車で、稲沢から新鶴見(信)までは10月12日発の5090列車で、いずれも牽引機関車の次位に連結され無動力回送されました。

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新鶴見(信)から日立までは、回送ではなく、甲種鉄道車両輸送として扱われました。

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10月14日に新鶴見機関区で川崎車両所塩浜派出手配の要員により特殊貨物検査が実施されています。甲種鉄道車両輸送の輸送番号は甲151だったようです。

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新鶴見(信)からの輸送は10月15日に水戸まで、16日に水戸から日立まで実施されました。

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当初は新鶴見(信)を正午頃に発車するということしかわかりませんでしたが、DE10の最高速度は85km/hのため、10分毎に運行されている武蔵野線の電車と並行ダイヤを組むことは不可能で、途中の貨物駅(おそらく新座タと越谷タ)で運転停車すると踏んで、追いかけました。

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沿線には鉄道マニアが多く見られましたが適度に分散していたので混乱はありませんでした。

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こちらは藤代。2016年現在では貨物扱いの無い駅ですが、中線があるため旅客列車の待避が可能です。

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後追い。

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30分ほど停車するので電車で先回り&タクシーで陸橋へ。夕暮れの常磐線を下ります。

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駅へ戻り後続列車で羽鳥へ。ここでも長時間停車するので、

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駅外に出て発車を見送りました。製造元への里帰りとなる甲種輸送が土曜日に実施されたことに感謝したいですね。平日だと追いかけるのは到底不可能でしたので…。

●なぜ日立駅?

 日立製作所水戸事業所は、以前の記事で紹介したようにかつて勝田駅に連絡する専用鉄道を擁していましたが、現在では事業所内の線路がかなり剥がされており、オンレールでの輸送ができません。EF200-901が、最終目的地の最寄である勝田駅を通り過ぎ、日立駅まで行ってからトレーラーに載せられて戻ってくるのはそのためです。また牽引する機関車が、EH500形交直両用電気機関車ではなくDE10形ディーゼル機関車になる理由は、日立駅構内でEF200-901をトレーラーに載せるためにクレーンで吊り上げる必要があり、入換用ディーゼル機関車の配置されていない日立駅で、架線の無い荷役線にEF200を押し込む必要があるためと思われます。

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 日立駅では、普段貨物列車が荷役する線路はフォークリフトがコンテナを積み下ろしする場所ギリギリまで架線が張られ、電気機関車でコキ車を押し込むことができるようになっています。しかしクレーンで持ち上げるとなると、電気機関車が押し込める範囲では架線が近すぎて危険なのでしょう。このあたりの事情は、常陸多賀発着の特大貨物列車の牽引機が、常陸多賀駅構内の非電化側線での入換が必要なためにDE10になっているのと似ていますね。

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2016年10月10日 (月)

【くろがね線を読み解く】第241回■150mレール輸送列車 東鷲宮行き

 鷲宮保守基地は、JR東北本線東鷲宮駅に隣接する東北新幹線用の保線基地である。東北新幹線で使用されるレールは、鷲宮保守基地内にある大宮新幹線保線技術センターまで在来線経由で貨車で運ばれてくるが、前回の記事で述べたとおり、2016年度より、レールの発送元がJR東日本東京レールセンター(越中島貨物駅)からY製鐵所(黒崎駅)へと切り替えられた。

鷲宮保守基地は、東北新幹線開業30周年を迎えた2012年より、毎年鉄道の日に合わせて10月に一般公開を行っている。例年は10月中旬に開催されることが多かったが、2016年はY製鐵所からの150m長尺レールの到着が10月上旬に控えているためか、10月1日(土)と早めに開催された。大宮新幹線保線技術センターのレール取り卸し設備は、敷地外からは綺麗に見えないため、観察するには一般公開が絶好の機会となる。

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 早速訪れてみると、今年1月に観察した時と比較して、門型クレーン6基がすべて新しいものに交換されていることに気付いた。職員に訊いてみると、Y製鐵所からの150mレール搬入に備えて従来のクレーン(新旧各3基)をすべてリプレイスしたとのこと。もちろん最新型なので、一人で6基を同時に制御(同期制御)もできるし、個別制御も可能とのこと。自慢の新型クレーンは、奥の高架線を走る東北本線上り線の車内からも、よく見える。

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在来線(軌間1,067mm)の線路を走行する貨車入換用の軌道モータカーも、従来のTMC200C(一番右端)に、新たな仲間が2両が加わった。一番左は新潟トランシス製TMC400Bで、2008年頃よりJR東日本の保線基地に大増殖しているタイプである。真ん中の東北新幹線E5系のような塗装の機種は、富士重工製TMC400Aで、TMC400Bが登場する前に主にJR東日本管内の各地の保線基地にいたタイプである。いずれも、後位側にクレーンなどの装備はなく、入換動車のようなスタイルである。

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前回の記事で詳細をお伝えできなかったTMC200C。車体表記によると、諸元は以下の通りであった。

  • 型  式 : TMC200C
  • 製造年月: 1976年(昭和51年)2月
  • 製造所 : 富士重工
  • 製造番号: 695
  • 管理番号: 51  02-6078
                08-16

