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2017年4月 9日 (日)

★下関貨物駅のスイッチャー★DB500形1号機の入換

 2016年秋のスイッチャー界最大の話題は、JR貨物が小規模貨物駅向けの小型ディーゼル機関車(入換動車)を導入したことでしょうか。配置駅は下関貨物です。下関は、私が日頃鉄道趣味のテリトリーとしている北九州市内からも海峡隔ててすぐの場所ですから、周遊プランに組み込むにも都合が良いです。本稼働開始日となる2017年3月4日のダイヤ改正当日に、早速訪問してきました。(試運転は2016年秋頃から実施されています)

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 2017年3月のダイヤ改正で、下関発着の貨物列車の時刻に大きな変化はありませんでしたが、幡生操から直通してくるDE10形ディーゼル機関車の牽引する列車が電気機関車に置き換えられ、DL牽引列車が消滅しています。とはいえそれ以外の列車は元からEL牽引でしたので、下関駅から下関貨物駅までの通路線(上写真)と着発線は改正前から電化されており、地上設備に特に変化はありません。

列車は3往復あり、下関貨物着時刻を基準に以下の通りです。

  •  9:43着 81レ(幡生操 9:32発)
  • 10:46着 83レ(幡生操10:37発)
  • 11:04着 71レ(広島タ 5:16発)

83レは月曜運休で、私が訪問した土日も土曜は運休でしたが、それ以外は概ね土日でも運転されるようです。71レは10両以上の長い編成となりますが、81レは6両程度、83レは2両と短いです。入換は到着後すぐに実施されますが、発車前の入換は発車時刻と連動しないため、入換で動く時刻を先読みできません。というわけで、スイッチャー狙いなら到着後を狙うのがセオリーです。

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下関貨物に配置され、ダイヤ改正から稼働開始したのは、DB500形ディーゼル機関車です。500番台は液体式ディーゼル機関車に付与される番号帯です。ちなみに、100番台は電気式ディーゼル機関車の直流電動機装備車、200番台が交流電動機装備車(DF200が好例)、300番台がその他電動機装備車、500~700番台が液体式と規定されています。

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貨物列車が到着すると、単機で貨物駅から出てきたDB500は、スイッチバックして着発線にいるコキ車を受け取りに行きます。その途中で、牽引機のEF210-303とすれ違いました。

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コキ6車を率いて引上げ線へ移動するDB500-1.力行時も音は非常に静かです。

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東側の引上げ線へ入線するDB500.線路の反対側に下関運転所(現 下関総合車両所運用検修センター)があり、山陰本線で使用されているキハ40系の入庫姿も見られました。

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スイッチバックしたDB500は、荷役線へとコキ車を押し込みます。奥には、宇部線用でしょうか、クモハ123+105系の編成も見えますね。この日は構内でコキ50000系貨車の廃車解体作業が行われており、大きなクレーンも見られました。

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屋根のあるコンテナホームまで押し込んで、作業終了。あっけないですね。かつては保冷倉庫へ向かう専用線が四方に伸びて臨港線の雰囲気溢れる下関貨物駅でしたが、現在では西大分並みにシンプルな貨物駅になってしまいました。

●DB500形ディーゼル機関車

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 JR貨物DB500形ディーゼル機関車は、2016年10月に北陸重機工業で製作された、自重25トン、車軸配置Bの液体式ディーゼル機関車です。車体の片側に、エンジンの格納されたボンネットがあり、反対側にキャブが寄せられたL型のスタイルです。キャブの乗降扉は、両側面に1か所ずつか、或いはキャブからボンネット脇のランボードに出る部分のいずれかを選択することができる設計で、DB500形では後者に乗降扉が設けられています。同じ時期に、しなの鉄道坂城駅のJX日鉱日石専用側線の入換用として導入されたDB25-1がほぼ同じスタイルをしていて、同型機と呼べるかもしれません(ステップ取付位置や形状など細部は異なる)。

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車体には前位側、後位側ともに立派なナンバープレートが取り付けられ、真っ赤なボディに白帯も入り、HD300形ハイブリッド式ディーゼル機関車にも似た風格があります。後位側は窓も大きく、特に妻面向かって左下の窓が一際大きいです。これは、着席した運転士から連結部が見易いよう配慮された設計です(キャブ内にある運転台は公式側に着席するように配置されているため)。なお、キャブ側面に手すりとステップが付いていますが、地上から登ってもそこには扉が存在せず、キャブの中に入ることはできません(笑) 今後登場するモデルでは、キャブ側面に乗降扉が付いたタイプも登場するかもしれませんね。