水平線では荷重160tを45km/hで、10‰では110tを20km/hで、25‰では60tを15km/hで牽引可能である。

 このように、大宮新幹線保線技術センターは、レールを積んだチキ車を入れ換えるための軌道モータカーと、レールを取り卸すためのクレーンを更新し、150mレール受入態勢を整えていた。

●黒崎発東鷲宮行き150m長尺レール輸送列車、ようやく運転

 2016年10月3日月曜日、黒崎駅を10:45に170列車として発車したのは、JR東北本線東鷲宮行きの150mレール輸送列車であった。北九州貨物ターミナルからは8090列車として山陽本線・東海道本線を東進し、10月4日に相模貨物駅着。翌日10月5日水曜日に8075列車に継送され(実質的には列車番号と牽引する機関車が変わるだけだが)、レールを積んだチキ車9両編成は、相模貨物駅から東鷲宮駅まで予定通り運転された。この日は午前中に所用があり、午後から東北本線沿線に向かったのだが、人身事故の影響で京浜東北線・東北本線共に遅れており、予定していた与野周辺での撮影は叶わなかった。

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仕方なく、大宮操の見えるさいたま新都心駅のホームで待っていると、東北貨物線の一番奥の下り線に8075レが姿を現した。

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線路や架線柱がいっぱいであまり綺麗ではないが、一目で大宮操と分かる絵図となった。ここでおよそ1時間停車するので、その時間を利用して東鷲宮へ……ではなく一駅手前の久喜へ先回りする。久喜で下車するのは、駅前のレンタサイクルを借りて移動手段を確保するためである。東鷲宮の入換は、ELがチキ車を押し込んでから軌道モータカーが引き取りに来るまでの時間がかなりタイトなので、徒歩移動では両方撮れない可能性があるのだ。

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8075レの本線走行を久喜-東鷲宮間で撮影し、すぐに追いかける。

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すると、東鷲宮駅の下り副本線で停車中の8075レに追いつくことができた。入換の準備中で、無線で交信しているようだ。

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少し時間があったので編成最後尾にも移動してみた。

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ほどなくチキ車の先頭に操車掛が乗り込み、EL推進で上り本線をアンダークロスしていく。進路表示器が「E」と「2」を現示している。□で囲まれた方がfrom、そうでない方がtoを表しており、2番線から授受線への入換進路が構成されていることを示している。

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ELによる推進入換。運転士が窓から顔を出して進行方向を確認しているのが分かる。

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すぐに自転車で地下道をアンダーパスして反対側の神社に廻り込むと、重連で待機する軌道モータカーを見ることができた。2016年5月までは、東鷲宮工臨の受け取りは、大宮新幹線保線技術センター所属の軌道モータカーTMC200Cが1両で実施していたが、150mレールチキ9両編成は、東鉄工業所属のTMC400B(左)とTMC400A(右)の重連で実施するようである。ちなみにこの撮影場所の神社の名前は「八幡神社」という。つくづく「八幡」に縁があるらしい。

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重連でチキ9車を引き取る。

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重連同士は単純にBPのホースのみ接続されており、貨車を含め貫通ブレーキの制御は可能だが、重連機関車のみでの単独ブレーキやエンジンの総括制御はできない。このため、両方の機関車に運転士が乗務していた。

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重連でゆっくりとクレーンのある方へ向かっていく。

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その速度は、くろがね線の最も低速な区間とほぼ同じ、人が歩くほどの速度であった。

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冒頭で紹介した新型クレーンの下に入り込んで停車したチキ車。はるばる九州からの長旅が終わった。この日は荷卸し作業は行わず、ほとんどのスタッフは車で帰ってしまった。残ったスタッフが外に出てきたので聞き込みを行ったところ、荷卸しは到着翌日、空車の発送はその翌日とのことで、実車到着から空車発送までの行程は、以前報告した岩切の仙台レールセンターとほぼ同じスケジュールであることが分かった。次の運転がいつになるのか分からないが、貴重な東鷲宮行き一番列車を記録することができたのは幸運であった。

●おまけ

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 今年の鷲宮保守基地公開では、新幹線用軌道モータカーの牽引するトロッコに乗り、保守基地から連絡線を通って東北新幹線との合流部分まで行くことができた。なかなか面白いアトラクションである。車両基地公開イベントで軌道モータカーに乗れる企画はよくあるが、トロッコに乗って新幹線を見に行けるというのは何とも夢のあるハナシ。

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高架線の連絡線をゆっくり走りながら、前方に東北新幹線の軌道が見えた時には感動した。しかもちゃんとE2系下りやまびこ号が通過するまで折り返すのを待ってくれるという、サービス精神旺盛ぶり。日本全国に保守基地は数あれど、ここまでユーザーフレンドリーな企画も珍しいのではないだろうか。

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トロッコ牽引に使用されたのは、軌間1,435mmの新幹線用の軌道モータカーで、車体表記によると諸元は以下の通りである。