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キャブの側面には様々な情報が記載されています。配置は門司機関区で、最高速度は25km/h。換算は50ですから、最大500tの貨車を牽引することができます。注目は台枠部に「SF」の表記がある通り、ATS-SF型を装備しているということでしょうか。ATS-SFは、絶対信号機直下を冒進した場合に、たとえ入換運転であっても強制的に非常ブレーキがかかる仕組みで、JR貨物の機関車に装備されています(もちろんJR旅客会社各社のATS(ATS-SNやSW)もこの機能は含有していますが)。通常、貨物駅構内や車両工場内、専用線の入換機関車にATSは不要ですが、これは絶対信号機のない線路にしか入線しないか、または入換時に駅構内を線路閉鎖しているためです。ですから、中央本線竜王駅や日豊本線西大分駅などで、ATSを装備しない入換動車が本線を横断して入換していても、何ら不思議はないわけです。しかし、絶対信号機を使用して本線を横断したり着発線に直接入線する場合には、たとえ入換動車であってもATSが必要になります。下関貨物の入換は、まさに後者に該当するわけです。今後、このDB500がほかの駅向けに増備されていくのか、興味深いですね。

<注>絶対信号機とは、停車場内に設けられている、出発信号機、場内信号機、入換信号機のことです。

■2017年9月28日追記 DB500の性能詳細が明らかに

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 R&M 2017年5月号(一般社団法人 日本鉄道車両機械技術協会発行)に、JR貨物車両部技術開発室 西村敏治氏による「DB500形式内燃機関車の開発」と題した記事が掲載されています。性能やATS搭載の経緯にまで言及した記事は、2017年9月現在まだ鉄道雑誌には発表されていないので、貴重です。本記事によると、DB500形ディーゼル機関車の諸元は、以下の通りです。

  • 運転整備重量 : 26.9t(軸重:13.45t)
  • 軸配置方式  : A-A
  • 最大牽引力  : 66kN
  • 最高運転速度 : 25km/h(設計最高速度40km/h)
  • 車 体 長   : 7,650mm
  • 車 体 幅   : 2,824mm
  • 車 体 高   : 3,670mm
  • 軸ばね方式  : 板ばね式
  • 動力伝達方式: 液体変速機、減速機
  • 機   関   : 直接噴射式水冷4サイクル直列6気筒
    連続定格出力: 250PS(184kW)/2,000rpm×1基
  • ブレーキ方式: 自動空気ブレーキ
    踏面ブレーキ: 基礎ブレーキ装置(片押し式)
    留置ブレーキ: ばね作動式
  • 運転保安装置: ATS-SF、EB装置
  • そ の 他  : 入換速度制限機能

DB500形は、入換動車とはいえ「機械」ではなくれっきとした「鉄道車両」として製造されています。車軸配置がA-Aとなっていますが実車を見る限りBですので、この点は謎です。変速機は、低速/高速の2段自動変速です。記事掲載の主要機器配置図を見ると、エンジンからの排気が煙突に至るルート上に火粉除去装置(スパークアレスタ)が設けられているため、製油所内でも使用可能な防爆仕様ということになります。先述の坂城駅配置の同型機DB25-1が油層所内で使用されていることを考えると、外観に違いはあれど内部的には共通設計と思われます。ATSについては、以下のように説明されています。

下関駅構内における入換作業は操車による誘導で行うため、自動列車停止装置(ATS装置)は使用しませんが、定期検査や給油作業に際して、西日本旅客鉄道株式会社下関総合車両所運用検修センターへ入出区を行うことがあります。入出区の一部を入換信号機により行うことから、ATS-SF車上装置及びEB装置を搭載しています

下関総合車両所運用検修センター内は、電車や気動車の入換に入換信号機を使用しています。入換信号機は絶対信号機ですので、ATS-SFが必要になるわけですね。真相が判明しスッキリしました(笑)

●おまけ

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下関貨物で行われていたコキ50000系の解体作業、訪問時はちょうど台車をトラックに積むところでした。

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東海道・山陽本線の営業列車はもうコキ100系で統一されているので、コキ50000系が走ることはそうそうないと思いますが、車票と列車指定表示票を見ると、このコキ50855は新潟貨物ターミナルからはるばる回送されてきたようです。たしかに、いまどきコキ50000系なんて日本海縦貫線でしか見ませんものね。

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