  • 記号番号 : MO-108
  • 型  式  : TMC501F
  • 製造年月 : 2005年(平成17年)2月
  • 製造所  : 新潟トランシス
  • 製造番号 : 161
  • ユニオン建設機械番号:U0501-108

水平線では荷重450tを40km/hで、10‰では250tを14km/hで、25‰では200tを5km/hで牽引可能と、かなりの力持ちだ。さすがは新幹線用。また単行での最高速度は70km/hとのことで、イカロス出版「トクターイエロー&East-i 新幹線事業用車両徹底ガイド」に収録されている富田松雄氏執筆の特集記事によると、確認車代用としても使用可能とのこと(確認車とは、深夜の保守作業が終わった後、始発の新幹線が走行する前に、本線上を70~100km/hで高速走行して安全を確認するための専用の軌道モータカーである)。新幹線用の保線用車や軌道モータカーは謎が多いだけに、スペックや用途が明らかになるのは喜ばしいことだ。

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2016年10月 4日 (火)

【くろがね線を読み解く】第240回■JR東日本大宮新幹線保線技術センター(東鷲宮工臨)

 JR東日本の東北新幹線の保線基地の一つである鷲宮保守基地の敷地内に、在来線経由で運んできた新幹線用のレールを取り卸すための拠点「大宮新幹線保線技術センター」がある。2015年度までは、レールは越中島貨物駅から臨時工事列車によりセンター隣接の東鷲宮駅まで輸送されていた(通称:東鷲宮工臨)。搬入されたレールは、新幹線の標準軌の線路を走行可能な保守用車に載せ替えられ、列車の運行されない夜間に鷲宮信号場(東北新幹線から鷲宮保守基地への線路が分岐する箇所)から新幹線の本線へと出て、敷設する現場へと運ばれていた。

ところが2016年度に入ると、Y製鐵所製の150mレールの納入先がJR東日本にも拡大され、レール輸送列車の着駅の一つとして東鷲宮が設定された。この動きに呼応するように、2016年5月10日の発送を最後に東鷲宮工臨の運転はピタリと止まっている。しかし、2016年9月現在、150mレール輸送列車の東鷲宮行きはまだ一度も運転されていない。そこで今回は、運転前に東鷲宮の入換作業に関する予備知識をまとめるため、2015年度に運行された東鷲宮工臨と到着後の入換を紹介する。

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■越中島貨物発東鷲宮行きレール工臨。この日はEF81 95がロンチキ5両を牽引した。   2016年1月某日、久喜

東鷲宮工臨は、主に新幹線用の75m長尺レールを、ロングレール輸送用チキ5500形5両編成に積載して輸送するのが特徴である(もちろんチキ6000形などによる定尺レール輸送の時もある)。レールは、大宮新幹線保線技術センター内にある門型クレーンで取り卸すため、敷設現場で取り卸す際に必要となる編成両端のエプロン車は不要で、かつレールの長さを考慮し中間車数両をも切り離した独特の編成となる。JR西日本やJR九州のように、長尺レール輸送専用のチキ編成を保有しないJR東日本ならではの組成といえる。

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東鷲宮工臨は、駅の南側に設けられた副本線に到着する。その後、ELが入換扱いでチキ車を推進しながら上り本線をアンダークロスして、鷲宮保守基地の授受線まで押し込んでいく。

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こちらが、授受線に押し込まれたチキ車5両編成。この場所から先は鷲宮保守基地の管理下となり、鷲宮保守基地に常駐している軌道モータカーがクレーン直下まで入換を行う。

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鷲宮保守基地で在来線のチキ車の入換を担当するのは、大宮新幹線保線技術センター所属の軌道モータカーで、富士重工製のTMC200Cであった。余所のレールセンターや保線基地を見る限り、150mレールを積んだチキ車9両編成をTMC200Cが単独1両で牽引することはできないため、150mレール受け入れにあたり新型へのリプレイスが想定される。

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バラストホッパーの下を潜り抜けて門型クレーンのある場所へ向かう。この線路は新幹線側のレール輸送用保線車両も走行できるよう、軌間1,067mmと1,435mmの3線区間となっている。

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この日の工臨の特大貨物検査票には次のように記載されていた。

  • 輸送番号 大宮=6
  • 最大長   60K × 75M × 14本
  • 貨物下面
    と軌条面  東鷲宮
    との間隔  チキ5車
  • 検査    28年1月25日 千葉機関区

大宮新幹線保線技術センターでのレール取り卸し作業は、東鷲宮工臨到着後当日中にすぐに実施され、レールの量にもよるがこの日は75mレール14本の取り卸しが16時前にはすべて完了した。取り卸しに使用される門型クレーンは、2016年1月時点で旧型3基、新型3基の合計6基あった。各クレーン毎に有線のリモコンがぶら下がり、地上にいるスタッフが操作をしていた。当時はクレーン同士の同期制御は不可のようで、リモコンを持ったスタッフ同士が掛け声で合図しながら作業を行っていた。こちらも軌道モータカー同様、150mレールの円滑な取り卸しを実現するため、すべて新しいクレーンにリプレイスされると想定される。

150mレールの受入開始したら、ぜひまた訪れてみようと思う。

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